ザ・クアトロ

クアトロの父のたわごと

14日の土曜日のパルミ

2016年05月14日 | クアトロ・スタジオーネの話

豊四季と云う片田舎に、イタリアンがある。
ギシ、ギシ、
扉を開けると、中から鉄仮面のような無表情の男が、暗い声で、いらっしゃいませと云う。
金縛りに遭ったように、席に付くと、再び、その男が囁く。
何にしましょうか。
今日のおすすめは、削り立ての・・・。
包丁を振りかざし、店内中央の物体を見ろと云う。
それは、パルミジャーノと云うチーズだった。
このパルミジャーノの中でパスタを仕上げるのだと、鉄仮面の男は云う。
しかも、このチーズは数日後で引退するのだから、その前に食べてやってくれと云う。
この鉄仮面の男も引退した方がよさそうだが、逆らわずにパルミジャーノのリゾットを注文する。
鉄仮面の男は、真剣な表情でチーズを削り、リゾットを仕上げる。
すると、突如そのチーズの底からリゾットを少量だけ皿に盛り、ニタッと笑う。
ギャー
凍り付きそうな、恐怖に襲われる。
お味見を、
どうやらチーズの濃さを確認するのだった。
ギャー
旨い、旨すぎる。
14日の土曜日も、恐怖の美味しさが降りかかるのだった。
さらに、鉄仮面の男は、囁く。
16日の月曜日、あらたなパルミジャーノの使者がクアトロにやって来ると予言する。
16日の月曜日に、さらに、恐怖の美味しさがあなたを襲う。
ギャーー

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