HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

THIS IS A MAN'S WORLD

2011-10-31 20:20:56 | SOUL

最近は家で映画のDVDを見ることが多い。多いといっても映画通の人から見れば、「そんなの
『多い』のうちに入らないよ。」と言われたら返す言葉も無い(笑)のだが、自分基準では「多い」のだ。
昔から映画は嫌いではなかった筈なのだが、果たしていつごろから余り映画を見なくなったのだろう。

映画を見なくなった理由は明確にわかる。それは単純に拘束時間が長いからだ。
ロックのシングルなら3分間で、アルバムなら35分から45分で完結する世界に比べて、
完結するまでに90分~120分以上かかる映画が、ある日突然「のろま」に思えて、それから
映画を見る機会が少なくなったのだ。映画を1本見るよりレコードを2枚もしくは3枚聴いたほうが
面白いと思えたのだから、これは仕方がない。

ところが、ここのところ映画を見る習慣が戻ってきた。1週間に3本から4本見るのだから、それまで
1年に10本くらいしか見ない生活から比べれば大違いというわけである。
では、何故映画を見るようになったか。

理由はいくつかある。そのひとつは単純にテレビ番組が面白くないから。おっと、こんなことを書いても
毎週「なるほどハイスクール」を楽しみにしている、なんて書けば何のリアリティもないですね。(笑)
本当の理由は、それまで45分で完結するはずだった世界、つまりLPからCDになって1枚のアルバムが
完結するまでに時間がかかるようになったことに、今更のように気付いたからである。
特に重厚なボックスに3枚も4枚ものCDが収められた箱モノが増えてくると、何を言わんや、である。
CD1枚聴くのに70分かかるのなら、後30分ぶっ足して映画を見てもいいんじゃないか、と思えるように
なった、というのが本当のところだ。こんなことに今更気がつくのも間抜けの極みだが、間抜けとは
そういうものだ。

DVDの単価がCDに比べて安い場合がある、というのも大きい理由だ。下に挙げた4枚のDVDと
それに関連するCDは、何れもCDを先に買い音楽を楽しんだ後、安価で発売されている映画のDVDを
購入した。音楽は映画と離れて独立して楽しめるものだが、映画を見たあとでCDを聴くと、また
新たな発見や思い入れが増えるというものである。そんな意味もあって最近は気持ちを改めて
映画に接するようになったというわけである。

     

映画「黒いジャガー」と「SHAFT  /  ISAAC HAYES」

      

映画「スーパーフライ」と「SUPERFLY  /  CURTIS MAYFIELD」

      

映画「110番街交差点」と「ACROSS 110TH STREET  /  BOBBY WOMACK」

      

映画「ブラック・シーザー」と「BLACK CAESAR  /  JAMES BROWN」

何れも70年代初期から中期にかけての所謂ブラックスプロイテーション・フィルムである。
貧困、差別、暴力、不法取引・・・。こういった世界から伸し上がるには、或いは正義を貫き通すには
戦いに勝ち続けなければならない。負けは「死」を意味し、されど勝ち続けることは虚しさを増幅させるだけ。
勝者もいれば敗者もいる。その差は紙一重。

映画の中では、どちらかというと黒人が格好よく描かれ白人は間抜けなように扱われるきらいもあるが
それは、そのまま権力は腐敗した物で、それに抗う者が格好よく扱われるのは、いつの時代も
どの視点から見てもさほど変わりないということに他ならない

これらの映画は、スクリーンに黒人社会が抱える問題をわかりやすく提示したという意味で価値が
あるだけでなく、独特のスリルとスピード感、そしてファッションが見る者の目を惹く。
バックで流れるトラックの出来が良いというのも特筆すべきだろう。

あっ、何で私がラップやヒップ・ホップが嫌いなのか、その理由も更に明白になりました。
音楽センスの違いに加えて、ファッション・センスの違いというのは、今まで気付かなかった。(笑)

この4本の映画は、どれも面白いのだが、一際印象に残るのは「ブラック・シーザー」かもしれない。
ヘミングウェイの「勝者には何もやるな」という言葉をどう解釈するかは見る人に任せるが、伸し上がったかに
見えた男がかつての自分と同じような年若いギャングによって末路を迎えるエンディングが、
争いの虚しさを感じさせる。

「スーパーフライ」にはカーティス・メイフィールドの演奏シーンがあるし、「黒いジャガー」のDVDの
映像特典にはアイザック・ヘイズによる『THEME FROM SHAFT』の録音風景も収録されていて、
音楽的な楽しみも十分にある。

えっ、「COFFY」はどうしたって?。

今回はIT'S A MAN'S MAN'S MAN'S (更に)MAN'S WORLD ということで。(笑)

BUT IT WOULD BE NOTHING
NOTHING WITHOUT A WOMAN OR A GIRL・・・・

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帰ってきた男前の肖像

2011-10-30 17:32:14 | JAZZ

      

E 「何や最近のハリーちゃんは、ジャズに片足つっこんでいるんだって?。」

L 「そうらしいで。せやけど、柄にも無いことやっとるで。『ジャズは年金貰い出したら聴く』、とか
   云うてたのになぁ。」

E 「長生きできへんちゅうのを悟ったんとちがうか。(笑)」

L 「今からジャズ聴くいうても、何聴くんやろ。」

E 「『プログレ聴くんやったら、ジャズの方がおもろいんちゃうか』、とか言いよったから
   ロックの延長ちゃうか。ああ、俺にはようわからんが、ソウルやファンク寄りのヤツが
   好みらしいけどな。」

L 「まあ、そんでもハリーちゃんの『SKIN&BONE - CASE OF JAZZ』(O8年07月当ブログ参照)には、
  俺の名前が挙がっとったから、まんざらでもないけどな。」

E 「そやけどな・・・。もし、「門外漢が聴くジャズ100選」をやっても、あんたの掲載写真のアルバムは
   選ばんてよ。俺の方は『実はライトハウスより好き』ちゅうとったから、俺の方が男前でええか。(笑)」

L 「おいおい、男前同士でアヤつけんのは、やめてや。(笑)」

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DAVE'S PICKS

2011-10-29 18:10:00 | ROCK

掲載写真はグレイトフル・デッドの73枚組CDボックス「EUROPE '72 COMPLETE RECORDINGS」を
購入した私に送られてきたステッカー。7200個限定のシリアル・ナンバーが表示されていて、私の
ステッカーには「6593」と印字されている。

デッド・ストアーから送られてきたメールを読み飛ばしたため、間違っているかもしれないが
このステッカーに書かれてある「GRATEFUL DEAD EUROPE ’72」の文字の箇所には、こちらから
リクエストした好きな文言が入れられたように記憶している。私は当初、「FOR HARRY'S ROCK AND
ROLL VILLAGE」と入れてもらおうか、と思ったが私がくたばって相方がこれを処分するときに
資産価値が下がる(笑)と判断したため、何もリクエストしなかった。
おお、何だか寂しくもリアルな話。(笑)

ブツが届いて1ヶ月になろうというのに、まだ2/3ほどしか聴き終えていない。まあ、気に入ったディスクを
2回3回と聴いているせいもあるが、当初の目標であった年内に「打者2巡」は厳しいだろう。
それでも、必ず全てを1回は聴くのだ。何故ならこの箱こそ、今年の当ブログ認定「発掘部門」の1位が
確定しているのだから。
     ROAD TRIPシリーズ最後の1枚「VOL.4 NO.5」は
まだ届いていないのだが、これをもってROAD TRIPは終了。落ち着く間もなく、デッドのHPでは次の
シリーズのアナウンスがあった。その名は「DAVE'S  PICKS」。

2012年スタートのこのシリーズは、年内に12枚以上のCDリリースを予定し、12000部限定で
ボーナス・ディスクが添付されるらしい。値段は$143,5なり。どうせすぐに様々なところで
ダウンロードできるようになるのは目に見えているのだが、もうここまできたら意地である。
いや、惰性と言ってもらっても構わない。HPでのアナウンスを見るやいなや、条件反射的に
パソコンのキーを叩きはじめた私がいる。(笑)

さて、その前に。これは別のミュージシャンのブツの話だが、金も無いのに年内発売予定の1500セット限定の
箱をオーダーしてしまった。送料込の$255,79なり。これは内容に比べて値段が高いように思えたが
甘い誘惑に負けてしまった。(笑)今年の大きなリリースは、このあたりで堪えてほしいものだが、
金の遣り繰りの心配を忘れて、ブツの到着のみを楽しみに待っているというのは、いい大人になって
情けない話だが仕方がない。

仕方ないついでに廃村の予定もない。(笑)

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音の壁

2011-10-27 21:33:58 | ROCK

もうすぐ11月。毎年恒例の当ブログ認定ロック大賞(笑)には「ストレート・リイシュー」部門が
あるのだが、「今年は低調だなあ。」と思っていたところに、超ド級の大物が再発された。
掲載写真は「PHIL SPECTOR PRESENTS THE PHILLES ALUBUM COLLECTION」。
こんなのが出てしまえば、後は何が来ても1位確定である。(笑)

スペクター関連というか、フィレス・レーベルの楽曲は例えばロネッツやクリスタルズの曲は
適当なジャケットでベスト盤が何回か(多分2回)CD化されているが、オリジナル・アルバムのジャケットで
収録曲もオリジナル通りにCD化されたことは一度もなかった。今回のボックスには
個人的に垂涎の的だった「HE'S A REBEL」を含むクリスタルズの3枚のアルバム全てが含まれていて、
もうそれだけでも大満足なのに、シングルのB面を集めたCDもある。何だか幸せである。
フィレス関連のオリジナル・アルバムの中で、これまでCDで簡単に聴くことができたのは
クリスマス・アルバムとアイク&ティナ・ターナーくらいだったから、これは贅沢の極みである。

       

もっとも、シングルのみの発売でアルバムを残さなかったダーレン・ラヴの残した歌唱を楽しむには
ベスト盤の存在が重要になるし、ライチャス・ブラザーズが抜けているよと言われれば、そのとおりなので
これで完璧というわけではないが、それでも私は嬉しいのだ。

ロック5年生(笑)くらいの頃は、「スペクター・サウンド」と言われても何のことか、今ひとつピンと
こなかったし、何でもかんでも「エコー」という単語で表現されるのが耳障りだった。
大人数で同じフレーズを演奏するとミュージシャンの個性は薄くなってしまうのだが、それゆえに
プロデューサー色を濃厚にし、尚且つ獲得目標が「何度もダビングを重ねた音、もしくは大勢のギタリストや
ドラマーに演奏させることで得られる『ガレージ・サウンド』である」と解釈したら、何とも見晴らしが
よくなった気がして、以降は純粋にポップスの楽しさに浸れるようになったものだ。

89年にムーンから出る予定だった「PHIL SPECTOR BOX」を私は予約していた。
当時、CD販売業に携わっていた私は、一早くこの素敵な情報を知り、そして一早く発売中止を知った。
見本盤の完成、いや商品自体すぐにも市場に出せる準備は出来ていたと思われるが、突然の
発売中止である。何れ見本盤が中古市場に出回ると密かに期待したが、ついぞ現物をみたことがない。
おそらくアラン・クラインの締め付けというか、何らかの形で市場に出た時のペナルティーの条件が
非常に厳しかったのではないか、というのは想像に難しくない。

91年に出たロネッツ、クリスタルズ、ダーレン・ラヴのそれぞれのベスト盤と、クリスマス・アルバムを
丸々収録して悪評さくさくでもあった、あの「BACK TO MONO」も喜んで買ったが、89年のボックスが
流れた時の心の隙間(笑)を埋めるには、何かが足りなかった。

あれから20年。とりあえず良かった。オリジナルのシングルやアルバムを揃えている人には
到底かなわないが、これでしばらく退屈せずに済む。

オリジナルの型番で言えば、今回の箱には「PHILES LP4005」の「A CHRISTMAS GIFT FOR YOU」を
除いて「PHILES LP4000」から「PHILES LP 4006」までが揃っている。
さて、次はライチャス・ブラザーズの3枚とレニー・ブルースをまとめてもらえないかな。(笑)

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あと一つ

2011-10-25 22:04:19 | ROCK

                          

8枚のDVDを収めたビート・クラブのボックス・セットが二つ発売された。残るは、あと一つ。
過去に我が国でビート・クラブが商品化された際は、ある程度似たようなジャンルで括ることが可能な
バンドやミュージシャンを集めてシリーズ化されたのだが、今回は番組を丸ごと収録。
とんでもない快挙なのだが、いざ夢にまで見たブツが手元に届き、何回か見るうちに、わがままで贅沢な
不満が頭をもたげてくる。

番組丸ごと収録なので、バンドの演奏に直接関係の無いドキュメンタリーやショート・フューチャーと題された
ものが含まれ、長続きしない「チャート」紹介コーナー(笑)があったりで、これが大して面白くない。
日本語の字幕が無いのがつまらなさを増長させるのだが、中にはザッパやヴォイス・オブ・イースト・
ハーレムが登場する、短いが興味深いドキュメンタリーがあったりで、ここらは字幕が欲しいところ。
VOL.2のボックスには、ライブ・シーンを含むかなり長尺のMC5のドキュメンタリーがあり、流石に
このレベルになるとロック者にも十分楽しめる貴重な映像なのだが、それだけに字幕が欲しい。
もっとも、映像に手を加えないのが日本発売の条件であると知れば、仕方ないかと納得するしかないのだが。

最大のわがままで贅沢な不満は、「収録ミュージシャンが多い」ことである。
「あれ、完全収録で喜んだんじゃないの?」というツッコミはご尤も。ただ、収録ミュージシャンが多いという
ことは、個人的嗜好の偏りを指摘されるのは百も承知で言えば、それほど楽しめないバンドの数も増えるという
ことに他ならない。ああ、なんて贅沢な不満だろう。(笑)

80年代末にLDやVHSで商品化された際は収録バンドが少ないと思ったが、今思えばあれは
商品化する予算の範囲内で出来うる限りの良いセレクションでもあったのだろうなぁ、とも考えられる。
当時のセレクションからブリンズレー・シュウォーツやテイスト、キャラバンにストーンズが外されたのは
その選択センスを疑問に思ったが、権利関係のなんやかんやもあったのだろうし。

今回のビート・クラブのボックスには本編の8枚とは別に、もう1枚DVDが付いてくる。
内容は、I藤S則とO貫K章の対談。(笑)40分に及ぶ、この対談DVDは正直に言って、大して有り難くもない。
まじで、これを何回も見る人がいるとは思えないのだ。
これを省けば、もう少し安く出来たのではなんてことを当然のように思うわけで。

いや、まてよ。最近はシングルやアルバムに初回限定と称してDVDを添付するケースが多い。
もしかして、DVDって安価で制作できるのか?。昔なら、ダラダラした対談でも文字に起こして立派に
「ライナー・ノーツ」として成り立たせていたのに、今はDVDである。紙媒体をつくるより安価で済む、
なんてのが制作理由だったらイヤだなぁ。(笑)

今回のボックスが快挙なのは間違いない。もっと、盛り上がっていいのだ。
う〜ん。やっぱりあと一つ?。そう、あと一つ。(笑)

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門外漢が聴くジャズ~ストーンズ者の場合・その3

2011-10-24 19:47:27 | JAZZ

                

高校に入ると普段の科目以外に選択科目の授業があった。美術・音楽・書道の3つの中から選ぶのだが、
私は躊躇なく美術を選んだ。譜面とクラシックに興味が無かったので「音楽」は論外、「書道」と「美術」なら
「美術」だろうということで、ここで初めて油絵やエアブラシや様々な小道具を使ったパネル等の作成を経験する。

パネルに描くのははミュージシャンがいいだろうと思い、しばらく考えて選んだのがマイルス・デイヴィスだった。
「ジャズ」というよりも、マイルス・デイヴィスのアルバムさえ1枚も聴いたことがなかったのに、選んだ理由は
雑誌で見た、ただ俯いてトランペットを吹く写真が格好よかったからである。
ちょうど、アルバム「THE MAN WITH THE HORN」を出した頃で、多くの雑誌で「マイルス復活」という
字を見たものだ。1981年の話である。

81年と言えば、ストーンズは傑作「TATTO YOU」をリリースした。B面最後に収録された『WAITING ON
A FRIEND』のサックスが印象に残ったのは、「ギタリストが二人いるのに、リード・ギターを弾かずに
何で美味しいところをサックスに任せるのか。」という単純な疑問以外に、そのメロディーの美しさとトーンの艶に
惹かれたからで、クレジットを見てソニー・ロリンズという名前を知る。
「TATTO YOU」には全部で3曲に参加したソニー・ロリンズ。さあ、名前は覚えたが、まだアルバムを
買うには至らない。(笑)

84年、ジョー・ジャクスンが発表したアルバム「BODY & SOUL」のジャケットが、ソニー・ロリンズのアルバム
「VOL.2」を模したものだと知り、ここで私は「やっぱりロリンズという人は凄いんだ。」と妙なところで感心し
遂にロリンズのアルバムを買うに至る。
そういえば、「BODY & SOUL」にはストーンズ者がドキっとするタイトルの『YOU CAN'T GET
WHAT YOU WANT』という曲が収録された盤でもあった。

歴史を振り返ると、56年から57年のロリンズは、恐ろしいほどの質と量を伴った活動をしていることが
わかる。「VOL.2」もそんな1枚で、「SAXOPHONE COLOSSUS」や「TENOR MADNESS」という
凄盤と比べると分が悪いかもしれないが、この盤は私的には好きな盤だ。

2曲取り上げられた自身の曲にセロニアス・モンクが参加し、アート・ブレイキーが派手なドラムを叩くのが
何というか、ジャズの入口に立った者には「わかりやすい面白さ」というのがあった。
このアルバムの録音に関しての好きなエピソードは、スタジオに1台しかピアノがなかったために
『MISTERIOSO』でモンクとホレス・シルヴァーが二人で1台のピアノを弾いた、というものだ。
今のレコーディングでは考えられないような話だが、逆に言えば今は伝説が生まれにくい時代ということでもある。

遅かれ早かれロリンズには到達したと思うが、ストーンズ絡みで名前を覚えたのは事実で、
マイルスやコルトレーンより先に、ロリンズのアルバムを買ったのはストーンズ者故に、であるのは間違いない。

あれ、ちょっと待てよ。マイルスのアルバムを初めて買ったのは・・・・。
今思い出すと、ロリンズを買ってから8年後くらいである。
私は何をやっていたのだろう。(笑)

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MIKE GARSON / THE BOWIE VARIATIONS

2011-10-22 18:47:41 | ROCK

アルバム単位でいうと、2003年の『REALITY』を最後に新作を発表していないデヴィッド・ボウイ。
以降は映画関係の仕事をほんの少しこなした程度で、ほとんど公の場に姿を見せず、自宅に隠遁しオブジェ制作を
楽しんでいるらしいのだが、もう音楽を創る意欲は湧いてこないのか。

いやいや、湧いてこないならそれでもいいのですよ。ただ、ビーフハートのように隠遁しっぱなしで
亡くなるくらいなら、過去のアーカイブをジャンジャン出してファンを喜ばせて、結果として自分も儲けたら
いいんじゃないかな、と思うのだが。かつて『ボウイ債』を発行したくらいだから、金に無頓着では無いと思うが
新作をつくる予算や、ライブのリハや経費を捻出する心配の必要が無くなった今では、そこまで
頓着しないのが本当のところだろう。

おっと、本末転倒。金の話がメインでは無く、新譜を出さないのなら過去の音源や映像をバシバシと
蔵出しして欲しい、という話である。(笑)秋から年末にかけて大物達の大掛かりなリリースが続く中、
ボウイ様不在は、ちと寂しいと思ったので。

そんなボウイ様不在の中、今年リリースされたのがマイク・ガースンの「THE BOWIE VARIATIONS」。
ある意味、マイクの名前はミック・ロンスンと同等以上に(サポート期間はマイクの方が長い)ボウイ様をフォローした
ミュージシャンとして、ボウイ・ファンには覚えられているであろう。
数ある70年代のボウイ様のアルバムの中で、私が初めて買ったのは「ALADDIN SANE」である。
アルバムB面1曲目の『TIME』のイントロで流れてきたピアノの冷たく尖った音が印象的で、すぐさま
バンドのパーソネルに目をやったことは今でも覚えている。

アルバムは『TRIBUTE TO DAVID』と題されたオリジナルを除いて、全てボウイの曲或いはレパートリーを
マイクがピアノで演奏したインスト集。70年代の名曲群の中にあって、『LET'S DANCE』は一聴すると
浮いているような気がしないでもないが、聴き馴染みのあるメロディーだけに良くも悪くも流されてしまい
気が付けば次の曲が始まっている。

今回のアルバムを購入する人の何割かは、失礼ながらマイクのファンというよりかはボウイ様の
ファンであろう。私もそんな一人である。このアルバムをジャズ・ピアニストのアルバムと捉えるか、
ボウイ・マニアのレクイエムととるかは聴く人次第。私見では、ボウイ・ファンなら手元に置いても損はないと
思う。マイクのHPで購入すれば、自身のサインが入ったものが送られてくるので、それを楽しみに
購入するのも良いだろう。

ここでの『SPACE ODDITY』を聴いていると、『世界の終わり』がやってきそうだ・・・。 

    今年、ボウイ様関連で世間を騒がせたのがコレ。
「BOWPROMO」と呼ばれた、ボウイとダナ・ギレスピーを売り出すためのプロモ盤で、A面に「HUNKY
DOLLY」の別ミックスを、B面にボウイとロンスンがプロデュースしたと言われるダナの曲が収録されていて
現物を見ることなんてまずない、このブツがネット上に登場しブートレグにもなった。

今年は「HANKY DOLLY」発売40周年だったのだなぁ。

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WARNING : MAY CONTAIN JAZZ !

2011-10-20 21:04:05 | ROCK

先月、久しぶりにhopperさんと飲んだときに、唐突にこんなことを聞かれた。
「クリス・スペディングのことは、何で知ったのか?。」

パンクを通過し、ジャズ好きであったhopperさんから見れば、学生時代の私は
ストーンズ・バカ或いはそうでなければ、フーだのツェッペリンだのに現を抜かす単純なヤツにしか
見えなかっただろう。そんな私がやたらとクリス・スペディングのことを話題にするので
不思議に思ったのかもしれない。

私は、正直に答えた。「ああ、hopperさんが『天才クリス・スペディング』を聞かせてくれて、それで知ったよ。
何だかパブ・ロックみたいな感じがしたし、日本盤の諸々が格好よかったし。」
hopperさんが、ちょっと嬉しそうに笑ったような気がしたが、私の気のせいならそれでも構わない。(笑)
その場では言わなかったが、ジャック・ブルースの『HARMONY  ROW』を聞かせてもらった時の
印象が強かったのも記憶に残っている。

実際、そこからクリス・スペディング自身のレコードやCD、参加アルバムを聴き進める日々が始まり
今に至っている。私は、テクニック的にどうとか速く弾けるとか、もともとそんなことには余り興味が無く、
単純に「センスが良い。」ことと、「絵的に格好良い。」ことに惹かれたのだ。

掲載写真はクリス・スペディングの新譜「PEARLS」。アルバムのリア・ジャケットと、シュリンクに貼られた
ステッカーには目をひく文字が書かれてある。
『警告 : ジャズを含んでいるかもしれません。』
実に洒落が効いている。まあ、確かにジャズっぽい雰囲気のアレンジやギターのトーンを確認できるが
これを「警告」するところが、今の時代なのか。いや、ずっと長い間インストを多く含むアルバムを作って
なかったが故の配慮か。

確かに、これみよがしな「ロック」のアルバムではないが、これは実に渋い大人の男のアルバムである。
重要なのは、単なる雰囲気物でなくしっかりどの曲も歌心に溢れているということだ。
自身の歌唱より、女性シンガーの方が目立つ曲もあったりするが、それはあくまで賑やかし。
ブルーズとジャズを基調に、ダブの要素も垣間見えるインストを収録するなんて、並みのギタリストの
アイディアでは浮かばないだろうし、何よりクリスのギターがよく鳴っているのが嬉しい。

ジミー・ジュフリーの『THE TRAIN AND RIVER』を、本当に格好よくカバーしているのが最高だ。
このことからも伺えるように、ここでの「ジャズ」とは強烈なインプロ大会ではなく、覚えやすいメロディーを
伴った誰もが楽しめる覚えやすい「ジャズ」である。

大体、60年代末から70年代初頭のクリス・スペディングは英国ジャズのレコードに何枚も参加しているのだ。
マイケル・ギブスやフランク・リコッティ、そしてニュークリアスといったところの音は大好きで、
それもこれも、クリスさんのおかげである。(笑)

警告に惑わされたふりをして、クリスさんのジョークに付き合うのも一興。
それでも、型とおりのロックが待ち遠しいなら、来月発売される「KING MOB」を待つのもいいだろう。
勿論、私は両方楽しむつもりであるが。(笑)

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門外漢が聴くジャズ~ストーンズ者の場合・その2

2011-10-18 21:23:48 | JAZZ

著名なギタリストであるジョー・パスという名前は何となく聞いたことがある、それも「ジャコ・パス」みたいに
略された呼称ではない程度の事しか知らない男がジョー・パスのアルバムを聴くには、
それなりのきっかけがいる。
ミハー・ババみたいな風貌なので、ザ・フーのファンとしては気になっていた、なんてことは全くないし。(笑)

掲載写真はジョーの66年のアルバム「THE STONES JAZZ」。
ジャズ・ギタリストが、ストーンズの楽曲をジャズの意匠でカバーしたアルバムで、門外漢がジャズに
接するには、こういうお膳立てというか、きっかけが必要というものだ。
本人のポートレイトを使わない、美女ジャケというのも、きっかけの一つにはなる。

で、このアルバムが面白かったかと問われれば、正直なところ「味わい尽くしていない」と
答えるしかない。高名なギタリストの名前を隠されて、このアルバムを聞かされたら、きっと
熱心なジャズ・マニアが卒倒するような暴言を吐いていたかもしれない。

ショッピング・モールや遊園地のBGMとの差異を見つけるには、まだまだ私は修行が足りないと
いうことを同時に自覚したことは書いておく必要がある。

実はまだ、ジョー・パスのアルバムは、これしか聴いたことがない。次は革新的アルバムと評価の高い
73年の「VIRTUOSO」を聴いて、先に進みたいと思っている。

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ちょっとだけJOE'Sな買い物

2011-10-17 19:36:16 | ROCK

              

赤黒がアウトレットとやらで、掲載写真のDVDを各780円で販売していたので有り難く購入。
定価2625円(それでも安いほうだ)のDVDが未開封の状態で、この値段で買えるのに買わなかったら
「次は無い」ということで。(笑)

掲載写真右の「THE DUB ROOM SPECIAL」は84年にVHSで発売され、それをダビングした
ビデオを持っていたが、商品で購入するのは初めて。VHSの時代は国内版なんて出なかったから
字幕付きで見るのは初めてで、ザッパのライブはオリジナルの歌詞に無い、その場での遊びの言葉の
やりとりが面白いので、字幕付きで見ると当たり前ながら「ああ、こんなことを喋っていたのか。」と
わかる。

元々はテレビ放送用のプログラムを再編集したものだが、曲中で具体的なバンド名を出し、
彼らが如何にも演奏中に「テープ」に頼っていたかのように充て振りをするシーンがあるのだが、
後で問題にならなかったのか?。(笑)

ここに収録された81年のハロウィンの演奏は単独でVHS(未見です)が発売され、現在は内容を
少し変えてDVD(所持しています)で見ることができる。スティーヴ・ヴァイとのギターの共演は、何度見ても
面白く、余裕綽々の若々しいヴァイが格好よい。
まあ、本音は「74年の演奏をもっと見せてくれ。」というところなのだけど。

掲載写真左はクラシック・アルバム・シリーズで「APOSTOROPHE」と「OVER NITE SENSATION」を
取り上げたもの。この2枚のアルバムが初CD化された際は2IN1仕様だったのだが、やはり
参加メンバーの関係、或いは目指した地点が近しいというところもあって、クラシック・アルバム・シリーズも
2IN1となったのだろう。

マルチ・テープから音を抜き出すドゥイージル・ザッパの解説が、実に楽しい。単純にギターの音だけ
抜き出すと今ならダサくか感じかねないフェイザーをかけたカッティングが、全体の音と混じると
実にファンキーだったりするから、音の魔法というのは不思議なものだ。

ルース・アンダーウッドが、ザッパが書いた譜面を持ち出し、ザッパ流の独特の和音を演奏しながら
解説するシーンは、ザッパ・サウンドの「沢山ある核心」の一つに触れた気分にさせる。
核心は1個でも気持ちいいのに、それが沢山あるのだからザッパの音楽が、どれだけ気持ちいいのかと
いうことにも同時に気付く。

本編とは別のボーナス・シーンで、ザッパのテープ庫にカメラが入る場面がある。
まだ日の目を見ない大量のテープが整然と棚に収まる様を見ると妄想が逞しくなるし、「これが
ロキシーの映像の全長版」なんて言われると、「早く、それを出してよ。」と思ったのは私だけでは
無いはずだ。その73年のロキシーでの演奏はコンサートのオープナーである『MONTANA』1曲だけが
ボーナス映像で収録されている。

ミキサー卓前に座ったドゥイージルがマスター・テープから音を抜き出しながら、あのポップでスケベな
名曲『DINAH-MOEHAM』の歌詞の一節が、エアロスミスの曲中で使われていることを話すシーンがある。
スティーヴン・タイラーが、ちゃんと使用許可を取ったというその一節が使われた曲の名は、このDVDでは
明かされていないが、因みにその曲の名は『GIRL KEEPS COMING APART』。
曲の最後の方で、引用された一節を聴くことができる。

よし。「これから、ザッパを聴きたいのだが・・・。」という人には「OVER-NITE SENSATION」を
薦めることにしよう。

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YOU CAN DO A LOT WITH 100 WOMEN - LIST

2011-10-16 10:54:56 | DAY BY DAY

 

先日、大団円を迎えた、シリーズ「YOU CAN DO A LOT WITH 100 WOMEN」を
備忘録を兼ねて、取り上げた順にリストにしてみた。名前の後ろの数字は取り上げた(年/月)である。
名前の後の日付を見ると、明らかに途中でダレているのがわかる(笑)のが可笑しい。

001 ANN MARGRET (09/06)
002 KATE BUSH (09/06)
003 TINA MASON (09/06)
004 THE FOUR KING COUSINS (09/06)
005 MELANIE (09/06)
006 GOLDIE HAWN (09/06)
007 HELEN MERRILL (09/06)
008 ちあきなおみ (09/07)
009 シリア・ポール (09/07)
010 欧陽菲菲 (09/07)
011 QUARTETO EM CY (09/07)
012 GENEVIEVE WAITE (09/07)
013 EMMANUELLE SEIGNER (09/07)
014 田口久美 (09/07)
015 CHARLOTTE GAINSBOURG (09/08)
016 佐藤奈々子 (09/08)
017 SHANIA TWAIN (09/08)
018 BRIDGET ST. JOHN (09/08)
019 Superfly (09/09)
020 KARLA BONOFF (09/09)
021 LINDA RONSTADT (09/09)
022 CARLY SIMON (09/09)
023 RITA COOLIDGE (09/09)
024 EMMYLOU HARRIS (09/09)
025 MILLIE JACKSON (09/10)
026 RICKIE LEE JONES (09/10)
027 鰐淵晴子 (09/10)
028 SANDIE SHAW (09/10)
029 BONNIE PINK (09/11)
030 原田知世 (09/11)
031 RACHEL SWEET (09/12)
032 VANESSA PARADIS (09/12)
033 LYNN MARIE (10/01)
034 PATTI SMITH (10/01)
035 野宮真貴 (10/01)
036 カヒミ・カリィ (10/02)
037 JANE BIRKIN (10/03)
038 JACKIE DESSHANNON (10/03)
039 WILSON PHILIPPS (10/03)
040 MARIA McKEE (10/03)
041 FRANCOISE HARDY(10/03)
042 MERRY CLAYTON (10/04)
043 茶木みやこ (10/04)
044 水谷良重 (10/04)
045 TINA TURNER (10/05)
046 SYLVIA (10/05)   R.I.P.
047 LIZ PHAIR (10/05)
048 CLYDIE KING (10/05)
049 EURYTHMICS (10/05)
050 MADONNA (10/06)
051 MARTHA WAINWRIGHT (10/07)
052 JUDY DYBLE (10/07)
053 LUCY WOODWARD (10/07)
054 中島美嘉 (10/07)
055 SUZANNE VEGA (10/08)
056 中山千夏 (10/10)
057 BLONDIE (10/12)
058 桜田淳子 (11/01)
059 ピンク・レディー (11/01)
060 渚ゆう子 (11/01)
061 小山ルミ (11/01)
062 浅丘ルリ子 (11/01)
063 CHERYL DILCHER (11/02)
064 PEGGY  LIPTON (11/02)
065 BUCKINGHUM NICKS (11/02)
066 VACUUM CLEANER (11/02)
067 朝生愛 (11/02)
068 GRACE SLICK (11/03)
069 谷ナオミ (11/03)
070 SUZY QUATRO (11/03)
071 梶芽衣子 (11/03)
072 栗山千明 (11/03)
073 THROBBING GRISTLE (11/03)
074 いしだあゆみ (11/03)
075 サンドラ・ジュリアン (11/03)
076 MICHELLE PHILLIPS (11/05)
077 GENYA RAVEN (11/05)
078 LYNSEY DE PAUL  (11/05)
079 & 080 BANGLES / CYNDI LAUPER (11/05)
081 森高千里 (11/05)
082 JESSICA SIMPSON (11/06)
083 LINDA LEWIS (11/06)
084 RONNIE SPECTOR (11/06)
085 SARAH DARLING (11/06)
086 辺見マリ (11/06)
087 NIKKA COSTA (11/06)
088 JILL SCOTT (11/06)
089 PAT BENATER (11/07)
090 ザ・ピーナッツ (11/07)
091 THE FLAMENCO A GO GO (11/08)
092 CARLENE CARTER (11/08)
093 VALERIE CARTER (11/08)
094 TWINKLE (11/09)
095 CHANTAL GOYA (11/09)
096 NORAH JONES (11/10)
097 CORINNE BAILEY RAE (11/10)
098 SHERYL CROW (11/10)
099 松本伊代 (11/10)
100 一条さゆり・桐かおる (11/10)

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追悼 柳ジョージ

2011-10-15 16:35:59 | 日本のロック・ポップス

金曜の早朝、テレビを見ていたら画面に映ったスポーツ新聞に「柳ジョージ死去」の文字が
あったように見えたので、「まさか」と思いネットで検索したら、そのまさかであった。
10月10日、腎不全のため死去。享年63歳。

柳ジョージの名前は友人に教えられた。音楽好きのクラスメートの家に行くと、柳ジョージ&レイニーウッドの
「TIME IN CHANGES」と「WEPPING IN THE RAIN」の2枚のアルバムがあった。
友人は「これは、いいぞ。絶対聴け。」なんて講釈も垂れずに、何気にごく自然にターンテーブルに乗せ
「WEPPING IN THE RAIN」をかけてくれた。
スマートで洗練されているような感覚と、それでいて今までに聴いたことがなかった「渋さ」と、
「大人」を意識させる雰囲気を携えた2枚のレコードに夢中になり、以降気になるミュージシャンとなった。

だが、レイニーウッドは81年12月に解散する。バンドの歴史は長くても(75年結成)私にしてみれば
興味を持ってから短い期間で解散してしまい、その「あっけなさ」に何か「好きな物が、いきなり無くなった」
ような感じがしたものだ。
私も急速に興味が「洋楽」へとシフト・チェンジしていった時期で、柳の新譜を追いかけることも
徐々になくなっていったのも事実であるが。

後にカップスやパワーハウスのCDを買ったりもしたが、やはり私にはレイニーウッド時代の
柳ジョージが一番格好よく、記憶に残っている。「YOKOHAMA」は、今でも大好きなアルバムだ。

心をこめて、SAYONARA。

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YOU CAN DO A LOT WITH 100 WOMEN - 100

2011-10-12 21:45:01 | DAY BY DAY

09年6月のアン・マーグレットから始まった「YOU CAN DO A LOT WITH 100 WOMEN」も、
遂に最終回。元々は、女性が歌うレコードに縁遠かったかつてのリスニング・ライフを反省する意味で
始めたものだが、「100人の女と何をする」というタイトルからもわかるように、私自身が100人の女性と
逢瀬を楽しむような馬鹿げた感覚を楽しむものでもあった。

よって、記事を書いた時点で取り上げた100のアルバムに関連する女性に故人はいなかった。
そのうちキャンディーズも取り上げたいと思っていたが、いつか別の機会に。
不覚にも故人となられたことを先日知ったのだが、個人的な記事の中でシルヴィアを「YOU CAN DO」で
取り上げることが出来てよかったと思っている。

1回の記事毎に、一人(一組)の女性ミュージシャンを取り上げてきたが、1度だけ二組を同時に
取り上げた。(11年5月)これは、ボブ・ディランの『RAINY DAY WOMAN #12 & 35』が頭に浮かんで、
特に意味は無いのだが、何となく二組同時に取り上げようと思ったからである。

このシリーズを始めてから、誰を何時取り上げるかは、その時の気分であったが、最後に取り上げる
レコードは開始当初から決めていた。それが掲載写真の「まいど・・・日本の放浪芸 小沢昭一が訪ねた
オールA級特出特別大興行 一条さゆり・桐かおるの世界」と題された4枚組のCDである。

レコードとは、文字通り記録である。これは小沢昭一が取材・構成・ナレーションを担当し、日本の
放浪芸をドキュメンタリーとして記録したシリーズで、録音は1976年。テキ屋の口上や、僧侶の説教は
ともかく、ストリップを「放浪芸」と捉えるかどうかは賛否両論があろうが、単純に女性の裸を見るというだけの
目的を達するためなら、ストリップは「芸」にはならなかったろうし、「当初の目的」を遥かに超越して、
客を楽しませ驚かせようとする出演者の芸心が、ストリップを他の風俗産業とは別次元のものにしたのは事実である。

小沢昭一のことは、ラジオ「小沢昭一の小沢昭一的心」で知った。親父が車の中でかけていたラジオで
よく聞いたのだが、子供心にも軽妙でユーモア溢れる喋りは面白かったと記憶している。

ここで聞くことができる題材はストリップということもあって、つまりおおっぴらに語ることがはばかられ、
捉え方によっては法に触れるだけに、何か非合法な物を楽しんでいるような感覚と権力に抗っているような
感覚を覚える。二人の女性の生き様は、舞台の様子や楽屋での会話などから生々しく感じることができ、
綺麗事だけであろうはずもない、人間の「生」と「性」をリアルに捉えた記録として貴重なものだと思う。

有名になりすぎたために、実際に一条さゆりをスケープゴートにした事件を廻るあれこれや、
ストリップを見たことがある方なら思い出すであろう、場内のアナウンスやステージの雰囲気は
ほんのついこの間まで、昭和の時代であったように思わせる。

今現在、ストリップがどれくらい需要があるのか(どれくらい劇場が残っているのか)は知らないし、
ストリップ産業が刑法175条と、どのような折り合いを付けているのかも知らないのだけど、この記録が
「YOU CAN DO A LOT WITH 100 WOMEN」シリーズの最後に相応しいと思ったのは間違いでは
ないだろう。

音楽的笑い処は・・・。ステージのBGMで使用された「青い影」「オリーブの首飾り」「メリー・ジェーン」といった楽曲の
需要の大きさと、その強靭な耐久性といったところか。(笑)

取り上げた記事の中には、無理やりこのシリーズの枠に押し込んだきらいの物もあったが、とりえずこれで大団円。

明日からは普通に・・・。
いや、今日も別に何も変わらない。

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MICHAEL CHAPMAN / RAINMAKER

2011-10-11 19:48:28 | ROCK

バート・ヤンシュのアルバムを何枚か聴いたところで、思い出したように引っ張り出したのが
マイケル・チャップマンの「RAINMAKER」。69年にハーヴェストからリリースしたデビュー盤で
アコースティック・ギターを駆使したSSW然としたアルバムである。

後にギター教則用レコードや、ミュージック・ライブラリー用のレコードを録音した人だけあって、
デビュー盤にして卓越したギター・テクニックとレコード作りのアイディアが、そこかしこで伺える。
英国フォークとブルーズが適度に交じり合ったサウンドと渋い歌唱は、フォークという括りに
抵抗がある人にもすんなり聴くことができるだろう。

バックを務めたメンバーが又渋くて、クレム・クレムスン、ダニー・トンプスン、エインズレー・ダンバーらが
参加していると書けば、通好みの英国ロック・マニアはピンとくるかもしれないし、プロデュースを
ガス・ダッジョンが担当していると書けば、ポップス・ファンは「おっ」と思うかもしれない。
マイケルの生涯のパートナー的プレイヤーと言っていいであろう、スティーライ・スパンのリック・ケンプは
デビュー盤からの付き合いということになる。

ただし、中心はあくまでマイケルのアコースティック・ギターと歌唱であり、今の時期のような
秋の夜長にじっくり楽しめるアルバムと言える。

私が所持するCDは97年にレパートワーから出た盤で5曲のボーナス・トラックが収録されていて、
その中に今まで未発表だった『BERT JANSCH MEETS FRANKENSTEIN』というインストの曲がある。
65年にトランスアトランティックから自身の名前を冠したアルバムを出し、英国フォーク・シーンに
衝撃を与えたバート・ヤンシュの名前をタイトルに使った曲は、流石に当時はお蔵入りだったのだろうが、
当時の英国において、いやマイケル・チャップマンほどのギター・プレイヤーから見ても、バートのテクニックは
フランケンシュタイン博士によって作られた万能のモンスターのように思えたことが伺える。
そのスタイルを真似た楽曲は、今となっては面白く、そしてバート・ヤンシュの偉大さを改めて
確認することが出来るというものだ。

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YOU CAN DO A LOT WITH 100 WOMEN - 99

2011-10-10 08:10:25 | DAY BY DAY

今年の7月の当ブログ記事「カバー・ソング・日本のロック/ポップス編」の中で、こんなことを書いた。

「十代の私は現実主義者で、アイドルなんかに現を抜かさない、自称一本気なロックンローラーであった。
少なくとも女の子や友人の前では。(笑)当ブログで継続中の「YOU CAN DO A LOT WITH 100 WOMEN」の
第99回には、そんな偽りの私を懺悔すべく、当時好きだったアイドルを登場させる予定だ。
それまで、今日子や明菜の写真を貼りつけるわけにはいかないのだ。(笑)」

いよいよ99回目である。(笑)

高校時代の私の部屋にはストーンズや、ロッド・スチュワート等のポスターがベタベタと貼ってあったのだが、
その中にあって1枚だけ、場違いというか全く浮いたグラビアを貼り付けていた。
当時のアイドルの白いワンピースの水着のグラビアで、それを貼った私に対して妹は「趣味が悪い」と
罵ったものだ。

果たして趣味が悪かったのだろうか?。確かに同級生達は「聖子だ、明菜だ、今日子だ。」と言っていた
ように記憶する。勿論それはあくまで「好きなアイドル」の話であり、同級生達の現実の彼女たちに
してみても、流行歌として先の3人の曲はテレビやレコードで親しんでいて、嫌いではなかったとも
記憶している。

それなのに。少なくとも当時私が好きだったアイドルのことは、何一つ話題に出たことは無かった。
最も自称一本気なロックンローラー(くどいな)の私の前では、そんな話にならなかったのかもしれない。
当然、私がそんなグラビアを部屋に貼っていることを知られるわけにはいかないし、
まして、クラスの女子に私が好きなアイドルを知られるわけにはいかない。
女の子に「趣味が悪い」と言われたら、立ち直れないかもしれないし。(笑)
そんなものだから、男女問わず誰かが遊びに来た時は、そのグラビアの上にクラッシュのポスターが貼ってある
にも関わらず、更にジョー・ストラマーやポール・ウェラーの写真を貼って隠したものだ。

大学1年の5月の連休に、四国の悪友が京都まで遊びに来た。今のように携帯電話が無く
連絡が取り辛いのに、うまく待ち合わせできたものだ。まあ、夜に地元の港から船で出れば、何時に
神戸に着き、京都には何分ほどで着くかを知っていたというのもあるが。

朝早く京都駅で出会ったヤツを連れて私は、いきなり京都御所に行った。
日曜日ではなかったと思うが、ヤツと私は缶コーヒーを飲みながら京都御所の中のベンチに座った。
「日曜日の朝早く、御所の中で夢うつつ ♪ 。 こんなん知らんやろ。後で聞かせたるわ。」
つい先日知ったばかりの曲を、得意気に話す間抜けな私。

その後、ヤツが「レコードを買いに行こう。」と言ったので何故か、太陽レコードへ行く。
成程、ヤツは地元にいる彼女へのお土産を買おうという算段のようで、彼女の好きなビートルズの
『ストロベリー・フィールズ・フォーエバー』のシングルを買った。地元にストーンズ好きの彼女を
残さなかった私(笑)は、モップスの『月光仮面』のシングルを買った。(笑)

高校時代、クラスでは1,2を争うヤンキーだったにも関わらずロマンティストのヤツは、飯を喰った後に
更にこう言った。「お前が通う大学の近くにレンタル・レコード屋があるんだろ。今からそこに行って
何か借りてこよう。それで、今日の記念の編集テープをつくろうぜ。」

そこで、我々二人は何枚ものシングル盤を借りてきて46分テープを編集した。奴が太陽レコードで
買ったビートルズの『ストロベリー・フィールズ・フォーエバー』も収録した。『月光仮面』を収録するのは
違うと思ったが、ヤツの「今日の記念」という言葉に押されて、それも収録。他には、萩原健一とか
ストーンズとか、RCサクセションとか、ダウン・タウン・ブギ・ウギ・バンド(笑)とか。

レンタル・レコード屋でヤツがひょいと2枚のシングルをつまみ上げた。ヤツは高校時代に私が
好きだったアイドルを知っていたようだ。そういえばヤツはよく私の家に遊びに来たから、1回くらいは
グラビアを隠し忘れたことがあったかもしれない。(笑)因みにヤツは明菜派だった。
勿論、「今日の記念」にそのシングル曲もテープに録音した。
その時のカセットは今は手元に無い。覚えている数少ない曲の断片が記憶の中で鳴り響くのみだ。

       

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