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Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

世の中にも人生にも飛躍はない

2007-11-20 11:08:47 | Weblog
先週金曜はS&RM研究会@日本橋に参加。報告者はそれぞれ広告会社と通販会社で,CRMの最先端に携わっている。お二人の話に共通することの一つは,CRMに残された課題として,ブランディングが重要だということだ。そこからマス広告の再評価という話も出てくる。現場のマーケティングは,バランスがとれた形を志向していく。

最近,CRMへの反省も生まれてきた。たとえば顧客によっては,CLVが時間ととも増加するどころか,逆になるといったことが指摘されている。表には出にくい(研究者が知るのが難しい)コストの情報を加味すると,それは十分あり得ることだ。だからといって,これまでのCRMに関する理論や技術がすべて無効になるわけではない。世の中にそうそう大きな飛躍は起きない。

それは,マス広告についてもいえる。その効果は過去に比べて激減したわけでも,また最近急に再上昇したわけでもない。世の中のほとんどのことに飛躍はないのだ。こういうときに重要なのは,自分やその周囲の数人の経験から一般化するのでなく,きちんとした実証研究を踏まえてものを語ることだろう(そうしたくても,データが手に入りにくいという問題はあるが・・・)。

人生にも大きな飛躍などめったにない。風邪が完全に治らないまま,ここ数日,12月の学会に向けた準備作業をしている。非補償型意思決定ルールの探索手法・・・10年ぐらい前に考えていたことに似ている。何とか基本プログラムを作り,数値実験を行い,そろそろ実データへの適用を・・・という段階まで来たが,週末からしばらく,研究に専念できない環境に再び戻る。ここにも飛躍はないわけだ。

ともかく12月の学会発表2件,セミナーでの発表,新たに開講される講義の準備が目下の課題である。いずれも,いつか訪れる「飛躍」のためということで・・・。

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