マキがやってきた。
出身はコルシカである。
そうナポレオンが生まれた地中海に浮かぶ島である。
海岸まで山がせり出すような島で、牛などを飼うような広い土地はない。
羊や山羊が多く斜面にはブドウも植えられ美味しいワインも作られている。
マキは、羊の生乳で作られたチーズだ。
乾燥させたローズマリー、セイボリー(サリエット)、フェンネル、ジュニパーベリー、赤唐辛子で覆われたこのチーズ。
マキは高崎のチーズ屋さんに、里子に出され大事に大事に育てられたマキ。
そのチーズ屋さんの親父は泣く泣くマキをクアトロに手放した。
シェーブルに似た味わいもあるが、ハーブが心地よく香り、とてもエレガントだ。
コルシカの田舎で生まれたとはとても思えない。
「マイ・フェア・レディ」のオードリー・ヘップバーンのようだ。
さてさて、クアトロでの社交界へのデビューは鮮烈なものになるだろう。
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