Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

熟年夫婦の恋(鯉)

2009-06-19 22:58:05 | Weblog
スポーツジャーナリスト阿部珠樹氏のブログ の「カープと市民は近すぎて「熟年夫婦」だった」という指摘は,言い得て妙である。広島市民が情熱を持って育ててきた広島カープだが,このところ,広島市民球場に閑古鳥が鳴く状態が続いてきた。しかし,新球場への移転を機に,再び広島市民が球場に足を運ぶようになってきたようだ。阿部氏はいう―
今度の球場は熟年夫婦のお父さんがシェイプアップし、お母さんがプチ整形して温泉にリフレッシュ旅行に行くようなものではないだろうか。結びつきを深めるよいきっかけになっているし、それだけの魅力を持った施設でもある。
しかし、入れ物も魅力はいつかはあせる。それまでにはチーム自体も魅力を持つこと。「やっぱり、久しぶりに日本シリーズに出ないと」図らずも記者の人とはその点でも意見が一致した。
その通り!しかしその前に,かつて以上の力をつけた強敵が立ちはだかる。なぜなら,翌日のエントリに書かれているように,
カネで勝利を買うといった批判が浴びせられつづけているジャイアンツだが、最近はかならずしもそうとはいえない。育成のシステム整備にも熱心だし、底辺拡大にも力を注いでいる。それもカネがあるからだといえばそれまでだが、今、一番積極的に動いている球団は、実はジャイアンツではないか。
それにしても,資金力で圧倒的に劣る(ただし予算制約を守っている)球団が優勝することは,かつて以上に難しくなっている(ベキ乗則の悪魔!)。だからこそ「奇跡」を起こすことができれば,多くの産業で「巨人」に挑もうとする弱小企業が元気づけられ,起業が活発化し,イノベーションが世を覆うかもしれない。そうすれば,大不況からの脱却もかなうだろう(?)。

ところで,同じブログでの「サッカー岡田交代も考える時期か」というエントリも考えさせられる。ワールドカップ本大会で4位以内を目指すという岡田監督の発言,一見不可能な目標を掲げて「能力」以上の力を発揮させる「オーバーエクステンション戦略」ともとれる。しかし,それが(日本社会にありがちな)無謀な精神論だとしら・・・。

それはともかく,前にも紹介したが,以下の阿部氏の本は,カープファンのみならず,すべてのプロ野球ファン,あるいはスポーツファンにとって一読の価値がある。

Hiroshima 都市と球場の物語
阿部 珠樹
PHP研究所

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