gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/reuters/world/reuters-20220322010
ゼレンスキー大統領は今頃になってロシアの休戦協定に関する条件を飲むには「国民投票による議決が必要」などと言いだしています。平時において「戦争をしてでもNATOに加盟する必要があるか」を国民投票で決めるなら解りますが、自分で勝手に「ロシアとの全面戦争を選択」しておいて止める段になって国民投票(戦争中は無理だろう)とはふざけるにも程があります。政治経験皆無であった役者ゼレンスキーは「米国NATOと世界経済フォーラム、そして巨大財閥が付いているから、振付通り演じていれば良い。」とだけ言われてその通りしていたが、プーチンが本気を出してウクライナ国民も数百万人が家や生活を失い、世界が戦争に巻き込まれる段になって初めて自分の愚かさに気づき、もう自分では責任も取れないと思い知ったのでしょう。財閥の領袖達は金を持って逃げ出し、命令していたNATOや外国勢は「一緒に戦争などできません」と梯子を外したのですから、「あとは誰か(国民が)決めてくれ」と投げ出したということでしょう。ここでウクライナにおける知られざるNATOのプレゼンスについて以下にまとめます。ここまで介入されていたらゼレンスキー氏も何とかしてくれると当てにしていたのも解る気がします。
I. ウクライナにおけるNATOの知られざるプレゼンス
ロシア軍は秘密兵器ともいえる極超音速ミサイルを使用して、ウクライナ西部の基地を攻撃している事はニュースでも報じられていますが、このウクライナ西部の基地についての詳細は触れられていません。欧米のサイトではNATO加盟国でもないウクライナに複数の訓練基地を米国が設けて米軍の部隊が実地に訓練をしていた事が普通のネット検索で明らかにされ、改めてウクライナにおけるNATO米軍のプレゼンスについて認識されています。前回のブログでも紹介した様に、2018年以降は米軍が供与した最新装備はこれらの基地でウクライナ軍やドンバスで戦うネオナチ民兵などに配布され、使用の訓練が行われていました。今回の戦争では諸外国からの傭兵や非公認のNATO軍事顧問らがこれらの基地に宿営しており、ロシアの攻撃で壊滅的打撃を受けた様です。
BBCで放映されたウクライナのネオナチ民兵についての報道
II. 参考までにかなりロシア寄りの解釈にも思えますが、軍事に詳しい米国人のブロガー、Larry C Johnson氏が2022年3月に論説を加えていたものを抄訳で載せます。
Larry Johnson氏
(抄訳はじめ)
1)ロシアはウクライナのNATOサイトを組織的に破壊している
先週の西ウクライナでのロシア軍の攻撃は、NATO当局者に衝撃を与えた。最初の打撃は3月13日日曜日、ウクライナのヤヴォリフで起こった。ロシアは数発のミサイルで基地を攻撃したが、一部は極超音速と報じられている。アメリカとイギリスの軍人や諜報員を含む200人以上が殺され、さらに数百人が負傷した。ところが、NATOと欧米マスコミは、この惨事を詳しく報道することはなかった。
ヤヴォリフはNATOにとって重要な前線基地だった。2月まで(ロシアのウクライナ侵攻前)、アメリカ第7軍訓練司令部はヤヴォリフで活動していた。最近ではフロリダ州陸軍州兵の第53歩兵旅団戦闘チームが訓練を担当していた。
ヤボリフ基地の概要(NATOが公表したパワーポイントの説明で見れる)
ロシアはNATOに紛れもないメッセージを送った - 「我々は、NATOがウクライナでウクライナ人を武装させたり訓練したりすることを許さない。そのような援助を提供する者は誰でも戦闘員とみなされ、それに応じて扱われるだろう。」と。しかし、ロシアはそれだけにとどまらず、ヤヴォリフの南東60マイルにある別のサイト、Delyatynも攻撃した。ロシアはKh-47M2キンジャル極超音速ミサイルでデリャチン村にある大規模な地下倉庫を無力化した。 そして伝えられるところによると、大量の弾薬を破壊した。
これらの攻撃は、ロシアがNATOの軍事物資を破壊することに真剣に取り組んでおり、ウクライナに駐留すれば、ウクライナ軍と準軍事組織(ネオナチ)に訓練を提供する要員とみなされることをNATOに知らしめた。EUCOMの米軍指導者にとって衝撃的なのは、ロシアが両方のサイトを攻撃した際に、ウクライナが警告を発することができず、ミサイルを撃墜できなかったことです。これは、MIG-29をウクライナに送るべきでないとNATOに思い止まらせるものでもあった。
これらの攻撃は、ロシアがNATOの軍事物資を破壊することに真剣に取り組んでおり、ウクライナに駐留すれば、ウクライナの軍と準軍事組織に訓練を提供する要員であるとみなされると思い知らされた。
他にもジトミルの訓練所では、NATOが2018年9月にウクライナのサイバーセキュリティ訓練を実施し、ウクライナを「NATOパートナー」と表現していました。また陸軍のみならず、海軍のミョーラエフ基地も昨日(土曜日)に攻撃されました。黒海でロシアとウクライナ間の緊張が高まる中、アメリカは、ロシアが支配するクリミアからわずか数マイルのところの能力を高める工事を行っています。オデッサの東40マイル、クリミアの北西100マイルにも満たないムィコラーイウのオチャキフ海軍基地では、既存の桟橋の補強と近代化などウクライナ軍とNATO軍が演習を指揮し、活動を調整することができる真新しい海上作戦センターが新設されました。
最後に、NATOとEUCOMは、NATOが関与していたウクライナの基地に関するウェブサイトを注意深く削除しているようです。筆者はDuckDuckGoを使ってこれらの基地を検索しましたが、いずれもリンクが壊れていました。
2) ブログ 3月17日 ロシアによるウクライナ侵略と米国のイラク侵略の比較
17 March 2022 by ラリー・ジョンソン
アメリカ国民は、アフガニスタンとイラクの作戦でいかに米軍が苦戦したかを忘れてしまったようだ。ベトナム戦争以来、米軍は整った正規軍との戦争を戦っていない。1990年以降のすべての米軍作戦は、ほとんど能力の劣る軍か民兵の様なゲリラが相手であった。
米軍がアフガニスタンやイラクで困った時には豊富な空爆や巡航ミサイルを使って相手を殲滅することができました。一方で、ロシアは一流の空軍、恐るべき防空能力、核兵器、極超音速および亜音速巡航ミサイルを持つまともな正規軍です。
2003年のアメリカのイラク侵略と、現在のロシアのウクライナ侵略を比較しよう。多くの退役アメリカ軍将校の分析では、ロシア軍は予想より弱く、作戦に失敗しているとされますが、果たしてどうでしょう。
- ロシアは 150,000人の兵士 (欧米マスコミによると)でウクライナに侵攻し、一週間でイギリスに匹敵する領土を奪取した。ロシア軍は3日間でキエフに到着し、その後の15日間でキエフを系統的に包囲してきた。
- 米国は2003年3月、10万人の兵士でイラクに侵攻した。バグダッドの郊外にたどり着くのに2週間かかり、バグダッドを「確保」するのにさらに1週間かかった。アメリカは5月1日に勝利を宣言した(ジョージ・W・ブッシュが「任務は達成された」と宣言したのを覚えているだろうか)。
- ロシアは、有能な空軍、防空システム、装甲と大砲を備えた装備の整ったウクライナ軍に直面した。ロシアは空軍と防空システムを急速に解体し、ウクライナの通信線に大きな混乱をもたらした。
- アメリカ合州国は、空中援護、大砲、首尾一貫した装甲部隊を欠く、幻滅し、混乱したイラク軍と対峙した。アメリカ合州国は最初から制空権を享受し、アメリカの進撃を阻止しようとするイラク部隊のあらゆる企てを容易に打ち負かすことができた。
- ウクライナは、地理的に、イラクより三分の一大きく、機械化された部隊の前進に障害となる川が多い。
ロシア軍は複数の戦線で前進を続けており、ウクライナ軍部隊の残骸を孤立させる過程にある。欧米の軍事アナリストは、民間人に死傷者を出さず、主要インフラを破壊しないよう前進しているロシアを「士気がない」と勘違いしている。それは目的をはき違えている。ロシアは、ウクライナ軍の「非ナチ化」を実行するための戦闘方法において、目覚ましい成熟度を示している。しかし、この注意には限界もあり、もしウクライナ人が、降伏の機会を繰り返し拒否すれば、ロシアは容赦なく破壊力を発揮する可能性が高い。(参考:モスクワのシリアルール J.Jeffere)
ロシアは19日間でより多くの領土を占領し、2003年のイラク軍よりも遥かに優れたウクライナ軍を打ち負かした。米国が同等の結果を達成するのには26日以上かかった。
最近言われる、ロシアが化学兵器や地雷を使用するという憶測はナンセンスだ。化学兵器は、攻撃部隊の前進を遅らせようとする防衛上の作戦で使用されるものだからです。イランとイラクが1980年代の戦争中にこの兵器を使用したのは、その目的でした。爆発性地雷も防御策です。第二次世界大戦のクルスクの戦いで、ソ連はナチスの攻撃を阻止するために地雷を使用しました。攻撃中の軍隊には、彼らの前進を妨げるような地雷を埋める時間がありません。ウクライナ人が、ロシアの攻撃を遅らせるために、道路や畑に地雷を敷設しているのです。
もし化学兵器がウクライナの戦場に現れたら、これは包囲されたウクライナ軍による最後の抵抗である可能性が高い。今後10日間は、ロシアの前進とウクライナ軍の終焉が訪れる可能性が近いと私は信じている。
(抄訳おわり)