HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

のんびりいくさ

2011-04-29 12:49:41 | DAY BY DAY

   

今年のレコード・ストア・デイ関連の7インチは、数ヶ所に分けて十数枚のオーダーを出したのだが
今のところ到着したのは、掲載写真の2枚だけ。到着していないブツの中で最大の難関というか、
半ば諦めたのがドアーズの「RIDERS ON THE STORM」。3種のジャケでリリースされたのだが
eBayでチェックすると、既にどれもが単体で高額物件(笑)で、3種全部揃えるのは無理かも。

ストーンズの7インチは米国盤で通し番号が入っている。モノラルでは無くステレオ仕様。
先日出た中途半端な内容のシングル・ボックスを所持していないのだが、なんとなく数年前の
ビートルズのCDを意識したようなマスタリングのように思える。過去のCDやシングルの方が
「音の鳴り」が派手なように感じたが、まあそれは聴く人の感じ方の違いであって当然ながら
私は機嫌良く、この7インチを所持する。

デレク&ザ・ドミノスの7インチは、ファンなら入手すべき1枚と言える。これも先日リリースされた
ドミノスの40周年記念盤に収録された未発表の「GOT TO GET BETTER IN A LITTLE WHILE」を
シングルにしたものでカップリングは「LAYLA」。両曲とも6~7分の長尺であるが、音質が素晴らしい。
シングルを手にとってまず驚いたのが、その重さ。(笑)盤を取り出すと、その厚みにまた驚く。
ジャケットの裏を見ると「MADE IN THE EU」と記されているが、シュリンクには「MADE IN
CZECH REPUBLIC」のシールが・・・。えっ、これってチェコ共和国で作られたの?。(笑)
何れにせよ、見て良し聴いて良し、尚且つちょっと笑えるシールありで、大満足の7インチである。

残りのブツはいつ届くのか。はたまた届かないのか。のんびりいくさ。
さて、これから飲みにいくかな。今日は「野立会」ならぬ「ハリー会」。
下々の者、盛り上げてくれよ。(笑)

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のんびりしたり結論急いだり

2011-04-25 20:41:09 | DAY BY DAY

   

今年もレコード・ストア・デイ用に様々なアイティムが登場したのだが、気になったブツの中に
インターナショナル・サブマリン・バンドの「SAFE AT HOME」があった。個人的な目玉は幻の
デビュー・シングル「TRUCK DRIVING MAN」がジャケ付きで復刻され添付されるということだった。
確かに「高まるぅ~」と小躍りしたが、モノラル仕様でないもののアルバムは所持しているし、値段は
4000円前後とそれなりにする。「さて、どうしよう。」と少し考えて発売元の『SUNDAZED』のHPを
見たら「TRACK DRIVING MAN」の7インチ(掲載写真左)が単体で売られているではないか。
しかも6$。なら当然これを買うしかない。そうすると、途端に予算が浮いたような気になって(笑)、
まだ未所持だったモノラル仕様の4曲入り7インチ(掲載写真右)も、ここぞとばかりに購入。
こちらは4曲ともアルバム収録曲だが、よいではないか。

で、まだ当初の予定に比べて余裕があるので他のものを探すと・・・。
当初は収納用のボックスがあったのだが、そのボックスが無いためかバーズの5枚のシングルを
集めた「CANCELLED FLYTES」が格安の21.98$で売られているではないか。
箱物の装丁ではなくなったので「CANCELLED FLYTES」と言っていいのかどうか疑問なところが
無いわけではないが、各々のシングルに綺麗なピクチャー・スリーヴが付き、「CACELLED FLYTES」
としての詳しいライナーもあるとなれば、これも「買い」だろうということになってしまう。
結局送料込みで52.74$を払い、当初の予算を超えているのが間抜けなのだが、よいではないか。
熱心に聴き比べたわけではないが、96年にリマスターされてCDが再発された際にボーナス・トラック
として収録された曲を選んで組み合わせた7インチということになろうが、ジャケット・デザインの
良さ故に機嫌よく所持することにした。

   

それにしても、注文してから6日で届くのは流石である。
それに比べて、いつぞや書いた「GRAM PERSONS THE EARY YEARS BOX」を販売している
SIERRA RECORDSの不誠実なこと。予定されたDVDやブックレットが欠品状態でボックスが届いてから
約2か月経ったので「DVDやブックレットはいつ発送されるのか?」とメールを出しても
全くの無視。ボックスが届いた時に、入っていたレコードの反りがひどいので「ドイヒーなレコードでした。」と
メールした時も完全無視されたのだが、もしかして、それが気に障ってチェックされていたりして。(笑)
いずれにしろ、これから「GRAM PERSONS THE EARY YEARS BOX」をオーダーしようとする方が
いれば、それなりの覚悟はした方がいいかもしれない。

のんびりしたり結論急いだり・・・。

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アラン・プロストが好きだった

2011-04-24 17:49:03 | BRASIL

子供の頃に所謂スーパーカー・ブームというものがあった。なんとなく格好良いデザインに
惹かれて興味を持ったが、あくまで興味を持ったのは、その造形でレース自体には何の関心も
抱かなかった。

「バブルの時代」とは具体的に何時頃を指すのか、と問われると返答に自信が無いが
大体87年から92年位までを指すのではないかと思う。日本人ドライバーのF1参戦や日本企業の
参入もあって、F1ブームが起こったのも同時期。最初に就いた仕事が早起きを要求されない
仕事であったことや周囲の影響もあって、夜中に放送されるF1を私も見るようになる。
そうすると応援するF1ドライバーというものが自然と出来るもので、私はアラン・プロストを
応援するようになった。

掲載写真は73年にリリースされた「O FABULOSO FITTIPALDI」。ブラジル人F1ドライバーである
エマースン・フィッティパルディを取り上げた映画のサントラで、車のエグゾースト・ノートや本人の
声も入っていてファンには堪らないアルバムだろう。音楽ファンとしては、全ての曲をマルコス・
ヴァーリが作曲し、アジムスが演奏を担当しているという点が最大の魅力。私はフィッティパルディーの
ことは名前くらいしか知らなかったのだが、煙草のパッケージ・デザインと同じである、黒のボディーに
金文字で「ジョン・プレイヤーズ・スペシャル」と書かれた車の記憶はある。
因みにこのアルバムが出た73年の世界チャンピオンはジャッキー・スチュワートで、フィッティパルディーが
チャンピオンになったのは前年の72年と翌年の74年であった。

 F1関連で忘れられないのが、ジョージ・ハリスンが79年にリリース
した「FASTER」。アルバム「GEORGE HARRISN (慈愛の輝き)」からのシングルで、当時事故から復帰した
ニキ・ラウダと英国人ドライバーであるジャッキー・スチュワートにインスパイアされて出来た曲で、
プロモ・ビデオには、ジョージが乗るタクシーの運転手としてジャッキーが登場する。
個人的に曲の出来は、さほど良いとは思わないが。(笑)

 映画ではないがノヴェラ(連続ドラマ)のサントラで、
車がジャケットに描かれた印象的なジャケットの1枚が69年の「VEU DE NOVIA(花嫁のヴェール)」。
この盤で重要な曲がずばり「AZIMUTH」。あのアジムスのグループ名はここから来ているというのは
有名な話である。同曲は2バージョンが収録されていて、マルコス・ヴァーリのピアノ主体のバージョンは、
マルコス自身の69年のアルバム「MUSTANG COR DE SANGUE」に収録されているが、テンポを落とした
バージョンはこの盤でしか聴くことができない。因みにマルコスと後のアジムスの面々は、ここでは
『APOLO Ⅳ』と名乗っている。

エマースン・フィッティパルディーは、F1世界チャンピオンに2度君臨したが、ブラジル人ドライバーだと
後にネルスン・ピケとアイルトン・セナが、共に3度世界チャンピオンになっている。彼らを称えたレコードって
あるのだろうか?。

アラン・プロストを応援していた私が、アイルトン・セナを応援したことは一度も無かったが、流石に彼の
事故死はショックだった。セナが無くなった数日後に今は無き西新宿のブート屋で、探し物をしていると
男二人組のこんな会話が聞こえてきた。
「それでさ、セナが死んだのはやっぱりショックだよな。」
「F1はよく知らないのだけど、そのセナっていう人は、ロックでいうとどれくらい有名な人なんだ?。」
「俺にとっては、ジェフ・ベックと同じくらいの位置にいる人。」
普段なら笑ってしまうような例えだが、セナをジェフ・ベックに例えた人の気持ちがなんとなく解かる気がした。

今の私はモーター・スポーツには全く興味が無いのだけれど・・・。

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100 GREATEST ALBUMS , 100 GREATEST SONGS

2011-04-22 21:12:26 | DAY BY DAY

先日、ネットを徘徊していたら興味深いサイトを見つけた。そこは「100 GREATEST BRAZILIAN
ALUBUMS」と題され、文字通り100枚のアルバムとアーティスト名が列記されていた。
1から100までの番号を打たれたアルバム・タイトルが、年代順でもABC順でも無い並びで
表記されていたので、選者が好きな順に並べられているのだろう。流石にそこに並んだ100枚の
アルバムの内、半分強くらいしか聴いたことがないのだが、文字だけでも十分に刺激的だった。

更にリンク先には年代別、ジャンル別のベスト100や「偉大なデビュー盤100枚」とか
「ガール・グループのベスト100曲」とか「ラブ・ソング・ベスト100曲」(笑)とか、条件付きの
セレクションもあり、見ているだけで面白い。

そこで、閃いた。
今年の正月には「ルーツ・ロック・レゲエ100選」をやったが、毎年1月1日には何がしかの100選を
やろうかな、と。今までも「日本のロック/フォーク・100選」「ソウル/ファンク・100選」をやったが
「ルーツ・ロック・レゲエ・100選」を含めて、単に私が好きな100枚という括りでやってきたのであって
『これがベストの100枚だ』と肩肘張ったものでは無い。つまり気楽に、そしてちょっとだけ
拘った100枚、或いは100曲というのは選んでいる本人が一番楽しいのであって、それ以上でも
それ以下でもない。そこが最も重要なのだけど。

ネタはいろいろあるはずだ。以前から考えていて頓挫した「ロック映像100選」とか「カバー・
ソング100選」、はたまた「門外漢が選ぶジャズ100選」、或いは「ローリング・ストーンズの
ブートレグ100選」とか。まあ、最後のヤツはやらないけど。(笑)

   

掲載写真左はシコ・ブアルキの「CONSTRUCAO」、右はムタンチスの「OS MUTANTES」。
それぞれ、冒頭に書いた「100 GREATEST BRAZILIAN ALBUMS」の1位と3位。
因みに2位は、先日当ブログでとりあげたオス・ノヴォス・バイアーノスの「ACABOU CHORARE」。
シコ・ブアルキとバイアーノスは、私も件のアルバムを推すが、ムタンチスは違う。
こんなことを考えるのが、楽しいのだ。「ブラジル音楽100選」をやるのは、まだずっと先の
ことになるだろうが、新たな努力目標が出来たのは言うまでも無い。

さて、来年一発目は何をやろうかな・・・・。

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ELLIOTT MURPHY / ELLIOTT MURPHY

2011-04-20 21:46:05 | ROCK

3月11日の大地震で、私の部屋がどんなふうになったかは当日のブログに写真を載せたのだが
CDやLPを収納していた棚が崩壊し、とりあえずの復旧に約1日を費やした。
元来、私は整理下手である。LPと7インチは「ABC順」に並べていたので、割とスムースに
原状回復したのだが、CDは実に適当に並べてあったので、只でさえ何処に何があるか探すのに
苦労したのに、それが更に出鱈目に床一面に放り出されたために、もう適当に並べるので
精一杯といったところ。例えば「タフ・ダーツのCDを探せ」と言われても、多分30分では
見つけ出せないだろう。(笑)

無残に崩れ落ちたレコード群は1枚も割れて無かったが、CDはプラ・ケースが割れたり
トレイから飛び出した物がかなりあった。しかしながら傷やひびが入って聴けなくなった物は
なかった。たった1枚を除いては。

その聴けなくなった栄えある選ばれし1枚(笑)はエリオット・マーフィーのアルバムだった。
思えばマーフィーとイアン・ハンターは棚の1番高い所に収納していた。ね、ABC順に並んで
ないでしょ。(笑)聴けなくなった盤はCDに大きなひびが入っていた。近年のマーフィーのアルバムは
失礼ながら余り枚数が捌けていないのか、日本ではすぐ品薄になり中古でも余り見かけない。
ダメになった盤も、そんな1枚だが、また気長に探すとするか。

エリオット・マーフィーの新譜が届いた。シンプルに自身の名前をアルバム・タイトルにし、
ジャケットには穏やかな表情の、しかし自信と余裕に裏打ちされた素敵な写真が使われている。
いつもと変わらないマーフィー。単なるバリエーションだの焼き直しだのと言う輩には言わせておくが
いいさ。アコーディオンやオルガンの音色が、何よりマーフィーの声がここ数年のスタジオ作以上に
身に染みるのは私が疲れているせいだけではないだろう。特筆すべきは、マーフィーの息子である
ガスパード・マーフィーが、ストリングスやホーンのアレンジで貢献している点だろう。
今後の親爺のアルバム制作の大いなる手助けになるかと思うと頼もしいかぎりだ。

前作のライブ盤が良かったのは言うまでも無いが、ここ数年のスタジオ録音のアルバムとしては
ベストではないかと思う。何故アメリカは、そして日本はマーフィーの存在を蔑ろにできるのか不思議だ。

ROCK'N ROLL'N ROCK'N ROLL !

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ROBBIE ROBERTSON / HOW TO BECOME CLAIRVOYANT

2011-04-18 20:35:12 | ROCK

紙製ジャケットを開くと、左右のポケットにCDが1枚ずつ収められている場合、
どちらから先に聴きますか?。私は間違いなく左側の盤から聴く。

掲載写真はロビー・ロバートスンが13年ぶりにリリースしたアルバム「HOW TO BECOME
CLAIRVOYANT」。恥ずかしながら、これを買った理由はスティーヴ・ウィンウッドとE.C.が
参加しているのが気になったから。当ブログでは何度も書いているが、私はロビーには冷たい
スタンスを採っている男である。

ザ・バンドのメンバーの中では好きな順に並べると、ロビーは4番目の男である。
「えっ、それじゃあストーンズだとロン・ウッドと同じじゃん。」というのは、まあ笑い話にも
ならないだろう。ザ・バンドの70年代のアルバムは全て買ったし、ボックスも
2回買わされた。(笑)それでも、ロビーのことを心底好きなわけではない。
映画「THE LAST WALTZ」の中での数々のインタビュー・シーンで、自然体のレヴォン・
ヘルムやリック・ダンコらに比べ、妙に演出している感がしたロビー・ロバートスンは
「鼻についた」という感じが今でも記憶の奥底にあるし、自分だけマーティン・スコセッシと
親しくなって「あっち側」に行ってしまった、という恨み節もある。

ソロ・アルバムも最初の1枚だけ買って後はスルー状態だったのだが、今回は先の理由に
より、なんとなく買ってみた。通常盤は1枚だが私が買ったのはデモ状態のテイクや、
アウトテイクを6曲収録した2枚組。で、封を切って左側のポケットから取り出した最初の盤を
トレイにセットすると・・・。

それはオリジナルのディスクではなく、ボーナス・ディスクであったのだが、そこに収録された
本来なら未完成のバージョンの出来が良いのだ。これは曲そのものに力があることの
紛れも無い証明であり、本編を聴く期待を高めた。続いて右側のポケットからCDを出し
聴き始めると、これがまた良かったのだ。レイジ・アゲインスト・マシーンやナイン・インチ・ネイルズ
なんて、ロビーのファンの大多数からすれば極北に位置するようなバンドだと思うのだが
そういったバンドから参加したトム・モレロやトレント・レズナーの配置も的確で、大してファンでも
ない私にしてみれば「スコセッシ譲りの配役かい」と、つい皮肉を言いたい気持ちがあるのだが
そんな小言を遥かに上回るサウンドにちょっとだけ驚く。(笑)ベースのピノ・パラディーノが
ザ・フーでは披露することの無いフレットレスの魅力を存分に発揮しているのも聴き処。
まあ、爺の私にすれば、やっぱりウィンウッドとクラプトンが参加した「FEAR OF FALLING」の
ような曲に贔屓目になるのだけど。(笑)
音数はそれ程多く無いし一聴すれば地味なのだが、端的に言えば味わい深い盤ということになる。

ロビーのHPを見ると、12曲入りの通常盤に10曲(!)入りのボーナス・ディスクをつけ、更にそれら
22曲を収録したLP、3曲のマルチ・トラックを収録したDVD、豪華ブックレットにタロットや
リトグラフを収納し、ロビーがパッケージにサインした豪華ボックスも売り出すようだ。
限定2500セットで300$也。この後、ドミノスとアリス・クーパーの箱が控える私には手が出せないが
ファンの方は狙ってみては・・・。

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男前の肖像シリーズ・ドラムと男前/番外編

2011-04-17 19:29:39 | ROCK

       

2枚の掲載写真に写る、打楽器奏者の共通点は何でしょう?。
答えは両者とも、ミック・ジャガー(ローリング・ストーンズ)のステージで「悪魔を憐れむ歌」を
演奏したということ。

掲載写真左はジンジャー・ジョンスン&ヒズ・アフリカン・メッセンジャーズが67年にリリースした
「AFRICAN PARTY」。ナイジェリア出身のジンジャーは60年代にロンドンで、アフロ・パーカッション・
グループを率いて演奏活動をしていたとのことで、アルバム発表から2年後の69年7月5日に
ストーンズがハイド・パークで行ったブライアン・ジョーンズ追悼コンサートに参加した。
初めてこの時の映像を見た時は、彼らがアルバムを出していることなど露知らず、「どこから
こんな人達を見つけてきたのだろう」と、思ったものだ。まあ、そう思うのも無理はなく、件の
コンサートでの彼らは演出とは言え、「アフリカ原住民」と言われて誰もが思い浮かべるであろう、
出で立ちでステージを務めたのだから。しかしながら彼らが参加したことで、この日の「悪魔を
憐れむ歌」は特別なものとして、ストーンズ者の記憶に焼き付けられたのは間違いない。

このアルバムは05年にCD化され、広く聴かれることとなったのだが、それはフェラ・クティが
「アフロ・ビート」を名乗る以前に、英国で強烈なリズムを生み出していたナイジェリア人の存在を
改めて知ることにもなった。

掲載写真右はツトム・ヤマシタズ・イースト・ウィンドが74年にリリースした「ONE BY ONE」。
ジュリアードやバークリーで学んだということから、ロックなんぞに足を突っ込まなければ偉い先生に
なっていたかもしれない。一般的にはこの後の「GO」関連のプロジェクトがスティーヴ・ウィンウッドや
クラウス・シュルツェら大物の参加もあって、よく知られているところだが、この盤も英国プログレ人脈の
渋い面々が参加している。映画「F1グランプリ~男たちの栄光」のサントラとして制作され、
サントラらしく短い断片のような曲もあるが長尺の曲が2曲あり、ここで聴くことができる「プログレ経由の
グルーヴ」(?)が実に格好良い。

ヤマシタは88年のミック・ジャガー来日公演の、最終曲として用意された「悪魔を憐れむ歌」で
サヌカイトを叩くパフォーマンスを披露したのだが、実は損な役回りも引き受けている。
私がミックのコンサートを見たのはツアー初日の88年3月15日大阪城ホールだったのだが
この後ミックさんは、あろうことか風邪をひいてしまいコンサートを延期することになる。
コンサートに詰めかけた聴衆に向かって、「ミックが風邪で熱があって今日はコンサートが出来ない」と
謝罪したのがヤマシタであった。その後ガウン姿のミックも出てきたのだが、見に行った後輩の
話ではミックが出て来るまでは怒号が凄まじかったとのこと。ストーンズの来日が夢のまた夢のように
感じられた時代に、やっと実現したミック・ソロ公演だけに観客の落胆と怒りがどのようなもので
あったかは想像がつくが、ヤマシタには気の毒な役回りであったのも事実。

ヤマシタがロックの長い歴史の中で、どういう足跡を刻んだかということを取りざたされることも
余り多くは無い。こんな話になると、オノ・ヨーコやテツ山内の名前ばかり挙がるのも何だかなあ。

というわけで、男前の肖像・番外編はお終い。

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IGGY & THE STOOGES / RAW POWER LIVE

2011-04-16 08:26:19 | ROCK

今年のレコード・ストア・デイは、今まで以上に様々なブツが登場し金策に頭を痛めている
ところなのだが、後先考えずにオーダーだけは出してある。確実に入荷するかどうか
判らないブツを何処にオーダーするかが勝負の分かれ目(笑)なのだが、こればかりは
運もある。7インチの類は10数枚購入予定だが、どうなることやら。

掲載写真はイギー&ストゥージズが2010年9月3日のライブを収録した「RAW POWER
LIVE : IN THE HANDS OF THE FANS」。4月16日のレコード・ストア・デイ用に
リリースされたアナログ盤でCDでの発売予定はアナウンスされていない。
73年のアルバム「RAW POWER」収録曲を全曲演奏していて、まあ気のせいかも
しれないがレコード特有の重みのある気持ちのいい音で、耳障りな高音もなく、ギターが鳴り響く
ヘヴィー級の演奏にも関わらず次第に音量を上げてしまう。(笑)
ギターのメイン・リフをちょっといじっている曲もあって、初めて聴いた時はそこで
針が飛んだかと思ったのだが、これは本当に気のせい。(笑)

 「RAW POWER」全曲演奏といえば、2010年5月
2日と3日のハマースミス・アポロでのライブが、発売されていた。2日はCDRとUSBスティックで、
3日はUSBのみという変則的な発売で、USBに収録されている音もCDRも元はMP3なので
ハイレゾ云々と言っている人達からすれば「なんだ、それ」的な音質ということになるなのだろうが、
肝心なのは音楽の中身であるという大前提の下では、少なくとも私には十分にありがたいリリースだった。

5月のライブも今回の「RAW POWER LIVE:IN THE HANDS OF THE FANS」も
「RAW POWER」を全曲演奏する曲順は同じであるが、オリジナル・アルバム通りの曲順では演奏していない。
何故、『SEARCH AND DESTROY』が1発目でないのか、気になりませんか?。(笑)

イギーはソロ・アルバムを準備中とのことで、ニルスンやビートルズの曲をカバーするという。
ビートルズの曲が「MICHELLE」というのが何となくアレだが、前作「PRELIMINARIES」の流れを
汲んだアルバムという感じになるのだろうか。ゲンスブール・カバーもあるらしいので、それを楽しみに
待ちながら、しばらく今回のストゥージズを聴くことにしよう。

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男前の肖像シリーズ・ドラムと男前その5

2011-04-13 20:47:18 | REGGAE

スライ・ダンバーの名前を知ったのが、いつ頃だったのか全く思い出せない。おそらく17,8歳の
頃だったと思う。ただ、この「スライ・ダンバー」という名前を「格好良い」と思ったことは
妙に覚えている。『スライ』という単語から単純に「スライ・ストーン」の名前が浮かんだこと、
そして当時覚えたばかりの「エインズレー・ダンバー」というドラマーの名前が重なって
なんだか、格好良いなと相成ったのだと記憶する。後に『スライ』の名称は自身が好きな
スライ・ストーンに因んでつけたことを知る。

「もし、自分がバンドのオリジナル・メンバーの一員になれるならザ・フーがいいな。」と思ったことも
あったが、カールトン&アストン・バレットや、スライ&ロビーのようにベーシストとタッグを組んで、
セッションで叩きまくるのも格好良いな、とは今でも思っている。

動くスライ・ダンバーを初めて見たのは、ミック・ジャガーが85年に出したアルバム「SHE'S THE BOSS」
からシングル・カットされた『JUST ANOTHER NIGHT』のプロモ・ビデオだ。ドレッド・ヘアーを
振り乱して楽しそうに叩く、その姿は何とも刺激的であった。因みにこのアルバムには
ビル・ラズウェル、バーナード・エドワーズ、コリン・ホッジキンスンと錚々たるベーシストが参加しているが
スライがドラムを叩く4曲のベースが相方のロビー・シェイクスピアであるのが、先に書いた
「格好良いタッグ」への憧れを更に強大なものにしたものだ。

掲載写真はスライ&ザ・レヴォリューショナリーズが77年にリリースした「GO DEH WILD RIDDIM」。
カールトン・バレットが生み出した「ワン・ドロップ」は、レゲエならではのスタイルだが、それを
過去のリズムにするかのような強烈な「ミリタント・ビート」や「ステッパーズ」を生み出したのが
スライで、その音を具現化したのがレヴォリューショナリーズだった。この盤は珍しくレヴォリューショナリーズ
としてのクレジットではなく、スライの名前が冠されていることからも主役が誰か解かり易い。
アルバムの冒頭で「INTRODUCING TO THE WORLD, THE GREATEST REGGAE DRUMMER」と
コールされているし。(笑)他のレヴォリューショナリーズ名義の盤と違って、幾分リラックスした感のある
アルバムなのだが、その中にあって切れ味鋭いドラムを聞かせるスライ・ダンバーは、やはり最高の
ドラマーである、としか言いようがない。

ジャケットの渋さも素敵で、ジャケ買いしても外しません。それにしても、この布はなんだ?。(笑)

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男前の肖像シリーズ・ドラムと男前その4

2011-04-11 21:24:12 | JAZZ

なんとなくジャズを聴き始めた時に、目にする名前の一つに必ずアート・ブレイキーの
名前はあるのではないだろうか。レコ屋に行くとジャズのコーナーはアーティスト名で
仕切りがある以外に、楽器別にコーナーがあることに気付く訳で、「ドラム」のコーナーで
一際大きな場所を占めているのがアート・ブレイキーであるのだから。
そして『MOANIN'』を買って家に帰り「あっ、この曲知っている。」と、ちょっと嬉しくなったり
するのだが、そこから深みに入らないところがロック者である私の業の深さか。(笑)

掲載写真は61年に録音された『THE FREEDOM RIDER』。これはもう大好きなジャケットだ。
大写しになったシンバルと、目をつぶって自ら叩く音を確認しているであろう、穏やかな
表情のアート・ブレイキーの構図、というか1枚の写真の中で人とドラムが絶妙の比率で捉えられた
傑作ジャケットだと思う。おまけに咥え煙草。「煙草と男前」というジャンルでもノミネートされるだろう。

ウェイン・ショーターとリー・モーガンの曲がバランス良く配され、ブレイキー作のタイトル曲が
士気を高める。60年に発表されたマックス・ローチの『WE INSIST』は公民権運動を
後押しする機運を高めた盤として有名だが、この『THE FREEDOM RIDER』も同じような
ニュアンスを持つ。黒人差別撤廃運動である「FREEDOM RIDE」を実践する人をタイトルに
持つこの曲は、このアルバムに収録された他の4曲と違い、ブレイキーのドラムが激しく
炸裂し、同運動への支持表明を音で明確に表現したという点を了解すると聴く側の思い入れも
より一層深まるというものだ。

ただ、このアルバムがリリースした背景も知っておく必要がある。つまり様々な公民権運動に
触発されて録音した音を、すぐさまレコードにしたわけでなく、過去に録り溜めした音を
集めて盤にしていった何枚かのアルバムのうちの1枚であるというのが事実であるということ。
それでも、このアルバムの充実した内容の前では、それが何の曇りにもならないのが
素晴らしいところで、それはそのままアルフレッド・ライオンの審美眼の鋭さに通じる。

因みに、このアルバムの中で私が一番好きな曲はリー・モーガン作なのだが、残念ながらその曲は
2回のセッションの中で私の誕生日でない方の日に録音された曲なのであった。(笑)

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GOOD-BYE , LUCREZIA

2011-04-10 12:14:04 | DAY BY DAY

REAL GOOD LOOKING BOYS.

MEMORIES OF AUTUMN 2009 ,  AT LUCREZIA.

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ムジークラーデンのニュー・ヨーク・ドールズ

2011-04-08 21:59:10 | ROCK

ニュー・ヨーク・ドールズの映像を初めて見たのは、80年代末に当時のパイオニアLDCから
発売された『BEAT CLUB』のシリーズだった。厳密には『BEAT CLUB』の後続番組である
『MUSIKLADEN』の映像も含むシリーズで、ドールズが収録されたLDはシリーズ8枚目の
「クレージー・ワールド」と題された盤で「LOOKIN' FOR A KISS」が収録されていた。

73年12月に放送された『MUSIKLADEN』からの映像で、メンバーの悪趣味な服装や
メイクにも驚いたが、それ以上にデヴィッド・ヨハンセンとジョニー・サンダースのアクションの
格好よさに惹かれた。特に、どの弦にヒットしようがしまいが大した問題じゃないと言わんばかりに
ギターを掻きむしるように弾くジョニーの破天荒な演奏は、以前も何度か書いたが
実はジョニーより圧倒的にヨハンセンの方に贔屓目だった私の考え方を改めさせるものであり、
当然ながら、もっと演奏が見たいと思ったものだ。

その後、同番組からの「PERSONARITY CRISIS」を見たことはあったのだが、遂に
昨日CSで全6曲の映像を見ることができた。演奏曲は順に「PERSONARITY CRISIS」
「BAD GIRL」「STRANDED IN THE JUNGLE」「PILLS」「TRASH」、そして「LOOKIN'
FOR A KISS」。たかが6曲だが、されど6曲。これだけまとまって見ることができる日を
20年待ったのだから感慨もひとしおというものだ。少々間抜けな感じのする「STRANDED IN
THE JUNGLE」での雄叫びを、ジョニーとシルヴェインの二人が真面目にやっているのが
可笑しくも微笑ましく、また最初の5曲を演奏した後に衣装替えをしたこともわかり、
全編が見どころの映像であった。今度はMC5を放送してくれないかなぁ。(こっちは裏モノで
完全版を見たことがあるのだけれど。)

 掲載写真は2009年のレコード・ストア・デイ用にリリース
された「TRASH」の7インチ。B面には09年5月5日の同曲のライブが収録されている。
今回のドールズの7インチがどんなジャケットになるのか、今から楽しみだ。

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男前の肖像シリーズ・ドラムと男前その3

2011-04-07 20:51:25 | BRASIL

「フル・ネーム」で最初に覚えたビートルズのメンバーの名前が「リンゴ・スター」である、
というのは我が国では笑い話としても、真実としても十分納得のいく話である。
だからといって、最初に覚えたブラジルのドラマーが「ミルトン・バナナ」だというのは、
後付け上等の受け狙いの話になってしまうかもしれない。勿論、先の「リンゴ・スター」が
前振りにあってこその「オチ」なのだが。(笑)

掲載写真はミルトン・バナナ・トリオが66年に発表した「バランサンド」。
私が所持するCDは94年に発売された日本盤で、当時の帯のキャッチ・コピーが
物凄く気持ち悪かったのだが、ジャケットに写る髪を撫でつけて笑みを浮かべた男の
表情に惹かれて購入した。ブラジルの音楽を聴き始めた頃は、ムタンチスやマルコス・ヴァーリの
ようなロックやSSW寄りの音を探していて、どちらかというとジャズやボサノヴァ寄りの音は
後廻しにしていた。で、このCDが後者の音であったのだが、私はこの盤を大いに気に入って
しまったのだ。

何と言えばいいか。私はローリング・ストーンズの音の気持ちよさのかなりの部分を、
チャーリー・ワッツのドラムが占めると思っているのだが、この盤もそれと同義で
派手ではないのだが、リズムを刻み続けることによって得られる快感の持続というものを
認識するのに最適な盤だとさえ感じた。この大きさでは見にくいのだが、指でミュートしながら
リム・ショットを繰り出すというのは、斬新な技ではなかったかと改めて思うのである。

 

自身の名前を冠した盤以外では、ボサノヴァの誕生を告げたと言われるジョアン・ジルベルトの
59年のデビュー盤「CHEGE DE SAUDADE(想いあふれて)で、ドラムを叩いたことは有名だ。
ボサノヴァ誕生に立ち会ったという意味でも特筆すべきドラマーということになろう。
私が買った日本盤CDのライナーには、あの映画「UN HOMME ET UNE FEMME(男と女)」
収録曲「SAMBA SARAVAH(男と女のサンバ)」の録音に参加していることが書かれていた。
「男と女」のメイン・タイトルはおそらく多くの方が耳にすれば「ああ、あの曲か」とすぐに
反応できると思うのだが、それ以外に注目すべき曲があるというわけで、このサントラも
捕獲の対象となったわけだ。このサントラはピエール・バルーとフランシス・レイの天才が
見事に結実したサントラで、アルバム全体が美しいトーンで統一されていて聴き応えがある。

たまたま買ったアルバムから、それなりに拡がった聴きかたが出来る盤に更に出会えたという
意味で「バランサンド」は個人的に忘れられない盤なのであった。

ところで。「バランサンド」の日本盤CDの帯につけられたコピーはこうだ。
『今、サウダージ・フィーリング溢れる柔かな光が瑞々しい季節を彩る』
私にはトゥー・マッチなコピーである。雰囲気も大事だが、「真剣にリラックスする」ことを
楽しみたいと思う気持ちは持ち続けようと思う。

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男前の肖像シリーズ・ドラムと男前その2

2011-04-05 21:20:08 | ROCK

これも男前ジャケに数えていいんじゃないでしょうか、というのが掲載写真の盤で
ハル・ブレインが66年にリリースした「DRUMS ! DRUMS ! A GO GO」。
CD化の際にシングル曲が4曲追加され、表ジャケには16曲が表記されている。
最初にこのCDのジャケットを見た時、バスドラが二つあるのが意外に思えたのと、なんだか
叩きにくそうなタムの配置が印象的で、しかもマレットで演奏しているのを「粋」に
思ったことを思い出した。

フィル・スペクター関連を熱心に聴き始めたのが、遅かったせいもあってハルの名前を
最初に知ったのはバーズ絡みであった。デビュー曲である「MR.TAMBOURINE MAN」は
ロックを聴き始めの頃に知った曲で、ディランのオリジナルを知らないのはさておき、単純に
「いいメロディーだな。」と思っていたのだが、少し後になって件の曲の録音にはメンバー以外の
セッション・マンが参加していると知った。メンバーが担当する楽器以外のセッション・マンなら
何の不思議もないのだが、名前が挙がったうちの一人にハル・ブレインがいた。
ハル・ブレインはドラマーである。バーズにはマイケル・クラークがいるのに、ドラムを別の人が叩くのは
ちょっと考えられなかったので、そこで引っ掛かった。
自分がバンドマンで、レコーディングの際に自分のパートが差し替えられるというのは
余りいい気持ちがしないだろうと、まるで我が事のように(笑)考え込んでしまったのだ。
今思えば、ビートルズも最初はそんな感じだったのだから大したことではないのかもしれないが、
ドラムがメンバー以外の人というのは、多分間違いだろうとしばらく思っていた。

しかし。90年に出た4枚組の黒い箱を買って何気にブックレットを開いた時、いきなり目に入ったのは
「MR.TAMBOURINE MAN」を録音した際のパーソネル。そこには紛れもなくハル・ブレインの名前が
あった。他にはレオン・ラッセルにラリー・ネクテルの名前が。今なら、彼らはフィル・スペクターの
セッションで重宝された実績があり、3人セットで呼ばれたのだろうなんて簡単に想像もつくのだが、
まだまだ青かった私には、衝撃は大きかった。

昨日のバーナード・パーティー同様、ハルがセッションで叩いた曲は多い。それも有名な曲で且つ
私が好きな曲が多いのが、なんとなく贔屓目に見ることになる。スペクター関連以外では、例えば
サイモン&ガーファンクルの「ボクサー」、ビーチ・ボーイズの「素敵じゃないか」、パレードの
「サンシャイン・ガール」等など。極めつけはママス&パパスの「夢のカリフォルニア」だ。こういった曲の
数々で一人のセッション・マンがドラムを叩いている、というのは本当に凄いことだと思う。

 ジャケットに本人の写真が使われていないので、
「掴みの写真」(笑)は「DRUMS ! DRUMS ! A GO GO 」に譲ったが、翌67年に発表された
「PSYCHEDELIC PERCUSSION」もサイケ好きにアピールする好盤。がちゃがちゃと賑やかな
風情の盤で、裏ジャケに記載されたハルが演奏に使った54種の笛や打楽器のクレジットを見ながら、
どれがどの音なのか想像しながら聴くのも楽しいのである。

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男前の肖像シリーズ・ドラムと男前その1

2011-04-04 22:10:59 | JAZZ

後付けでも何でもなく、私がドラムを叩きたいと思ったのはビートルズやストーンズを
聴いて、ポール・マッカートニーのベースよりもキース・リチャーズのギターよりも、
何よりもリンゴ・スターやチャーリー・ワッツの音が格好良いと思ったからである。
程なくしてツェッペリンやザ・フーを聴きだして、「これは何だか凄いな」と思ったのも
ドラムへの興味を加速させた。尤も「アキレス最後の戦い」や「コミュニケーション・
ブレイクダウン」の右足のニュアンスを正確に把握したのは、バンドを止めてかなり
たってからであったが。そして、聞き取れたものの叩けなくなっていたのであった。(笑)

昨年は『バイクに乗った男前(レゲエ縛り)』をやったが、今回はドラムを叩く男前が
ジャケットになったアルバムでお気に入りの物を幾つか取り上げたい。
最初に登場するのに、この男ほど相応しい人はいないというのがバーナード・パーディーだ。
掲載写真は68年にリリースされた「SOUL DRUMS」。ニッコリ笑った顔とビートを刻む
右手の動き以上に、スネアやタムのスキンが真っ白で新品のようなのが印象に残るジャケット
写真だ。今で言うところのブレイク満載の盤で「抜きどころ」目当てに買ったという人も
いるだろうが、単純にジャンル分けががソウルであろうとジャズであろうと、聴いて格好良い
アルバムで、これからドラムを始めようかという人にはフィル・インの練習にもってこいの
盤でもある。
どの曲もソウルフルで簡素にまとまっている中に、ちゃんとドラムの見せ場があるのだが、
これみよがしな長尺なソロで無いのが、また格好良いのだ。

この写真ではタムは一つだが、タムが二つあるセットでは通常のパターンと違う配置を
しているのが個性的な節回しを生み出す大きな要因になっているのが面白い。
3000枚以上のアルバムに参加しているというのも凄いが、パーディーの伝説(法螺?)で
面白いのが「ビートルズの録音に参加している」というものだ。検証したわけでもないが
リンゴ・スターの代わりをしたとは思えない(ポールもドラムを叩くし)のだが、3000枚以上の
アルバムに参加しているのだから、その内の1枚にビートルズがあっても不思議じゃないと
思わせかねないのが、この男の魅力なのだろう。

因みに現行CDのブックレットには、このアルバムのジャケットと同じ服装で、おそらく同じドラムを
叩いている写真が3点あるが、それらの写真に写るドラム・スキンはバリバリに使用感があるのが
可笑しい。(笑)

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