夜の闇に溶け込んだような田舎町にある「クアトロ・スタジオーネ」と云うイタリアン。
北風に体温を奪われ、凍えながらこのクアトロ・スタジオーネの扉を開ける。
すると、キーンキーンキーンと云う金属音のような音が聞こえたような気がする。
そして、暗闇の中から突如現れる鉄仮面のように無表情な顔を持つ男。
「いらっしゃいませ」
「お待ちしていました、ヒッヒッヒ」
「どうぞ、おかけください」
金縛りにあったように席に着く。
鉄仮面の男が言葉を繋ぐ。
「本日の13日の金曜日のおすすめは、・・・アラです」
キーンキーンキーン
アラを食べないと、この鉄仮面の男から逃れることは出来ないのか。
覚悟をきめてアラを注文する。
調理法も色々あるようなのだが、ここはおまかせにしておこう。
すると、鉄仮面の男は、
「おまかせと云ってもこれは食べたいとか、このワインを飲みたいとかはないのか」
と、聞いてくる。
キーンキーンキーン
「それでは、鍋なんか食べたいな」
「なに、鍋だって」
キーンキーンキーン
「もうおまかせで、刺身に唐揚げに鍋を用意している」
ならば聞くな。
その後次々に、襲いかかるとても美味しいアラ料理。
恐怖の13日の金曜日のクアトロだ。
13日の金曜日を乗り越えると、またもや恐怖の14日のバレンタイン。
鉄仮面の男が言葉を繋ぐ。
「りょうちゃんのチョコクッキーや、ハートのハレンタイン・チーズもおすすめです」
キーンキーンキーン
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