HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

THE ELEMENTS

2014-09-28 08:44:27 | ROCK

私にとっての近年のキング・クリムズンの動向というのは、過去盤の40周年盤を収集する
対象としての興味しかなかった。フリップが参加しているのにキング・クリムズン名義ではなく
キング・クリムズン・プロジェクトなんて名乗るのも、よくわからなかったし。

そんな私にとってのクリムズン関係で今年度最大の興味は、近日リリースされる27枚組の
「STARLESS」なのだが、その前にネット限定の2枚組「THE ELEMENTS」というのが
気になったので入手した。

この2枚組は9月に始まったクリムズンの北米ツアーにあわせてリリースされたもので、
添付された24ページのブックレットには現行メンバーの写真やツアー日程、簡略化した
歴史が記され、さながらツアー・パンフレットの趣がある。

肝心なのは2枚のCDで、69年から14年までに録音された様々なリハーサル・テイクや
ライブ音源が収録されている。全29曲中、19曲が初登場音源で、その中には69年の
『I TALK TO THE WIND』、71年の『SAILOR'S TALE』、74年の『FALLEN ANGEL』や
『STARLESS』のスタジオ・セッションからのテイクが収録されている。

81年の「DISCIPLINE」以降は興味が無いという人もいるだろうが、改めてこの2枚を
聴くと、81年以降のクリムズンは70年代よりもリズムが強烈で、反復リズムが叩きだす
プログレには有り得ない(笑)ファンクネスすら感じさせるバンドに変貌したことがよくわかる。
そういった意味合いで全く別の魅力を持つバンドとして捉えれば、面白さは増す。

14年、つまり今年のリハーサル・テイクも4曲収録されているが、そのほとんどが短い
曲の断片やリズムの確認のようなものであるため、現在のバンドの状態を把握するような
新曲を期待するところまではいかない。それでも『LARK'S TONGUES IN ASPIC(PT1)』の
ように過去の様々な面子で演奏された曲の14年バージョンを聴くことができたのは嬉しい。

フリップの年金生活の足しにするため、もとい現行クリムズンの雄姿を知らしめるべく、
この後今回のツアーのライブ盤が出ると思うのだが、その前にこの2枚組を聴いて
おくのも一興である。

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6・3・3・4・・・・TO BE CONTINUED

2014-09-27 20:35:51 | 日本のロック・ポップス

掲載写真はウルフルズがEMIに在籍した時期のPVを32曲とライブでの2曲の
計34曲を収録したブルーレイ・ディスク「青盤だぜ!!」。因みに同時にリリースされた
2枚組ベスト盤のタイトルは「赤盤だぜ!!」。ここでもビートルズの偉大さを思い知るわけである。

かつてウルフルズはPVをまとめた映像商品を3種リリースしていて、その3枚をセットで
売り出したものもある。そこに収録されていた映像を1枚のディスクで見ることができると
いうのは便利この上ないのだが、実際に再生してみるとこれが画質が今一つなのだ。

近年の映像はそうでもないが、90年代半ばころまでの映像は特にイマイチな感が強い。
ちょっとがっかりなのだが、ここに収録されたPVには傑作が多いので映像を流して
気軽に楽しむ分には「まあ、いいか。」と割り切ることにした。

初めてウルフルズのPVを見たのは、いやウルフルズの名前を知ったのは『借金大王』の
PVを見たことによる。このことは11年8月にも書いたのだが、それだけインパクトの強い
映像であった。いかにも青春歌謡的な曲やPVは趣味ではないが、突き抜けたアホさ加減は
他のメジャー展開するバンドには見られないもので、この姿勢はこの先も保ち続けて欲しいものだ。

以前にエレファント・カシマシのPVの中の10選を書いたことがあるが、今回は私が好きな
ウルフルズのPV10選を記して、この項を終わりにする。

01 借金大王
02 サンキュー・フォー・ザ・ミュージック
03 すっとばす
04 ツギハギブギウギ
05 SUN SUN SUN '95
06 バカサバイバー
07 アホでケッコー
08 かわいいひと
09 やぶれかぶれ
10 ええねん

ジューダス・プリーストとボブ・ディランが同居するセレクションである。(笑)

将来、ワーナー時代のPV集が出ることを願って。


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BIG MAN DON'T CRY

2014-09-26 20:36:45 | ROCK

クリント・イーストウッドが監督した「ジャージー・ボーイズ」が明日公開される。
見に行く予定は無いが、TV番組内の映画紹介コーナーとかでやたらとトレーラーを
見るので、「この映画、日本で当たるだろうか。俺は見に行かないけどヒットすると
いいな。」なんて勝手なことを思うことしきり。

全く熱心に聴いてこなかったのだが、映画公開とほぼ時を同じくしてライノから
フォー・シーズンズの18枚組ボックスが出た。所持していない盤だらけだし、値段が
安いのでこれ幸いとばかりに購入した。

ビートルズ以前の、しかもコーラス・グループなんていうと私には敷居が高いというか
大して面白くもないだろうという思い込みはずっとあったのだが、いざ順番に聴いていくと
これが面白い。オリジナルもカバーもバックのトラックが素晴らしいし、当たり前だが
ボーカルとコーラスが本当に素晴らしい。熱心なファンの方々には嗤われそうだが、
アルバムの2枚や3枚を連続で聴いても全く飽きないのだ。10年前、いや20年前なら
確実に無理だった(笑)が、今ならドンと来いである。

全18枚中、「NEW GOLD HITS」と「RAG DOLL」は収録曲にミスがあったようだが
今現在流通している盤はアルバム・ジャケットに記載された曲が正確に収録されている。 

  

ロック者として私が気に入っているのが上記の2枚。「NEW GOLD HITS」の1曲目である
『C'MON MARIANNE』を聴いて、「あれ、これ誰の盤で聴いたっけ。」と考えること30秒。
「ああ、グレープフルーツか・・・。」05年7月にグレープフルーツを取り上げた時に、
しっかりフォー・シーズンス・カバーとしてこの曲に触れているのに、全く歳をとると
物忘れがひどくなる。(笑)

「SINGS BIG HITS」はA面にわかりやすいバカラック・ナンバーを配し、B面全曲をディラン・
カバーで占めるというのが何とも楽しい。全部が全部好きなカバーというわけではないが
この分け方のセンスに唸る。きっと、同年(65年)に出たバーズのファーストは意識
していたのだろうなぁ。あれ、この2枚って96年にACEからでた2IN1のCDと同じ
じゃないか。なんだかなぁ。(笑)

映画の予告ではやたらと『CAN'T TAKE MY EYES OFF YOU』を歌うシーンが流れて
いるのだが、あの曲はフランキー・ヴァリのソロだから大々的にフューチャーするのはどうだろう
なんて思っていたら、どうやら日本オリジナルの予告のようで公式サイトのオリジナルの
予告は件の曲はさわりがほんの少し使われているだけである。商売というのはこういう
ことなのだなと感じ入る秋の夜長、である。

出来ればフランキー・ヴァリみたいな高い音で・・・・

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APPLE SCRUFFS

2014-09-24 20:37:51 | ROCK

ジョージ・ハリスンのアップル時代のボックス「THE APPLE YEARS 1968 - 1975」が
リリースされた。発売がアナウンスされた時は、既に全てのアルバムを所持している上に
ボーナス・トラックが少ないとあって、購入するかどうか迷った。

それに「ALL THING MUST PASS」は2001年ミレニアム・エディション、「LIVING
IN THE MATERIAL WORLD」は2006年のデラックス・エディションも買っているし。

各アルバムが単体でのリリースだったら、どれも買わなかったと思うがボックスのみに
収録のDVD(これも大したことないのだが)が気になったし過去盤CDの音質もあまり
好きでなかったので、「まとまって揃うなら、まあいいか。」とあまり前向きでない姿勢で
購入してしまった。

で、いつものことながら手にしてみると、嬉々としてDVDを見て順番にCDを聴いている
私がいる。(笑)今回の箱が04年の「THE DARK HORSE YEARS 1976 - 1992」と
同じような装丁であるのが嬉しい。

 

 

どうしても並べて置きたいという気持ちを考えれば、形は同じほうがいいに決まっている。
10年越しで待ったファンの期待に応えたという意味で、つかみはO.K.である。

でもやっぱりアルバムを聴き進めると、最新リマスターの効果以前にボーナス・トラックの
少なさが気になってしまう。せめてDVDに収録されている「SUE ME , SUE YOU BLUES」の
デモとかをCDにも収録するとかの措置があってもよかったのに。しかもDVDのほとんどが
過去にリリースされたものと大幅に被るし。

DVDに関しては『DING DONG , DING DONG』のPVを綺麗な画質で見ることが
出来るのが私にとっての唯一の救いである。もう「LIVE IN JAPAN」の映像をオフィシャルで
出す気はないのだろうか?。いやいや、これはあと数年したら絶対リリースするんだろうな。
次の金のなる木であるのは間違いないし。で、その後に74年ツアーの映像が出たりして。(笑)

最初に聴いたCDは『EXTRA TEXTURE』であった。やっぱり冒頭の『YOU』を一緒に
歌いたかったから。いざ、CDの音にあわせてジョージ・ハリスン風に歌ってみたのだが
どうもビブラートのかけかたがおかしくて、よれよれのショーケンもしくは志村けんみたいに
なってしまったなあと思っていたら、全く同じことを相方に言われてしまった。(笑)
ふぅ~。ZAPPLEの2枚は寝ながら聴くことにしよう。

結論。無いならないで構わないが、前回の箱と並べて嬉しい罪な箱。(笑)

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YOU CAN DO A LOT WITH MORE 100 WOMEN - 31

2014-09-22 00:02:03 | 日本のロック・ポップス

湯川潮音のことを最初に知ったのは映画「リンダ リンダ リンダ」を見たことによる。
タイトルになった曲もバンドも全く興味が無いのだが、高校生のバンドを描いた
「青春デンデケデケデケ」のような甘酸っぱい感覚も嫌いでない私にとっては、なんとなく
見ておくべきかなと思ったので。

「あんまりピンとこないなあ。」とか思いながらダラダラ見ていたら、『風来坊』を一人で
歌う女子高生が映って「おおっ。」と思わず身を乗り出した。それが湯川潮音であった。
私が高校生の時には細野晴臣はYMOの人という認識しかなかったし、はっぴいえんどなんて
名前は知っていたが聴いたこともなかった。それでも、もし学園祭とか文化祭のような場で
『風来坊』を歌う女子高生を実際に見たら、きっとぶっ飛んだだろうななんて想像しただけで
嬉しくなってしまった。

遠藤賢司の新作でも声を聴くことができたが、そういえばエンケンの06年のアルバム
「にゃあ」で彼女を知った人もいるかもしれない。

  

左の盤は08年の「灰色と私」。ロンドンでクマ原田とレコーディングしたという話も興味を
惹いたが、それ以上に自身の手になる自画像ジャケットに惹かれた。
この絵を見て、なんとなく2枚のアルバムを思い浮かべた私は「これは外さないだろう。」との
心算で手にしたのだが、全く正解であった。

暖かな声と音は私に、「いつまでも「み空」を有難がっているんじゃないよ時代は進んでいるんだよ」
と話しかけているようでもあった。因みに先の話で私が思い浮かべたアルバムはこの2枚。
趣の違うワンピース姿が眩しい10年の「クレッシェンド」のジャケットも好きだ。

  

洋楽好きが手にして驚くのが頭に掲載した09年の「SWEET CHILDREN O'MINE」だろう。
オアシス、ミスター・ビッグ、レディオヘッドからガンズ&ローゼズ、果てはエアロスミスなんて
ところまでカバーされているのだから。彼女のイメージからは、ちょっと遠い位置にあるような
曲が湯川潮音のスタイルでカバーされている。収録された数々の曲は、例え原曲を知らなくても
十分満足できるクオリティーのアレンジが施され、「いい曲だなあ。」と思わせてしまう
ところが素晴らしい。

ガンズ&ローゼズの『SWEET CHILD O'MINE』なんてメリー・ホプキンが歌っているかの
ようだ。

表現は悪いが間抜けな言葉で一括りに表現すると、彼女は所謂二世タレントである。
大物ミュージシャンの娘たちが何人もデビューしてはいるものの、実際のところどれだけの
才能があるのかは疑問なところもある。湯川潮音は、そういった雑音とは無関係な
ところで自身の才能とセンスの趣くがままに、活動を続けてほしいと思う。

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VOL . 1

2014-09-21 00:03:48 | ROCK

やりたいことが多岐に亘り、その結果途中で止まったり期間が空いてしまう。まさか厭いては
いないだろうが。

ニール・ヤングのことである。

 

2000年に出た「ROAD ROCK V1」は同年夏の演奏を収録したライブ盤。1枚のCDに
8曲しか収録されておらず、「これなら2枚組でもよかったのに」と思いながら聴いたものだ。
これはもう「V2」は無いだろうな。アーカイブ物ではないから、続編のリリース時期を逃した
という感じなのだが、あれから14年経っているので今振り返れば、立派なアーカイブ物に
なるか。(笑)それでも、ついこの間の盤という印象が強いのだけど。(笑)

「NEIL YOUNG ARCHIVES VOL.1 (1963 - 1972)」は複数の形態でリリースされたことと、
中身がバラ売りされたものがあることで、個人的には印象が希薄である。
これが出たのが09年。そろそろ次を出さないと、聴く前に死んでしまうファンが多いだろうに。
このタイトルを踏襲するにせよしないにせよ、続編は期待したいところ。

 

「OFFICIAL SERIES」は「VOL.1」とは題されていないが
これだけで終わるのかなと思っていたら、続編がブラック・フライデイにリリースされるようだ。
当然ながらアナログ盤。その中には「TIME FADE AWAY」も含まれている。
「TIME FADE AWAY」は未CD化だと思うので、これは単体でCD化してほしいところ。

さて、この人たちの続編も待っているのだけどどうなっているのでしょうかねぇ。

  

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JAH LIFE

2014-09-20 00:02:05 | REGGAE

    

昔からダブのレア盤として知られていた「JAH LIFE IN DUB」が再発された。LPで。(笑)
サイエンティストがミックスしたということが私的には最大の購入ポイント。一聴して気に入った。

レゲエの中でもダブのアルバムというのは紹介するのが大変である。
何が大変かというと、ロックやジャズのアルバムのように「ミュージシャン名 / アルバム・タイトル」と
簡単に表記できないからである。

今回の盤も「JAH LIFE IN DUB」と記載されているだけ。これがアルバム・タイトルであることは
察することができるが、JAHもとい、じゃあこれは誰のアルバムなのと言われると返答に困る。
「JAH LIFE」というのはレーベルの名前。演奏はルーツ・ラディックス、元になった曲の歌い手は
バーリントン・リーヴィ、そしてミックスはサイエンティスト。

タイトルからしてレーベルの意向で出されたダブ盤というのは明白なのだが、トラックを
使いまわして別のレコードを仕立てあげるというレゲエ特有のスタイルが、ダブ盤を紹介する時、
或は探す時にわかりにくいことになったりするが、そこらも込みで大らかに楽しむのが
このジャンルに相応しい。まあ、大抵はミックスした人名義で紹介されることが多いのだが。

今回の盤はレコードは新しくプレスされたものの、ジャケットは80年代のデッドストックを
使用している。ジャケットの擦れた感じの経年劣化が妙に嬉しい(笑)のだが、それ以上に
嬉しかったのがダンボールの匂い。久々に嗅いだ中古盤の匂いであった。(笑)

それにしても、流石はサイエンティスト。久々に遠くまで飛んだ。(笑)

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BENT WIND

2014-09-19 21:25:26 | ROCK

カナダのレーベルUGLY POPからベント・ウィンドの7インチがリリースされた。
ベント・ウインドはサイケ者には有名なカナダのバンドで、69年にリリースされた
アルバム「SUSSEX」は広く知られている。

「SUSSEX」に収録されたバージョンとは違うシングル・オンリーのバージョンである
『SACRED COWS』とオリジナル・アルバム未収録の『CASTLES MADE OF MAN』の
カップリングは69年にリリースされた時と同じ組み合わせ。ジャケットは今回の発売用に
後付されたものだが、ジャケットがあると嬉しいのでこれはやっぱりあったほうが良い。

個人的にはA面曲である『SACRED COWS』はアルバム・バージョンの方が音が
ハードでノイジーな出来で好きなのだが、この曲のサビのメロディーを聴くと、つい一緒に
口ずさんでしまうのだから、曲自体が良いといって構わないだろう。

ああ、もうそろそろブラック・フライデイの情報が出てくるのだろうか。
ほんの数枚でいいから恰好いい7インチを手に入れたいな、とか欲深い妄想を展開する
秋の夜長である。(笑)

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意思下のロックンロール

2014-09-16 00:00:00 | 日本のロック・ポップス

「ライカスパイダー ’88-’89」がリマスターされ蘇った。
カセットでリリースされたものが初CD化されたのが95年。そんなことも露知らず初めて聴いたのは
ほんの数年前なのだが、その時の衝撃というのは今でも覚えている。

こういった言葉の乗せ方というのがあるのかといった驚きと共に、剥き出しのギターの
音と語尾を突き放すように投げかけられる言葉が混ざり合った時にみせる、時に冷酷で
時に穏やかな表情の交差がロックンロールの奥深い魅力を感じさせる。
ディスク2のこれまで未発表だったスタジオ・リハーサルやライブ録音も強力だ。

流行の音に慣れてしまった人は聴かない方がいいかもしれない。
長時間使用すると、低温火傷するかもしれないから。

私なんかが、この盤についてとやかく言ったり書いたりするのは全くのお門違いなのだが
とにかく、正式にこの「音」を入手できた喜びは大きい。
80年代以降の日本のロックを云々するとき、素通りしようとする事態や悪しき取捨選択の
場面に於いて、これからも大きな傷を付け続ける「音」である。

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あとさきかえりみず、再び

2014-09-15 11:31:48 | ROCK

10年8月以来の「あとさきかえりみず」である。(笑)

今年の10月で御年88歳になるチャック・ベリー。その偉業を称え、88歳を記念すべく
おそるべきボックスがベア・ファミリーから登場する。その名は「ROCK AND ROLL
MUSIC - ANY OLD WAY YOU CHOOSE IT」。

かつてHIP-Oからコンプリート・チェス・レコーディング集を謳った3種の組み物が出たが
それを遥かに上回る16枚組。チェス以前のシングルにマーキュリー時代やライブ録音等
ありったけの録音をぶち込んだ内容に、「玉石混合上等」とばかりに購入を決心。

全396トラック、総再生時間は21時間11分也。 上等である。

さて、どこで購入するのが一番安いかを調べていくと、一番高いブツに出くわしてしまった。(笑)

 それがこれ。

ギブソンESシリーズのギター・ケース入り仕様で、88歳を記念しての限定88セット。

 総重量は6キロ。(笑)

チャック・ベリーのサインも入るというのだから、これは悩んだ。悩むこと約20分。
そこで思い出したのが、10年8月にウィングレス・エンジェルスの木箱入りのブツを
買った時のこと。「アレを買ったのならコレも買えるだろ?」という悪魔の囁きが聞こえた。
そう、確かに聞こえた。酔っぱらっていたので耳鳴りだったかもしれないけれど。(笑)

購入手続きを進めていくと、おそろしく余計に金がかかることにイヤでも気付く。
VAT(付加価値税)が19%かかって、それが79.67ユーロ。送料が31.99ユーロ。
本体以外にこれだけの金がかかることに唖然とするが、後には引けない。
何せ酔っぱらっているのだから。

結局、総トータルで530.99ユーロの支払いと相成った。あぁ・・・・・。
もうこれで、「後ろから前からボックス」を買う金は無い。(笑)
一生の友にロックンロール・ミュージックを選んだことに悔いは無い。

そして、再び。
明日は明日の風が吹く。


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ACUTE SCHIZOPHRENIA PARANOIA BLUES

2014-09-14 18:17:16 | ROCK

キンクス結成50周年である。

50周年を祝うべく、パイ時代の歴史を振り返る5枚組ボックスのリリースがアナウンスされて
いて、そこには25曲分の未発表マテリアルが収録されるという。08年には6枚組の
「PICTURE BOOK」なる箱がリリースされ、また11年からは各アルバムが2枚組の
DXエディオションとしてリリースされ、それぞれ大量の未発表バージョンやデモ等が
収録されていたのだが、まだいろいろあるのね。(笑)

もちろん、喜んで買わせていただき50周年を祝うつもりである。

しかしながら、そのDXエディションも今年リリースされた「PART1. LOLA VS POWERMAN
AND THE MONEYGOROUND」の在り方から何だかおかしな方向へ進むようなイヤな
予感がした。

件のブツは日本盤を購入予定なのでまだ手元に無いのだが、かの名盤をよりによって
「PERCY」との組み合わせにするとは。まあ、17曲のボーナス・トラック中、13曲は未発表との
ことなので、それは嬉しいのだが、それでも何だか「LOLA・・・」が軽く扱われたような感じは
否めない。

そこへきて、なんとまたまた「MUSWELL HILLBILLIES」のレガシー・エディションがリリース
されるというではないか。「MUSWELL・・・」のDX盤は去年2枚組で出たばかりだというのに。

11月リリース予定のレガシー・エディションは昨年の盤のボーナストラックの13曲からBBCライブと
76年リミックスを外した残り8曲とラジオ・スポットを、1枚のCDとして本編の後に収録し
DVDが添付される。で、問題なのがこのDVDである。

キンクスは12年に5枚のCDと1枚のDVDで構成される「AT THE BBC」をリリースしているのだが、
このDVDがなかなかの優れものだった。70年代の4回分のまとまったコンサートの映像と様々な
TVプログラムの映像が57曲も収録されていたのだから、贅沢極まりないと言っても過言ではない。
しかし、ここに収録されていない72年のOGWTでの『ACUTE SCHIZOPHRENIA PARANOIA
BLUES』が、今回の「MUSWELL・・・」のDVDに収録されるのだ。

う~む。何故先のBBC箱には収録しなかったのだろう。同一日に演奏された『HAVE A
CUPPA TEA』は収録したのに。まあ、映像自体はいけないブツで所持している(笑)から未見では
ないが、オフィシャル発売は初めてなのである。

それに。今回のDVDには72年の「KINKS AT THE RAINBOW」も収録されるのだが
そこからは『TOP OF THE POPS』がオミットされるようだ。あくまで事前のアナウンスからの
推測であるが。「KINKS AT THE RAINBOW」の中での『TOP OF THE POPS』は
ライブ演奏でなくイメージ映像だったので外されたのだろうか。それにしてもそうだとすれば
当時のプログラムを完全収録したものではなくなってしまう。う~む。

「たった1曲の映像のために、俺はこれを買うのか。」とかブツブツ言っていたら相方が
「あんたがそう言う時は、大概買うんだよね。」と半ば呆れた口調で言うのだが、本当に
ここは考え処だ。

キンクスはこの後、RCA在籍時以降のアルバムの再発を計画しているようだがその中には
ロンドン時代以降の盤が入っていない。その割に編集盤の「THE KINKS' GREATEST
CELLULOID HEROES」や「COME DANCING WITH THE KINKS」といった盤が
リスト・アップされている。そうすると、今回の「MUSWELL・・・」から、76年リミックス・バージョンが
オミットされた理由も自ずとわかるというものだが、この先何かを期待していいのかどうか
今一つわからない。

「EVERYBODY'S IN SHOWBIZ」再発時に、正式にオン・エアされていない演奏を全て
収録した形で72年のビートクラブの映像をDVDで添付でもしてくれたら、今後に期待が
持てるのだけど。(笑)

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AS WE GO ALONG

2014-09-13 08:03:55 | THIS SONG

ビートルズのモノラルLP再発は話題になるのに、モンキーズのモノラル録音スタジオLPを
5枚収録した「THE MONKEES IN MONO」は大した話題にならないと。
まあ、そういうモノなのだろうね。私はどっちも興味が無いのだけど。
だって、どっちも手にするほどの余裕がないのだから。(笑)

モンキーズのアルバムの中で割と偏った意味での人気があるのが68年のアルバム
「HEAD」ではないだろうか。映画「モンキーズ 恋の愛言葉HEAD!」のサントラで
66年のデビュー・アルバム発売以降初めてトップ10入りを逃した盤でもある。

そんな盤に対する興味の在り方というのは、ヒット・ソングに見られるポップさではなく
それほど派手ではないもののちょっと凝ったサイケな感じにあるのだろう。
映画は実にとりとめのないものであるが、ワン・シーンだけ抜き出せば「ハッ」とする
ような場面は割と多く、そんな場面で流れる音楽は当然のようにカラフルであるし、
台詞も多く収録した盤の「一筋縄でではいかない」感じが面白い。

そして、この盤には何だかよくわからない豪華な顔ぶれで録音された曲があり、
その存在が、モンキーズにさほど興味が無いであろう人をこの盤に向かわせることになる。
そんな人たちを大して満足させないその曲の名は『AS WE GO ALONG』。

作者であるキャロル・キングに、ダニー・クーチマーやニール・ヤング、更にはライ・クーダー
までがギタリストとしてのクレジットがあるのに、誰の個性もほとんど感じ取れない
不思議なスーパー・セッションである。ドラムスはアール・パーマーでアレンジはジャック・
ニッチェという豪華絢爛な顔ぶれではあるのだが。多分一番大きく聞こえるアコースティック・
ギターの刻みはニールなのかなあと、想像してみるがやっぱりよくわからない。(笑)
ただ、曲の仕上がりは不思議な浮遊感もあって良い。それにしても何故これだけのメンバーが
モンキーズのセッションに集まったのだろう。

まあ、映画にフランク・ザッパが出ているくらいだから、モンキーズ或いはバンドを
とりまく様々な要素が魅力的だったということなのだろう。

あれ、どうしたことか。モンキーズの60年代のスタジオ盤のDXエディションはそれなりに
手にしているのに、この「HEAD」は普通に1枚ものしか所持していない。
単に忘れていただけか?だったらいいのだけど。(笑)

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KNOCKIN ON HEAVENS DOOR

2014-09-11 09:42:11 | ROCK

先日の話。
インターホンが鳴るので出てみると「ヤ○ト運輸で~す。代引き1000円のお届け物です。」
と言われる。はて、代引きなんて頼んでないのだがと思いながらドアを開けると・・・。

「これですね。代引きで1000円になります。」
「1000円になるんだ・・・。」と思いつつ配達員が手にしているブツを見る。
あのね、これは代引きではなくて輸入に伴う内国消費税でしょ。だいたい、この輸入許可
通知書と輸入(納税)申告書控は何なのだ。配達人が阿呆なのか、それとも私のことを
「いちいち説明してもわかんないだろう。」と思ったのか、何れにせよ私を一瞬でも困惑させたの
は事実なので心の中で瞬間的にムっとしたが、逆に「この配達人に説明してわからなかったら
面倒だな。」と一瞬で判断しニッコリと微笑んで1000円を渡す私。

ああ、そうか。この積み重ねが世界平和に繋がるのだな。あれ、違うか・・・。(笑)

で、受け取ったのがグレイトフル・デッドの23枚組ボックス「SPRING 1990 (THE OTHER ONE)」。
2年前の18枚組ボックスの続編で、たて続けの90年ものなので「あまり有り難くない感」もあるし、
個人的にブレント・ミッドランドがリード・ボーカルをとったり、コーラスが目立つのが好きでないので
正直なところ、この時期は苦手である。それでも、コンサートの流れをしっかり捉えたライブ盤を
聴き進めると何だか幸福な気分になるので、流石はグレイトフル・デッドである。

限定9000セットの通しナンバーは、今回はメダルに刻印されている。写真が少なくやたらと文字の
多いブックレットの有難味はさほど感じなかったが、8回のコンサートで使用されたレプリカ・チケットと
バックステージ・パスは、これそ「おまけ」という感じで嬉しかった。

 

チケットのデザインは洒落たものが多かったが、バックステージ・パスのデザインは個人的には
今一つのものばかり。そういえば、近年のデッドの箱物に収められた各CDのジャケットの
デザインも好きになれないのであった。

今回のボックスに収録された8回のコンサートの中から、3月29日のナッソー・コロシアムでの
演奏は単体で発売された。そっちのジャケットはまだ私の許容範囲。この日はブランフォード・
マルサリスと共演した日で、しかも数曲とかでなくコンサートの前半終了から後半までずっと
演奏に参加しているので、いつもとは違った彩りを楽しむことができる。この日を単体で別売り
したのは正解だろう。

各日、必ず1曲か2曲演奏されるディラン・カバーを聴き比べるのも一興。
それにしても私も疲れているのか、ある日のCDをセットし流れてきた音を聴いて
「この日は珍しいセット・リストだな、いきなり即興か。」とぼんやり聴いていて20分くらいして
もしやと思いジャケットを手に取ると、やっぱりそれはディスク3を再生していたのであった。
ジャケットを上下逆に手にして当たり前のように左のトレイのCDをディスク1だと思ったから
そうなっただけの話なのだけど、なんだか間抜けである。

しかし、そんな間抜けを許容するのがデッドである。
さて、これから二巡目に突入するかな。

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BUT THEY WAS LOUDER AT THE RAINBOW , COULD BE , OOH-EE

2014-09-08 22:32:04 | ROCK

PVを除いて、70年代のクイーンの演奏をまとめて見ることができる商品というのは
ありそうで無かった。バンドの歴史を追いかけた映像ソフトはあったが、曲が完奏することはおろか
コンサートの映像をまとまった形で見ることができなかったのだ。

そんな不満をやっと解消する映像が登場した。「QUEEN LIVE AT THE RAINBOW ' 74」の
タイトルとおり74年11月の映像を約80分収録した今回のソフトは、ファン待望といって
過言ではないだろう。

例によってこの映像もブートレグで見ることができたものではあるが、画質が驚くほどよく
丁寧にレストアされたことが伺え、音質も良い。ボーナス映像での同年3月のレインボー公演は
昔のフィルム・コンサートでも見るような質感で若干色味が薄いのだが、それはそれで
懐かしい感じがして悪い気はしない。それもこれも本編の圧倒的な画質の良さ故に許せる話で
あるのだが。(笑)

74年の映像なので収録曲は最初の3枚のアルバムからということになる。以前も書いたが
私が好きなクイーンはシングルはともかく、アルバムでいえば78年の「JAZZ」以降なので、
今回の映像は選曲的にはそれほど惹かれない時期であるが、それでもフレディー・マーキュリーの
存在感が初期から群を抜いていたことはよくわかる。

客いじりというか、コミュニケーションの取り方はスターそのもので、ファンが『LIAR』を好きな
ことを承知してか、リクエストが飛んだ時の応対が面白い。

この後、バンドの成功とともに会場のキャパが大きくなり、照明やドラムセットの配置のされ方等が
大がかりになるのだが、上り調子にあるバンドを捉えた映像が正式に世に出た意義は今更であるが
大きい。今回の映像はプロモーション用に撮影されていたようであるが、リアルタイムで世に出て
いたら欧米の評論家連中の評価も早い段階で好転したかもしれないと思うことしきりである。

クイーンには商品化されていない映像が山ほどある。今回の映像の商品化をきっかけに
75年のハマースミス・オデオン、76年のハイドパーク、77年のアールズコートやヒューストン、
79年の日本武道館といったところの正規発売が実現することを願ってやまない。

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夢よ叫べ

2014-09-07 11:02:33 | ROCK

車が無いと何処に出かけるにもまずは歩かなければならない。
えっ、代車は借りないのかって?「マーク」が入院しているってのに、その間に
他の車に乗るなんてできない話である。

で、歩いて出かける先は最寄りの駅なのだが、そこで私的にちょっと考えさせられる
場面に遭遇した。いや、例によって大袈裟な話なのだけど。

ギタリストでもベーシストでも何でもいいが、バンドマンというのは自分の楽器というのは
自分で担いで移動するものだと思っていた。プロの大物とかだとローディーとやらが
運んでくれたりもするのだろうけど、アマチュア・バンドや学生バンドなら手で持つか
肩に担ぐのが当然だろうと。

それが・・。先日見かけた野郎はこともあろうかキャリー・バッグのようなものに乗せて
ごろごろと転がしていたのである。なんとも格好悪いものを見てしまった。(笑)
ギターやベースが重いのなら、やめちまえよ、と思う私がどうかしているのか?

掲載写真はカナダのヘヴィー・メタル・バンド、アンヴィルのドキュメンタリー映画「アンヴィル!
夢を諦めきれない男たち」。正直に言ってアンヴィルというバンドの名前は知っているが
ただの1枚のLPすら聴いたことがない。84年のスーパー・ロック・フェスティバルに出たことを
知っているくらいで。

この映画は落ち目になり忘れ去られたバンドが、自分たちが再び輝くために悪戦苦闘する
姿を2年にわたって撮影したもので09年に公開された。私自身、この手の音に全く理解が
ないのだが、この映画はロックとは何かバンドとは何か、もっと大仰に言えばそれらに関わった
人生とは何かを考えさせる映画で、音楽ジャンルに関係なくちょっとした感動を与えてくれた。

カナダで仕事をしながら、バンドのために欧州ツアーに出かければ、客は数人或いは数十人で
ギャランティーを払ってくれない店すらある。CDを作ろうと思えば、自費で200万負担しろと
言われ、家族の援助で費用を捻出してCDを作っても何処の会社見向きもしてくれない。
そんな中でのメンバー間の葛藤や軋轢を包み隠さず捉えたこの映画は、ドキュメンタリーとして
一級品である。

短絡的な物言いだが、自分のギターをゴロゴロとキャリーで転がして運ぶようなヤツの
対極にこの映画は位置するはずだ。

どこまで主張しどこで妥協するか、ということは生活者としての様々な場面で誰もが何度も
決断を迫られる。おそらく、私は多くの場面でそれを間違えているのだろう。
それでも、この映画には何となく救われる気持ちになる。

多分、この先もアンヴィルのCDは買わないだろうけど。(笑)

コメント (2)
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