民主党の小沢一郎党首が去る11日に辞任。その後,メディアを通してさまざまな議論が展開されているが,ぼくが最も感銘を受けたのが,以下に(再)掲載された茂木健一郎氏の論述だ。
「憲政の常道」再び
ともかく政権交代が必要だと茂木氏はいう。それは,政策がどうとか政権担当能力がどうとかいう次元の話ではなく,システムとして政権交代を持ち得ない国は,民主主義の学習メカニズムを享受し得ないという次元の問題なのだ。だから茂木氏は,あえて「いっそのことたとえば4年とか8年ごとに交互に政権を交代するということに決めてしまったらどうか」と書く(もちろんそれは皮肉なわけで・・・)。
そうした空気を共有するかのように,最近,かなり多くの有権者の間に政権交代を望む気分が広がっているように感じる。だからこそ,確かに麻生氏への人気が再び小沢氏を上回ったものの,政党支持率では自民と民主は依然として拮抗しているのではなかろうか。だが唯一懸念されるは,このような「ありがたい」状況の本当の意味を,当事者である民主党の幹部や議員たちがわかっていない可能性である。
そうした有権者たちの「片思い」が破れ,夢が醒めてしまえば,政権交代は遠のき,茂木氏のいう学習メカニズムが日本で働くことはなくなる。その点だけとっていえば,欧米諸国はもちろん,韓国や台湾にも及ばず,むしろ中国や北朝鮮に近い国と位置づけられる。そこで生まれる無力感や倦怠感によって,この国は衰退の一途をたどるだろう。その意味で,民主党が抱える「歴史への責任」は非常に重い。
「憲政の常道」再び
ともかく政権交代が必要だと茂木氏はいう。それは,政策がどうとか政権担当能力がどうとかいう次元の話ではなく,システムとして政権交代を持ち得ない国は,民主主義の学習メカニズムを享受し得ないという次元の問題なのだ。だから茂木氏は,あえて「いっそのことたとえば4年とか8年ごとに交互に政権を交代するということに決めてしまったらどうか」と書く(もちろんそれは皮肉なわけで・・・)。
そうした空気を共有するかのように,最近,かなり多くの有権者の間に政権交代を望む気分が広がっているように感じる。だからこそ,確かに麻生氏への人気が再び小沢氏を上回ったものの,政党支持率では自民と民主は依然として拮抗しているのではなかろうか。だが唯一懸念されるは,このような「ありがたい」状況の本当の意味を,当事者である民主党の幹部や議員たちがわかっていない可能性である。
そうした有権者たちの「片思い」が破れ,夢が醒めてしまえば,政権交代は遠のき,茂木氏のいう学習メカニズムが日本で働くことはなくなる。その点だけとっていえば,欧米諸国はもちろん,韓国や台湾にも及ばず,むしろ中国や北朝鮮に近い国と位置づけられる。そこで生まれる無力感や倦怠感によって,この国は衰退の一途をたどるだろう。その意味で,民主党が抱える「歴史への責任」は非常に重い。