赤ん坊の寝顔を見ているだけで時間を忘れる。
たまに、ほっぺたや手足をさわる。
そのもちっとした弾力がたまらない。
しかし、いつまでも赤ん坊に見とれているわけにはいかない。
急に涼しくなるとお客様のオーダーも秋バージョンに突然に切り替わる。
クリーム系のパスタや脂の乗った魚が人気になる。
手打ちパスタのクリームソースも急に売れ始めるから不思議だ。
麺職人クアトロの父が忙しくなる季節だ。
クアトロの手打ちパスタは小麦粉とタマゴをよく練って寝かして平たく打って畳んでといった作業から生まれる。
茹で上げられたそのパスタは、乾麺と違った小麦粉本来のデンプンが持つ、炊きたてのご飯と同じ美味しさがある。
そして手打ちパスタは平たく打って畳んでという作業を繰り返すことで小さな気泡を持っている。
手打ちパスタはその小さな気泡に旨味を取り入れる。
ソースはオイル系よりクリームソースのようなスープ系が手打ちパスタには馴染みやすい。
「生ハムときのこのクリームソース/タリアテッレ」や「四種チーズのクリームソース/タリアテッレ」の美味しさの秘密はその点にある。
手打ちパスタのもちもちっとした食感はデンプンの持つ特質と小さな気泡にある。
秋分の日、麺職人クアトロの父は気持ちを新たに麺作りにいそしむのであった。
手打ちパスタのもちっとした弾力、目指すは赤ん坊のほっぺである。
その確認のために、また赤ん坊のほっぺを触るクアトロの父だ。
マスターもロマネ・コンティ2010購入
20年後の成人式に封を開ける・・・
ですか?
(クアトロの父より)
ありがとうございます。
気持ちとしては、ロマネ・コンティでも何でも買っちゃうぞというところなのですが・・・。