Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

凄まじきもの

2008-11-07 23:12:51 | Weblog
電車通勤が与えてくれる自由な時間に,こんな本を読んでみた。そこに描かれているのは,あまりにも凄まじき人生だ。著者の筆致はきわめて批判的だが,ぼくには善悪を超えた凄まじい生き様に圧倒される。Google の企業理念の一つ「悪事を働かなくても金儲けはできる」という考え方とは異質な世界がそこにはある。

この本の副題に「魔女」とあるが,むしろいい意味でも悪い意味でも「鬼」といったほうがいい。しかも,ある一瞬ではなく,生涯を通して。そこまで彼女を駆り立てるものが何なのか,小市民としての自分には想像を絶する。そういう人生があり得ることはわかるが,彼女の心のうちに何があるかまではわからない。

細木数子 魔女の履歴書 (講談社 アルファ文庫 G 33-12)
溝口 敦
講談社

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マーケターとして考えるべきことは,細木数子氏自身よりは,マスコミを通して彼女を消費してきた消費者たちの心だろう。どうしてそんなに「偉い」のかよくわからない女性が,神がかった価値観で人を罵倒する。なぜそんな番組が高視聴率になるのか全く理解できない点で,ぼくは現代社会をほとんど理解できていない。

今日の昼休みと夕方,ゼミのガイダンスを行った。自己紹介,自分の研究と教育の方向,ゼミの方針を話す。その場でも誰も質問しなかったが,直後に何人かの学生が質問に来た。選考は再来週。誰が来るか,誰を選ぶか,将来どんなゼミになるか,よくわからない。結果はあとからついてくる,としかいいようがない。

夜,筑紫哲也氏の死を知る。テレビは,ありとあらゆるものを抱えている。

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