HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

LIVE 1977 - 1978 / SUICIDE

2008-06-29 20:17:10 | ROCK
たった二人のメンバー(そのうちの一人はマイクに向かうだけ)の
出す音であるので、決まりきったロックを求める人には受け入れられない
であろうスーサイド。ここにはそこら中のレコードで聴くことができるギター・
ソロなんてものは一切ない。そんな退屈な物はないのだ。
しかしながら彼らの2NDはもし、私がパンク・ロックのアルバムを
10枚選べと言われたら必ず入れるであろう傑作である。

スタイルとして斬新なバンドだったのは間違いない。
バンドのメンバーが5人なら経費が大変だが、とりあえず2人でユニットを
つくって残りのパートはサポートに任せて、儲けの取り分の大半は
2人で分けるというような、事務所とユニットに都合のいいような作戦の
もとに出発点があるわけでないのだから。

スーサードのライブといえば2000年に1STが2枚組の拡大盤となって
リリースされた時に78年5月25日CBGB’Sでのライブを
聴くことができた。たった23分の演奏だがヴォイスとエレクトロニクスの
組み合わせにしては肉感的であるのが意外に感じる熱い演奏だった。

掲載写真は77年から78年に行われたライブを収録した6枚組。
音質は誉められたものではないが、スーサイドのライブがこれほど多く
記録されていたことのほうが驚きである。ほぼ全てのライブが30分足らずの
演奏で1枚のCDに3公演ほど収録され、公演ごとにチャプターが
ふられていて曲ごとの頭だしは出来ない。たかだか1公演25,6分を
集中して聴けなくてどうする、ってなものだろう。
録音の特性上(笑)オーディエンス・ノイズを多く拾っているため
ライブでの観客の盛り上がりやヤジが、暴力的な気分を高める。

2枚目のアルバム「THE SECOND ALBUM」は79年録音のためか
今回のライブ集では、そこに収録された傑作「DREAM BABY DREAM」を
聴くことはできない。この曲と「BORN TO RUN」は地続きだと思っているのだが、
ブルース・スプリングスティーンのファンでこの曲にたどり着く人は
少ないだろう。スプリングスティーン自身が数年前にライブで
取り上げた曲なんだけど。

今回のライブ集は完全限定生産らしいので、あとはいつもの通り・・・。
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MUSIC MUST CHANGE 

2008-06-28 13:17:02 | DAY BY DAY
結局ザ・フーは今のところ、2公演見に行く予定である。
ストーンズを日本武道館で見る事が出来なかったので、「ザ・フーは
絶対武道館で見たい」という思いが強く、席の良し悪しに関係なく
インターネット先行予約で2枚確保。これは相方と行くことになる。

今日からザ・フーのHPでファン・クラブ会員向けの販売が始まった。
最初プレ・セールを狙ってアクセスしていたのだが、自分が何列目のどの
シートが買えるかわかるので、欲を掻いて「もっと前の席を」と
何度もチャレンジしていたら、売切れてしまった。時間をおいてアクセスすると
キャンセル分なのか、購入できるチャンスはあったようだ。

まあいいや、折角のオフィシャル・フーリガンなのだからVIPパッケージで
購入するかとトライすると、さいたまスーパー・アリーナの最前列を
購入することが出来た。チケットは当日渡しなので実際に席に座ってみないと
何とも言えないが、とりあえず「ROW 1」という文字に嬉しさを隠せない。

掲載写真はピート・タウンゼンドが「WHO ARE YOU」の為に作成した
デモを集めたブートレグ。ピアノの弾き語りもあるが、いつものように
完成度の高いデモ集で、タイトル曲はほぼピートのデモに忠実に
バンドが演奏しているのがわかるし、「GUITAR AND PEN」ではバンドが
一丸となってデモにはない高揚感とカタルシスをもたらしたこともわかる。

今回の来日ではどんな演奏を見せてくれるのだろう。
今から11月が待ち遠しい・・・。

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MIKE HERON / SMILING MEN WITH BAD REPUTATIONS

2008-06-25 21:45:15 | ROCK
なんとなく家に居る時や通勤時にザ・フーを聴くことが多くなった。
まだ5ヶ月も先の話なのに、過剰なウォーミング・アップで疲れ果てない
ようにしないといけない。(笑)

掲載写真はマイク・ヘロンが71年に発表した1STソロ・アルバム。
インクレディブル・ストリング・バンドのメンバーのソロということで、
悪く言えば締りの無い演奏を思い浮かべそうだがこれはそうではない。
ISBのヘロヘロの根源がロビン・ウイリアムスンにあるのかどうかはさておき、
各楽曲の骨組みがしっかりとした好盤である。

当時のISBの英国における位置づけが高かったのか、プロデューサーの
ジョー・ボイドの威光のお陰か凄い面子がバックを担当している。
リチャード・トンプスンを筆頭に当時のフェアポート一派はほとんど
参加しているし、ジョン・ケイルも複数の曲でかなり重要な演奏を
披露している。大物ではエルトン・ジョンのクレジットもあるし、
表立った表記はないものの、スティーヴ・ウィンウッドにロニー・レインも
参加している。

「TOMMY & THE BIJOUX」なるバンドも1曲演奏を受け持っている。
もうこれはメンバーのクレジットが無いものの聴けば誰の演奏かすぐに
わかるのが可笑しいのだが、ギターはピート・タウンゼンド、ドラムスは
キース・ムーン。ベースはロニー・レインとの説もあるが、ザ・フーの
時ほど手数は多くないがジョン・エントウィッスルで間違いないだろう。
人のアルバムなのに好き放題叩きまくるキース・ムーンを誰も
止められなかったのか?(笑)

現行CDにはボーナス・トラックが2曲収録されていて、そのうちの1曲で
フェアポートのリズム隊をバックにジミー・ペイジがギターを弾くという
夢のような瞬間も記録されている。イントロとかバッキングでは
普通なのだが、ソロになったらジミー・ペイジ以外の何者でもないのが
笑える、もとい素晴らしい。
とか、なんとか豪華な面子にばかり気が行くのだがマイクのフラフラとした
歌唱も味があると思えるようになれば、英国フォークがグッと身近な
もののように感じるのは間違ってないだろう。

最もこのアルバムに一番貢献したのはジョン・ケイルなんだけど。

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追憶のブートレグ61・ACT21 / THE WHO

2008-06-23 21:47:53 | ROCK
ザ・フーのブートレグも今では音質の良い物が多く手に入るようになった。
それでも、昔から定番と言われる公演が存在するのも事実でそれらは
抜粋ではあるが、ザ・フーのファンクラブの会員特典CD「VIEW FROM
A BACKSTAGE PASS」に収録された。それを聴くことでファンは各公演の
全長テープの存在とオフィシャル発売に期待を寄せるのである。

掲載写真は74年5月18日のコンサートの全貌を良好な音質で収録した
ブートレグ。ジャケット写真はコンサート当日のものだし、アーティスト・
ロゴもこの日のポスターと同じものでこういう心使いは嬉しいものだ。
ジャケットにカメラが写っていることから判るように、この日のコンサートは
映像も残されている。インタビューを含む約80分の映像は
BBCの番組「2ND HOUSE」で放送され、この時のインタビューは映画
「キッズ・アー・オールライト」でも使われている。
テレビ放映されたものとは別バージョンのフィルムも存在し、
番組では流れなかった「TATTO」「I'M A BOY」「BEHIND BLUE EYES」を
見る事が出来る。それを見るとテレビで放送されたバージョンは、
ミックスが平坦で、ピート・タウンゼンドのギターの迫力をうまく
捉えていないこともよくわかる。

この日のコンサートは特別なイベントで午後1時から11時の間に
登場したのはマギー・ベル、リンデスファーン、バッド・カンパニー、
ハンブル・パイ、ルー・リード、そしてザ・フー。
凄い面子である。「男の中の男、出て来いやぁ~」というわけでは
ないだろうが(女性もいるし)、きっとどのバンドも気合が入っていただろう。
ザ・フーが登場する時、ステージそでまでメンバーを見送る顔ぶれの中に
キース・リチャーズとロン・ウッドが・・・。バック・ステージも
さぞ賑やかだったろう。
選曲も「四重人格」と「トミー」からの数曲を中心に申し分ないものなので
是非とも音・映像ともに完全版の発表に期待したいところだ。

11月にはザ・フーは待望の再来日を果たす。今度は単独公演なので
前回以上の期待が高まるし、できれば今回は複数公演を見たいと思っている。
そして期待するのが、日本公演のDVD&CDの発売である。
2004年の初来日時はまだCDしか発売しなかったが、2006年と
2007年の公演はほぼ全てCDとDVDが発売されている。
2002年のCDは半分くらい購入して挫折したのだが、2004年以降は
全てのCDとDVDを購入してきた。とりあえず別枠で予算計上しておく
必要がありそうだ。(笑)チケットを確保しないといけないのは
言うまでもない。

まずは、明日だ。


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MARTHA VELEZ / FIENDS & ANGELS

2008-06-22 12:52:32 | ROCK
ECのファンが探していたであろうアルバムがまた1枚CD化された。
69年にマーサ・ヴェレズが発表した「FIENDS & ANGELS」がそれである。
英米でジャケットが違う装丁で発売されたようで、今回は表に米国盤、
裏に英国盤が印刷されている。マニアの中には顔が大写しになった
ブルー・ホライズン盤を所持する方もいるだろう。

マーサの迫力あるブルージーな歌唱は当然聴きものなのだが、冒頭に
書いたクラプトンを始め、ポール・コゾフやスタン・ウェッブ、ジャック・
ブルースら大勢の当時の英国ブルーズ・ロックを牽引していた人たちの
参加も購買意欲を搔き立てるのは間違いないだろう。誰がどこで演奏している
のか、残念ながらCDには詳しいクレジットはない。
ちなみにクラプトンは1曲目と7曲目(LP時代だと各面の頭)に
参加しているとのこと。

ジャニス・ジョプリンもとりあげたエッタ・ジェイムスの持ち歌である
「TELL MAMA」、ディラン・カバーの「悲しみは果てしなく」の収録が
嬉しいところ。自作曲である「COME HERE SWEET MAN」の歌唱が
ジャニスに近しいように思えるのも興味深い。

驚くべきことにマーサはこの路線を追求し続けたわけではなく、76年には
これも恐るべき面子でレゲエ・アルバムを製作している。
その面子とはボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズにアイ・スリーズで
リー・ペリーまで関与しているのだから恐れ入る。サイアーの依頼で
ボブが製作したもので、先の英国ブルーズ路線やレゲエ・アルバムに
何故これほどまで有名な人たちが集まったのかを考えると、マーサの歌唱の
魅力についてもう少し洞察を深めないといけないのかもしれない。

何れにしろジャケットは趣味じゃないのだけど。(笑)

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追憶のブートレグ61・ACT20 / GRATEFUL DEAD

2008-06-19 21:49:54 | ROCK
グレイトフル・デッドのHPでしか入手できないのだが、先日記事にした
「WINTERLAND 1973:COMPLETE RECORDINGS」を購入してから今に至るまで
頻繁に聴いている。3公演の差異を探すのではなく、酒を飲みながら
ぼんやりと聴いているのであるが、これが異様に気持ち良いのだ。
休日に何時間もデッドとリー・ペリーばかり聴いていると、本当に
勤労意欲が削がれる(笑)というか、翌日仕事に行くのが億劫になるのだが
それだけリラックスしているということなのだろう。

デッドのHPでは次々と新手のライブ盤が発売されているのだが、意外なことに
気付いた。それは「廃盤」もあるということである。
近年のデッドのCDには「WWW.DEAD.NET」という表記があり、HPを見るように
促すことで、一般の流通経路で品切れになっているものでもそこで買えると
いうことを示している。私はそういう商品は廃盤にならないでずっと
デッドのHP内でカタログに残っている物だと思っていたのだが、
どうも違うようだ。アリスタから99年頃に出た5枚組「SO MANY ROADS」は
今はカタログから外されている。布張りの装丁のコストを考えれば
メジャー・カンパニーからの発売は限度があるのは当然だが、オフィシャル盤で
デッド最古の音源と最後のライブを聴けるのはこれだけなので、廃盤と
なるとなんとなく寂しい気がする。ついこの間出たように思った
「RARE CUTS & ODDITIES 1966」も今では中古盤を探すしかない。
これは純然たるデッド・ネットの商品なので、何故カタログから外れたのか
疑問である。

66年のショーは場所が確定しているだけで100公演ある。しかしながら
セット・リストはほとんど不明である。掲載写真のブートレグも日付に疑問が
残ると言えばその通りのブツで、冒頭に66年3月2日の音源を7曲収録
しているが、HPにはその日のコンサートの記録は無い。しかしながら
「RARE CUTS & ODDITIES 1966」には、場所不明ながら3月2日のリハーサル
として1曲収録されている。ここらの不透明さが「RARE CUTS・・・」を
カタログから外した理由かもしれない。

70年代前半のような深みや、70年代後半のような勢いは66年の
音からは感じ取れない。しかしながらガルシアのギターとピッグペンの
キーボードを中心にした、若さとリラックスがブレンドされた音は
この時期ならではなのも事実である。数少ない60年代のライブ音源を
補完する意味で今でもこのブートレグは愛聴盤である。
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続・腰掛ける男

2008-06-16 22:06:19 | ROCK
72年にサム・パリーが発表した「IF SADNESS COULD SING」は英国音楽マニア
にはよく知られたアルバムである。アーゴというレーベルからたった1枚のみ
アルバムを出し(他にセッション参加のものが1枚ある)、表舞台から
姿を消したこと、よくニック・ドレイクと比較されるように内容が秀逸で
あること、何よりジャケットが素晴らしいこと、といったように様々な意味で
琴線を擽るのだ。オリジナルのアナログは当然高価でとても手が出る代物でない。

掲載写真は少々怪しい感じがするレーベル「SMALL TOWN」からCD化された
もので、このCD自体も今では見つけることは難しい。ジャケットの
「SMALL TOWN」のロゴがオリジナル盤の「ARGO」に似せている感じがするのが
「ま、いいか。」という気分にさせる。(笑)
憂いを帯びたボーカルは魅力的だし、ギターだけでなくハーモニカの演奏も
エモーショナルで基本的に弾き語りであるものの、ハードな側面とデリケートな
側面がうまく混ざり合った稀有なアルバムだと思う。
サム以外にもう一人のギタリストと、ベーシストが参加していてドラムレス
であるが、ドラムスの不在を不満に思う要素は何一つ無い。
サムの演奏かもう一人のギタリストの演奏かわからないが、器用に
ボトルネックを使う曲もある。それがスライドギターでなく、アルペジオ
だったりするところが英国フォークの香りを漂わせる。

ジャケット撮影はミック・ロック。流石に格好いいはずである。
シド・バレットの1STに匹敵する写真であるのは言うまでもないだろう。
全11曲、全ての音が心の奥深くに響く43分間を約束する。
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腰掛ける男

2008-06-15 18:34:45 | ROCK
ボビー・ウィットロックのCDが発売中止になったという報が
メールで届いて、かなりがっかりしている。久しぶりに猛烈に欲しいと
思うCDだったし、実現すれば世界初CD化だったのにと思うと
ますます残念である。マイ・ブラッディ・バレンタインの箱の発売中止も
残念だったけど・・・。スーサイドのライブ箱はちゃんと出るのだろうね。

そろそろ暑い季節になるのだが、昨日今日と比較的いい風が部屋に入ってくる。
なんとなく久しぶりに掲載写真のCDに手が伸びるのだが、あんまり暑くなると
無意識のうちに聴かないCDかもしれないので、ちょうどいい。
今から10年ほど前にP-ヴァインが「スワンプ~サザン・ロック裏名盤
発掘シリーズ」と銘打ってCD化した中の1枚が掲載写真のベン・アトキンスの
「パチョリ」。70年代の良質なマスル・ショールズ・サウンドにのせて
純粋にシンガーとしてベンが歌うアルバムで、楽器演奏や曲作りには
タッチしていない。なんとなく単なるシンガーというのは個人的な位置づけでは
低く見る傾向が私にはあるのだが、そんな考えを改めさせる歌唱は
バックのゴスペル・タッチのコーラスとうまく合って、程よい響きを聴かせる。

もちろん、ジャケットは最高に気に入っている。
アメリカ南部の一場面を切り取ったような日常の風景を感じさせるのが良いし
体重100キロを超えるであろう男が座っているのを見て「家の構造という
ものは良くできているものだ。」とか「あの梯子を踏み抜く日は来たのだろうか」
とか、くだらないことを考えるのも好きだ。中ジャケではトイレに座っている
写真もある。(笑)

このLPは臭ったという話を読んだことがあるし、日本盤ライナーにも
そんなことが書いている。何の匂いがしたのだろう?。
タイトル通りのお香の匂いだったら、ましなのだけどまさか・・・。
そういえば、苺の香りつきの歌詞カードがついたレコードもありましたね。
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追憶のブートレグ61・ACT19 / THE FLYING BURRITO BROTHERS

2008-06-13 23:57:54 | ROCK
フライング・ブリトー・ブラザースを話題にする場合、大抵はグラム・パースンズ
在籍時の2枚のアルバムを壇上に乗せることが多い。グラム脱退後もバンドは
しばらく存続し、解散後も再編成して活動をしたのだが私はそこまでは
追いかけていない。グラムのソロやライブ盤は購入し続けているのは、
ボーカリストとしてのグラムが好きだからである。

ブリトーズの曲で何が一番好きかと問われると難しいが、印象に残っている
というか、すぐ思い浮かぶのは「OLDER GUYS」だ。ブリトーズの映像を
初めて見たのがこの曲というのが最大の理由である。「カリフォルニア・ロック
の軌跡」というビデオに収録されていたプロモ・ビデオがそれで
船上で歌う彼らの姿は曲調にぴったりの楽しいものであった。
ティーンエイジ・ファンクラブがカバーしたというのも大きい。
曲の良さとバンドのセンスの良さを改めて感じたのは言うまでもない。

掲載写真はブリトーズの69年7月27日の演奏を中心に収録したブートレグ。
まあまあの音質のサウンドボードで、歓声を拾っていないので臨場感に
欠けるが、グラム在籍時のライブを聴けると言うことで嬉しかったものだ。
昨年はグラム名義ではあったがブリトーズ初期のライブを収録した2枚組CDが
リリースされた。そこでは69年4月4日と4月6日のライブを聴くことが
できたのだが、2日とも演奏された「HOT BURRITO#1」「#2」はこの
ブートレグでは聴くことが出来ない。ライブのハイライトの一つでもあると
思うこの2曲が何故セット・リストから外されたのか、気になって仕方が無い。

先のグラムのライブ盤には「ARCHIVES VOLUME ONE」というタイトルが
ついている。続編を期待しているのであるが、オフィシャルでこの日の音が
陽の目を見るまで、ブートレグがお役御免になる日は来ない。
このブートレグにどれほどの需要があったか解らないが、こんなものも
存在するのがブートレグの面白いところである。
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追憶のブートレグ61・ACT18 / KEITH RICHARDS

2008-06-12 22:36:17 | ROCK
ストーンズではなくキース・リチャーズのブートレグ、それもスタジオで
ピアノを弾き語った内容のブートレグがあるということを知って、しばらく
探したのだが、なかなか見つからず難儀したのは私が学生時代の話。
「なんとか聴きたいな」と思っていたら後輩が所持していることがわかり
カセット・テープに録音してもらい、それを何度も繰り返し聴いた。
スクラッチ・ノイズも多少あったが、郷愁を誘う物悲しさとタイトルを見ても
誰の曲かさっぱりわからないが良い曲ばかりなので、一時は本当に
よく聴いたものだ。ジャケットも格好いいので「いつか入手するぞ」との
決意を新たにしたのは言うまでもない。

就職して2年目の話。最初の1年は奈良県で同僚と同居していたのだが、
和歌山に新店がオープンするというので同僚は転勤していった。
ある日、アルバイトの数名が「店が終わったら和歌山までぶっ飛ばしませんか」
というので午後11時半に奈良を出発。
「ドライブ用のカセットを何本か持ってきてください」と言われたので
適当に選んだ中にこのブートレグもあった。雨の中ドライブを敢行し
同僚と再会、明け方再び奈良に向かって車を走らせた。
そのときに何故かこのブートレグを収めたカセットに手が伸びカーステに
セット。雨も上がりちょうど陽が昇ってくるころあいに流れた「SING ME BACK HOME」はそのシチュエーションを今でも明確に蘇らせる。

陽が昇り朝がきたら、死刑が執行される。いくら覚悟していたとしても
特別なそして最後の日の出という事実に、何を思う。
時計の針を戻して欲しいというのは、死刑回避という意味もあるし
犯罪に手を染める前に思いとどまるという選択肢があったなら、
それを考える時点に戻して欲しいという意味合いもあるだろう。
犯罪者として、死刑によって人生を終えなくとも人は誰でも死を向かえる。
死ぬ前に、故郷に思いを馳せるとしても不思議ではない。
昇る朝日を見ながら「俺はこんなところで何をしているのだ。この先
どうなるのだ。数年おきに転勤し最後はどこで死ぬのか。」なんてことを
徹夜明けの冴えない頭でぼんやりと考えたのが昨日のことのようだ。
1年後に私はその会社を退職することになる。
今ではその元同僚との音信は途絶え、会社は社名と営業方針を変えて今も
存続している。

昨年、浜松のロック・バー「ルクレチア」に行った時の話。
店長の「今日はアナログしかかけない。」という男気爆発の宣言とともに
何枚もの渋いレコードがターンテーブルにのったのだが、そんな中に
このブートレグもあった。アナログで聴くのは実に20数年ぶり。
「SING ME BACK HOME」を聴いてグっとこないヤツを私は信用しない。

当時のキースの置かれた状況と余りにマッチする選曲である。
実のところブートレグを買ったはいいものの曲名はともかく、作者が誰か
わからないまましばらく時が流れた。だがこのブートレグと「SING ME BACK
HOME」が私がフライング・ブリトー・ブラザーズを聴くきっかけと
なったのである。グラム・パースンズがキースと交流があったことは
知識としてあったが、「カントリー・ロック」という括りに抵抗があって
まだブリトーズを聴くまでにいたってなかった。
ブリトーズのオリジナル・アルバムすら聴いたことがなかったのだが
ある日中古屋でひょいと摘み上げたCDの曲目を見たらそこに「SING ME BACK
HOME」が収録されていた。『DIM LIGHTS,THICK SMOKE AND LOUD LOUD MUSIC』と
題されたそのCDを見て「絶対キースが歌っていたのと同じ曲に違いない」と
確信して購入。予想は当たり、作者がマール・ハガードであることを知る。

マール・ハガードの歌も聴きたくてCDを買ったが、オリジナルも
味わい深いものであった。今年になって国内仕様の歌詞字幕付きで発売された
「ベスト・オブ・ジョニー・キャッシュ・ショー」に、ジョニーとマールの
歌う「SING ME BACK HOME」が収録されていて、初めて動くマールを見た。
改めて歌詞字幕を見ながら二人のデュエットを見るとわかっていても
やはりグっときたのである。

キース・リチャーズが初めてソロ・アルバムを出すという報を聞いたとき
多くの人はこのブートレグのような内容を想起し、期待したと思う。
しかしながら予想は裏切られ、裏切られたものの結果として私にとって
「TALK IS CHEAP」は未だに生涯のNO.1アルバムの座に君臨している。
いつの日か、このブートレグの音源がオフィシャルで出たとしてもそれは
変わらない。しかし。余りに個人的な思い出と思い入れが強いこのアルバムを
忘れることはできないのだ。
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ノー・アクション

2008-06-10 21:17:27 | DAY BY DAY
今日は年一回、恒例の健康診断の日。
会社の健康診断で異常が見つかるくらいなら、もう終わってるね、という
レベルの診断なのだが毎年受けなくてはならない。
おいおい、体重計に乗っただけなのに、身長を書き込むんじゃないよ。
去年と同じと思ったら大間違いだぜ。縮んでたらどうするんだよ。
リーゼントにしたら2センチは高くなるし。(笑)

利き目というのがあるのか、どうも右目のほうが視力が悪くなる。
矯正して2年連続で1.2だったのが今年は0.9。左はずっと1.5を
保っているのに。今年は血圧が極めて良好で、計ってくれた女性が
「理想的な血圧です。」とまで言ってくれた。確かに去年と大違いだ。
「去年は美人が計ってくれたんですよ。」と言いそうになって慌てて止めた。
「お姉さんを見ていると安らぎを感じるんです。」というくらいの
『リップ・サービス』ができないとダメだ。私もまだまだというところか。

最後に問診があるのだが、こんなとこでダラダラ医者と喋るヤツに
仕事の出来るヤツはまずいない。そんなに心配なら病院にでもいけよ。
仕事に戻る時間を徒に長引かせているとしか思えない。
今までずっと体調の自己申告欄に何もチェックしなかったが、今年は事前に
職場の連中と話してみたら、皆結構いろいろとチェック項目に印をしている
ようなので私も今年は何か印をつけてみようと思い「毎日憂鬱である」
「仕事にいきたくない」とかに印をしてみたが、医者はそんなところには
目もくれず「まあ、いいんじゃないの。肝機能障害と尿酸値は今日の結果を
見てからだね。毎日酒飲んでるからしょうがないね。」で終わり。
来年は「生理痛がひどい」に印をつけることにしよう。

コステロのデラックス・エディションが2枚出ているのだが、過去に何度も
買っていることもあってずっと見送っていた。ともにディスク2のライブが
目当てであるのでいずれは入手せねばと思っていたのだが、日本盤の出来が
いいので結局2枚とも日本盤で買ってしまった。今更であるが、ボーナス・
トラックを抜きにしても最初の2枚、とくに「THIS YEARS MODEL」の出来は
素晴らしいと改めて思った次第。

掲載写真はコステロの日本で発売された最初のシングル「チェルシー」。
オリジナルU.K.盤LPと同じようにジャケットの印刷がずれているのが
気に入っているが、単純に頭と三脚にかぶるタイトルやアーティスト名が
写らないように拡大しただけなのが笑える。
なかなか日本盤が出なかったというのが信じられないのだが、そういえば
「BLOOD AND CHOCOLATE」が出た時も日本盤LPは出なかったな、
なんてことを思い出してしまった。

今年は腹回りの測定はクリアしたが、20歳代と比べると体重は10キロは
増加している。いつまでも「ノー・アクション」ではいけないな。
コステロも随分と太ってしまった・・・・。

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レコード・プレイヤー買わなきゃ

2008-06-08 21:25:22 | DAY BY DAY
本当に久しぶりに最寄の赤黒をチェック。
棚にもワゴンにもレッド・ツェッペリンの紙ジャケが溢れかえっている。
過去の紙ジャケより、より精度が高いジャケットや特典のために
買いなおしを予定している人が売却したのだろうが、これを狙ってカタログを
揃える人もいるはずだから、違った考え方の人がいるために需要と供給が
成り立つのだなということを思い知る、蒸し暑い一日であった。

ツェッペリンのアルバムは目に付いた時点で購入した日本盤のLPで
揃えて何度も聴いてきた。しかしながら、以前書いたがアナログ・プレーヤーが
壊れてしまったので今では聴くことができない。これはいい口実が出来た。
今回のCDは全部買ってしまおう。A式紙ジャケは3枚持っているが
気にしないことにしよう。いつの時代のリマスターやねんという突っ込みは
無視しよう。今まで聴いてきたのはオリジナルでも何でもない普通のLP
だったじゃないか。

店をうろついていると、ポール・ウェラーの7インチが目に入った。
近年のウェラーは同時に何種ものシングルを出すのだが、今回も2枚同時の
リリース。カンパニー・スリーブのみというのは余り購買意欲をそそられない
のだが、ピンク色のアイランドのカンパニー・スリーブに惹かれて購入。
あれ、ウェラーってアイランドの所属だったっけ?。
レーベルを見るとV2 RECORDという文字も記載されている。ユニヴァーサル傘下の
アイランドに配給先を変更したということなのか、この辺の事情には疎いし
さして興味も無いのだが、ポール・ウェラーのレコードに「アイランド」の
文字が入るのは何だか嬉しい。ソロ以降のウェラーの音はトラフィック時代の
スティーヴ・ウィンウッドのような感じがして、それが気に入っているのが
理由なのだが、実はウェラーも嬉しかったりして。(笑)
アイランドのマークを見ていると「MILES IN THE SKY」が聴きたくなったが
その前にこのシングルを聴こう。

あっ、レコード・プレイヤー壊れているんだった。
プレイヤー買わなきゃ。プレイヤー買ったらツェッペリンのLPを聴くぞ。
あれ?。
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追憶のブートレグ61・ACT17 / GEORGE HARRISON

2008-06-06 21:29:09 | ROCK
先日聴かなくなったLPやCDを250枚ほど赤黒で処分した。
査定に2週間くらいかかったのだが、流石は赤黒、またまた別人の査定結果を
送ってきてくれました。留守電に謝罪の電話が入っていて「名前しか入ってない
ので個人情報の流出とかは心配しなくても大丈夫。」とか吹き込んでいたが
別にどうでもいいよ、そんなこと。赤黒体質を了解してこっちも処分して
いるのだから。(笑)ほとんどがリマスターや紙ジャケで買いなおしたために
ダブったLPやCDを売却したので、クズ値での買い取りなのだが
80年代のLPでもU.K.オリジナルとかはいい値段で査定されたし、
こっちがどうでもいいと思っていたLPが2800円で買い取ってもらえたり
したので、総トータルでは満足のいくものであった。

今では通帳残高がマイナスになっても、そんなのは当たり前な日常なのだが
以前はそうではなかった。慣れとは恐ろしいものである。(笑)
店頭でブツを見て手持ちが無く、キャッシングでCDを購入したのは今までで
1回だけある。89年にボウイ様の3枚組CD+1枚のCDVで構成された
「SOUND+VISION」がリリースされた時なのだが、発売されたことを知らず
たまたま店頭で見て「凄いブツが出たものだ。在庫が1セットしかなかったら
どうしよう。ボウイのRCA時代は軒並み廃盤だし・・。」とか思いながら
財布の中身を見たら7000円くらいしかなく、これはいかんと人生で初めて
キャッシングを利用したわけである。小心者なので次の日に返済したのは
言うまでもない。

他に借金してでも買わなければと思ったCDは2つだけあった。つまりは極度の
金欠状態の時にたまたま欲しいCDが発売されただけのことなのだが
ちなみにその2枚はビーチ・ボーイズの「ペット・サウンズ・セッション」の
4枚組と、もうひとつはこともあろうかブートレグでジョージ・ハリスンの
「ALL THING MUST PASS」のセッションを収録した掲載写真の3枚組である。
まだカード決済という「大人の買い物」のやり方を心得てなかったので(笑)
真剣に悩んだのだが、幸い2回ともその月の給金になにがしかの手当てが
大目についていて事無きをえたという次第。

喜び勇んで買ったジョージのこの3枚組は音質もよく、プロデューサーの
「エコー」の霧も深くなく生々しい演奏を聴くことが出来て大満足だった。
ここで感じるのはスペクター・サウンドの核はやはり大人数での演奏
なんだなということである。プレイヤーは当然優れた人たちを選んでいるのだが
目立つパートや楽器以外は、複数の人数やダビングである意味個性を
消してしまい、プロデューサーの匙加減による音の加工を際立たせることで
「スペクター印」をつけるというエゴ丸出しの製作も、最初の大前提が
ないと成り立たないことがわかるわけである。

話は変わるが先日リリースされた佐野元春の「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」の
限定編集盤の解説に面白いことが書いてあった。
タイトル曲で一瞬聴くことが出来るノイジーなギターは佐野自身のプレイを
ダビングした音でピート・タウンゼンド所有のアンプを使用したとのこと。
たったそれだけのことなんだけど、私が嬉しかったのは言うまでもない。

さて。アビー・ロード・スタジオで行われた「ALL THING MUST PASS」の
レコーディングであるが、そのスタジオの空き日にこのセッションの機材を
まんま使って、このセッションに何の関係もないミュージシャンが
録音を敢行している。「つまみ類には一切触れない」というのがスタジオ
使用の条件だったのだが、もちろんそんなわけにはいかない。(笑)
結果、残された曲はそのミュージシャンの全楽曲の中で私が一番好きな曲
なのだから、先の佐野元春の話と同様に私がニコっとしたのは言うまでもない。

その曲こそクリス・スペディングの「SHE'S MY FRIEND(邦題:素敵な
アドバイス)」である・・・。

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追憶のブートレグ61・ACT16 / PHIL SPECTOR

2008-06-04 21:38:42 | ROCK
このブートレグはDVDミュージック・フォーマットという何だか
よくわからない仕組みで音が収録されている。
DVDプレーヤーで見ると静止画が曲ごとに変わるだけで、動画は一切無く
音声はチャプターがふられていて、曲やテイクを選んだりスキップしたり
することができる。CDプレーヤーでの再生は不能。
2枚のDVDに6時間全97曲が収録されている。全ての曲をCDに収録したら
5枚組になってしまうので、価格をさげるための処置なのか?。
CDより良い音で聴けるとの触れ込みであったが、私の耳では今ひとつ
判別不能であった。結局私はCDに変換して聴いているのだけど。(笑)

フィル・スペクターというと、まず「エコー」を想起する人が多いと思う。
私もそうなのだが、「エコー」でスペクターを捉えたくないという
勝手な思い込みがあるため意識的にそれをさけていて、私のブログで
記事を書くときも「大人数で演奏するガレージ・サウンドの延長」とか、
ポップス・ファンの気分をある意味逆撫でするようなことを書いてきた。
大人数で同じフレーズを演奏し、尚且つ数回のダビングを重ねることが
スペクター・サウンドにとって重要だとの思いがあるからだ。

とはいうものの、やっぱり「エコー」は深い。(笑)
スタジオ内でドラマーがスティックを叩いてカウントをとる音や、
果てはトーク・バックの声にも深いエコーがかかっていて、録音スタジオの
セッティングはどうなってたのかに思いを馳せると同時に、たまには
「やっぱりスペクター・サウンドはエコーだ」と言ってみたい気にもなる。

「BE MY BABY」「BABY I LOVE YOU」「SANTA CLAUS IS COMING TO TOWN」と
いった名曲がどんなふうに仕上がっていくのかがわかるのは面白さの
極みである。もちろん完成されて世に出たテイクこそベストというのは
間違いないのだが、スタジオ内のやりとりもそのまま収録されているのは
ブートレグならでは。ビーチ・ボーイズのスタジオ・セッションのように
すぐにカットされることもないので、聴いていて苛苛することもない。

私の目当ては「RIVER DEEP MOUNTAIN HIGH」のセッション。
ロネッツやクリスタルズにはない、ティナ・ターナーの迫力ある声に
負けないようにと思ったかどうかは知らないが、トラックの音圧が
圧倒的で尚且つロックよりのスピード感を持つこの曲が、完成する様を
聴くことが出来るなんて、夢のようである。ギャラだけ払ってアイク・
ターナーを完全排除したというのも凄い話だ。
同名のアルバムではアイクがプロデュースした曲とフィルがプロデュースした
曲の違いが如実にわかるのだが、A面とB面をわけるでもなく、
二人の製作した曲が混ざった曲順であるのを不思議に思っていたが
改めて聴きなおすとそれほど違和感がなかったのが意外であった。(笑)

DVDで音楽を聴く、しかもブートレグ。そんな例は今までなかったので
これも忘れられないブートレグとなった。
コメント (2)
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山口冨士夫 / Over there

2008-06-03 21:39:25 | 日本のロック・ポップス
闘病中の山口冨士夫を支えるべく、「So What」がDVD付きで復刊された
その余韻も冷めぬ間に、自身のレーベルからアルバムがリリースされた。
今の状態では新録音は望むべくもないのだが、今作は92年に2枚同時に
リリースされた「アトモスフィア」のアウトテイク集。
レコーディングの際のマスター・テープはE○Iの倉庫にあるだろうから
これは冨士夫自身が家でプレイバックするためのカセット・テープが
マスターかもしれない。なんとなく音質が「アトモスフィア」より
少々落ちる気がするのは、そのせいだろう。

しかしながら、そんなことはどうでもいいのだ。
アウトテイクが聴けるだけで嬉しいし、寄付という行為に抵抗がある
私にしてみれば、アーティスト公認の本やCDを購入することでそれが
闘病生活の一助になるのであれば、他の購入予定のCDを
後回しにしてでも資金を捻出するのに、やぶさかでない。

ライブはともかくスタジオ録音盤にさえ、時折垣間見える冨士夫の
ムラっ気が時に私の求めるものと違うと感じることもあるのは事実だが
いたずらに弾きまくるだけでない要所をバッチリ押さえたギターと、
聴く者を感傷的にすらさせる曲の魅力には抗えない。
このCDにもそんな魅力が詰まっている。

このアルバムは自身のレーベルの第一弾ということである。
しっかりした新作が出来るまで、今回のようなリリースが短い間隔で
いくら続いたって構わない。私に出来るのはそれらを購入すること
だけなのだから。
○MIも、こういう時こそ「アトモスフィア」を再発して稀代のミュージシャンを
援護すべきだと思うのだけどなぁ。
コメント (6)
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