Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

研究のプロフェッショナル

2007-01-19 23:42:13 | Weblog
昨夜の「プロフェッショナル 仕事の流儀」で浦沢直樹氏が最後に語った,プロフェッショナルの定義が心に残る。いわく「締め切りがあること,そして,その締め切りまでに最善の努力をする人」だと。何と実際的な定義だろう。だが,プロフェッショナルというのは,そういうものなんだと思う。それに倣って「研究」のプロフェッショナルを定義するなら「査読があること,そして,査読を通すために最善の努力をする人」ということになろうか。

締め切りがあるのは,作品が連載されるからで,それは次の回を読みたいという読者が相当数いることが前提だ。毎週来る締め切りは苦痛だろうけど,持続的・反復的な創造プロセスにとって,締め切りは不可欠な装置になっている。査読もまた苦痛を伴うが,同時に,ある水準以上の質が保証された論文を次々と世に出す装置だといえる。漫画ほど多くの読者がいるだけではないが,ジャーナルが定期的に刊行されることで研究者コミュニティが維持されるのは確かだ。

プロフェッショナルとして生きることは,無茶苦茶タイトな制約のなかで,きちんとした成果を出し続けることである。1回,2回ではなく,継続的に成果を出すこと。そのことの凄さを重々承知したうえであえていえば,それだけでは傑出して面白いものは生まれない。さらに何かが必要だ。

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