ザ・クアトロ

クアトロの父のたわごと

ピサの斜塔

2007年04月20日 | パスタの話

Photo_287 学生の頃、ピサの斜塔に登ったことがある。360度のパノラマは一面ただの田舎。この塔が傾いていることにしか面白みのないところだった。
数十年が経ち、再びこのピサを訪れる機会があった。ワインと美味しい物を訪ねる旅だった。ピサは修復中で登ることは出来ない。しかし、見渡す風景に変わりはないようだ。
イタリアに着いてすぐに購入した赤い表紙のミシュランのガイドブックを片手に、ピサの斜塔を尻目に、ミシュラン二つ星のレストランを訪ねてみた。こんな田舎に美味しいお店があるのだろうか。道に迷いつつやっと訪ねあてたそのリストランテの店構えは歴史のある名店という感じだった。時間が昼のピークを過ぎていたからか、お客様はまばらである。ミシュランって本当にあてになるのかと不安を抱きながら注文したのは、ポモドーロのパスタ。すると、巨大な幅広のパスタが出てきた。それを見た瞬間、クアトロの父の目がパッパルデッレとなった。早速食してみると、ポモドーロの輝くようなソースともちっとした巨大幅広パスタがそれぞれの美味しさを強調している。これは実に美味しい。かなりのカルチャーショックである。これが、パッパルデッレとの始めての出会いだった。あの感動を再現したくて、クアトロの今日の「ポモドーロ・エ・バジリコ/パッパルデッレ」がある。
何と言うことのない傾いた建物が、今はあのリストランテの味を思い出す符号になっている。

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