Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

なぜ忙しいのか

2006-12-01 23:32:48 | Weblog
12月15日のワークショップに向けてアクセルを踏み込もう・・・と思った矢先に,今日突然,その日の「学内重要業務」を命ぜられる。ワークショップでの自分の発表は遅い時間なので,ぎりぎり間に合わうかもしれない(そうするしかない)。だが,Allenby, Meyer 他の諸先生の発表を聞くことができない。

最近いろんな「業務」が増えてきた。「立会い」に加え「配送作業」「企業訪問」「イベント仕込み」・・・。組織が自らを維持するため生み出す諸々の仕事の量は,企業から大学に移って何も変わらない・・・どころか,むしろ増えている? それも給料のうち,というのなら,給料を何割か返上すれば解放されるのだろうか。

分業の効率性,比較優位の原理を説く経済学に従えば,さまざまな「業務」を機械的に成員に分担させるという組織のあり方は非効率なはずだ(追加的な報酬を出さないから,短期的には費用を節約できたように見えるとしても)。だが,経済学者や経営工学者を含む大学組織が何十年もこの形態をとっていることに,組織が持つ独自の「論理」の強さが現れている。もっとも米国では,入試業務などは専門部署が行なっているというから,より経済学に忠実だなのだろう(ただし給料は10ヶ月分とか)。

とはいえ,自分自身の問題もある。今日,研究室に来てくださった方から「研究分野が広いですなー」といわれる。先方に他意はないとしても,耳が痛い。各テーマが成果を挙げていればよいが,共倒れになってしまえば意味がない。ごく少数の天才を除き,成果をあげている研究者はみんな領域の絞込みが見事である。○○のナントカ,というラベルをちゃんと確立している。

リスク分散のためのポートフォリオ戦略,という理屈で対抗したいところだが,無理があるな・・・。結局,研究については,成果は関係なく,ともかくいろいろ全部やりたいだけだよ,好きにさせてくれよ,という個人のわがままで説明するしかない。しかし,組織もまた,同じように好きにいろいろやりたいだけなのだとしたら・・・いやーそれは勘弁してほしい。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。