NHK「坂の上の雲」に学識者ら要望
学識者らでつくる「坂の上の雲」放送を考える全国ネットワークは26日、NHKで29日から放送されるドラマ「坂の上の雲」に関して、司馬遼太郎氏の原作小説には「重大な歴史認識の誤り」があるとして、視聴者に事実との違いを伝える措置を講じるよう要望した。_ 同ネットワークは、最近の研究では「当時、ロシアが日本を侵略しようとしていたことを示す歴史的事実は無い」とし、日露戦争は「祖国防衛戦争」だったとの司馬氏の認識は誤りだと指摘。著作権に配慮した上で訂正や補足を行うか、ドラマ放送期間中に日清・日露戦争の経緯の検証番組を放送することなどを求めた。(2009/11/26-18:45)
時事ドットコム(http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009112600874)
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NHKのドラマ「坂の上の雲」第1回を見た。なかなか良いできだと思いました。明治維新から初めて世界というものを知ってしまった日本国が右も左も判らずがむしゃらに生きた時代に日清日露の戦争を経験して西欧文明国に国家として認められるに至った時代を軍人の秋山兄弟と詩人の正岡子規を中心に描いた快作です。司馬史観(明治の元勲の時代は良いが、昭和初年代から日本は駄目になった)を批判する人達(ずっと駄目派、ずっと良い派)もいますが、私は本小説は日本人必読の書だと思っています。それは学生時代に善悪の道徳観の入った日本史の授業が大嫌い(世界史には善悪の道徳観はない)だったから日本の歴史に大人になるまで興味を持てなかったのですが、躍動する明治の人達を描いた司馬氏の小説を読んでから私は日本史が大好きになったという経緯があるからです。
愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶと言いますが、私が上記の連中を三流学者と呼ぶのはこの人達が一流ならばドラマに茶々など入れずに、自分たちの専門である歴史に基づいて現在の民主党政権に今後日本国が取るべき適確な外交の道を説くのがこの人達の本来やるべきことだからです。中国でも諸外国でも古来歴史家というのは為政者に適確な知恵を授ける役目をしていたものです。後知恵で批判をする、この歴史解釈は誤りだなどというのは我々素人でも床屋談義でできることです。この学者達が明治の時代に生きていて、ロシアが日本を侵略しようとする意図はないと明言できる知能があったと言うならば良しとしましょう。しかし当時の日本人はロシアの南下政策で日本も危ないと真剣に思ってしまったから国家存亡の大ばくちで戦争を行ったのです。そこには老獪な英国にのせられて代理戦争をさせられてしまった、という面も後知恵で考えればあるでしょうが、当時はそこまで考えられず、真剣にロシアと戦ったのだと言えます。だからドラマでは当時の日本人達が必死に考えた結果このようになったのだという真実を描けばよいのであり、上から目線で本当はこうだったのにバカだねえといったくだらない価値観の入った描き方をしたら本当に描きたいことが台なしになってしまいます。我々はドラマの中でお前達のくだらない意見など聞きたくもない!所詮三流学者達にはその程度のことも理解はできないでしょうが。
この小説を実際に読んだ人は判るでしょうが、この長編小説が戦争を扱っているといっても実際の戦闘場面というのはそれほど出てこない。勿論物語の主軸となる奉天の会戦や日本海海戦は詳しく描かれますが物語の分量からいえば僅かと言えるでしょう。物語の大半は戦争を背景にした人間の生きようや社会の姿に費やされていて、それがこの小説を素晴らしい文学作品に押し上げていると言えます。ドラマ化にあたって司馬氏は戦争賛美に取られることを危惧したと言われていますが、原作も読まずに「日本が勝ったとされる日清日露戦争を扱った作品」というだけでアレルギー反応を起こすような低能が戦後量産されてしまったことが本当の問題だと思われます。NHKがドラマ化すると聞いて変な歴史観に染まったくだらない作品にならなければ良いがと私の方が危惧していたのですが、第1回を見る限りでは安心して見れそうです。主人公達の表情も良く(垢抜けすぎか)、精緻なCGを駆使した画面など、どうかこのまま原作の思想に忠実に子供たちにも是非見なさいと言えるような素晴らしいドラマを作り上げて欲しいと思います。
学識者らでつくる「坂の上の雲」放送を考える全国ネットワークは26日、NHKで29日から放送されるドラマ「坂の上の雲」に関して、司馬遼太郎氏の原作小説には「重大な歴史認識の誤り」があるとして、視聴者に事実との違いを伝える措置を講じるよう要望した。_ 同ネットワークは、最近の研究では「当時、ロシアが日本を侵略しようとしていたことを示す歴史的事実は無い」とし、日露戦争は「祖国防衛戦争」だったとの司馬氏の認識は誤りだと指摘。著作権に配慮した上で訂正や補足を行うか、ドラマ放送期間中に日清・日露戦争の経緯の検証番組を放送することなどを求めた。(2009/11/26-18:45)
時事ドットコム(http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009112600874)
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NHKのドラマ「坂の上の雲」第1回を見た。なかなか良いできだと思いました。明治維新から初めて世界というものを知ってしまった日本国が右も左も判らずがむしゃらに生きた時代に日清日露の戦争を経験して西欧文明国に国家として認められるに至った時代を軍人の秋山兄弟と詩人の正岡子規を中心に描いた快作です。司馬史観(明治の元勲の時代は良いが、昭和初年代から日本は駄目になった)を批判する人達(ずっと駄目派、ずっと良い派)もいますが、私は本小説は日本人必読の書だと思っています。それは学生時代に善悪の道徳観の入った日本史の授業が大嫌い(世界史には善悪の道徳観はない)だったから日本の歴史に大人になるまで興味を持てなかったのですが、躍動する明治の人達を描いた司馬氏の小説を読んでから私は日本史が大好きになったという経緯があるからです。
愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶと言いますが、私が上記の連中を三流学者と呼ぶのはこの人達が一流ならばドラマに茶々など入れずに、自分たちの専門である歴史に基づいて現在の民主党政権に今後日本国が取るべき適確な外交の道を説くのがこの人達の本来やるべきことだからです。中国でも諸外国でも古来歴史家というのは為政者に適確な知恵を授ける役目をしていたものです。後知恵で批判をする、この歴史解釈は誤りだなどというのは我々素人でも床屋談義でできることです。この学者達が明治の時代に生きていて、ロシアが日本を侵略しようとする意図はないと明言できる知能があったと言うならば良しとしましょう。しかし当時の日本人はロシアの南下政策で日本も危ないと真剣に思ってしまったから国家存亡の大ばくちで戦争を行ったのです。そこには老獪な英国にのせられて代理戦争をさせられてしまった、という面も後知恵で考えればあるでしょうが、当時はそこまで考えられず、真剣にロシアと戦ったのだと言えます。だからドラマでは当時の日本人達が必死に考えた結果このようになったのだという真実を描けばよいのであり、上から目線で本当はこうだったのにバカだねえといったくだらない価値観の入った描き方をしたら本当に描きたいことが台なしになってしまいます。我々はドラマの中でお前達のくだらない意見など聞きたくもない!所詮三流学者達にはその程度のことも理解はできないでしょうが。
この小説を実際に読んだ人は判るでしょうが、この長編小説が戦争を扱っているといっても実際の戦闘場面というのはそれほど出てこない。勿論物語の主軸となる奉天の会戦や日本海海戦は詳しく描かれますが物語の分量からいえば僅かと言えるでしょう。物語の大半は戦争を背景にした人間の生きようや社会の姿に費やされていて、それがこの小説を素晴らしい文学作品に押し上げていると言えます。ドラマ化にあたって司馬氏は戦争賛美に取られることを危惧したと言われていますが、原作も読まずに「日本が勝ったとされる日清日露戦争を扱った作品」というだけでアレルギー反応を起こすような低能が戦後量産されてしまったことが本当の問題だと思われます。NHKがドラマ化すると聞いて変な歴史観に染まったくだらない作品にならなければ良いがと私の方が危惧していたのですが、第1回を見る限りでは安心して見れそうです。主人公達の表情も良く(垢抜けすぎか)、精緻なCGを駆使した画面など、どうかこのまま原作の思想に忠実に子供たちにも是非見なさいと言えるような素晴らしいドラマを作り上げて欲しいと思います。