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Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

イデオロギーはヒューリスティクス

2014-02-13 09:52:34 | Weblog
今回の都知事選では、イデオロギーについていろいろ考えさせられた。といっても、一時期の日本の政治を支配した保革対立とか、まして社会主義対資本主義というイデオロギーが生きているといいたいわけではない。こうしたイデオロギーがすでに終焉していることは間違いない。

前の投稿でも触れた蒲島郁夫・竹村佳彦『イデオロギー』では、イデオロギーはヒューリスティクスだという見方が紹介されている。現在、有権者にとって投票先の選択がそれなりに難しいものなら、ヒューリスティクスが必要となる。その意味で、イデオロギーは健在なのである。

現代政治学叢書8 イデオロギー
蒲島 郁夫、竹中 佳彦
東京大学出版会

この本によれば、イデオロギーの起源はフランス革命の頃生まれた「観念学」にある。その後、マルクスとエンゲルスが、より強烈な意味を付与する。したがって、1960年代に米国を中心にわき起こった「イデオロギーの終焉」論は、マルクス主義への対抗意識が背景にある。

マルクス主義の影響力が失われたいま、イデオロギーは終わったというより、本来の意味に戻りつつある、と見たほうがよいだろう。実際、これまでの実証研究で、日本において左-右(保-革)という対立軸の影響は弱まりつつあるとはいえ、まだ生きていることが示されている。

ヒューリスティクスとしてのイデオロギーは、消費者の購買行動とも関連し得る。機能差がもはや選択の基準にならず、センスによる識別は一般の消費者には難しい。一方、エシカル消費といわれるような、購買において企業の社会的責任を問う消費者が増えているといわれている。

最近、グーグルはソチ五輪の開幕に合わせ、ロシア政府の同性愛に対する抑圧に抗議するかのようなメッセージを出した。これは、グーグルの社会的な価値観、イデオロギーが表明されたと考えられる。企業はそのようなコミュニケーションをする時代になった、ということだ。

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