HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

脈打つ悪癖

2008-02-26 22:48:27 | ROCK
スロッビング・グリスルの音を自分の中でなんとなく消化できるように
なるには、少々時間がかかった。
1stアルバムは77年の発売だから、パンク旋風吹き荒れる中での
リリースである。後追いでその一群に触れるとなると、わかり易いものから
聴いていくのは必然で、深みに填まってなんとなく1枚手にしたものの
手に負えず、暫くは仕舞い込んだままであった。

改めて取り出したのは、所謂ジャーマン・プログレを通過してからである。
ファウストやクラスター等の音にさして抵抗を感じなかったのは、
何が原因かわからないが、その後再び聴いたT・Gの音は以前と違って
面白く思えたものだ。

2003年の再結成以後の音は全く追いかけていないのが、正直なところ
だが、限定2000部で7枚組のDVDが出るというニュースには
飛びついてしまった。T・GのHPでは一時的に売り切れ状態であったが、
再びオーダーを取り始めた。
送料がバカ高くなるのが難点だが、おそらく国内に入荷した物を
購入するよりは安いだろう。
「限定」という言葉に弱い僕。金も無いのに。(笑)
まさに「脈打つ悪癖」に突き動かされ・・・・。

以前ビデオで出ていて、現在はブートレグDVDで見る事が出来る
Heathen Earth をマシな画像で見る事が出来るのは楽しみだし、
デレク・ジャーマンのショート・フィルムというのも面白そうだ。
「発送が完了した」というメールが届いたので、到着が待ち遠しい。
じっくりと楽しみたいものだ。

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ポスター貼るなら・・・

2008-02-24 21:42:27 | DAY BY DAY
私の家のリビングには今、映画「THE HARDER THEY COME」のポスターを
コルク・ボードに貼り付けたものを飾っている。

思えばレコードを買い始めた頃から、部屋にポスターを貼るようになった。
レコードの中に入っている折りたたんだ物であろうと、特典として
貰った物であろうと関係なく貼ったもので、普通に「帯」とかを
大切に保管するタイプの人はLPの中のポスターは貼らないだろう。
私は『「帯」はレコード・ジャケットのデザインを損なう』と思っていたので
片っ端から破り捨てていた。
破らずに保管するという知恵はなかったのだ。(笑)

高校の時にいつもいくレコ屋のおばちゃんが「いつも買ってくれるから
好きなポスター適当に持って帰っていいよ。」と言ってくれたので
数枚持って帰ったことがあり、その中にストーンズもあった。
いつの時代の余り物か、適当にメーカーが作ったのかしらないが
それが78年全米ツアーのステージ写真をポスターにしたもので
当たり前だが非常に嬉しく思い、しばらく貼っていた。

大学に入りたての頃、映画「さらば青春の光」を真似て、部屋に
ストーンズやザ・フーの写真の切り抜きに混ぜてヌード写真を何枚も
貼り付けていたこともあったが、さすがに映画のように格好良くいかず
すぐに止めてしまった。(笑)

久しぶりにテレビ・ドラマ「悪魔のようなあいつ」をほぼ全て通して
見た。主人公の部屋には映画やミュージシャンのポスターが何枚も
無造作に貼ってある。話が進むにつれて微妙に貼る位置が変わっているのだが
マイルス・デイヴィスの同じポスターを2枚貼ってあるのがわかる
回がある。(笑)
全話を通して一番目立つのは、あるギタリストのポスターで数多く
貼られたポスターの真ん中にそれは貼られてある。
75年に製作されたこのドラマの主人公のファッション・スタイルは、
ストーンズの「悲しみのアンジー」のプロモでのミック・ジャガーが
片隅にあるのは間違いないだろうし、ドラマの「主題」では無い
かもしれないが、ストーリーに「反権力」的なものが含まれるとすれば、
あのポスターには違和感を感じる。
革新的なギタリストには違いないが。

掲載写真のようなポスターがあれば、今でも貼ってみたいと思う。
ちなみにアナログ盤ブートレグからスキャンしました。(笑)



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ストーンズ者宣言

2008-02-18 22:42:34 | ROCK
「ストーンズ者」とは何ぞや?。

今月号のレココレ記事の「レコード・コレクター紳士録」における
有賀幹夫氏の発言にその答えがある。
あるバンドやミュージシャンのファンならアルバムを揃えるのは
当然だろうし、モノとステレオの違いや、ジャケットのデザイン違いが
あるならそれを欲しいと思うのも不思議ではない。
他者への参加作品や関連アーティストの盤を求めるのも然り。

問題はその先だ。
一番好きなバンドなりアーティストを振り出しに、どこまで到達できるか。

ストーンズのツアーの日毎の音源やブートレグを集め、過去の
ブートレグの音質が上がっただの下がっただの、ピッチが直っただの
狂っただのに執着する人や、コンサートに何回行ったかだのを自慢する人を
私は「ストーンズ者」とは呼ばない。
ストーンズのレコードや楽曲、ライブを愛し尚且つそこから様々な音楽へ
視野を拡げることができる人が私が解釈する「ストーンズ者」である。

改めてここに「ストーンズ者」であることを宣言する。


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ソウル/ファンク100選

2008-02-17 18:09:33 | SOUL
私なりのソウル/ファンク100選を考えた。
あまり考えても仕方ないのと、こんなことを考えるのはこれっきりに
したい(笑)ので、年代の縛りを取っ払って選ぶことにした。
アレが抜けている、コレが抜けているのは単に私がアルバムを所持して
いないからかもしれないし、強力な意思が働いているかもしれない。
ジョー・サイモンが抜けているのは前者だし、マーヴィン・ゲイの選盤が
「LET'S GET IT ON」なのは後者だ。
ベスト盤は選ばないつもりだったが、どうしても外せなかったので2枚だけ
選んだ。モータウンが冷遇されているように感じるが、アルバム100選でなく
「100曲」だったら全く違う展開になるだろう。
日本のロック・フォーク100選の時と同じく1アーティスト1枚縛り。
今回はABC順。

001 100 PROOF AGED IN SOUL / SOMEBODY'S BEEN SLEEPING IN MY BED
002 8TH DAY / SAME
003 ACE SPECTRUM / INNER SPECTRUM
004 ACT1 / SAME
005 THE BALLAD / THE GIFT OF LOVE
006 DARREL BANKS / DARREL BANKS IS HERE
007 ARCHIE BELL & THE DRELLS / THERE'S GONNA BE A SHOWDOWN
008 WILLIAM BELL / THE SOUL OF A BELL
009 BLUE MAGIC / SAME
010 BILL BRANDON / SAME
011 JAMES BROWN / SEX MACHINE
012 DON BRYANT / I'LL GO CRAZY
013 SOLOMON BURKE / THE BEST OF SOLOMON BURKE
014 BURRINO BROTHERS / LIVIN' HIGH OF THE GOODNESS OF YOUR LOVE
015 CLARENCE CARTER / THE DYNAMIC CLARENCE CARTER
016 JAMES CARR / YOU GOT MY MIND MESSED UP(掲載写真右)
017 RAY CHARLES / WHAT'D I SAY
018 SAM COOKE / AT THE HARLEM SQUARE CLUB,1963
019 THE CHILITES / (FOR GOD'S SAKE)GIVE MORE POWER TO THE PEOPLE
020 OTIS CRAY / TRYING TO LIVE MY LIFE WITHOUT YOU
021 THE DELFONICS / LA LA MEANS I LOVE YOU
022 LAMONT DOZIER / LOVE AND BEAUTY
023 CHARLES DRAIN / DEPENDABLE
024 THE DYNAMICS / WHAT A SHAME
025 DYSON'S FACE / SAME(1975)
026 THE EBONYS / SAME
027 ESCORTS / ALL WE NEED IS ANOTHER CHANCE
028 EVERYDAY PEOPLE / I LIKE WHAT I LIKE
029 EXPERIENCE UNLIMITED / ...FREE YOURSELF
030 FOUR TOPS / SECOND ALBUM
031 THE FOUR MINTS / GENTLY DOWN YOUR STREAM
032 ARETHA FRANKLIN / I NEVER LOVED A MAN THE WAY I LOVE YOU
033 FUNKADELIC / MAGGOT BRAIN
034 THE FUTURES / CASTLE IN THE SKY
035 MARVIN GAYE / LET'S GET IT ON
036 THE GLASS HOUSE / INSIDE THE GLASS
037 AL GREEN / CALL ME
038 MAJOR HARRIS / MY WAY
039 DONNY HATHAWAY / EXTENSION OF MEN
040 ISAAC HAYES / SHAFT
041 HONEY CONE / SOULFUL TAPESTRY
042 TERRY HUFF & SPECIAL DELIVERY / THE LONELY ONE
043 WILLIE HUTCH / SOUL PORTRAIT
045 IKE & TINA TURNER / RIVER DEEP MOUNTAIN HIGH
046 THE IMPRESSIONS / PEOPLE GET READY
047 INGRAM / THE INGRAM KINGDOM
048 LUTHER INGRAM / IF LOVING YOU IS WRONG I DON'T WANT TO BE RIGHT
049 THE INTRUDERS / ENERGY OF LOVE
050 THE ISLEY BROTHERS / THE HEAT IS ON
051 AL JOHNSON / PEACEFUL
052 SYL JOHNSON / CHICAGO TWINIGHT SOUL
053 GEORGE KERR / PERFECT PLATINUM
054 FREDERIC KNIGHT / I'VE BEEN LONELY FOR SO LONG
055 JIMMY LEWIS / TOTALLY INVOLVED
056 CECIL LYDE / STONE FREE
057 CURTIS MAYFIELD / SUPER FLY
058 MFSB / LOVE IS THE MESAAGE
059 THE MOMENTS / ON TOP
060 NATURAL FOUR / SAME
061 NEW BIRTH / BEHOLD THE MIGHTY ARMY
062 OLLIE NIGHTINGALE / SWEET SURRENDER
063 O'JAYS / BACK STABBERS
064 PARLAMENT / MOTHERSHIP CONNECTION
065 BILLY PAUL / 360 DEGREES OF BILLY PAUL
066 ANN PEEBLES / STRAIGHT FROM THE HEARTS
067 WILSON PICKET / I'M IN LOVE
068 PRINCE / SIGHN OF THE TIMES
069 OTIS REDDING / LIVE IN EUROPE
070 REFLECTIONS / LOVE ON DELIVERY
071 RIPPLE / SAME
072 JOHNNY ROBINSON / MEMPHIS HIGH
073 SMOKEY ROBINSON & THE MIRACLES / GOING TO A GO GO
074 SAM & DAVE / I THANK YOU
075 GIL SCOTT-HERON / PIECES OF A MAN
076 ANN SEXTON / THE BEGINNINGS
077 SILVIA / SWEET STUFF
078 SINS OF SATAN / THOU SHALT BOOGIE FOREVER
079 SIR JOE QUARTERMAN & FREE SOUL / SAME
080 SLY & THE FAMILY STONE / FRESH
081 THE SMITH CONNECTION / UNDER MY WINGS
082 SOUL GENERATION / BEYOND BODY & SOUL
083 THE SOUL CHILDREN / GENESIS
084 THE SPINNERS / 2ND TIME AROUND
085 THE STAPLE SINGERS / BE ALTITUDE:RESPECT YOURSELF
086 CANDI STATON / STAND BY YOUR MAN
087 THE STYLISTICS / SAME
088 THE TEMPTATIONS / I WISH IT WOULD RAIN
089 TRAMMPS / THE LEGENDARY ZING ALBUN(掲載写真左)
090 THE TRUE REFLECTION / WHERE I'M COMING FROM
091 THE ULTIMATES / YOU'RE MY LADY
092 V.A. / ACROSS 110TH STREET
093 V.A. / NEW ORLEANS JAZZ AND HERITAGE FESTIVAL 1976
094 THE VOICE OF EAST HARLEM / SAME
095 WAR / THE WORLD IS A GHETTO
096 LEON WARE / MUSICAL MASSAGE
097 THE WHATNAUTS / INTRODUCING THE WHATNAUTS
098 THE WHISPERS / SAME
099 O.V.WRIGHT / INTO SOMETHING
100 STEVIE WONDER / INNERVISIONS
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ハリーもう少し考えろ

2008-02-17 09:43:53 | DAY BY DAY
今回のレココレは60年代70年代のソウル・ファンクBEST100。
以前、私的日本のフォークとロックの100枚をこのブログに
掲載したことがあり、次はソウルをと思っていたがなかなか踏み切れずに
いたのだが、いいきっかけができた。
なんとなく心許ないセレクションになりそうではあるが、
トライすることにする。

ベスト盤は選ばないという括りでいくと、一番困るのが事もあろうか
ジェームス・ブラウンだったりする。
はっきりいって数多あるスタジオ録音盤の中で、私を完璧に満たす
アルバムが何枚あるかと問われれば、文字通り神をも恐れぬ回答しか
できない。(笑)
今日一日頭を悩ませることにする。

掲載写真はカーティス・メイフィールドのシングル盤「スーパーフライ」。
見開き仕様のジャケットの内側には映画のストーリーが結末まで
全て書かれている。これでよかったのか?(笑)
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STRAWBS / LIVE IN TOKYO 75

2008-02-16 22:16:07 | ROCK
NHKのスタジオに観客を入れて演奏した75年のライブで、「ヤング・
ミュージック・ショー」で放送されたのが本作。
達筆とは言いがたいカタカナと適当な感じのジャケットが怪しいが
れっきとした正規盤DVDで、ストローブスのファンには有名なものだ。
コンサート会場で売られていたようだが、今ではHPで入手が可能。

フィルム撮りであるのと、この時代ならではのライティングが
これでもかと70年代の香りを放っていて熱心なファンでもないのだが
このDVDを気に入っている。
デイヴ・カズンズの渋いボーカルとデイヴ・ランバート、チャス・クロンクの
ハーモニーがいい感じだ。短い収録時間にいろいろと見せ場を盛り込む
ためかドラム・ソロまで披露するロバート・クームスの張り切り具合が
観客がほんとうにいるのかどうかわからないくらい静かな客席とは
対象的である。キーボードのセッティングもこの時代ならではで、個人的には
山のように積まれてもなんてことはないのだが、メロトロンや
フェンダー・ローズにミニ・ムーグという3種の神器(?)があると、
なんとなく安心してしまう。(笑)

同時収録されているのがアルバム「GRAVE NEW WORLD-THE MOVIE」で
同名のアルバムの各曲にプロモ・ビデオというにはおそまつながら
「絵」がついている。あまり練られた映像ではないが1972年に
アルバム全曲に映像をつけるというのは画期的なことだったのは
間違いないだろう。過度の期待は禁物だが、おまけとして捉えれば
贅沢にも思える。1970年のリック・ウエイクマン在籍時の映像も
1曲収録。

75年の来日時の演奏を収録したブートレグに4月13日に中野サンプラザ
でのライブを収録したものがあるが、そこでは「LAY DOWN」を最後に
演奏している。その前の曲が「DOWN BY THE SWA」。
このDVDのスタジオ映像も「DOWN BY THE SEA」の次に「LAY DOWN」が
あったらなぁと思うのは贅沢な話ではある。
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LAISSE TOMBER LES FILLES

2008-02-14 20:26:23 | DAY BY DAY
赤黒の紙ジャケ商法が今ひとつ好きになれないことは以前に書いた。
それは限定商品に独自の特典をつけて販売し、それが完売すると
物によってはその特典が付いているがために極端なプレミア価格をつけて
販売する「中古屋」を兼ねているのが一番の理由である。
しかしながら、単価が高くマス・セールスが望めないブツを
「この枚数は捌きますから」というそれなりのリスクや企業努力が
必要な側面を負ってリリースにこぎつけたタイトルもあるだろうし、
「赤黒がxx枚捌くから売れない場合の在庫過剰のリスクは避けられる」
というメーカー側の思惑もあるだろうから、全否定はしない。

日本でバレンタインにチョコレートを送るというのは、神戸の洋菓子店の
広告が最初ということであるが、今や年間消費の4分の1がこの時期である
というから、なんとも凄い話である。
いつも思うのだがいつごろから本来の趣旨?から離れた「義理」という
二文字がつく物を送る習慣が始まったのだろう。
私は男なのだがこの時期にそわそわすることはもうない。
却って女性の方が妙に気を使わないか、煩わしくないかそっちのほうが
気になったりする。面倒くさかったり、別にあげたい気もないのに
上司からつまらない「前ふり」をされたり、皆で共同であげるから自分も
参加しないといけなかったりとか、いろいろあるんだろうな。
そうはいいつつも、もらってしまったら1ヵ月後のことをスルーするほど
気が回らない男ではない。正直煩わしいが口には出せまい。

娘たちにかまわないで。
ごもっとも。


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THE HABIBIYYA / IF MAN BUT KNEW

2008-02-11 14:03:56 | ROCK
マイティ・ベイビーは71年にアルバム「A JUG OF LOVE」を
発表し解散してしまう。この後、レグ・キングと残りのメンバーが
袂を別ってそれぞれアルバムを発表したのだと思っていたのだが
レグ・キングがソロを発表したときはバンドはまだ存在していたことを
先にとりあげたギャリー・ファーのCDのライナーで知ることが出来た。

「A JUG OF LOVE」の発売は71年10月とそこに記されてあったからだ。
レグ・キングのソロ「REG KING」は71年7月の発売だった。
メインストリートのならず者の録音直前のミック・テイラーが参加している
ことは以前にこのアルバムを取り上げた時に記したが、いつ聴いても
素晴らしいアルバムだ。

さて、残るマイティ・ベイビーのメンバーの中でレグを除く4人中、
3人が中心になって出来たグループが「THE HABIBIYYA」。
メンバーのイスラム教信仰は割りとマジだったようで、この音が
産まれてくるのは、さもありなんだがマイティ・ベイビーやレグ・キングの
音と余りにかけ離れているので、それを期待して購入すると
当てが外れることになる。

琴や尺八まで駆使したサウンドはオリエンタルというか、インド風というか
アラブ風というかそこらの音楽に詳しくないので何とももどかしいが
これがサイケ感を出しているのはいうまでもなく、英国ロックの淵を
覗くにはいいサンプルになると思う。
思えばあのリチャード・トンプスンもターバンを巻いた時代もあったのだから、
特別変種なわけではないだろうが、出自がマイティ・ベイビーだけに
私のリアクションは少々大袈裟なものになった。

それにしても、タイトルもジャケットもなんだかよくわからないのが
アルバムの不可思議さを助長しているのは間違いない。
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GARY FARR / STRANGE FRUIT

2008-02-09 20:56:58 | ROCK
「GARY MOORE」に「GARY GLITTER」。
彼らの名前をカタカナ表記すると通常は、「ゲイリー・ムーア」、
「ゲイリー・グリッター」と表記される。
発音に準じて正確に書くなら「ゲイリー」は「ギャリー」が正しいとか、
「ゲイリー・ムーア」に至ってはより正確には「ガリー・モー」だとか
今更言われても、なかなか馴染めない。
目で見るにしても耳で聞くにしても、最初の刷り込みはなかなか拭えないものだ。
そういえば、昔は「ENO」を「エノ」と書いたり「チャーリー・ワッツ」を
「チャーリー・ワオッツ」と書いた音楽雑誌の記事を見たものだ。
「ケルヴィン・エアーズ」というのは誤植だろう。(笑)

しかしながら「GARY FARR」は私はすんなり「ギャリー・ファー」という
音および表記で了解してしまった。
なぜなら、最初にこの人のことを教えてくれた人がそう表記したからだ。
今から7年位前だが、いろいろと音源を交換する知人がいてその中に
英国ロックに強い人がいた。
「ハリー、マーク・エリントンとかアンドウェラが好きなら、ギャリー・
ファーも好きになるよ」といって送ってくれたのがギャリーの1ST、
「THE SOMETHING WITH YOU」でスクラッチ・ノイズが多いそのテープは
私の愛聴盤となった。

掲載写真は2枚目のアルバム「STRANGE FRUIT」で最近2度目のCD化と
なった。今回はシングル・バージョンが1曲多く収録されている。
ギャリーのアルバムは全部で3枚あるが、その全てが違うレーベルからの
リリースでなかなかまとまってカタログ化されることがない。
全て1度はCD化されているが1STのCDは怪しいレーベルとの話もあるし。

71年にリリースされたこのアルバムは前作に続きバックをマイティ・
ベイビーが務めると共にリード・ギターにリチャード・トンプスンが
参加していることもあって人気が高い。
ギャリーの渋い声とハーモニカに、ちょっと早めの曲では
マイティ・ベイビーの演奏の冴えがうまくかみ合った好盤だ。

今回のCDのライナーを読んで改めてマイティ・ベイビーの凄さに驚く。
彼らはたった3年ほどの活動期間しかないのに、自分達の作品以外に
多くのアルバムに参加している。
ギャリー・ファーの2枚に加えてアンディー・ロバーツの「HOME GROWN」、
ロビン・スコットの「WOMAN FROM THE WARM GRASS」、
キース・クリスマスの「FABLE OF THE WINGS」等の演奏はレグ・キング抜きの
マイティ・ベイビーである。
まるで、大瀧詠一抜きのはっぴいえんどみたいじゃないか。
そして私は、先に挙げたアルバムのどれもが大好きだ。

ギャリー・ファーが3枚しかアルバムを残さなかったことは残念だ。
このアルバムを聴いた誰もがそう思うに違いない。
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KATHY SMITH / SOME SONGS I'VE SAVED

2008-02-06 21:10:59 | ROCK
ローラ・ニーロやキャロル・キングがあれほど支持されるのに
この人の知名度の低さは一体どうしたことだろう、と思ったのは
キャシー・スミスを初めて聴いた6年前のこと。
今回の再発も無視されるのか?紙ジャケでないとダメなのか?(笑)

掲載写真はキャシーが70年に発表したデビュー・アルバム「SOME SONGS
I'VE SAVED」。リッチー・ヘヴンスのレーベルからのリリースというのが
配給や宣伝の限界を感じさせる。自身の下積みというかソロ・デビュー前は
CBS系のレコードでバック・コーラスをしていたというから、
その流れでデビューしていたら流れは違ったかもしれない。

瑞々しい歌唱に、バックは端正なアコースティック・ギターの演奏を
中心にフルートやタブラが被さる曲もあり、SSWファンの心を
擽ること間違いなしなのだ。アーティー・トラウムとエリック・ワイズバーグの
参加が眩しい「WHAT NANCY KNOWS」、ストリングスやホルンとの相性も
ばっちりの「SAME OLD LADY」を聴けばこのアルバムのことを
きっと気に入るだろう。

フロント、中ジャケ、バック・カバーと全て左側から顔を写しているが
中ジャケの笑顔がチャーミングだ。
ちなみに2枚目の「2」のフロントも左側からの写真だ。
「2」のバック・カバーでは後ろから写した全身像が捉えられているが
思ったより柔らかそうである。(ああ、俺って優しいな)
こちらのセッション・メンバーにはヤン・ハマーやトニー・レビンの
名前があるが、気に病むなかれ(笑)1STに負けず劣らずの出来である。
こちらも早期のCD化を望む次第である。


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早川義夫 / 前口上

2008-02-04 21:43:18 | 日本のロック・ポップス
唐突であるが私はスティーリー・ダンが苦手だ。
体質的に受け付けないと言ってもいい。しかしながらアルバムは
全て揃えてある。実際のところ「CAN'T BUY A THRILL」だけで
事足りるのだが、何故全てのアルバムを所持しているかというと
スティーリー・ダンを全否定するだけの理由を見つけられないから。
もっと平たく(もしくは、いやらしく)言うと「いつか好きになるかも
しれない、その時に売り払っていて手元になかったら腹立たしいから」
という情けない理由によるものだ。
決して私の嫌いな人が聴いているからとか、私の好きな人が貶しているから
というものではない。

しかしながら私が浜口庫之助を聴かないのは多感な10代(といっても
ほとんど10代は終わりそうだった)に、ジャックスを聴いたからに
他ならない。今の早川義夫が浜口のことをどう思っているか知らないが、
私の気分は40過ぎの今に至るまで「ロール・オーバー庫之助」である。

掲載写真は黒沢進氏が自主制作した早川義夫のシングル「前口上」。
86年2月2日の発売で限定997枚。
70年に音楽活動を停止し後に復活することになるが、活動停止前の曲と
しては最も後に作った曲で、スタジオ録音は聴くことができず
このシングル(70年3月31日)と92年に出た「BEST OF SOLID
VOL.1」収録の70年4月1日の共にライブ録音でしか聴けない。
いつ聴いてもここに描かれたやるせなさというか、虚無感に入り込んで
抜け出せなくなる。楽しくおかしく過ごしてもそれは一瞬でしかない。
少なくとも私のような「持たざる者」にとっては。
日々小さな幸福に喜びつつも、何となく悲しかったりするのは可笑しいか・・・。

このシングルのB面はA面の1年前、69年3月31日のジャックスの
演奏による「からっぽの世界」が収録されている。曲が終わると客席の
何人かの女の子が多分「せーの」で「ジャックス!」と叫ぶのだがすぐに
野太い男の声で、よく聞き取れないが「やかましい」と返されてしまう。
このやりとりはカットできただろうが、あえて収録したと思う。
この日の録音のほぼ全貌がわかるテープは広く出回っているので聴いたことが
ある人もいるだろう。
「第五氷河期」を演奏終了後に谷野ひとしが「1万そこそこのベースを
使っている。プロの中では一番安い楽器で・・・」と話していると客席から
「分相応じゃねえか」とやじられる。

なんともやりきれない。

フォークルのあの歌とは遥かにかけはなれたところにある、
このやりきれなさは今でもリアルだ。
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THE NEW TWEEDY BROS!

2008-02-03 11:19:53 | ROCK
八角形ジャケといえば即座にストーンズの「THROUGH THE PAST,DARKLY」を
思い浮かべるが、六角形といえばもちろんコレだ。
掲載写真はニュー・トゥイーディー・ブラザーズが68年にリリースした
唯一のアルバム「THE NEW TWEEDY BROS!」。
銀色のコーティング・ジャケットなのでスキャンしてもなんだか
よくわからないが、こんなものまで紙ジャケで日本発売されるというから
レココレ効果というヤツは一体何年殺しなのか?(笑)

私がこの盤の存在を知ったのは2000年7月のスタジオヴォイスで、
スターズの石原洋が取り上げていたからである。
坂本慎太郎がピーター・アイヴァーズの「TERMINAL LOVE」を折につけ
推しているので、それを購入した人も多いと思うが、私にとっての
「THE NEW TWEEDY BROS!」もまさにそんな感じである。

よくバーズが引き合いに出されるが、むしろ同じアシッド漬けになったなら
ラヴィン・スプーンフルのほうが近いような気もする。
つまり、両者の(といってもバーズは初期がその対象だが)ファンには
アピールするものがある。
過度なエフェクトはなく、かといって暗い感じでアコースティック・
ギターを弾いているのでもない、しっかりしたバンドの音でここまでの
「サイケ」な音を出しているのは稀な盤だと言える。

この盤は今は無き「薔薇レコード」で購入した。
怪しい名前に怪しいデザインの会員証が素敵なレコ屋だった。
私が購入希望を出したときは既にこの変形ジャケットは「売り切れ」だったが
「店頭で流す用に開封した物があるが、それでよければ売ります」という
ことで、購入と相成った。
二方向に開くダブル・ゲイトフォールド仕様のジャケットが弾き返す光が
このアルバムの美しさに輪をかける。

フェイバリット・ナンバーはずばり「HER DARKNESS IN DECEMBER」。


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SMELL OF GIRLS

2008-02-02 20:23:58 | ROCK
なかなか不思議なジャケットである。
背景は鍾乳洞なのだろうが、そんなことよりも手前に裸で座る
4人の女の子に目がいくのが自然の摂理である。
手前の後ろを向いている女の子から時計回りに名前を
「おしゃれ」「ファンタ」「クンフー」そして・・・。

とかなんとか、まだ「ハウス」ネタを引きずっている。(笑)
掲載写真は68年にサウスウエストF.O.B.がリリースしたアルバムで
タイトルは「SMELL OF INCENSE」。ほぼ全編にオルガンが鳴り響く
サイケともソフト・ロックともとれる好盤。
1曲目のウエスト・コースト・ポップ・アート・エクスペリメンタル・バンドの
タイトル曲カバーに耳を奪われるが、続く自前の曲「TOMORROW」の出来が
良い。流石に後に数々のヒットを飛ばすイングランド・ダン&ジョン・
フォード・コリーの仕事である。
しかしながら、私はAORといわれるジャンルに疎いうえに、
ましてダン・シールズに何の興味も持ってないので、このアルバムの音を
気に入ったのは単にこの時代の楽器の音と、バンド・アンサンブルが
いいという2点故だろう。

アルバムは自作曲とカバーがいい具合に配分されている。
スティーヴン・スティルスの「ROCK'N'ROLL WOMAN」をこうしてカバーされると
改めていい曲だなと思えるし、チャック・ベリーの「NADINE」のエンディングは
まるでピンク・フロイドだ。
オリジナル・アルバムの最後の曲は「AND ANOTHER THING」で12分近い
大曲。ドラムスがうるさいと思う人もいるかもしれないが
アルバム最後の曲が長い曲というのと、曲の中盤のギター・ソロが
なんとなくドアーズを想起させたりもする。

CDには多くのメンバー・フォトが掲載されているが、なるほど、
ジャケットはこれで良かったということだね。(笑)
コメント (2)
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