HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

MOTT THE HOOPLE / ALL THE YOUNG DUDES

2008-05-31 16:20:15 | ROCK
今週は探していたイアン・ハンターとモット・ザ・フープルのCDを
入手することが出来た。どちらもリリースされたのをリアル・タイムで
承知していたのだが縁が無かったというか、いつもの悪い癖で「そのうち
中古で安く見つけることができるだろう」と踏んでいたのがとんだ間違いで
ネットで検索しても馬鹿みたいな値段が設定されていることが多く
見送っていたものであるだけに、今回の入手は嬉しかった。

掲載写真は98年にリリースされたモット・ザ・フープルの3枚組アンソロジー。
光るジャケットはスキャンするとその派手な光具合がうまく捉えられないのだが
そのジャケットの安っぽい光かたが、モットらしくて実に良い。(笑)
これがリリースされた時はレア・トラック満載が売りだったのだが、
今ではアイランド時代もコロムビア時代もボーナス・トラック付きで
リマスターCDが手に入るし、2003年には「TWO MILES FROM HEAVEN」
というタイトルのレア・トラック集がCD化されたために、98年のこの
ボックス収録のレア曲の大半はそれらで聴くことができる。
しかしながら、まだこのボックスでしか聴くことが出来ない「お宝」もある。

ディスク1冒頭の短いながらも貴重なスタジオ・セッションでの「LIKE A
ROLLING STONES」はその最たるもの。アルバム「MAD SHADOW」用の
曲だった「MOONBUS」、後にタイトルを「THE MOON UPSTAIRS」と変える
デモ曲「MENTAL TRAIN」も然り。ディスク2では「I WISH I WAS YOUR
MOTHER」の未発表バージョンが貴重。
ディスク3はモット・ザ・フープル前後のオフィシャル音源も収録している
ので、印象がバラけるきらいはあるが、ここにも聞きのがせない「お宝」が
ある。「HYMN FOR THE DUDES」のデモはもちろん、永遠のモット賛歌
「THE SATURDAY GIGS」のデモである「THE SATURDAY KIDS」には倒れそうに
なる。

モットとイアン・ハンターの有名なファン・サイトでは、このボックスは
「CBSが少数しかプレスしなかったという噂があるが、それは事実無根で
ある。(少なくともイギリスでは)」というコメントでこのボックスが
紹介されているが、日本盤は出なかったし中古屋の店頭でも見かけなかった。
(少なくとも私は)(笑)
10年遅れになったが、高めの価格設定の紙ジャケ1枚分の値段で入手できた
ことを今は素直に喜んでいる。



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義理堅い男、再び。

2008-05-28 22:52:30 | 日本のロック・ポップス
なんだかよく解らないのだけど、頭脳警察のシングルがリリースされた。
収録曲は「時代はサーカスの象にのって / 間際に放て」の2曲。
2001年に再再結成されて以降、ライブで演奏されていた2曲なのだが
結局のところ、新曲はこの2曲しか形にならなかったというわけか。

「時代が大きく動くとき、頭脳警察も動く」というニュアンスの文章を
誰が言ったかしらないが、何かで目にしたことがある。記憶は曖昧なのだが
パンタ自身の発言かもしれないし、そういう空気に乗っかってパンタが
「偶然なんだけどそうなんだよな。」と言ったのかもしれない。
時代の大きな揺れを感じるのは結構なのだが、後付では困る。(笑)

曲はまあ平均的な出来で、よく言えば「パンタ節炸裂」悪く言えば
再結成時の「頭脳警察7」の出来の悪い曲と大差ないというところか。
今回の録音メンバーはパンタとトシ以外は「陽炎」のメンバーである。
トシのパーカッションはともかく音的には「陽炎」との差異はなく、
違いは頭脳警察を名乗るか名乗らないかである。
ますます、ソロ活動と頭脳警察の違いが曖昧になっていくのが辛い。
ジャケットも個人的に気に障る。

それでも「頭脳警察」と言われるとスルーすることができない。
80年代半ばから今に至るまで、頭脳警察~パンタのアルバムを
聴き続けてきたのは、パンタが自身の言動と音にもっともブレのない
ミュージシャンであると思ってきたからに他ならない。
近年は以前ほど熱心でなくなったのは事実だけど・・・。
少し前にリリースされたライブ盤「響 2U~OLIVE TOUR FINAL」の
風通しの良さに比べると、どうもこのシングルは分が悪いように感じるのは
何故だろう。

頭脳警察はもっとスペシャルなものであって欲しい、なんて考えるのは
もはや私が以前ほど熱心なパンタ信奉者でないことの証左かもしれない。
ライブでしか聴けなかった曲がスタジオ録音でリリースされたことを
素直に喜ぶのが筋なんだろうけど。
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気分がいいので・・・

2008-05-27 17:47:20 | DAY BY DAY
気分がいいので、ウォッカ・コリンズのシングルのジャケットを
掲載してみよう。

このシングルは2枚持っているのだが、2枚ともサンプル盤なので
いつか白ではなく青いエキスプレス・レーベルの盤を入手したいと
思っている。
ポリスターが96年の再結成時にプロモ・シングルを作成したが
これにはジャケットがない。愛想でいいから何かジャケットを
つけて欲しかったなぁ。
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ALAN MERRILL / ALIEN IN TOKYO

2008-05-27 17:35:59 | 日本のロック・ポップス
今日は仕事が休みで、しかもいい天気。
出かけようかと思ったが、朝から荷物が届いたのと慢性的金欠で
外出は取りやめ。ビールも切らしているが、まあいいか・・・。

ちょうど10年前アランメリルの「ひとりぼっちの東京(ALONE IN TOKYO)」が
初CD化されたのだが、今では廃盤になりそれなりの値段で中古市場に
並んでいる。全編日本語で、かまやつひろしやクニ河内らの曲を歌う
アルバムで、アラン的には不本意な部分もあったという。確かに私の
嗜好的にも「ちょっと勘弁して」という曲もあるが、歌謡曲やソフト・ロックが
見直される今の耳で聴けば、聴き所は多い。

そんなアルバムにボーナス・トラックを加えて再リリースされたのが
掲載写真のアルバムでタイトルは「ALIEN IN TOKYO」。
1968年から71年までに日本でレコーディングされた曲を集めた形に
なっていて、先の「ひとりぼっちの東京」収録曲は全て収められている。
久しぶりに同アルバムを聴くことにもなったわけだが、本当にいい曲が多い。
不本意ながら(笑)ムッシュ作品よりクニ河内作品のほうに良い曲が多く
「平和」「若者の出発」という曲がお気に入りである。
このアルバムの後、「これが俺の本当の1枚目」とばかりにアランは
「MERRILL 1」をリリース。そのオープニングを飾る最高に気持ちの良い
ナンバー「EVERYDAY ALL NIGHT STAND」も収録。

アルバムはザ・リードの「悪魔がくれた青いバラ」でスタート。
ザ・リードはアルバム単位で聴いたことがないのだが、CD化を強く希望する。
1STはジャケ買いの対象(笑)だし、2枚目にはストーンズ・カバーが
収録してあるから。

「OF THE PEOPLE」はティーブ釜范&ムッシュかまやつの「ファーザー&
マッド・サン」収録曲で、アランとかまやつのデュエットが聴ける。
このアルバムにアランが提供した曲には傑作が多い。
そして特筆すべきはウォッカ・コリンズのシングル「オートマチック・
パイロット」と「サンズ・オブ・タイム」がCD化されたことである。
ご存知の通り、このシングル曲はアルバムとはバージョンが違う。
日本で編まれたコンピCDにこのバージョンが収録されているのかどうかは
知らないが、アラン名義の作品においては初CD化で、この意義は大きい。

ここまで書いてきて今更なのだが、今回もCDR仕様でカラー・コピーの
ジャケットである。しかしながら、最早そんなことには慣れてしまったし
しっかりアランに実入りが行くシステムで流通しているのだから、文句はない。
興味を持った方は検索して探していただきたい。
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追憶のブートレグ61・ACT14 / THE BEACH BOYS

2008-05-27 09:38:55 | ROCK
忘れもしない1984年の蒸し暑い8月のとある日、今は無き大阪の
ジャンピン・ジャック・レコードで棚を漁っていると、ビーチ・ボーイズの
「SMILE」というLPが出てきた。スマイルが未完に終わったアルバムである
くらいの知識はあったが、それがどんなものであるとかは全く知らなかった
ので、いきなり目の前に登場したそれに少々面食らった。
よく見ると「BROTHER RECORD」なんて書いてあるし(笑)ご丁寧にジャケ裏には
「RIAA」のロゴもある。印刷が少々甘いので「ブートレグなんだろうな」と
思いながらも手に取っていた。家に帰り少しばかりの期待を持って
プレイヤーにセットし、出てきた音は紛れも無く紛い物のソレであった。(笑)
ちなみに掲載写真はCDブートレグのジャケット。

ビーチ・ボーイズの最高傑作に「ペット・サウンズ」を挙げる人が多くなった
のはいつくらいからだろう。CDによって手軽に聴けるようになってから
なのは間違いないのだが、即座に回収された87年のCDのライナーの影響は
大きかったと思う。以降のCDにも使われているのかどうかは知らないのだけど
あのライナーは多くのことを教えてくれたと今でも思っている。
しかしながら、私は自分が昨年選んだ「60年代のロック25選」では
「ペット・サウンズ」は選ばなかった。選べなかったというほうが正確かも
しれない。好きな曲が収録されているのは勿論だが、アルバム誕生までの
経緯やなんだかんだを含めて「スマイリー・スマイル」に肩入れする私が
いる。何時の間に両者は太陽と月、あるいは光と影みたいになってしまった
のだろう。その密室性の高さ故に前者を少々息苦しく感じる、なんて
いうのは今となっては勇気のいることかもしれない。

ビーチ・ボーイズの昔からのブートレグの標的に「スマイル」がある。
完成していれば最高傑作になったかもしれないせいか、未完に終わった
ロマン故か未だに手を変え品を変え様々なブツが市場に出回る。
それだけ需要があるからだが、どうもそれらが好きになれないのである。
流出した多くのスタジオ・アウトテイクの中から、適当なテイクを
ブートレガーの基準で選び並べて完成させたものを有難いとは思えないのだ。

未完に終わった「スマイル」に対する期待と欲望は、ブライアンがソロで
「SMILE」を出したにも関わらず膨らみ続ける。それに対してビーチ・ボーイズが
67年にリリースした「スマイリー・スマイル」の評価のなんと低いことか。
実際に「スマイル」レコーディング時期の録音は極端に少ないことが
低評価の原因なのだが、少なくとも楽曲のほとんどは「スマイル」のための
ものである。その時点で最良のマテリアルを提供したはずなのに、単なる
残骸、燃えカスのような扱いで終わるのは私には耐えられない。
まあ、私にとって「スマイリー・スマイル」は「英雄と悪漢」が収録されている
というただその点においてだけでも価値があるのだけど。

「スマイル」を疑似体験できる最良の方法は93年に出た「GOOD VIBRATION
BOX」のディスク2の後半である。30分少々の尺ではあるが、オフィシャルで
この時期のレコーディングが聴けるのだから、まずはこれであろう。
その後のアルバムにも「スマイル」に収録されるはずだった曲は
レコーディングを新たにして幾つも収録されている。
当初の「スマイル」の趣旨から外れているのはわかっていても、幾多もの
オフィシャル盤に収録されたテイクを寄せ集めて、「私のスマイル」を
作って聴くことできっと満足できるはずだ。私はブライアン信者ではなく
バンドとしてのビーチ・ボーイズが好きだ。
「スマイル」に拘ることはバンドを不当に貶める気がしてならない。

「スマイリー・スマイル」が負け戦ならそれもいい。
ロックン・ロールは敗者のゲームって、イアン・ハンターも歌っている
じゃないか。ブートレグの「スマイル」を聴くとき、私はいつも自分に
対する戒めとしてそれを聴く。
もっともほとんど聴くことはないのだけど・・・。
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邪気買いの奨め~男前編 SIMPLY SAUCER

2008-05-26 22:03:08 | ROCK
まさにジャケ買い。セクシーな女の子が写っているわけではないし、
洒落たフォントをあしらってるわけでもない。逆光も木も海もない。
しかし、この写真を見て「ロックだ」と思ったならその感性は100%
正しい。少なくとも私の基準では。

73年にカナダで結成されたシンプリー・ソーサーはそのバンド名を
ピンク・フロイドのアルバム「SAUCERFUL OF SECRETS」から頂戴する。
初期ピンク・フロイドというか、シド・バレット・フリークのバンドは
ダニエル&ロバート・ラノアが所有するスタジオで6曲ほどレコーディング
するのだが、そこで聴くことのできる音はガレージ・サウンドの上を
電子楽器が飛び道具の役割を果たして縦横無尽に駆け巡るもので、
録音機材の貧弱さを補って余りある迫力だ。
バンドはその後「FUNHOUSE」「WHITE LIGHT / WHITE HEAT」という
由緒正しいアルバムと美しくも出会ってしまい、更なる進化を遂げる。
快感の持続ではないが、10分に及ぶ「ILLEGAL BODIES」にその答えがある。

70年代にバンドが正式に残したのは78年録音のシングル1枚。
そこではニュー・ヨークでのパンクの流れを汲むような音を聴くことができる。
しかしながら、実はそれが一番内容的に落ちる。
このCDはそんなシングルと74年から75年のスタジオ・リハーサル、
77年のライブを詰め込んでアルバムにしたもの。
聴き所は間違いなく74年と75年の録音なのだが、ただの1枚も正式な
アルバムを残さなかったのが不思議に思える格好良さを感じ取る
ロック者は多いだろう。近年活動を再開しているようだが、このアルバムに
封じ込められたようなマジックがあるかどうかはまだ確認していない。




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追憶のブートレグ61・ACT13 / QUEEN

2008-05-25 21:48:09 | ROCK
「カンボジア難民救済コンサート」は79年12月26日~29日の
4日間、ロンドンはハマー・スミス・オデオンで行われた。
どちらかといえば、米国よりも英国のロックを贔屓にしていたので、
どちらも後追いで聴いたものの、「ノー・ニュークス」は完全にスルー、
「カンボジア・・・」のほうは熱心に聴いたものだ。
今では前者の意義や面子の豪華さもわかるのだけど。

「カンボジア・・・」のLPは2枚組でまずA面全部をザ・フーが、D面を
ポール絡みが占めていて、これには唸った。
両者とも当時のワーナーが権利を持つアーティストではなかったことが
その理由だが前者は貫禄、後者は言いだしっぺの立場というものがある
ということだ。もちろん商売上の判断は大きいだろうしね。
キース・ムーン無き後のザ・フーのライブを収録しているということが
素直に嬉しかったのは言うまでもない。

不思議に思ったのが、収録アーティストの中では大物の部類に入り
しかもワーナーが権利を持つクイーンがたった1曲しか収録されていないこと
である。プリテンダーズの3曲に比べると厭でも少ないことに気付く。
熱心にクイーンのブートレグを買ったわけでもないし、「ライヴ・キラーズ」
も大して気に入ってないのだが、先の不当に収録曲が少ないと思い込んだ
件のせいで、この日の演奏をもっと聴きたいと思っていた。
そんな私の思いを叶えたのが掲載写真のブートレグである。
音質は当時の普通のオーディエンス録音だが、時節柄「SILENT NIGHT」で
始まりお約束の「GOD SAVE THE QUEEN」で終わるまでを捉えていて、
初めて「カンボジア難民救済コンサート」のLPを聴いた時から持っていた
モヤモヤ感(笑)は見事に払拭された。
なんで1曲目にプレスリー・カバーを持ってくるの?という新たな
疑問が生まれたけど。(笑)

クイーンで好きなアルバムを3枚挙げれば順に「THE GAME」「JAZZ」「HOT
SPACE」である。熱心なファンからすれば「え~?」という声が聞こえて
きそうである。アルバムは全て揃えているのだが、実は名盤と言われる
「クイーンⅡ」や「オペラ座の夜」は未だに私にとっては掴みどころが無い
盤である。最初に買ったLPが収録曲が多い上に値段が安かったベスト盤で
そればかり聴いていたからかもしれない。事実、その後の私はクイーンを
シングル盤で聴くことが多く、日本盤シングルは20枚以上所持している。
先の2枚のアルバムも、いつか攻略できる日がくればいいと思っているの
だが、いつになるやら・・・。

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四人囃子 / FROM THE VAULTS 2

2008-05-24 18:40:47 | 日本のロック・ポップス
2001年の年末に5枚組「FROM THE VAULTS」が出た時は、そのボリュームに
感動したものだが、まさか続編が編まれるなんてことは思わなかった。
今回も前回同様、赤黒で購入。赤黒で発売のインフォメーションが出た時、
「予約特典作成中」とあったのと、CDの装丁が「三面デジパック仕様」と
あったので「これは前回同様ライブCDが特典だな。」と思いつつも
情報が確定するのを待つ。案の定、特典はボックス未収録のライブCDだった
わけだが、今回は他の大手レコード店で購入すると別のライブCDが
特典となり、「なんだかなあ」というオチがついた。(笑)
ところで、2001年の「FROM THE VAULTS」も三面デジパック仕様なのだが
赤黒以外で買った人は余っているトレイをどうしているのだろう。

今回の箱は前回と違い、73年から75年までの「東宝レコード」在籍時の
音源を収録している。これはこの後の「ゴールデン・ピクニックス」以降の
箱が編まれる可能性が残されていると言うわけで、早くもお楽しみが
出来たことになる。いや、小出しにされるライブ音源の完全版ボックスでも
一向に構わないけど。(笑)

今回の聴きものは何といっても「一触即発」収録曲の未使用テイクや
デモといってスタジオ録音曲であろう。大作「『おまつり』や『一触即発』が
幾つものパートにわけて録音され、それが繋ぎ合わされたなんてことは
考えもしなかったので、パート毎の録音を聴くのは新鮮なショックであった。
アウトテイクやデモといっても、その完成度の高さと演奏の面白さは
特筆すべきである。サンタナ的(笑)展開の演奏を披露する瞬間もあり、
「バージョン」としての面白さは感じるが、バンドのイメージやアルバムの
統一性を考慮するとやはりアウトテイクとなったのだな、ということが
わかる。

ディスク3は「’73四人囃子」として世に出た73年8月21日の演奏を
当日の演奏順に並べ替えたものだが、ボックスには従来のアルバム通りの
曲順が記載されている。従来のCDに比べ収録時間が1分30秒以上長いのは
当日のMCを収録しているため。そういえば「’73四人囃子」は
曲が終わると客席の歓声とかをカットしていたためライブ盤独特の余韻が
なかったので、今回の収録を「水増し」と言う人もいるだろうけど、
私は良かったのではないかと思う。

私は四人囃子をプログレだと思ったことは一度も無い。
近似値的に見るとピンク・フロイドが近しいのであるが、フロイドを
プログレだと捉えていないので(サイケデリック・ブルーズ・バンドだと
解釈している)四人囃子も普通に格好いいロック・バンドだと思っている。
ただし、「普通」というのはつまらない枠組みで捉えないというだけで
アイディアと演奏能力というのは「普通」ではない。
そんなことを再確認するのに最適の箱である。

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追憶のブートレグ61・ACT12  / J.GEILS BAND

2008-05-22 20:49:07 | ROCK
J.ガイルズ・バンドといえば、私と年齢が近い方だとまず「堕ちた天使」という
ヒット曲が思い浮かぶだろう。格好いいのか悪いのかよくわからないプロモは
今見れば、出てくるチア・リーダーのお姉さん方がダサくて、妙に
J.ガイルズ・バンドにぴったりだなと思ったりする。
この曲は歌詞の内容が刺激的で、自分がもし同じような事に出くわしたら
どういう気持ちになるのだろうと、特に結論が出るわけでもないのに、
ぼんやり夢想するうちに曲が終わっているというのが常であった。

しかし、少しだけ似たような経験はある。
今では「神の見えざる手」によってそういうことはないのだが、30代前半は
仕事仲間といかがわしい場所(笑)に行くこともあった。
酔った勢いとかいうみっともないことはせず、素面で行くのが我々の
流儀(バカ)。いろんなことをするのだが、我々は「男のトークを磨く」
とかいうバカなお題目も掲げていた。だいたい初対面だと、時候の話の次に
「仕事は何?」なんてとこから会話は始まる。
私は、銀行員、グルメ評論家、雑誌記者、大手ゼネコン社員、街金の取立て等の
でたらめな職名を言い、そこから嘘八百の会話がどれくらいできるかという
ことにトライ(再びバカ)していたものだ。

いろいろな女の子と話すわけだが、私の会話のイントネーションの妙に気付く
子もいる。大抵は「西のほうの人?」なんて言うのだが、その子は「もしかして
四国?」と見破った。どうもその子も四国の出のようなので、お互い
県名や出身市を遠まわしに探り始め、遂に二人とも同じ市の出身だということに
なり、更に内堀を埋めるべく会話を展開すると、出身高校も同じであった。
私のほうが少し先輩にあたることも判明。
四国のド田舎出身の二人が、東京の暗闇の中で出会うというシチュエーションに
なんだか盛り上がってしまった。(笑)いや、それだけの話なんだけど。

あれ、何だっけ。そう、J.ガイルズ・バンド。(笑)
彼らのブートレグというのは本当に少ない。オフィシャルCDですら、
とりあえずCD化しました、という状態で放置されているのでブートレグの
ニーズもそれほどないのかもしれない。もちろん映像なんて数えるほどだ。
掲載写真は2枚組CDで、1枚目にフィルモア・イーストでのライブが
収録されている。音質は今ひとつで、演奏の日付も間違ってクレジットされて
いる。後にこれが71年6月24日のものと判明したのは「CLOSING OF
FILLMORE EAST」というブートレグを聴いたことによる。この日は
ビーチ・ボーイズ、マウンテン、アルバート・キングらも演奏しているが
オールマン・ブラザーズ・バンドの演奏は「EAT A PEACH」のデラックス・
エディションで日の目を見たのはご存知の通り。

2枚目は73年のデトロイトはコボ・ホールでのライブを中心に収録してある。
一応サウンドボードだが、大した音質ではない。それでも、私にとっては
貴重なライブ盤であることに変わりは無い。J.ガイルズ・バンドは
3枚のライブ盤を出している。よく「ストーンズの本質はスタジオ録音ではなく
ライブ盤にある」、なんていう物言いを見かけるが、実のところ
ストーンズの名盤としてライブ盤を挙げる人はあまりいない。
J.ガイルズ・バンドは紛れも無くライブ盤が楽しいバンドである。
それらを補完するブツがもっとあればいいのに、と思うのだけど
世間はどうもそうではないのが、残念である。



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AL JONES / ALL MY FRIENDS ARE BACK AGAIN

2008-05-20 22:14:30 | ROCK
毎月のように様々な復刻CDがリリースされるが、市場に残っている期間が
どんどん短くなっているように感じるのは気のせいか?。
掲載写真のアル・ジョーンズの2枚組CDは、昨年夏頃市場に出たのだが
現在ではどうも生産していないようである。
かくいう私も最初HMVでオーダーしたところ、なかなか入荷せずキャンセル
してアマゾンで購入。後日HMVで検索してみたら「廃盤」と書いてあった。

アル・ジョーンズはたった2枚のアルバムを発表してシーンから姿を消した
こともあって、70年代の英国フォーク好きの人の間では高く評価する人も多い。
(後に98年にアルバムを突如発表する。)
69年の1STはCD化されたこともあるが、すぐに廃盤となったので
探していた人もいるだろう。掲載写真のCDはアルの2枚のアルバム全曲に
シングル、未発表曲にライブと66年から76年までの音源をこれでもかと
詰め込んだアルバム。73年作「JONESVILLE」が初CD化というだけでも
喜んだのに、この密度の高さはちょっと簡単には言葉に出来ない。

とはいっても、楽曲や歌唱は穏やかなもので堅苦しさは無く、一聴して
耳に残るメロディーも多く、フォークとポップスがうまく交じり合った
音である。さてスタジオ録音の数々はそういった具合なのだが、
数曲収録されたライブを聴くと、イメージが変わるのがまた面白い。
基本的に弾き語りなのだが、「BOYS」「THAT'LL BE THE DAY」「LA BAMBA」と
いうある意味スタンダードというかベタな曲を楽しげに演奏されると
あまりにスタジオ録音とのギャップが大きくとまどってしまう。
この手のタイプの英国SSWには珍しく、ブルーズの影響も大きく受けている
ようなので、それらを含めてアルの個性と言えばそうなのだろう。

1STアルバム「ALUN ASHWORTH-JONES」はジャケットが秀逸なので
オリジナル・フォーマットでの再発が望まれるのだが、それでも未発表曲を
多く含むこのCDの価値は高い。今なら中古市場でもそれほど高くないので
気になる方は早めの入手をお勧めする。
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追憶のブートレグ61・ACT11 / JUNE 1,1974 OUTTAKES

2008-05-18 21:36:53 | ROCK
「JUNE 1 , 1974」という原題がそのままコンサートの日付になっているので、
この日何が行われたかということは自然に刷り込まれてしまった。
ケヴィン・エアーズがアルバム「夢博士の告白」発表に際して行った
レインボー・シアターでのコンサートを収録したもので、邦題は「悪魔の
申し子たち~その歴史的集会より」という言いえて妙なものである。

ケヴィンは最初にニコに声をかけ、ニコがケイルに声をかけ、ケイルが
イーノを連れてくるという、意義のあるロック数珠繋がりがここに完成する。
コンサートが大掛かりなものになりそうだったので、それならばとケヴィンは
ロバート・ワイアットとマイク・オールドフィールドにも声をかけ、
まさに歴史的一夜が誕生するわけだ。

この日の録音は1枚もののアルバムとして発表されたが、この日の全貌を
ほぼ捉えたブートレグが掲載写真である。このブートレグはオフィシャルで
出た盤に収録されている曲を1曲含むだけで、他は全て未収録曲で構成
されている。オフィシャル曲をわざわざ1曲含んでいるのには意味が
ある。その曲はイーノの「BABY'S ON FIRE」。オフィシャル盤では2曲目に
収録されていて、オープニングの「DRIVING ME BACKWARDS」続く「BABY'S
ON FIRE」は実際のコンサートと同じ流れであるが、オフィシャル盤の
「BABY'S ON FIRE」は実はこの日2回演奏されたうちの、コンサートの
最終曲として演奏された2回目のほうを収録してある。
これを聞き比べてもらうために、収録したというわけであろう。

コンサートはアンコールで全員が演奏する「ONE NIGHT STAND (I'VE GOT A
HARD ON FOR YOU BABY)」で終了する段取りだったと思うのだが、レコーディング
もしていたため、最初のテイクの出来に不満だったイーノが再度演奏することを
要請したのかもしれない。事実、2度目に演奏されたテイクのほうが
演奏もノリも明らかに良い。10分を超える「WHATEVERSHEBRINGSWESING」や
本来のこのコンサートの目的に最も近いはずの「夢博士の告白」収録の
メドレーがアルバムに収録されなかったのは惜しい気もする。

このブートレグの音質はお世辞にも誉められたものではない。
しかしながら、貴重な一夜のドキュメントとしてオフィシャル盤を補完する
意味で今のところ、これを越えるブツはない。
こういう音源こそ発掘されるべきで、例え曲順をコンサートの通りに並べ
変えて発売しても「オリジナルの印象が薄れる」なんて言う阿呆はいないと
信じたい。これが実現すれば、本当に意味のある再発になると思うのは
私だけではあるまい。
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追憶のブートレグ61・ACT10 / ROCKPILE

2008-05-17 21:44:31 | ROCK
「ROCKPILE」というのはデイヴ・エドモンズの1STソロ・アルバムの
タイトルであったが、それをバンド名にしたアルバムが1980年に
リリースされた。デイヴとニック・ロウの双頭バンドでアルバムは1枚しか
残さなかったが、この二人はその昔からお互いに入り乱れて(笑)
レコーディングやライブを敢行しているので、「これ1枚きり」という
印象が何故か薄い。

ロックパイルの映像を初めて見たのは「カンボジア難民救済コンサート」で
あった。ロック初心者の私の目当てはわかりやすくクイーンとザ・フーで
ロックパイルは演奏曲の地味さもあって初見の時はほとんど印象に残っていない。
おまけにゲストで登場したロバート・プラントのバックも1曲ながら
担当したものだから、尚更バンドとしての印象は薄かった。
ちなみにこの時のロバート・プラントは妙に太っていて、声はでてないのに
貫禄だけは変にあって、それが尚更ロックパイルの「こじんまり感」(笑)
だけが私の中で記憶に残った。勿論、経験値を上げてから再度見たその
映像は発見が多かったのは言うまでもない。

掲載写真左は昨日とりあげたブリンズレー・シュウォーツと同時に発売された
ブートレグで、77年のBBCライブをメインに収録している。
掲載写真右はその少し後に市場に出回ったもので、メインは79年にFM放送
されたライブを収録。77年のBBCも収録しているが1曲オミットされて
いるため、左の盤の価値はある。ちなみにオミットされた曲は「I KNEW THE
BRIDE」。これは許せませんね。(笑)また、左の盤はこれも昨日記事にした
ブリンズレーのブートレグやオフィシャル盤に未収録のBBCライブを1曲
収録している。曲は「RUN RUDOLPH RUN」。チャック・ベリー好きのデイヴの
選曲だろう。実にいい演奏なのでブートレグとはいえ聴けることが有難い。

右の盤には「FEAT. NICK LOWE」なんて書いてあるが余計なお世話である。
日本ではニック・ロウの名前を出したほうが通りが良いだろうし、
売れるだろうとの戦略だとは思うが、デイヴとニックの両方がボーカルを
とる「ライブ・バンド」がロックパイルなのだから。
ロックパイルのプロモ・ビデオといえば「TEACHER TEACHER」しか見たことが
ない。ニックの「恋する二人」のビデオではニックは新郎、デイヴは
運転手という役割で演技をしていた。ここらあたりの映像ってオフィシャルで
出ないものかなあ。
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追憶のブートレグ61・ACT9 / BRINSLEY SCHWARZ

2008-05-16 21:58:26 | ROCK
ブリンズレー・シュウォーツに興味を持ったのは、ニック・ロウの作品を
買い集めるようになってからである。そして当然のようにイアン・ゴムを
集めるようになったのだが、80年代後半にはそれらのアルバムはなかなか
見つからなかった。CD化も早いほうではなかったと思う。

ブリンズレーの全アルバムを購入する前に、以前ブログでとりあげたお蔵入りの
ラスト・アルバムのブートレグを手にして、ますます全アルバム制覇の
気分が高まったのも遠い昔、今では全てCD化されたし2枚のBBCライブ盤
まで発売された。

掲載写真はBBCライブを収録したブートレグで、これが出た時は同時に
ロックパイルのライブ盤も出て、個人的に大いに盛り上がった。
先に書いたように今では2枚のBBCライブ盤がオフィシャル盤で出ているが
このブートレグの役目はまだ終わっていない。
オフィシャル盤は司会のアナウンスを完全にカットしているので、
「BBC IN CONCERT」がどんなふうに進行するか知っている人の中には、
司会が無いとなんとなく物足りなく感じる人もいるだろう。
私もそんな一人なのである。

ブートレグでは71年6月18日と記載されている日付はオフィシャル盤では
71年11月18日と記載されている。これはオフィシャル盤のほうを
尊重するべきだろう。で、その日の演奏でオフィシャル盤未収録なのは
なんとコンサートのオープニングの3曲「COUNTRY GIRL」「DRY LAND」
「UNKNOWN NUMBER」。もうこれだけブートレグの価値はまだあるということだ。
オフィシャル盤収録曲であるものの、冒頭のMCをカットしたために
「ROCKING CHAIR」は実は演奏の冒頭が少々切れているのも付け加えておく。

72年5月4日の演奏では、またしても「UNKNOWN NUMBER」が、そして
「IT'S BEEN SO LONG」が未収録、73年4月14日の演奏でも「IT'S BEEN
SO LONG」がブートレグでしか聴けない。
ジャケットのデザイン、音質、収録内容のどれをとっても未だに私を
魅了し続けるこのブートレグを手放すことは一生ないだろう。
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追憶のブートレグ61・ACT8 / PINK FLOYD

2008-05-14 23:22:45 | ROCK
ピンク・フロイドのブートレグはかなりの枚数を聴いた。もっとも、正確に
言うと音源のコピーをもらったというのが正しいのだけど。
コンセプト・アルバムをつくり、あるいはその構想を練りながらライブを
数多くこなしたバンドなので年代ごとに興味深いライブが多いし、
ツアーが進行するにつれて曲が練れていくのが如実にわかるのも面白い。
「THE MAN & THE JOURNEY」というコンセプトでのライブを捉えた
69年9月17日や「アランのサイケデリック・ブレックファスト」を披露した
70年12月22日の演奏は私のお気に入りである。

掲載写真は74年11月19日の演奏を収録した盤でタイトルは「BRITISH
WINTER TOUR 74」。当時まだ新曲であった3曲を収録して話題になった盤で
A面の2曲は後に「アニマルズ」にB面全てを費やした曲は「炎」に
それぞれ収録される。「狂気」の大ヒット後のツアーであるためバンドの
プレッシャーは相当なものだったろうし、次作への試行錯誤の最中であった
中で、この新曲のみを収録したブートレグは大いに売れ、それがまた更なる
プレッシャーをバンドにかけたというのだから、ファンの期待と裏腹に
罪作りなブートレグである。
当時にしては珍しくカラー・ジャケで裏ジャケには歌詞まで印刷されて
いるのだから、リアル・タイムで手にした人の驚きと喜びと言うのは
大きかったことは想像に難しくない。

不思議なのは新曲を披露したコンサートの第1部はこうしてブートレグに
なったものの、「狂気」全曲と「エコーズ」を演奏した第2部が30年近く
世に出なかったことである。今ではこの日の演奏は全て聴くことが出来るが
どうせなら掲載写真と同じジャケットで出してくれたらなあと思ったものだ。

フロイドのブートレグを集めて自分でも意外だったのが「アニマルズ」
発表後の77年の演奏がけっこう良くて結果として「アニマルズ」を見直す
ことになったことだ。犬、豚、羊・・・。何も考えず産まれてから
死ぬまでシステムにのっかっている凡人を羊に例えているが、当時と今で
変わっていることといったら豚が増えていることだろう。本質は凡人なのに
自分が本来遂行すべき事柄を忘れているにもかかわらず、どこで覚えたか
つまらない知識の断片を振りかざし、権利ばかり主張する豚・・・。
罪を犯しても被害者に勝る権利を主張する人間と、それを仕事とはいえ
擁護する人間が目立つ今の裁判の進め方なんか見ていると、世の中豚だらけ
だと思ってしまうのは私だけではあるまい。

じゃあ、お前は何なのかと問われると困ってしまう。3択なら犬と呼ばれて
結構。羊ほど愚鈍ではないし豚は願い下げだ。本来は狼になりたいのだけど
そんなに勇ましくはないし。(笑)
自戒を込めて「アニマルズ」を今日も聴く・・・。

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追憶のブートレグ61・ACT7 / THE YARDBIRDS

2008-05-12 23:03:00 | ROCK
ロックの歴史は1955年に映画「暴力教室」でビル・ヘイリー&ヒズ・
コメッツの「ROCK AROUND THE CLOCK」が使われたことから始まる・・・・。
こんな文章を何回も読んだことがあり、それ以来ロックの歴史は1955年に
始まると刷り込まれていた。ところが件の曲は1954年に発売されたことに
今更ながら気付き「なんだかなぁ。」とモヤモヤしている。(笑)

まあいい。私がレコードを買い始めたのは1980年である。
ここはキリよく1955年からロックの歴史が始まったとして、ちょうど
ロック生誕から25年経って、私の購買暦がスタートしたことになる。
世界で最初のCDが作られたのは1982年8月17日だという。
一般に広く流通するには更に数年かかるわけだが、思えばCDも昨年で
ちょうど生産から25年が経ったわけである。

CDが流通し始めて最初に私が思ったこと。
それは、「廃盤になって手に入らないLPも、CDという新しいフォーマットで
生まれ変わる筈だ。これで振り出しだぜ、25年分を取り戻すぞ。
CDでの買い逃しは絶対にしないぜ。」という楽天的な考えであった。
確かに振り出しに戻り、LP時代に見たこともなかったブツがCDとなって
入手できたが、そのスピードに付いていけず買い逃しだらけなのは
言うまでもない。(笑)

ブートレグに関しても実は同じ事を思っていた。掲載写真はヤードバーズ
解散直前の68年5月31日と6月1日のライブを収録したもので、
アナログ盤は3枚組だった。雑誌の広告で見ていた頃はとても手がでなかった
ので、「ブートレグも過去のLPがCD化されないかなあ」と思うこと
しきりだったのだが、これは2枚組CDとなって市場に投下された。

このCDの2ヶ月前のライブは「LIVE YARDBIRDS ! FEATURING JIMMY PAGE」
として、71年に少数出回りジミー・ペイジに回収されたことは有名だ。
オリジナル盤には手が出ずカウンターフィットのLPを手にして
「これが、ツェッペリン前夜なんだ」と妙に興奮したのを覚えている。
そして当然沸き起こる「もっと聴きたい」という思いを叶えるのが掲載写真の
ブツであった。音質は今ひとつでアナログ起こしなので針音も聞こえるが
そんなことは全くマイナス要素ではなかったし、何よりアナログと同じような
ジャケットであるのが一番嬉しかった。
曲目で驚いたのが「BECK'S BOLERO」に続いて「I'M WAITING FOR THE MAN」を
演奏しているところである。これって余り語られてないところだと思うのだが
V.U.のカバーは誰の発案だったのか非常に気になるところである。

ブートレグも内容はグレード・アップしても、デラックス・エディション
じゃないけれど昔通りのタイトルとジャケットで流通し続ければ、誰にでも
「名盤」と認知される物がより多く残ったと思うのだけどなあ。
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