Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

集中講義@長崎シーボルト大学

2006-08-07 23:57:44 | Weblog
長崎シーボルト大学での集中講義。昨日はマーケティングとは何かから始め,顧客分析→セグメンテーション&ターゲティング,競合分析→ポジショニングの話で一日終わる(90分×4)。

今日はグループに分かれて,ネットからのデータ収集,(直観に基づく)ポジショニングマップやSWOT分析をしてもらい,パワポで報告してもらう。グループ作業に与えられた時間は,昼食を挟んで4時間。みんなそれなりにまとめてきた。ただ,時間の制約,情報の不足のため,競合ブランドのポジショニングの話に,顧客分析あるいはセグメンテーションの話がうまく入ってこない。これは,ぼくの講義の問題でもある。教科書的にいろいろな概念を説明するだけでは,統合的なマーケティング・プランにつながらない。

そもそも,ターゲティングとポジショニングは複雑に絡み合っている。顧客中心的な発想では,ターゲット顧客が先にあって,そのためにポジショニングをどうするという話になる。一方,ブランド中心的な発想では,ポジショニングが先にあって,それに合う顧客をターゲットに選ぶことになる。現実はそのどちらでもなく,どちらでもあることが多いはずだ。しかし,そんなことを入門コースでいうと,ますます混乱するだろう。もっとすっきり話をまとめたい。講義のあと,いつもそう思うが,なかなか難しい。

明日はマーケティング・ミックス(4P)の話を駆け足でして,各チームが戦略立案の打ち合わせをする時間を確保しなくてはならない。本来一学期でやるようなことを4日間でする…なかなかきついが,入門講義のストーリーを振り返るいい機会でもある。