rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

新型コロナウイルスは宿主細胞の抗ウイルス作用を抑えて増殖するらしい

2021-11-29 18:06:59 | 医療

日本は2021年11月現在幸いにして新型コロナの流行は抑えられていますが、諸外国は冬を迎えて爆発的に患者数が増加している地域もあります。流石に初代新型コロナ用に作ったワクチンが、既に別物である「変異ウイルスにも感染予防になる」という嘘は付ききれなくなりましたが、重症化予防になる(だろう)という一縷の望みをかけて「3回目ブースター接種」が勧められています。本音は「ワクチン接種証明義務化」による「国民のデジタル管理推進」なのですが、「皆さんのため」と言わないと従ってもらえないのでそうしています。嘘をつききれなくなって「従わなければ強制的に施設入所・隔離」という法的強制処置を始めたオーストラリアや欧州の一部の国も出始めました。いよいよ社会体制としては「陰謀論と言われていた事態の現実化」が始まったようです。

 

新型コロナウイルスが感染細胞から排出される仕組みが初めて解明

 

私は科学論文から新型コロナウイルスやワクチンについての疑問の検討を続けます。

ウイルスは宿主の細胞に入り込み、そこで宿主細胞の機構を勝手に使って自己増殖をして再び細胞から出てゆくのですが、大まかな動きは理解されていても具体的な細かい機序については判っていないというのが本当の所です。今回2020年9月のCellと言う雑誌に新型コロナウイルスを含むβコロナウイルスが宿主細胞から排出される仕組みというのが初めて明らかにされました。細胞は核から蛋白合成の指示を、mRNAを介して受けると、リボソームRNAで合成し、粗面小胞体で貯蔵されて滑面小胞体で代謝・活用されます。ホルモンやサイトカインなど細胞外へ分泌される時はゴルジ体を経由してリソゾームに取り込まれて細胞外に排出されます。これが正常生物合成経路(Normal biosynthetic pathway)で、インフルエンザなどのウイルスもこちらの経路を使って細胞外に排出されると言われています。しかしコロナウイルスはリソゾームの酸性によるウイルス障害作用を中和して不活化し、自分に都合が良いキャリアにして排出している(lysosomal trafficking)と言うのです(下図)。その結果、通常経路で排出されるとウイルスに免疫細胞が反応しやすくなるような修飾が行われるのを障害する可能性があるというのです。ちなみにリソゾームで別々に作られたウイルスの成分が再びウイルスとして形成されるのは小胞体—ゴルジ体仲介成分(ERG intermediate compartment、ERGIC)と呼ばれる所で行われるとされ、そこからある物はウイルスとして、ある物はスパイク蛋白だけが分解されて細胞外に排出されると考えられていました。(下図)

論文で用いられた模式図 下半分がコロナウイルス特異的な細胞外への排出システム

 

ワクチンで三量体のスパイク蛋白がERGICで作られる

 

mRNAワクチンの形で外から与えられたスパイク蛋白の遺伝子は同様に小胞体の膜で蛋白成分として造られて、小胞体ゴルジ体仲介成分で三次(立体)構造が3個合わさった三量体(4次構造)になって出来上がったスパイク因子として蓄積され、TGN(トランスゴルジネットワーク)で一部分解されてレセプター結合部位、N末端結合部位などに分かれて細胞外に出されるか、三量体のまま細胞外に排出されます。以前阪大の研究者らが明らかにした新型コロナウイルスの抗体依存性免疫増強のしくみで紹介した様に、ウイルスの中和抗体はスパイク蛋白内にあるいくつかの結合部位のうち、レセプター結合部位(RBD)に対する抗体であって、N末端結合部位(NTD)に対する抗体は抗体依存性免疫増強(ADE)に寄与する可能性があるのですが、RBDのみを作成するmRNAワクチンが作れないのは下図の様に宿主細胞が小胞体で蛋白の4次構造まで作らないと正しいスパイク蛋白ができず、結局有効な中和抗体が免疫として造られないからと思われます。4次構造を示す3量体が細胞内のフリンで分解されてS1とS2に分かれ、S1のRBD部分がACE2と結合し、毒性を発揮すると考えられます。だからこの構造まで作られないRBDのみのmRNAでは蛋白構造が異なるので有効な中和抗体ができないのかもしれません。

ウイルス(a)とワクチンによるスパイク蛋白(b)の合成と排出の違い   スパイク蛋白は同じものが3つ集まった三量体の状態で小胞体膜上で合成される(a) 単体の状態が(c)、場合により三量体が膜上で酵素で分解されてS1とS2の部位に分かれる(d) (Heinzらの論文2021による)

 

スパイク蛋白に多くの変異を持つオミクロン株はワクチンが効かないかも

 

既に報道されている様に、南アフリカで同定された新しい変異種であるオミクロン株は、スパイク蛋白だけで32か所の変異を持つとされます。これだけ変異するとアミノ酸の変化も多くなり、上記の蛋白の3次構造も当然変化すると考えられ、それを認識する抗体も抗原を認識しなくなる(今までのワクチンが効かなくなる)ことが予想されます。幸いBlombergの記事によると、現状ではオミクロン株は感染力は強くても毒性は低そうだとされ、症状の軽いオミクロンがαやデルタ株を駆逐してくれると新型コロナの流行は一度自然消滅するのかもしれません。そうなるとワクチンパスポートも不要になり、経済のリセットも半ばにして頓挫する結果に終わるかもしれません(すごく楽観的な予想)。

 

いずれにしてもウイルスや分子生物学は不明なことばかり

 

コロナウイルスの細胞からの排出機構が昨年初めて明らかになった様に、ウイルスや分子生物学について、我々は現在も解明できていない事が多数あります。遺伝子ワクチンの長期作用についても同じ。医師や科学者達が解っていない事を含めて科学的・医学的に解明済であるかのように「大丈夫」とか「こうした方が良い」などと言うのは誤りです。それは「学者としての学問的発言」ではなく「単なる政治的発言」です。政治的発言になることに嫌気がさして最近あまりメディアに出なくなった専門家もおられますが、情報を受ける側も、あまりに断定的に発言している専門家は「政治的発言」をしているに過ぎないと言う目で見た方が良いだろうと私は思います。

参考までに私が昔学位論文を書いていた時分(1990年代)に自身でやっていた懐かしいPCR検査の結果が、本棚整理の時に大量に出てきたのでその一つをスキャンしてみました。話題のPCR増幅回数ct値は当時の標準として30回で行っています(それ以上だと非特異的増殖が増えすぎる)。ゲルに流して目的とするバンド(cDNA)が奇麗に出ていますが、非特異的なバンドが出ている物もあり、現在のリアルタイムPCRは、RNA抽出やRNAの濃度調整もせず、またゲルで増幅された遺伝子の大きさの確認もせずに、増殖されたバンドの有無を蛍光で見ているだけなので、PCR検査を開発したキャリー・マリス氏が警告した様に、化学分析や陽性者の確率が高い集団内で陽性を確認するには適していますが、陰性前提の感染症判定スクリーニングには精度上問題がある事が分かると思います。

1-4,8-12は異なる培養細胞のEGFreceptor mRNAの発現を、5はリガンドの一つであるTGFαを見ています。プローブの設計で増幅されるcDNAの大きさが異なるので区別できます。6は非特異的なバンドが多く、検査不適格、7はサイクル数を上げると他と同様に陽性となってしまい、有意な発現か不明になります。両脇はcDNAの大きさを図るマーカー(メジャー代わり)。

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NHKスペシャルドラマ「聖徳太子」2001年製作 感想

2021-11-26 10:59:31 | その他

NHKスペシャルドラマ「聖徳太子」2001年製作 感想

聖徳太子(2001年製作のドラマ)公開日:2001年11月10日製作 作・脚本 池端俊策

出演者

本木雅弘(聖徳太子)、中谷美紀(刀自古)、宝田明(物部守屋)、ソル・ギョング(伊真)、國村隼、柄本明(穴穂部皇子)、近藤正臣(用明天皇)天然痘で死去、松坂慶子(推古天皇592年即位)、緒形拳(蘇我馬子)

 

2001年にNHKが製作したドラマ(聖徳太子1400回忌にあたる2021年ということで再放送)。聖徳太子の少年期から、摂政となり17条の憲法と冠位十二階の制定を行うまでが描かれる。太子(本木雅弘)が、年長の蘇我馬子(緒形拳)と精神的に対峙していくのを脚本家の池端俊策は書きたかったと述べており、当時30代の本木も、未熟な自分(太子)でありながらも、対等の立場で緒形(馬子)にぶつかっていくように演技をしたと語っている。この二人の絡み合いは緊張感の高い名シーンとなった。前半では、物部守屋(宝田昭)と用命天皇(近藤正臣)、中盤では推古天皇(松坂慶子)、後半では本ドラマのオリジナルの架空の人物である伊真(ソル・ギョング)が重要な役どころ。

物語は、重要人物の死(守屋、穴穂部皇子=柄本明、泊瀬部皇子=加藤雅也)や事件は史実を辿り、その中で馬子らが果たした役割などは、史実を離れて自由に描かれている。史実では、その詳細が明らかではない馬子の娘で、太子の妻、刀自古(とじこ=中谷美紀、子供時代は戸田恵梨香)が本作では活躍するが、これは、聖徳太子を描いた二つの名作漫画「日出処の天子」(山岸凉子)、「聖徳太子」(池田理代子)で活躍する刀自古のファンには嬉しいところ。

(番組の説明から)

聖徳太子の生涯

574(敏達天皇3)年 誕生

593(推古天皇2)年 推古天皇の摂政となる

603年 冠位十二階の制定

604年 十七条の憲法の制定

607年 第2回遣隋使を派遣

622年 薨御

 

NHKは時々受信料に相当するなと感心する良い番組を放送し、その感想をブログに記してきましたが、このドラマもその一つです。聖徳太子は知っているようで余り知らない歴史上の人物ですが、日本国創世記において国家の基盤を固める上で重要な役割を担ったことは間違いありません。当時をドラマ化するのは、6-7世紀頃の暮らしや風俗の再現という難題をこなさねばならず、余り見たことがない(製作されない)のですが、このドラマはかなり頑張って再現されていて、製作側の気合と資金の入れようが解ります。作・脚本は昨年の大河「麒麟が来る」を手掛けた池端俊策氏で、「麒麟・・」も大変面白く、毎回わくわくしながら見ましたが、このドラマも俳優陣の名演もさることながら、作・脚本の素晴らしさが光る内容で3時間の長尺ながら大河の総集編を見ている様で時間の足りなさまで感ずる内容でした。

 

推古天皇の時代と明治期は類似

 

聖徳太子の時代は、複数あった大和の王朝(宋の歴史書では5つの王を決めたと)が一つになり、神話を現実化して「記紀」としてまとめ、天皇家として安定化させて行こうとした時代と思われます。中国をまとめた「隋」に使者を送り、倭国の王としての権威化を図るために「国家の体裁」を整えるため太子が「冠位十二階」や「十七条の憲法」の制定に関わった事は歴史で習った通りです。言わば国家として大陸に国際デビューを果たす時代だったともいえるでしょう。一方で明治も日本国が西洋文明社会の一員として国際デビューをするために「帝国議会設立」や「大日本帝国憲法」の制定を突貫工事で行った事は類似しています。奇しくも現在の大河は「渋沢栄一」であり、類似した時代を描いた作品としてどうしても比較してしまいます。申し訳ないけど「渋沢・」の方は幼稚、適当、単調、であり作りは朝ドラレベル(15分ぶつ切り番組という意味)で、昨年の「麒麟が来る」の「次はどうなるだろう」とわくわくして視る面白さとの対比が大きすぎてあまり評する気にもなりません。この「聖徳太子」は池端さんの脚本で大河ドラマ化して太子の半生でなく全生涯を描いても見ごたえのある作品になるだろうと思わせるものでした。

十七条の憲法と冠位十二階

 

歴史的事実と創作

 

当時の風俗や音曲などの再現は、創作としてもかなり工夫が凝らされていると思います。百済の使者や宮廷では百済言葉(韓国語)で会話するとか、戦争の場面では中国古代のフシュクと呼ばれる目を強調した娘たちを侍らせて相手を威嚇するといった風習も取り入れて再現していて、弓矢も矢じりはないものの本当に飛ばすなど手抜きがありません。物語も柄本明演ずる穴穂部皇子が松坂慶子演ずる額田部皇女(後の初の女帝推古天皇でとても魅力的)を犯そうとする話や、今田耕司演ずる小野妹子を隋に派遣して一回目はけんもほろろに追い返される話など歴史的事実に即しながら、現代的な脚色も行ってドラマに仕上げてゆく内容がとても面白いと思いました。

 

「和を以て貴となす」は平和主義の結果か

 

このドラマの主題でもあり、歴史上も2度に渡って加耶(任那)の権益を守るために百済と組んで新羅を相手とする出兵を試みたが、筑紫まで行って止めたという事実があり、憲法一条の「和を以て貴となす」と合わせて聖徳太子が「民を想う平和主義の現れ」である、という流れでドラマが進んでゆくのですが、これは多分創作だろうと思います。現実主義の蘇我馬子と仏法の理想を追求する聖徳太子との対立を上手に描いていて見ている方も手に汗握り、感情移入してしまう展開ですが、現実には物部や大友などの力のある豪族を抑えてまとめてゆく上での苦心の結果だったろうと思います。斑鳩に宮を作って仕事をしたのも他の豪族からの横やりを防ぐ、ある意味明治の東京遷都にも通じるものだったかもしれません。しかし戦後、聖徳太子を「札の絵柄」に使おうとして進駐軍に文句を言われた際に、当時の係官が「太子は平和主義だった」と説得して許してもらったという逸話もあり、日本の心を代表する人として伝えてゆく事も良いとも思います。聖徳太子の時代も中国の遠交近攻の策を日本が取っていて、遣隋使もその一環で戦わずして利を得る事を模索していたというのは歴史のダイナミズムを感じます。例の「日出づる所の天子・・」の挨拶文は「天子を同等に記した」として煬帝が激怒したと言われていますが、妹子らの使者を切らずに帰した事から「侮られぬ様はったりをかます」策としては大成功だったのではないか、弱小国ながら種々工夫をしていたのだなと思わせます。

聖徳太子と煬帝

世界が新しい時代に移行せんとする現在において、聖徳太子の時代を顧みるのも日本人としての生き方の原点を考える上で有用かもしれないと思いました。

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映画「記者たち 衝撃と畏怖の真実」感想

2021-11-17 18:23:06 | 映画

映画 「記者たち 衝撃と畏怖の真実」(原題:Shock and awe)2017年米国 

「スタンド・バイ・ミー」の名匠ロブ・ライナーが、イラク戦争の大義名分となった大量破壊兵器の存在に疑問を持ち、真実を追い続けた記者たちの奮闘を描いた実録ドラマ。2002年、ジョージ・W・ブッシュ大統領は、サダム・フセイン政権を倒壊させるため「大量破壊兵器の保持」を理由にイラク侵攻に踏み切ることを宣言。ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストといった大手新聞をはじめ、アメリカ中の記者たちが大統領の発言どおりに報道を続ける中、地方新聞社を傘下にもつナイト・リッダー社ワシントン支局の記者ジョナサン・ランデーとウォーレン・ストロベルは、大統領の発言に疑念を抱き、真実を報道するべく情報源をたどっていくが……。物語の中心となる記者役に「スリー・ビルボード」のウッディ・ハレルソン、「X-MEN」シリーズのジェームズ・マースデン。そのほかジェシカ・ビール、ミラ・ジョボビッチ、トミー・リー・ジョーンズが共演。予告編(映画紹介記事から)

日本版のポスターと原版のポスター  娯楽映画としてはあまり盛り上がりに欠けるが、職業ジャーナリスト達には厳しい内容

 

あまり期待しないで見たのですが、途中から「おっ!」と思わせる内容が豊富にあり、引き込まれるように見てしまいました。映画の出来としてはMen in blackやCMで有名なトミー・リー・ジョーンズが出ている割に盛り上がりやエンターテインメント性はなく今一つですが、むしろ製作者側が訴えたかったのは随所に出てくる「ジャーナリズムの在り方」や「情報の正しい扱い方」についてだろうと考えると、現在の脱炭素や新型コロナ、ワクチンなどの報道についても全て当てはまる所があり合点がゆく内容でした。

 

911とサダム・フセインは無関係、戦争の口実となった大量破壊兵器はなかった

 

開戦当時、「ビンラディンとフセインはつながっており、イラクが核を含む大量破壊兵器を製造して米国との戦争を画策している」という米国ネオコン政府側がでっち上げた「デマ」を真実として、ニューヨーク・タイムズを含む全ての大手メディアが報道していました。米国民衆も911のショックで復讐心・愛国心が燃え上がっており、「イラクへの復讐」という開戦の口実を支持していました。そんな中で実話として「ナイト・リッダー社」は誤った戦争に導こうとする政府に憤りを持つ「真の愛国者」である政府職員からのリークに基づいて、イラク戦争はでっち上げの口実で「戦争をやりたい人達」によって開戦させられるのだ、という真実を報道し続けて国内で孤立し、身内からも批判されてしまいます。特に、米国がイラクと戦争しても、戦後処理で手間取りかえって多くの犠牲を米国兵士とイラク国民両方に及ぼすだろう、だから開戦は阻止しないといけない、という米国情報部の予測はその通りとなり、2003年3月20日に開戦したイラク戦争は、同年5月にジョージ・W・ブッシュにより「大規模戦闘終結宣言」が出ましたが、問題の大量破壊兵器は見つかりませんでした。しかも戦後イラク国内の治安悪化が問題となり、戦闘は続行され、2010年8月31日にバラク・オバマにより改めて「戦闘終結宣言」と『イラクの自由作戦』の終了が宣言され、2011年12月14日に米軍が撤収するまで戦争は続き、多くの犠牲者がでました。

 

先に決断を下し、それに合った情報を集める

 

映画の中で義憤に駆られてナイトリッダーの記者にリークする米国情報部の人間の言葉です。都合が良い悪いに関わらず多くの情報を集めた上で「合理性に基づいて決断」するのが「情報を扱う基本」であるが、今は政治家が先に決断し、それに合った情報を集めさせられている、しかも怪しい情報ばかりだ、と憤ります。「政治家の過ちは現場の兵士が贖う」とトミー・リー・ジョーンズ演ずる老ジャーナリストが喝破した様に、イラク戦争で5万を超える米国兵士、100万人のイラク市民が犠牲になったとエンドロールで示されます。

「情報」を「科学」や「医学」に置き換えると、現在の気候変動、新型コロナ問題やワクチン騒動も全て「先に政治的決断ありき」で後からそれに合った「科学情報」「医学情報」が集められているという全く同じ構造をしているように思います。トランプ大統領が就任してから2年に渡って追求され続けて結局正式に否定された「ロシア疑惑」もまさに元MI6部員がでっち上げた情報を基に作り上げられたフェイクニュースでした。

 

「社是(オーナーの意向)にあった報道」しかしないメディア

 

映画の中で監督演ずるナイトリッダーの編集長が部下たちに訓示します「我々は政府の広報誌ではない。他人の子を戦場に送る者ではなく、自分の子を送り出す親たちが読者なのだ。真実を報道しろ!」映画の製作者たちがジャーナリスト達に訴えたかったのは、これだと思います。権力者への忖度や自分の地位を守るために「真偽が疑わしい」と思われる報道を平気で行う現在のジャーナリズムの風潮を痛烈に批判しています。NSA/CIAが米国民を監視しているというエドワード・スノーデンの内部告発をスクープ報道したグレン・グリーンウオルドは、2020年自ら設立に関わったThe Intercept社をバイデンを批判した自分の記事をリベラル寄りの編集部から検閲・拒絶された挙句に社を追われる羽目になりました。NY Timesやワシントンポストは日本の多くのメディアはそこに書かれているだけで「信頼できる記事」としてそのまま日本でも報道してしまいますが、実際には反骨精神を持った記者の多くは既に社を追われており、「社是にあった報道」しかしないメディアに成り下がっているのではないでしょうか。この映画は現役ジャーナリスト達への厳しい叱咤と共に、我々情報の受け手の側も、大手で権威あるメディアだからというだけで妄信するのではなく、何が真実なのかを見極めるリテラシーを持つよう注意喚起している様に思いました。

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2021年衆院選結果と陰謀論からみた世界の動き

2021-11-07 16:47:54 | 政治

10月末の衆院選結果については各所報道で明らかになりましたが、予想に反して自民が単独過半数を確保し、自公与党が安定多数、野党共闘は立憲、共産が議席を減らして惨敗という見方が一般的です。しかし投票率と議席数の増減から見れば、自民、立憲が負けて維新一人勝ち選挙であった事が判ります。図で示した様に、有権者に占める期日前投票と当日投票の数は殆ど変化していません。選挙に対する意識の高い人が期日前投票をしていることは間違いなく、有権者の20%程度(勿論全体が低い投票率なので当日投票の方も意識が高いと思いますが)、総投票率が55%というのは1-2%前回よりも良いといっても世界的に低い水準であることは変わりません。この4年間に有権者に変化があったとすれば、高齢者が死亡したり、投票できなくなった代わりに18歳以下だった若い層が有権者に加わった事だけです。結果として古い保守と古い革新が衰退して新しい(様に見える)保守が大きく伸び、新しそうな革新(れいわ)も増えたという事です。保守革新の比率も国民全体の比率と反映している様に見えます。前ブログ「ぐあんばれ社○党」で概説したとおりの結果だと思います。この動き(雰囲気)を確実に捉えた政党、政治家が次の波に乗れるのではないでしょうか。

 

陰謀論からみた世界の動き(経済支配者達のグレーゾーン戦争)

 

コロナ禍における世界情勢も今大きく動きつつあるように見えますが、複雑でありどのような意図で全体としてどの方向に動いているのか理解できない、というのが本音ではないでしょうか。国別、米英、中ロ、欧州といった単位で整理しようとする試みは大抵失敗して、クリアカットな説明はありません。いつまでも民族国家の概念のまま国益単位で出来ごとを判断しようとする事が誤りであり、グローバルな金の動きで政治を判断する必要があると私は考えます。しかしグローバルな金の動きで政治を判断する事を巨大資本家達は何故か嫌がり、「陰謀論」というレッテルを貼って人々を思考停止にしようとします。戦争と非戦争の区別がなくなり、日常の中に国力の低下を起こす様々な事態を誘起させる作戦を中国では「超限戦」「混合戦」、欧州(NATO)では「ハイブリッド戦」、ロシアではグレーゾーン戦争等と表現している様ですが、武器を使った殺戮を伴わない戦争は必ずしも国家間のみで行われるものではなく、支配者と被支配者の間でも行われ得ると考えます。被支配者が力を持ちすぎて支配者の言うままにならなくなる、支配者の武器である経済が行き詰まってコントロール不良になる時、支配者は経済態勢のリセットをかけて改めて支配態勢の立て直しを図ろうとします。現在のコロナ禍というのは経済支配者が被支配者に行っているグレーゾーン戦争だろうというのが私の見方です。科学や医学の理論がないがしろにされ、エビデンスに基づく合理的な判断がなし崩し的に行われなくなる。「何かおかしい」という疑問を唱える間もなく政策が実行されてゆく。これがグレーゾーン戦争のやり方なのです。

 

古典的な経済支配者の勢力図

図に示す様に、古典的には19世紀に世界を征していた英国ロスチャイルド系と20世紀に世界を支配した米国ロックフェラー系の経済支配者が、ロスチャイルドとしては米国も操りながら現在は世界支配を果たしていないので世界をいくつかの勢力圏に分けて、多極主義として運営して行きたいのに対して、20世紀末に米国一極支配を成し遂げたロックフェラー系としては世界統一政府によるNew World Orderを築いて永久支配を確立したいという野望で動いていると考えます。そして21世紀に新たな経済支配者にのし上がったGAFAMなどの新興勢力はどちらの旧来勢力とも繫がりながら一層経済力を蓄えつつある状態と言えるでしょう。英国は、コロナが再度爆発しながら、何故経済復興に舵を切ったか、米国民主党がコロナを民衆管理に最大限利用し、オーストラリアに原潜を供与して中国封じ込めを開始、殆どコロナ患者のいないオーストラリアで何故ロックダウンか(少し前までは多極主義的で親中国一色でしたが)、が何となくそれぞれの経済支配者が目指す勢力図から理解できる様に思います。今の米国民主党政権の惨状を見るに、米国一極主義はうまく行っていない、ロスチャイルド的な多極主義に世界は傾いて来ている様に思います。

 

追記(2021年12月22日)

日本の皇室の将来について、皇位継承有識者会議が最終結論を出しました。結論は、秋篠宮➡悠仁様という皇位継承の決定事項は変えない。その上で生まれながらの女性皇族のみ皇族としての地位を継続していただくか、旧宮家の男性を皇族として復帰してもらう道を残す、の2点となりました。上記の図で示した様に英国ロスチャイルド系の意向が示されたということです。愛子さんを天皇にとか小室氏皇族云々は今後の議論として全否定ということで、私個人としては良かったと思います。

日本はRCEPで大きくは中国経済圏に

 

2021年11月3日日本はRCEP来年1月から発行すると発表しましたが、これは大きくは日本が中国の経済圏に入ることを宣言したものと思います。経済圏としては中国圏に入りますが、軍事的には日米同盟が生きており、勿論米国覇権にあるので経済侵略はあり得ますが、軍事的に侵略はないでしょう。オーストラリアもRCEPで中国経済圏に入りますが、AUKUSが新たに出来たので日本と同様軍事的には米国圏です。英米は軍事的には連携しており、この辺は支配層の間でも了解事項なのだと思います。日本は経済は中国圏、軍事は米英圏に属しながら、多極主義に立脚してうまく振る舞って行く。一億二千万の国民が飢えない様に経済を運営して行くのが正しい国家運営の方策と思います。

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Kawasaki T-4 航空自衛隊 Hasegawa 1/72

2021-11-03 18:22:02 | プラモデル

航空自衛隊の T−4 ジェット練習機を作りました。T−4はT−33Aに替わる航空自衛隊の中等ジェット練習機として川崎重工により開発され、1985年にロールアウトされ使用され続けています。平成8年からはT−2ジェット練習機に替わってブルーインパルスにも採用され、活躍しています。F15や国産のF2戦闘機操縦に必要な各種最新装備を備え、T4以降の操縦訓練をスムーズに勧める事ができる機体となっています。石川島播磨重工の国産F3−30エンジンを2機搭載し、状況によってはF15を凌ぐ運動性能を見せると言われます。重量5.6t、推力1,870kgx2、最高速度560ノット(マッハ0.9)、航続距離1,200kmで固定武装はありません。訓練生は前、教官は後ろの席に座ります。

201飛行隊の実機 航空祭での写真                          連絡機として使用された機体

模型は安定のハセガワ製で2013年のデカール生産がされていて整合も良く、訓練機だけでなく各航空隊に連絡機として配備された機体も製作可能な各航空隊のデカールが付いていました。そこで第二航空団千歳基地所属の連絡機として使用されている機体番号06-5648の機体を作りました。塗装は指示通りクレオス308でグレーFS36375をスプレー塗装しました。一世代前のT−33練習機(学生時代に作ってレストア中)と並べてみました。

連絡機は翼端が黄色に塗装されているようだ。尾翼のみ練習機と同様のオレンジ

T33練習機とT−4

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