愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

河内長野市滝畑の茅葺き民家

2014年06月15日 | 茅葺き屋根(上懸屋含む)大阪府

河内長野市「滝畑ふるさと文化財の森センター」に復元移築された茅葺き民家の「旧梶谷家住宅 」。

滝畑は大和川支流の石川源流域に造られた滝畑ダム湖縁に軒を並べる山間集落。

昭和56年に完成した滝畑ダム湖は79戸の民家と20.4hの田畑を呑み込み水を湛えている。

ダム湖中央辺りの左岸高台に「滝畑ふるさと文化財の森センター」が有りその敷地内に展示保存されて居る。

旧梶谷家は葺き下ろしの入母屋造りで一般農家の佇まい。

 滝畑地区の民家は他地域ではみられない「妻入横割型」と呼ばれ、この地独自の古い歴史を垣間見ることが出来る。

かって、この地区には岩湧山頂上付近に茅場が有り村中の茅葺き屋根を葺いていたと聴く。

高台に有りダム湖に呑まれる事なく残った茅葺き民家も何軒か現存している。

撮影2013.11.16


河内長野市の茅葺き民家(

2014年06月14日 | 茅葺き屋根(上懸屋含む)大阪府

河内長野市の奥深い山里、小深に残る国の重要文化財、山本家住宅です。

河内長野市小深は大阪府最南端、和歌山県橋本市や奈良県五條市と県境を接する鄙びた山里。

市の中心辺り、何南海高野線河内長野駅付近から国道310号線で山懐を分け入り走ること約10km15分程、山深い山間部の谷間に拓けた小さな集落。

その中心部の道路沿いにそれと解る看板が建ち、棚田道を山手に辿ると、流石に重文らしく良く手入れされた茅葺き民家に出逢える。

現在、一般公開はされていず、住人の気配もなくひっそり静まり却っている。

 大きな茅葺き入母屋造りの母屋は深い葺き降ろしに屋根になっていて家格と歴史を感じさせてくれる。

江戸中期、寛永年間(1624‐1644)の建立とされ、桁行七間(13.6m)、梁間四間(9.7m)、身舎梁間三間半、入母屋造、茅葺、平入住宅。

この建物の山本家は、藩主の鷹狩の折りには本陣になったと伝えられる元庄屋の家柄、また河内長野市内で最も古い民家建築であり、全国的にみても建築当初の状況を良く留め、古い民家に属する様です。

帰りがけ棚田腰に見る集落はひっそり静まり却っていた。 

撮影2013.11.16


大阪府交野市 覆い懸け民家

2013年12月12日 | 茅葺き屋根(上懸屋含む)大阪府

大阪北河内、交野市中心街に程近い住宅密集地に残って居た覆い懸け民家。

大きい屋根をを持つ上級農家だったのだろう・・・在りし日の茅葺き屋根はさぞかし立派だったに違い無い。

付近は民家が建ち混んでるとは言え、まだまだ昔日の名残を留め、大きい屋敷に覆い懸け民家がポツポツ残されて居る。

積木細工の様な現代建築を背に、黒いトタンを掛けた大きい入母屋造り・・・・

街中では覆い懸け民家を見かけることすら難しくなった。

撮影2013.4.27


大阪府四條畷市 下田原町の覆い懸け民家

2013年12月07日 | 茅葺き屋根(上懸屋含む)大阪府

この集落の茅葺き屋根も、ここしばらくの間に全て消えてしまった。

大阪、四條畷市、上田原の北側に位置する下田原集落。

長閑な田園風景を囲む様に、大きな屋敷を持つ民家が建ち並び、鄙びた里山を演出しているが・・・幹線道路国道163号線が集落を分断するように貫いている。

見事な煙り出し館を棟上に備えた寄せ棟トタン屋根の民家は茅葺きの侭でなくても、充分その美しさを感じられる。

撮影2013.4.5


大阪府四條畷市 上田原の茅葺き民家/覆い懸け民家

2013年12月06日 | 茅葺き屋根(上懸屋含む)大阪府

生駒山系北端近く、東側山裾、四條畷市上田原町で見掛けた茅葺き民家と覆い懸け民家。

どうしてこういう事に成ってしまったのか??ここ田原は国道168号線を境に東と西に分けられ、西側は大阪市四條畷市、東側は奈良県生駒市と成り、

それぞれが「上」「下」・・「北」「南」と分れ、ややこしい事この上ない。

かっては一つの郷として存在していただろうに・・・・。

そんな上田原に唯一残った茅葺き民家、しかし納屋袖門?は固く閉ざされ、庭木は伸びるに任され外部からは建物も窺い難い状況。

唯一撮影出来た一枚、もう温もりは無く、ただただ朽ち果てるの待って居る状態でした。

このまま朽ち果てるのは何とも忍びない佇まいですが・・・・。

すぐ近くには、よく似た屋根の覆い懸け民家。

前回、高山で見掛けた覆い懸け屋によく似て棧瓦棟に煙り出し館・・・茅葺きのまま見てみたかった。

少し離れた覆い懸け民家

やっぱし同じ様式、トタン屋根の色が違うだけ・・・・、これはやっぱり生駒形式とでも云うのだろうか・・。

美しい形です。

撮影2013.4.5


大阪府交野市 私部(きさべ)の覆い懸け民家??

2013年11月27日 | 茅葺き屋根(上懸屋含む)大阪府

北河内、交野市役所からほど近い住宅密集地に建つ壮大な屋敷を持つ民家。

周囲を長い土塀と・・・

長大な長屋門で囲まれ、外部からは主屋の全体像を窺う事は出来ません。

地元では代官屋敷と呼ばれ、この長屋門は長さ約56mも有り、民家では日本一の長さだとか・・・。

白壁と黒い腰板のコントラストが街並みを引き立てて居ます。

主屋は現在銅板葺きの様に見えますが、享保年間(1700年代初期)の建築当時から、そうだったのだろうか??

北田家住宅として、国の文化財に指定され、年二回の公開日にも内部撮影は禁止だとか??。 

撮影2013.4.27


大阪府枚方市 茄子作(なすづくり)の茅葺き民家-2

2013年11月26日 | 茅葺き屋根(上懸屋含む)大阪府

昨日に同じく茄子作(なすづくり)集落にはもう一軒、茅葺き民家が残っていた。

ちょうど集落の鎮守「春日社」の杜裏手、小高い台地に立ち並ぶ家並に隠れる様に建つ大和棟。

茅葺き屋根の様式が、昨日紹介のものと酷似している。

ここ、北河内も奈良文化圏内だと言う事が一目で解る佇まいです。

しかしこの茄子作と言う地名の成り立ちが気になる集落です・・・・・読んで字の如しの成り立ちなのだろうか??

撮影2013.4.27


大阪府枚方市 茄子作(なすづくり)の茅葺き民家

2013年11月25日 | 茅葺き屋根(上懸屋含む)大阪府

交野市と天の川を挟んで接する枚方市茄子作(なすづくり)の茅葺き民家。

茄子作集落は天野川左岸台地にあって、現在新興団地の街並みに埋もれてしまっているが、一昔前には豊かな農地囲まれ、長閑な集落だったに違い無い。

地域の中心には豊かな杜を持つ鎮守「春日社」が有り・・・

その参道脇、在所辻の角地に威風堂々、茅葺き民家が建って居る。

裏側を土塀、門口側には長屋門を配し、大和棟の茅葺き母屋が誇らしげに聳える。

正面左妻には長く突き出した棧瓦の落棟と小さな煙り出し館。

最近葺き替えられたのか?茅葺き屋根は凛として美しく、長い土塀とのコントラストも程良い。

古い集落の古い茅葺き民家、しかし周りを積み木細工の様な小さく派手な住宅に囲まれ、狭いこの付近にだけ昔日の姿を留めて居る。

撮影2013.4.27


大阪府交野市 「寺」の茅葺き民家

2013年11月24日 | 茅葺き屋根(上懸屋含む)大阪府

交野市東方、山裾の棚田を背に「寺」の古い集落があり、その家並に隠れる様に国指定文化財の茅葺き民家が有る。 

交野市のHPでも、明確に非公開とされ、門は固く閉じられその屋根さえ見えず、全く中の様子を窺う事など出来ない。

田舎の民家だと、気軽に声を掛け、家人の話も聞けるのだが・・・・・・。

仕方なく何処か見渡せるポイントは無いかと徘徊、西側道路より家並越しの左妻。

裏側に廻ると、なんとかこんな様子で全体がほぼ見渡せた。

茅葺き屋根は、主屋正面妻側に一段低い別棟を継ぎ足した形で、造形的にも美しく珍らしい。

もっと良く見える処は無いかと棚田に登って撮影・・・・。

代々庄屋をつとめたと言う見事な茅葺き屋根、棟札より、宝永二年(1705)に建てられたと言うことが判っています。

視点を少しずらした家並の中にも、覆い懸けをした大きい茅葺き屋根が見えた。

撮影2013.6.16


大阪府交野市 倉治の茅葺き民家

2013年11月23日 | 茅葺き屋根(上懸屋含む)大阪府

前回紹介、枚方市の南隣り、交野市野家並に埋もれる様にある茅葺き屋根の民家。

市街地の民家は何処でも同じように大きな屋敷を長屋門と大きな庭木、築地塀などで目隠して居る。

しょうが無いので屋敷の周りをぐるっと一周り・・・裏に廻ると空き地で小母さんが農作業・・・・、主屋の長い棟がこの家の家挌を物語って居るよう。

隣家の屋敷から見ると・・・・・・、何と、他からは見えなかった別棟が見え、少し棟をずらした離れ屋なのだろうか??

隣の家人の話だと、ここは大庄屋さんの屋敷。

この屋敷は現在住まわれていないようで、警備会社が管理されて居る様です。

今後どうなるのかちょっと気になる茅葺き屋根の庄屋屋敷です。

撮影2013.4.27


大阪府枚方市長尾 菅原の茅葺き民家

2013年11月22日 | 茅葺き屋根(上懸屋含む)大阪府

大阪府最東端、我が山城、京田辺市と境を接する枚方市長尾に聳え建つ、大きな茅葺き大和棟。

家挌を示すような、黒壁横長の長屋門が主屋を隠して伺うことが難しい。

旧街道に沿う様に造られた土塀の一角より見た一枚・・・・長大な棧瓦箱棟の上には見事な二本の避雷針。

両袖を棧瓦の落棟とし、向かって右棟には煙出し館。

正面は茅葺きのまま残しているが背面は既に覆い懸け屋根に成って居る。

市街地の茅葺き屋根は、まるでステータスを示すデコレーションの役目も果たして居るかの様・・・・・。

撮影2013.4.27


大坂府枚方市 穂谷の茅葺き民家

2013年05月21日 | 茅葺き屋根(上懸屋含む)大阪府

「にほんの里100選」にも選ばれている大阪枚方市の最南端、穂谷集落で見かけた茅葺き民家。

杉集落の前の道、旧国道307号線を道成に南東方向へ、尊延寺交差を右折、京都府京田辺市と奈良県生駒市と境を接する山裾斜面に穂谷の集落が有る。

集落はその中央に溜池を持ち、家々はその池を見下ろす様に斜面高台に建つ。

なだらかな斜面に高い石垣を積み、大きい屋敷を持つ豪壮な民家が建ち並び、どこか遠くへ来たような・・・・、普段見慣れない景観が広がる。

高台の一角を占める茅葺き屋根民家の屋敷は、正しく里山、山里の懐かしい景観を醸し出して居る。

茅葺き大和棟の大きな屋根は補修の痕も見えるがかなり傷みも激しい。落棟

棧瓦葺きの落棟は今にも崩れそうなほどに痛々しく、もうこの姿も永らくは留めないかも???

そんなに人里離れた草深い田舎でもないのに・・・、立派なこんな家も風の吹き抜ける廃墟・・・

集落で権勢を誇ったであろう造り酒屋さんも廃業・・・、殆んどの建物は解体撤去、残された蔵だけが哀しい姿を晒しています。

こんな街の近くに在っても、里山の荒廃は止めようもないと言う事か??。

撮影2013.3.5


大坂府枚方市 杉の茅葺き民家-2

2013年05月20日 | 茅葺き屋根(上懸屋含む)大阪府

昨日紹介の家人の小母さんから教えてもらった茅葺き民家。

昨日の民家からはちょうど対面、杉集落の旧在所高台に見え隠れする、この地域では珍しい袖棟付きの茅葺き民家。

高台の竹藪を背に石垣白壁土塀に囲まれたL字型の茅葺き屋根はそれだけでも絵になる景観。

上級豪農屋敷だったのだろうか?広い「かど先」に落ち着いた佇まいの納屋。

これだけ良く整った民家が無指定で残って居るのは珍しい。

屋根の修理もそろそろ近づいて居る様で少々傷みも目立ち、この先がちょっと心配な茅葺き屋根です。

杉集落の旧在所の景観です。

撮影2013.3.5


大坂府枚方市 杉の茅葺き民家

2013年05月19日 | 茅葺き屋根(上懸屋含む)大阪府

大阪府東端、枚方市杉は京都府京田辺市と低い山を挟んで府境を接する。

杉地域は最近住宅開発や道路造成も著しく旧い集落は高速道路や幹線道に囲まれるように片隅に追いやられて居る。

集落の縁を回り込むような旧国道307号線からこの茅葺き屋根が見える。

集落から外れた小川沿いの田んぼに囲まれた屋敷は立派で地主クラスの上級農家だったのだろう

主屋は大和棟茅葺き屋根に東「落棟」、西側「入母屋造り」となり・・・、ここ北河内に於いても大和棟は上級農家のステータスだったのだろう・・

この民家は屋根もまだ吹き替えたばかりの様で傷みもなくまだこの先もこの姿のまま見ることが出来そうです。

撮影2013.3.5


大阪府太子町竹内街道 大道「旧山本家住宅」

2013年01月28日 | 茅葺き屋根(上懸屋含む)大阪府

日本最古の官道として整備された二上山麓、太子町の竹内街道沿いに建つ、古い茅葺き大和棟の民家です。

国道166号線太子町六枚橋東の交差点を左折して旧道をしばらく歩くと・・・・・

10分足らずで道路右手下方にいかにも文化財と言わんばかしの手入れの良く行き届いた茅葺き大和棟の屋敷が見える。

この旧山本家住宅は現在太子町の管理物となり、有料ながら4.5.9.10.11月の土・日・祝日は開館、内部も見学可能と成って居るようです。

その構造手法から江戸末期の建築と推定される主屋は茅葺きの傾斜の急な大和棟切妻屋根の両側を一段落とした本瓦葺きとし、更にもう一段落として落ち棟を出し、煙り出し櫓を乗せている。

かど側前方正面から見ると単純な直線構成ですが茅葺き屋根と、妻や庇の瓦屋根のコントラストが美しい。

良く見ると茅葺き屋根、大和棟の真ん中あたりには写真の様な縁起物??だと思われる松飾りが乗せられて居るのが見える。

瓦の鐘馗様や茅葺き屋根のアワビの貝殻などは良く見かけるけど、こんな針金細工の松の木を見かけるのは初めて・・・・、もしやこれが避雷針の代わりなのかなあ????

撮影2006.10.14