Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

ナイシトールに見るクチコミの効果

2006-08-03 13:49:41 | Weblog
友人の薦めで小林製薬の「ナイシトール」を購入。内臓脂肪をとる漢方薬で,メタボリック症候群ということばに怯える中高年をターゲットにしている。お店の人が「やっと入荷したんです」というから,相当の売れ行きなのだろう。思わず買いだめしようと思ったが,やめた。指示通り,1回4錠を1日3回,食前または食間に飲み続けると,1ヶ月で2瓶,6,000円の出費となる。どこまで続けられるか分からない。特に,食前・食間というのは,忘れがちだ。

友人は,これを友人の薦めで飲み始めたといっているから,まさにクチコミ(WOM,バズ,バイラル,インフルエンサー・・・)マーケティングの典型例である。まんまとそれにはまったが,効果が出ればそれでよい。効果が出なくても,指示通りの回数飲まなかった,晩飯をとる時間が遅い,酒の飲みすぎ,などいくらでも言い訳がある。この薬を飲まなかったら,もっと腹が出ていただろうと・・・。

亀田戦に見るマスの効果

2006-08-03 13:37:43 | Weblog
昨夜行なわれた,WBAライトフライ級王座決定戦のTV中継視聴率が,関東・関西とも42%を越したという。一方,試合の判定をめぐってTBSには抗議の電話が何万本も殺到しているようだ。ウェブ上でも批判が渦巻いている(そのなかで笑えるのがこれ)。

試合を見ていない(正確には見る気になれなかった)ぼくには判定の是非はわからない。「みんなの意見は案外正しい」のなら,そうなのかなという程度。むしろ興味深いのは,とにもかくにもTBSのキャンペーンが功を奏して,42%という視聴率を実現したことだ。日本ではまだまだ,マス・キャンペーンが有効なのだ,と感じさせる。

しかし,もっと興味深いのはこれからだ。ほんの一端しか見ていないが,ブログ上では猛烈な逆風が吹いているようだし,既存のマスコミも,新聞各紙を(ウェブ上で)見ている限り手厳しい論調である。マス・キャンペーンの効果はまだまだ強く,作られれた「物語」を社会に浸透させる力を持っている。しかし「うそ」が一定の限度を越すと,あっという間に猛反撃を食らって,逆効果になる。今回そのどちらの効果が優勢になるのだろう・・・今後が気になる。