ギー
立て付けの悪いクアトロの扉を開ける。
すると、鉄仮面のような無表情な男が、
イー
暗い声でささやく
「いらっしゃいませ」と云った様だ。
席に付くと、更に暗い声で、
「なににしましょうか」
「今日のおすすめは、血もしたたるような肉が」
とは、云っていなかったが、北上牛のステーキがおすすめだと云う。
逆らえない恐怖心から、その肉を注文すると、血のように濃いワインも注文しろと云う。
そして、ステーキとワインが運ばれてくる。
ギャー
心の中で叫ぶ。
なんて美味しいんだ。
13日の金曜日はクアトロで過ごそう。
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