HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

50周年の始まり

2017-01-30 00:39:08 | ROCK

掲載写真はグレイトフル・デッドのデビュー・アルバム「THE GRATEFUL DEAD」の
50周年記念DX盤。オリジナル・アルバムをディスク1に、未発表の66年7月29日と
30日の演奏をディスク2にそれぞれ収録している。

デッドのスタジオ盤や幾つかのライブ盤は03年にボーナス・トラックを収録して、CDで
再発されている。いちいち1枚ずつ購入するのが面倒な向きには「THE GOLDEN ROAD
(1965-1973)」「BEYOND DESCRIPTION(1973-1989)」の2種のボックスを購入する
ことで全てが賄えた。後者には6曲78分に及ぶライブやリハーサル・テイクを収録した
ボーナスCDが添付されていたので、それが目当てで購入した人もいただろう。

03年リリースの「THE GRATEFUL DEAD」のボーナス・トラックは5曲の未発表
スタジオ・テイクと1曲のライブでそれらが1枚のCDに収まっているのだが、今回の
DX盤には、それらのボーナス・トラックは収録されていない。

で、今回の盤であるが、66年7月29日のセット・リストを全てと30日の演奏の中から
前日の演奏曲と被らない演目を4曲収録してある。66年の演奏はそれほど世に出ていない
のと、GDのHPでも曖昧だった29日の演奏内容が明らかになった(クレジットに間違いが
ないという前提であるが)という2点に於いて価値がある。

しかし、ここで大きな不安が頭をよぎる。デッドは現在も継続してシリーズ物やボックスで
様々なライブ音源をリリースし続けている。今回のDX盤のディスク2もそういった一環
でのリリースなら何の疑問も不安も無いのだが、今回のようなリリースだと次々と出るで
あろう「50周年記念盤」を全て購入せねばならないということだ。

デッドがバンド存命期に発表したオリジナル・アルバムは20枚ほどなので、それら
全ての50周年を祝うとしたら大変である。
流石に既にコンプリートボックスが存在する「EUROPE 72」は、編集ライブが添付され
たとしてもスルーだが、ここに「BEAT CLUB」での映像版でも付けられたらそれは
スルーできない。おっと、最後のスタジオ盤である「BUILT TO RUST」のリリースは
89年なので、それの50周年の頃には・・・・。(笑)

つまらない妄想は実は現実逃避の楽しみに直結している。先に大きな不安と書いたが
ニヤニヤしながらそれを書いているのも事実。他に楽しみでもあればいいのだが、
この先も恥の多い人生であるのは間違いない。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

MOVE ON FAST

2017-01-29 00:51:19 | ROCK

掲載写真はザ・ムーヴのベスト盤「MAGNETIC WAVES OF SOUND - THE BEST OF
THE MOVE 」。CDとDVDで構成される2枚組。ムーヴも折につけ再評価される
バンドで様々な組物やDX盤がリリースされているのだが、今回のベスト盤は映像が
目玉になるだろう。

ムーヴ単独名義での映像と言えば12年にリリースされた「THE LOST BROADCASTS」が
ある。ドイツのTV番組「BEAT CLUB」に出演した時の映像で、未放送分を含む9曲
(11テイク)が収録されていた。今回のベスト盤のDVDは「BEAT CLUB」出演時の
7曲を含む全21曲が収録されている。

驚きは67年の「I CAN HEAR THE GRASS GROW」のPVであろう。屋外でメンバーが
戯れる他愛のない映像だが、この手の映像が好きな私にはたまらない魅力のあるPVだ。
画質が良いのも特筆すべき項目で、実の処今回のDVDは全体的に画質は今ひとつなので
このPVは尚更強烈な印象を残す。

「BEAT BEAT BEAT」出演時の映像は3曲収録されていて、そのうちの2曲は10年に出た
「BRITISH ROCK VIEWSEUM 2」で既出で尚且つそれの方が画質が格段に良い。しかし
『NIGHT OF FEAR』は未収録だったので今回のベスト盤DVDに収録されたことを
喜びたい。

「TOP OF THE POPS」での演奏である『FIRE BRIGADE』も初商品化であるが、この
DVDの目玉は69年の「COLOUR ME POP」での10曲がオフィシャルで登場した
ことであろう。ただ、先にも書いたようにドンピカの画質では無い。数年前にスカパーで
放送されたことがあるのだが、それのほうが画質が良かったような気がするが録画した
はずのディスクがすぐに出てこない(笑)。それでも、気軽にプログラムを楽しめるように
なったことには感謝したい。

CDはシングル曲中心の全21曲収録。熱心なファンには今更感があるだろうが、
それでもまとめて聴くと、いい曲ばかりだなぁと当たり前ながら、そう感じる。
入門用にもマニア用にも対応したセットということで、十分楽しめる2枚組である。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゴーグルズ それを聴け

2017-01-28 18:50:15 | 日本のロック・ポップス

         

掲載写真左はゴーグルズの新作「MAGICAL MYSTERY TUNES VOL.2」。彼らの
最初のアルバム「MAGICAL MYSTERY TUNES VOL.1」は、去年の秋頃にたまたま
音を聴かせていただき、その楽曲の完成度とボーカルを含めた演奏能力の高さに驚き
「まさに日本のラトルズ」と思ったものだ。そして、個人的な微熱の冷めやらぬ中、
新作が登場したのだから、これは嬉しい。

アナログ録音の湿り気というか温もりが全編に漂う。CDなのに耳がそれほど疲れない
のは、収録時間が短いからだけではないだろう。「日本のラトルズ」と言われるから
には、あの世界的に有名な4人組のパロディーなのだが、今回はそれだけでなく
そこかしこにザ・フーのような香りも感じるのが、フーリガンの私の琴線に響く。

演奏が素敵なのは当然として、このバンドが他の似たようなバンドと一線を画すのは
ボーカルのスタイルと歌詞にあると思う。さらっと流して聞くと歌われている歌詞が
日本語なのか英語なのか特に意識する必要なくスルっと耳に入ってくる。洋楽を聴けば
それが日本語で歌われていないのは、その前提として了解しているから意識しない
のだが、このバンドの歌詞は日本語で歌われているにも関わらず洋楽を聴いているような
感じで耳に届く。そして、歌詞カードを見てそのセンスとナンセンスのギリギリの
ラインを上手く保っていることに笑ってしまう。

ああ、俺に足りないのは「愛」と「笑い」だったのか、なんてことに気付けば、
どうやってもこのバンドを嫌いになんかなれない。赤黒で購入すると掲載写真右の
5曲入りCD「DEMO TRACKS」が貰える。大盤振る舞いである。

  こちらは7インチ。ファーストの
オープナーをA面に据え、B面はCD未収録。7インチが良く似合うバンドかも。

次は映像作品「5人もアイドル」(笑)の出現を期待するのだが、あれはバンドの
結成から解散までを綴ったヒストリー物なので、それはちょっと無理か。
ま、それはともかく、ラトルズ・ファンを公言する私のような人は勿論、ビートルズ
(あ、書いてしまった)のファンにこそ聴いていただき大いに楽しんで欲しいと思う。

え、お前はビートルズ・ファンを公言しないのかって?
いや、そんな。今更、恥ずかしくて。(笑)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

追悼 ヤキ・リーベツァイト

2017-01-23 21:14:50 | ROCK

カンのドラマーであったヤキ・リーベツァイトが1月22日に肺炎により急逝。
享年78歳。今日は連続の追悼記事で気が滅入る。

カンの反復する強靭なリズムはシュミットやカローリ、シューカイといった全ての
楽器奏者の出す音によって構築されるが、リーベツァイトの叩きだすドラムスこそが
肝であったように思える。

以前も書いたが所謂プログレというジャンルが時代遅れのように思われた時期にも
カンが貶められなかったのは、リズムに対するアプローチと各楽器の配分が良かったから
である。その中核を成したヤキが残した影響というものはとてつもなく大きい。

今夜、悲しみの黒い夜空をひとりで眺めることにする。
R.I.P.

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

追悼 オヴァレンド・ワッツ

2017-01-23 20:47:16 | ROCK

モット・ザ・フープルのベーシストであったオヴァレンド・ワッツが1月22日に
咽喉癌のために亡くなった。享年69歳。

昨年の今頃はモットのドラマーであったデイル・グリフィンが亡くなったのであるが
1月はモットのファンには鬼門なのか・・・。

ショーマン・シップを持ち合わせた人で特大の弦を張った1弦ベースを持ち出して
観客の度胆を抜くなんて技は、この人ならではであった。

モット・ザ・フープルにはミック・ラルフスやイアン・ハンターといった優れた作家が
いたため曲を提供することほとんどなかったが、それでもアルバム「THE HOOOLE」に
収録された『BORN LATE '58』ではコンポーザーであるのみならず、アレンジも担当し
自らリード・ボーカルを担当した。

この曲の邦題は『あの娘はイカしたキャディラック』である。歌詞中に件の車名は登場するが、
なかなか原題からは浮かんでこない邦題である。キャディラックは58年に
4灯ヘッド・ライトを搭載することを許可され大型化した(59年製が大売れする)のだが
そのことが原題の由来かもしれない。いや、単に16歳のイカした女の娘のことを
歌っただけだったりして。(アルバム「MOTT」は74年リリース)

話戻ってオヴァレンド・ワッツ。『BALLAD OF MOTT THE HOOPLE』で、「まさしく
ロックン・ロール・スター」と歌われたオヴァレンド。
謹んで冥福を祈りたい。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ハットトリック

2017-01-22 08:40:39 | SOUL

ハットトリックという言葉はサッカー・ファンには馴染みの言葉であるが、その語源は
野球の大元となったクリケットに由来することを知っている人はそれほど多くないだろう。

サッカーにさほど興味の無い相方も漫画「DAYS」のおかげで、そんな言葉を覚えて
しまったのだが、その使い方が良くない。

例えば、赤黒・HMV・amazonの3社から荷物が届くと「今日はハットトリックの日」
なんてメールを送ってくるし、またクロネコ・佐川・郵便局から荷物が届いても「今日も
ハットトリック」と言う始末。後者は生活用品が送られてくることもあるので特に問題は
無いが前者はどうもイメージが良くない。(笑)

同じ店で3枚の盤を購入することをハットトリックなんて言われたら、それこそ言葉が
本来持つ価値が落ちるのでそれはやめてもらいたいのだが、今の処その傾向は無い。
とはいいつつも、バーゲン品を格安で3枚ゲットできたら、それはハットトリックの
称号が相応しいだろう。

        
         amazonのバーゲンで未開封新品を
それぞれ順に¥572、¥679、¥436で購入できたのだから、これはハットトリック
の称号が相応しい。

サム・ディーズの盤は70年代の未発表曲・未発表テイクを集めたもので名盤「THE SHOW
MUST GO ON」収録曲の別テイクを含む19曲入り。その中の13曲が完全初登場音源の
2015年盤。

ジョージ・ジャクスンはFAME時代の録音がまとめられて世に出ているが、掲載盤は
GOLDWAXの専属ライターだった時代の録音をまとめたもの。ジャケットにあるように
ダン・グリアと録音した曲に加え、ジョージがピアノ弾き語りで歌うデモを多数聴くことが
できる。全23曲中17曲が初登場の2015年盤。

自身のアルバムは1枚しか残していないものの、ソング・ライターとして多くの曲を
書いているエディ・ホーランの編集盤は73年から77年の間にリリースした3枚の
シングルの両面と未発表曲を収録した10曲入りの2013年盤。残されたアルバムから
メロウなイメージがあるが、シングル曲は所謂ブラックスプロイテーションで使用されても
違和感ない出来なのが面白い。

これを書いている時点でまだamazonには在庫があるようだが、例によって10円単位で
日々値段が変わるので、気になる向きはお早めに。え、そんなものはリリースされた時に
買ってあるって?それは失礼しました。

最近は買ったものの、よく聴きもせずに棚に仕舞うことが多いので同じ物をダブって
買わないか心配である。実際に何度かやっているし。相方が最近覚えた言葉に「フリテン」
というのがあるが、誤った使い方をされないように注意したい。

「フルテン」なんて言葉を使われた方が驚いてしまうのだけど。(笑)

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ジョン・ライドンもサインを書く

2017-01-20 18:47:04 | ROCK

セックス・ピストルズからPILに至るジョン・ライドンのソングライターとしての
40周年を祝うべく「MR. ROTTEN'S SONGBOOK」なる本が3月に出版される。

300ページに及ぶその本にはジョンの手書きの歌詞やイラストが掲載され、更には
限定1000冊にはジョン自身のサインと手書きシリアル・ナンバーが入る。
熱心なジョンのファンならコレクションに加えたいと思う要素が沢山あるのだが、
私にとって面白いと思えるのは、ジョン・ライドンが1000冊もサインするという
ことである。

ピストルズの時代は勿論、初期のPILの時代を勝手にイメージすれば、とてもそんなことを
しそうにないと思えるからなのだが、時代は変わるし考え方も変わる。ジョンも歳をとって
物腰が柔らかくなり、尚且つ商売上手になったということなのだろう。元々、サービス精神は
多かったのかもしれないが。

実際に目の前でサインを貰うのは至難の業としても、サインが入ったブツが手に入ると
嬉しいものだ。例えば今年出るダムドのファースト・アルバムの40周年記念盤に
メンバーのサインが入ったものがCD、LP共に限定500枚ずつ予約を受け付けていたが
早々にオーダー・ストップになった。ダムドのファーストなんてみんな持っているだろうに
(え、持ってない?それは失礼しました)それでもそれが「サイン入り」の記念盤なら
欲しいと思う人が大勢いても不思議ではない。え~と、私は出遅れました。(笑)

昨年リリースされたPILの「METAL BOX」のDX盤であるが、ユニヴァーサルの専用
サイトでは限定数は忘れたが、早期予約分はジョンのサイン入りであった。
値段を見ると送料込みでもamazonで購入するのと大差なかったのでそのサイトで
オーダーした。ところが、到着した弁当箱(笑)を開けても何処にもサインは無かった。

「さすが、ハリーちゃんは持っとらんのぅ。」という声が聞こえてきそうだが、確かに
ここ数年の海外通販では引きが弱い。(笑)専用HPに「入っとらんがのぅ。」と
メールしたところ、クリスマス・シーズンのせいか返答が遅く(笑)半ば諦めていた
ところ返答があり、一か月経って本来封入されていたシートが届いた。それが掲載写真
である。

初めから入っていれば良かったのだが、いざ届くと紙切れが1枚届いただけなので
笑いが込み上げてきたが、弁当箱の中に収めると途端に有難味が増したから不思議。
ま、気持ちの問題なのだけど。

それはそうと、PILのファーストのDX盤が出ることを心の底から希望します。
お願い、ミスター・ジョン・ライドン。

 

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

赤城山今宵限定吹奏楽団

2017-01-15 21:15:24 | 日本のロック・ポップス

掲載写真は昨年リリースされたココナツ・バンクの「ザ・コンプリート・ココナツ・バンク」。
ココナツ・バンク結成30周年の03年に6曲を収録したCD「ココナツ・バンク」が出た
時は喜んだものだが、それに7曲を追加して遂にコンプリートを名乗って登場したのが
今回の盤である。

「1973 . 9 . 21 SHOW BOAT 素晴らしき船出」に収録されたココナツ・バンクの曲は
『日射病』『無頼横丁』の2曲であったが、あのライブ盤の中で一番気に入ったのがこの
2曲であった。名盤の誉れ高い「ナイアガラ・トライアングルVOL.1」でも気に入ったのは
『日射病』であり『新無頼横丁』であったので、ココナツ・バンクの曲をレコードやCDの
形で少しでも多く聴きたいと渇望していたのだが、03年に少し望みが叶い昨年になって
ようやく満たされたというところか。

03年盤に追加された曲には佐野元春や杉真理といったナイアガラ関連の名があることに
大して反応するわけではないが、それでもこういった名前がクレジットにあるとお祝いムードも
高まるというものだ。リクオとDR. KYONがピアノとオルガンで同一曲に参加していると
これは贅沢と言う感じでザ・バンドを思い浮かべたり・・・。

今回追加された曲には先に名を出した『日射病』や、前身バンドのごまのはえ時代のレパートリー
である『おはよう眠り猫君』が再録されているのが目を惹く。まさにこれで一区切りという
感じで、この収録を嬉しく思っている人は多いかもしれない。ま、そうはいっても
『日射病』は「トライアングルVOL.1」の出来には及ばないのだが、あれトライアングル収録
バージョンのクオリティーが高すぎるから仕方がない。

1曲ごとに銀次の解説がついていて、そこにはトッド・ラングレン、グレイトフル・デッド、
ザ・バンド、ヴァン・モリスンなんて名前が登場しする。昔懐かしい70年代の良質な洋楽に
憧れ、それを日本語のオリジナルに結実させることができた稀有な例としてココナツ・バンクは
もっと評価されるべきだろう。あと、銀次の作詞センスの良さも。

今年はソロ・デビュー40周年。「デッドリー・ドライブ」のDX盤でも出たら嬉しいの
だけど。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

生業は自宅警備

2017-01-13 21:28:16 | REGGAE

            

掲載写真左は井の頭レンジャーズが昨年リリースしたアルバム「RANGERS PATROL
1977 - 1982 UK !」。今回はアルバム・タイトルにあるように英国のパブ・ロックや
パンク周辺の曲をカバーした盤で、全12曲収録。この時代の英国ロックはスカやレゲエと
切り離せない流れがあったのは周知の通り。そこらの年代の曲を現代のセンスと王道の
スカ / レゲエのアレンジで蘇らせた面白いカバー集である。

クラッシュやイアン・デューリーの曲をこのスタイルでカバーするのは想定内であるが
バズコックスの『WHAT DO I GET』やダムドの『NEAT NEAT NEAT』を取り上げている
のが面白い。原曲を知っている方は思い起こしていただきたいのだが、それらの曲が
スカの趣で演奏される痛快さは格別である。

思えばジャズのミュージシャンが様々な我々が簡単に思い浮かべることができる、所謂
洋楽ヒット曲を趣向を凝らして取り上げた例は枚挙に暇がないが、ジャンルは違えど
ここまで1枚の盤でやってのけるとは・・・。『NEAT NEAT NEAT』の奥底に潜む
メロディーの美しさを浮き彫りにし、尚且つファンク風味まで塗す芸当には恐れ入る。

トム・ロビンスン・バンドの『2-4-6-8 MOTORWAY』のベース・ラインを聴いて
トゥーツ&ザ・メイタルズの『MONKEY MAN』を想起させ、ニヤリとさせる遊び心も
うれしい。ポリスの曲を取り上げなかった処に得体の知れない意地(意思でもよい)を
感じるのもいい。何せ、ポリスのレゲエ・トリビュートはそれなりにあるから。

掲載写真右はアルバムから選ばれた4曲を収録した7インチEP。ジャケットに記された
「INOKASIRA」の文字が、あの「LONSDALE」のロゴを思わせるのが気分を盛り上げる。
高校生の頃、ポール・ウェラーが着ているトレーナーか何かの写真を見て「欲しい」と
思ったことがあるのだが、結局は買わなかった。(笑)

さて、私はゲレンデ・パトロールにでもでかけるかな。
いやいや、終日自宅警備に専念する生活がしたい・・・。(笑)

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

色即是空

2017-01-11 21:57:37 | THIS SONG

例によって私が井の頭レンジャーズの存在に気付くのは遅かった(笑)のだが、散発的に
耳にした何曲かのカバーには耳を奪われた。つまりは私の好きな曲をスカ・アレンジで
インスト演奏するのだが、その選曲が面白かったのだ。

そして同時に思ったのは、「ロック・ステディー~スカのリズムの上にメロディー・
ラインをオルガンでなぞるだけで、無数のカバー・レコードを作れるではないか、これは
気づいた者勝ちか?(笑)」ということであった。尤も演奏力とセンスが無ければ相手に
されないだろうから、彼らは正しく格好いいのだろう。

彼らは様々な歌手と組んだコラボレーション盤を残しているが、流石にそうなると歌い手に
対する私の好み云々がでてくるのでそこらは静観して、ひたすら「夏なんです(はっぴいえんど)
c/w 砂の女(鈴木茂)」の7インチを聴いていたのだが、遂にとんでもない盤が出た。

それが掲載写真の7インチ。あの、かもめ児童合唱団を歌い手として招き、A面にジェーン・バーキンの
『EX FAN DES SIXTIES』、B面に友部正人の『すばらしいさよなら』を配した双方の
熱心なファンからは疑問符が付く(笑)ような組み合わせで7インチを出したのだから
たまらない。

かもめ児童合唱団のことを知ったのは坂本慎太郎が14年に『あなたもロボットになれる』を
リリースした時に起用した事による。その4年前には既にしっかりとアルバムを出していて
E. YAZAWAの『I LOVE YOU O.K.』を取りあげているのにたまげ、YouTubeでそれを
歌っている様子を見て「なんだかよくわからないけど面白いな」と思ったものだ。

今回の『EX FAN DES SIXTIES』は、かつて安田成美が歌った大貫妙子の日本語詞で
歌っている。「さよならBRIAN JONES , JIM MORRISON・・・」なんて歌っている
のだが、この子供たちがいつか歌詞中に出てくるミュージシャンに興味を持てばいいなと
思う。

そして『すばらしいさよなら』である。この曲は友部正人が92年に発表したアルバム
「遠い国の日時計」に収録されている。このアルバム自体が捨て曲無しの名盤だと私は
思っているのだが、そんな盤からの実に渋い選曲である。

実の処、アルバム「遠い国の日時計」にはもっと好きな曲が幾つもあるが、レゲエで
演奏するとしたらこの曲が一番かもしれない。曲中にはナレーションがあるのだが、
かもめさんはそれも忠実になぞっている。これも子供をダシにした大人の遊びなのかも
しれないが、何ともミスマッチな感じが妙な浮遊感を演出し私は気に入っている。
さすがに、かもめさんたちのフル・アルバムを購入するまでには至っていないが。

すばらしいさよならが、再び逢うまでのの遠い約束であろうが永遠の別れであろうが
去り際は美しくありたいものだ。あれ、何だ今回の2曲のキーワードは「さよなら」
なのか。じゃあ、別に何の問題もない素敵なカップリングじゃないか。

今更のように自分の鈍さに気づく。

グッド・バイ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドアーズ夜明け前

2017-01-08 21:46:32 | ROCK

今年はドアーズのレコード・デビュー50周年というわけで、ファースト・アルバム
「THE DOORS」の50周年記念ボックスのリリースがアナウンスされた。オリジナル・
ステレオとモノの両方のリマスターCDとマトリックスでのライブを収録したCDに、
モノ・ミックスのLPという4枚組の模様。微妙であるが楽しみだ。

掲載写真は昨年12月にリリースされたCDと10インチ・アナログの組み合わせによる
「LONDON FOG 1966」と題された盤。CD単体での発売は無い。
最初は「CD単体なら安く買えるのに」と思っていたが、届いたブツを見て「あ、これは
これでいいかも。」なんて考えを新たに。(笑)

何といっても今まで散々リリースされたドアーズのライブ盤と決定的に違うのは、これが
録音された時期のドアーズはまだプロではないということだ。そんな時期の発掘録音を
今までと同じようなリリースでなく、特別な意味を持たせるために大掛かりな箱の中に
同じ内容とはいえCDと10インチ・アナログ盤、それに幾つかのメモラビリアを入れたと
思えば、このプロジェクトの意義も理解できるというものだ。

音質は上質なブートレグ並みといったところだが、聴いていて全く不満を感じない。
それどころか、デビュー前のバンドの演奏を現場で聴いているような生々しさがいい。
ブルーズ・カバー主体のステージの中でオリジナルの『STRANGE DAYS』や『YOU
MAKE ME REAL』が一際輝いているのは言うまでもない。面白いのは2曲とも、それなりの
完成度を持つのに翌年リリースのデビュー盤には収録されていないことか。
値段は高いかもしれないが、手元に置く価値が十分にある箱である。

さて、話戻って「THE DOORS」50周年記念盤。ライブ音源は67年3月7日の演奏から
たったの8曲しか収録されない。マトリックスで演奏された曲の中からアルバム「THE DOORS」収録曲を
抜き出したら8曲あったということなのだろうが、多分これに満足するファンはいないだろう。

ドアーズは08年に「LIVE AT THE MATRIX 1967」という2枚組CDを出した。
この盤にはたっぷり27曲が収録されているが、具体的にどの曲が3月7日の演奏なのか
或いは3月10日の演奏なのかの記載は無い。使われたマスターはオリジナルではないと
昔から言われてきたが、当時使われたのは「3RD GENERATION」マスターだと
いうことがドアーズのHPで明らかにされた。3月に出る組物では発見されたオリジナル・
テープを使うと書かれているのだが、それだったら変に曲順を変えたりしないで
あるがままの全てを出したら喜ばれるのに、なんて思うのだが。

というわけで、3月発売の「THE DOORS」はモノ・ミックスを楽しみにしているのだが
「モノ・ミックスだけ別売りすれば安く買えるのに」と思っている私がいる。
この想いが、ブツを手にした時に「LONDON FOG 1966」の時と同じように覆れば
いいな、とも思っているのだが・・・。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

NEW BARBARIANS

2017-01-04 00:19:56 | ROCK

掲載写真は膨大な文字とレアな写真で200ページにわたってニュー・バーバリアンズを
捉えたハードカバー本「OUTLAWS , GUNSLINFERS , AND GUITARS」。ストーンズの
ロン・ウッドとキース・リチャーズをフィーチャーしたバンドに相応しいタイトルである。

少なくともバンドが人目につく形で存在したのは79年の4月から8月までの僅かな期間で
あるが、この本のスタートは77年のエル・モカンボから始まる。ニュー・バーバリアンズが
誕生する必然の種が蒔かれたトロントは重要な地であることから、バンドの物語を綴る本
として、ここから始まるのは当然なのだろうがよくぞここから始めたとまずはその点を
賞賛したい。

ロン・ウッドがアルバム「俺と仲間」発表記念に行った74年のライブ盤がファースト・
バーバリアンズとしてリリースされたことがあったが、アレと79年のバーバリアンズは
そもそものバンドの成り立ちや出自が違うので、私は別枠で捉えている。

全ての文字は英語なので読むのはなかなか厳しいが、写真を見ているだけでも当時の
様子が伺えて楽しい。どこでも写真を撮らせる大らかさというか自由さが、このラフで
ルーズなバンド周辺にあったことで、面白い写真が多い。キース・リチャーズさんが
腋に制汗剤を吹きつけようとする写真なんて、なかなか見られないものではなかろうか。

私がこの本を予約したのは昨年の4月で、本に未発表音源10曲収録のCDが付くというので
単純にそれ目当てで予約した。本の発売は当初の予定より延び延びになり、先に8月になって
「WANTED DEAD OR ALIVE」と題されたCDが世に出た。以前にここで取り上げた盤で
あるが、イヤな予感は的中して今回の本に添付されたCDはそれと全く同じ内容であった。
ま、本に添付されたCDにはジャケットはおろか曲目表記さえ無いので、「WANTED
DEAD OR ALIVE」の役割は終わらないのだが、逆にこれだけの装丁にCDが付いて
3192円で買えたのだから、良しとせねばならないだろう。

「ザ・ローリング・ストーンズ楽器大名鑑」の横に並べて、時々引っ張り出すことに
しますよ。(笑)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新春特別興業 第一弾

2017-01-03 09:09:28 | DAY BY DAY

          

年末年始はほとんどテレビを見なかった。テレビ好き(笑)の私が見るのはドラマと
スポーツくらいなのと、極力バラエティー番組の類は見ないよう意識したからである。
スポーツといってもサッカーしかみなくなったし。その時間を映画と音楽に充てるのだが
それでも、録りためた未見の映画は山ほどある。

前回のクールで見たのは「コピーフェイス」「逃げ恥」(す、すみません)「黒い十人の女」
「勇者ヨシヒコ」まだまだ続く「相棒」、アニメの「DAYS」「うどんの国の金色毛鞠」
そして「警視庁ナシゴレン課」であった。あ、「タイガーマスクW」も見ているか。(笑)

「警視庁ナシゴレン課」は1回目を見ていて途中で見るのをやめようかと思ったのだが
番組中に急に署員が歌いだす歌が、あの名曲『星降る街角』を彷彿とさせたのが気に入って
最後まで見続けた。

掲載写真の2枚は昨年最後の買い物。これをわざわざ7インチにした、その酔狂さを
共有すべく購入。限定500枚ということなのだが、これが大人の遊びということか。
両方とも映画のポスターをジャケットに使用しているのが良いのだが、掲載写真通りに
ジャケットは作られているので、できれば折り込みジャケットでポスターの完全再現が
できればなおよかった。

私の年齢でいうと当然ながら両方の映画は後追いで見たのだが、二人の女優と同じくらい
「0課の女 赤い手錠」だと郷鍈治の印象が強烈だったし、「女番長ブルース 牝蜂の挑戦」
だと、後に仮面ライダーV3(これはリアルタイム)になる宮内洋が悪いヤツで驚いたりで
面白かった。

この手の7インチ、シリーズ化してほしいものだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

LOOSE STAR

2017-01-01 05:59:26 | DAY BY DAY

              
              

謹んで新春のお慶びを申しあげます。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする