自宅からクアトロまで歩いて5分くらいである。
朝、自宅からクアトロに向かう途中、一軒の家の門の脇でいつも気持ちよさそうに寝ている犬がいる。クアトロの父はその犬を狂四郎と呼んでいる。眠狂四郎である。
門の脇で寝ているだけで用心棒が務まるのだから幸せな犬だと、この家の前を通り過ぎるたびに妬んでいるクアトロの父だ。
たまに、昼過ぎにこの犬が主人に連れられてクアトロの前を通り過ぎる。主人の後をとぼとぼと付いて歩いている。しかたなく散歩に付き合っていると言いたげな足取りである。
ある日、クアトロの前を通り過ぎた狂四郎がクアトロの父の方に振り向いた。その片目は、緑内障なのか視力を失っていた。かなりの老犬なのだろう。
毎朝、寝ているだけでうらやましい犬だと思ったことを後悔した。犬にもそれぞれの歴史があるのだろう。
今朝も、狂四郎は門の脇でうたた寝をしながら門番を務めている。狂四郎こそ、腕利きの用心棒である。
クアトロの父も、ときおりぼけっとしているが、それなりの歴史があるのである。
そのクアトロの父おすすめのアルザス・ワイン「ルシアン・アルブレヒト/ピノ・グリ」はいかがだろう。
とても地味なエチケットではあるが、15世紀からの歴史を持つワイナリーが手間ひまをおしまず仕上げ、ピノグリの個性を最大限に生かしたミネラル感ある白ワインである。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます