日野町の市街地より、鈴鹿山系を越えて三重県の菰野町へと至る国道477号線がちょうど山岳道路様相を呈する蔵王ダム湖を過ぎたところに熊野集落へと続く道路が分かれている。
途中グリム冒険の森なる遊戯施設、オートキャンプ場があるが、それを横目に見て道なりに進むと、やがて熊野の集落が点在しているのが見えてくる。
集落の一番奥まった辺りにこの熊野神社があって、杉としては異常な梢を持った蛸杉と呼ばれる巨木が迎えてくれ、まるでここは人里離れた信仰の里のような趣がある。
熊野神社の祭神は、紀州熊野の神である熊野大権現を約千年以上もの昔に、熊野村へ山伏である修験者達が遷し迎えたらしい
目的の勘定縄は簡素な造りの素木の鳥居を越えた境内入り口両脇の大きな杉の幹にかけられている。
本年は閏年だからなのか、綱の中心よりに13本の子縄を吊り下げシキミの小枝つけている。
杉の根元には12本??の竹串に挿した御幣がつきたてられています。
また、右手山道に入る境内側の二本の木にも低い位置で縄が渡されていて厳重な結界だと、にんまりしてしまった。
この縄も穢れの進入を防ぐためのもののように思われますが??。
とって返して、神社の鳥居から道路を隔てた石垣の上には小さな砂盛りがあって、真ん中に御幣が突き立てられ、砂盛りの前の両脇の木にも縄掛けがあり、二本の松の大きな枝がおかれていました。
多分にこれは、この神社で行われる「お祈り」と呼ばれる弓取りの神事が行われた後なのだろうとおもわれる。
するとこの縄は的でもつるしていたのだろうかと???。
因みに砂盛りのある場所は「おろち塚」と呼ばれ遠い遠い昔、熊野の人々を苦しめた大蛇を若者達が退治し、その死骸が埋められていると伝えられているようです。
撮影2008.1.13