Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

新井さんの本

2016-06-28 23:59:09 | Weblog
新井貴浩はしばしば「新井さん」と呼ばれる。現役のプロ野球選手が「さん」づけで呼ばれることは珍しい。彼がそう呼ばれるのは「辛いさん」という仇名と関連しているかもしれない。広島から阪神の移籍時に発した「辛いです」ということばが、その発端であることはよく知られている。

もっともそれだけでは、なぜ「さん」づけされるのかを説明できない。日本プロ野球選手会の会長を勤めたり、阪神への移籍であれだけ罵られたにもかかわらず、広島に復帰したらすぐに愛されるようになった人柄が「さん」づけされる理由なのだろうか(といってもあまり説得力はない)。

実は広島には他にも「さん」づけされる選手がいる(いた)。一人は「サムライ」前田智徳だ。引退後はお茶目な性格が露見してイメージが変わったが、それでも「さん」づけは変わらない。もう一人が年棒20億を蹴って広島に戻った「男気」黒田博樹で、彼も「さん」づけで尊敬されている。

応援する選手を「さん」づけで呼ぶのが、広島ファンの慣例だったわけではない。山本浩二は「コージ」、高橋慶彦は「ヨシヒコ」と呼び捨てされていた。国民栄誉賞の衣笠祥雄は「キヌさん」で、「さん」はつくものの愛称で呼ばれていることに変わりない。最近になって何かが変わったのだ。

他球団ではどうだろうか。「さん」づけで呼ばれていそうなのが、元日本ハムの稲葉篤紀である。彼の立ち位置は、前田智徳に近い感じがする。阪神の能見もまた「さん」づけで呼ばれることがあるようだが、これはかつてマートンが「能見さんが嫌い」と発言したことから来ているように思える。

・・・したがって一部の選手を「さん」づけするのは最近のことで、広島ファンに多いが他球団のファンにもいるようだ。「さん」で呼ばれる代表選手である新井さんが今年の春にカープ愛を語る本を出した。新井さんは阪神時代に『阪神の四番』という本を出している。人生、先のことはわからない。

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赤い心
新井貴浩
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