HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

近田春夫&ハルヲフォン / LIVE! 1975~77

2006-06-28 21:02:15 | 日本のロック・ポップス
日本のフォーク・ロック史を語る上で、避けて通れないのがウラワ・ロックンロール・
センター(URC)の活動であるが、URCが記録として保存していた貴重な
音源が日の目を見た。そのうちの1枚がハルヲフォンのライブである。

残された3枚のアルバムはどれも一筋縄ではいかぬもので、ロックと
歌謡曲が、お手軽かついかがわしく交配したようなサウンドは、当時はもちろん
今もあまり例を見ないものだ。
G.S.は格好悪くない、という考えはもちろん重要だし、歌謡曲や全米トップ40まで
なんでも演奏してきたというハコバン時代に鍛え上げられた、「バンド」としての
体力と他のバンドにない柔軟性をハルヲフォンには感じる。

バンド存命時にはライブ盤は発表していないが、今回のURC発掘シリーズで
遂にオフィシャルな形でライブを聴くことが出来るようになった。
75年から77年の田島が原フリーコンサートの音源がメインの音源で、
ギターレス時代にはサポート参加の森園勝敏のプレイも2曲、聞くことが出来る。
私はハルヲフォンでは1STが一番好きなのだが、あのアルバム収録曲を
ライブ演奏で聴くことができるだけで嬉しいのに加え、お楽しみは
終盤にやってくる。

日本のバンドが「日本のロック・メドレー」を演奏するというのは、
当時は勿論、今でもそんなにないのではなかろうか。
恒田義見はCDに掲載されたインタビューで「これくらい、やろうと思えば
出来ますよという高慢な気持ちで演奏した。格好いいといえるくらいまで
消化できたかといえば、そうでもなく、ひがみみたいなものもある。」と
語っている。(文面は端折ってます)
確かにそれなりのコピー・レベルに終わっている部分もあるが、この
距離の置き方こそ、ハルヲフォンらしくて私は好きである。

ちなみにどんなバンドをメドレーで繋げたかというと、四人囃子~キャロル~
紫~ダウンタウン・ブギウギ・バンド~チャー~サディスティック・ミカ・バンド~
カルメン・マキ&OZ~クリエイション~フラワー・トラベリン・バンド。
一般的にテクニカルといわれるバンドが多いのがわかる。
曲を作るのと、コピーするのでは比べる次元が違うが、この自信と皮肉に
満ちた遊び心を、今なら十分楽しめると思う。

URCはまだまだ多くの秘蔵音源を持っているようなので、ゆっくり多くの
音源をリリースして欲しいと切に願う。
次はPANTA&HALだ!。
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ギターを弾く子は不良なのだ

2006-06-27 20:14:47 | DAY BY DAY
3泊4日で田舎に帰った。2年ぶりの帰省で、昼の日中から寝るまでの間、
ずっと飲みっぱなし。何より魚が美味い。煮ても焼いても、もちろん刺身も。
「牛肉なんざ、出すんじゃねえよ。」と、お袋に毒づくくらい魚がうまい。
老後は四国に引っ込むかな・・・なんて思ったほどだ。

今回は途中で名古屋の叔母の家によることになっていた。
いつも素通りするので、堪忍袋の緒が切れた叔母が「今回は必ず寄れ」と
厳命を下したので仕方あるまい、名古屋名物を食べさせてもらうのも
一興なので、途中下車と相成った。

出来れば従兄妹に会いたいと思ったのだが、叶わなかった。
私には歳の離れた従兄妹がいて、21歳の男と16歳の女の子がそれだ。
どちらもバイトと部活で忙しくしているようで、40を超えたじじいに会うよりか
そちらのほうが、はるかに有意義な時間の使い方なので仕方ない。

21歳の男の従兄妹には、私のおさがりの服やスーツをよくあげている。
文字通り、一身上の都合(笑)で着られなくなったポール・スミスのスーツは
彼ならまだ大丈夫だし、ストーンズ公認のライダース・ジャケットも
愛用してくれているという。
庭に停めてあるバイクはヤマハの「ドラッグスター」。なかなか格好いい。
新しく買ったギターを、私に見せてくれるために部屋から居間に持ち出して
くれてあったので、ケースを開けると、ギブソン・レスポール・カスタムだった。
なるほど、バイクとギターのローンを返すためのバイトなのか。
ふと見上げると、バラックの代表ユニフォームのレプリカがあるじゃないか。
私の21歳時に比べ、ずいぶんと格好いいじゃないか。

16歳の従兄妹はサックス・プレイヤーだ。
吹奏楽部だというが、自前のサックスを持っている。
ここで面白い話を叔母から聞いた。どうしても自分のサックスが必要になり、
その購入費の捻出に思案していたところ、爺様がポンと30万出して、
サックスを買ってくれたという。もちろん、これは兄貴には内緒である。
妹もバイトしてそれを購入費にあてることになっていたのだから。
ところが、何の気なしに叔父が「ギターはポンとは買ってくれんわなあ。
そんでも30万、すぐ出してくれたなあ爺様は。」と言ってしまったとか。
もちろん兄貴は激怒である。

仕方あるまい。
いつの時代もエレキ・ギターなんざ、理解されないものなのだ。
いいじゃないか、自分で買うからこそレスポールの重さと、美しい黒光りが
身に染みるというものだ。
問題は、そのギターでどんな音を出しているか・・・・である。
近日、掲載した2枚のCDを従兄妹たちにプレゼントしてやろう。
テナーとアルトの違いには目をつぶってくれ。(笑)
ただし、耳は塞ぐなよ。

無限のロック地獄、ジャズ三昧に突入するか否かは、君達次第だ!と言いたいが
若者には楽しいことが多くありすぎる。
それでも音楽は好きで、あり続けて欲しい。
16歳でロリンズとかコルトレーンを聴く女の子とのデートは難しいだろうな、
同級生諸君。(笑)



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長い髪の女

2006-06-23 22:48:58 | DAY BY DAY
貧乏が染み付いているせいなのか、軽い布団で寝ることが出来ない。
本当に暑くなるまで、布団を使って寝る毎日である。
もっとも人生のほとんどをエアコンのない部屋で過ごした私にとっては
寒暖に鈍感になっているのかもしれない。今でも長袖のシャツだし。

重い布団が体に乗っかっている・・・。
そのためか、ごくまれにこんな夢を見る。
長い髪の女が私の上に乗っているのだ。その女の垂れた前髪が私の顔を
覆い息苦しくなって目がさめる。そんなときは決まって布団が顔を
覆っている。女が上で動いてくれるのは結構な話なのだが、決して
天国へは連れて行ってくれない。何せ息苦しいのだから。(笑)

たいてい夢に出てくる女性は日本人である。
トリックのあの人や時効警察のあの人・・・。いつぞやは本当に息苦しかったので
力いっぱい跳ね除けたら、いつまでたっても起きない私を相方がつついていた、
というつまらない現実もあった。
一度だけ、外人が出てきた。(変な表現だな。)
Gパンを履いたまま、笑みを浮かべて私にまたがっている。
フリルのついたシャツも可愛らしいその人こそ、エミルー・ハリスだった。
もちろん若き日の・・・である。
ロデオじゃあるまいし、せめてGパンは脱いで欲しかったのだが、
夢からさめてなぜかニヤニヤしながら、夢の続きを見ようとしたのだが、
もちろん未だかつて、夢の続きが見れた例は無い。

掲載写真は今年発表された、マーク・ノップラーとエミルー・ハリスの
共同名義で発表されたアルバム「ALL THE ROADRUNNING」。
滋味な大人のアルバムである。血気盛んな若人がこれを聞いて
「ふ~ん」で終わってもそれはそれで構わない。
17歳の頃の私はザ・バンドのアルバムを聴いて、どこがいいのか全く
わからなかったくらいなのであるから。

今でも激しいロックを聴くとアドレナリンが体内にみなぎるのだが、
この歳になって「ノー・フューチャー」と言われるとシャレにならんな、とか
自虐的な要素も加わってくる。
歳をとると、いろいろな蓄積が出来て、若い頃なら見過ごしたであろう音にも
反応できるものだ。
枯れてはいない。しかし、新しい何かが見つかるということもない。
でも、今の私に必要な音。そんな音がここにつまっている。

今日も聴きながら寝ることにする。
私はスティーヴィー・ニックスとエミルー・ハリスに挟まれて眠るのだ。
相方には内緒である・・・・。(笑)


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チッタだよ、全員集合

2006-06-18 20:58:09 | DAY BY DAY
と、いうわけで行って来ましたクラブ・チッタ。
エルトン・ディーン追悼公演の意味合いもある、今回のソフト・マシーン・レガシー
の来日公演、楽しんできました。
ヒュー・ホッパー、ジョン・マーシャルを見るのが初めてだったので
それだけでも嬉しかったのだが、同行したhopperさんによると、明らかに
前回の来日に比べて「疲れている感じ」だとか。なるほど、少々叩きあぐむ
瞬間もありまして、演奏終了後の挨拶のときに疲労感ありありなのが
私にもわかりました。
ソフト・マシーン時代のナンバーも多く演奏したので、往年のファンの
方々も満足したのでは。単純に見えるフレーズの繰り返しの中で
バンドを支え、エフェクターを踏み込んだ時はハード・ロックのギタリストも
凌駕するサウンドで男気を見せ付けた、ヒュー・ホッパーの貫禄を見て
「ああ、俺も単なるストーンズ・バカでなくて良かった」と思ったりして。

終演後、Tシャツ購入者はサイン会に参加できるとのことだったがスルー。
パンフレットならちと考えたが今回はパンフなし。
今回は我々にもやることがある。京都時代を回顧するラーメン屋にいかなければ
ならないし、出張レコード・パーティも執り行わなければならない。
また来て欲しいとの願いもこめて、勇気ある撤退となった。(バカ)

今回のライブは学生時代の仲間、いわゆる「マシーン軍団」(笑)が
卒業以来、初集結する日であった。もちろん構成員のhopper,ratledge,wyattと
名乗る正規会員は同郷なので、ことあるごとに集まれるのだが、
準構成員の自称ayersこと私を含めての集結は実に15年ぶりくらいでは
なかろうか。hopperさん、wyattさんとはハットフィールズ以来だが、
ratledge先輩とは本当に久しぶりである。お互いあまり変わっていないことに
苦笑しているのではないだろうか。

ライブ会場ではコンサートの楽しみ以外に「観客ウォッチング」が楽しい。
今回もいろいろと面白かった。早い時間に一人会場入りして軍団一行の
到着を待っていると、例によってマニアックな会話が聞こえてきました。
「おっ、いるな」とそっちを見る、岩本晃市郎氏と片山伸氏のお二人。
マニアックなわけで。(笑)こざっぱりした岩本氏は
格好いい靴を履いていた。身奇麗な格好の片山氏はなんだか「山師」の
ような風貌であった(失礼)。「ハットフィールズのライブ盤はどうなったの?」と
聞きたい気持ちを抑えて、ビールを飲み続ける私。

それにしてもナイスな服装の方々が多い。イエスとかのコンサートだと
この「ナイス度」はもっと上昇するんだろうな。
終演後、私の前を歩く二人連れがその前を歩く人が着ているTシャツを見て
笑っている。おお、プログレ縦社会、もしくはプログレ序列。
「ププ、キース・○○○○○だってよ。」
○の中には好きな言葉を入れてください。

ホテルに戻っての「出張レコパ」は、どう考えてもこれが
ソフト・マシーン・レガシーを見た4人の選曲とは思えないのが素敵だった。
持参ブツの不具合でratledge先輩が「HOPER TUNITY BOX」を全曲流すのではと
危惧したのだが、そうならずにすんで良かった。(笑)
翌朝、エルトン・ディーン存命時にパリで収録されたレガシーのDVDの
さわりを見る。ディーンさんは鍵盤もプレイできたので、そのシーンも
収録されているのだが、やはり鍵盤奏者がいたほうがいいかも。
ジョン・エサリッジとうまくからむ人が加入すれば文句なしだな。

今日のコンサートももう終わっているだろう。
このあと、クロアチア戦のパブリック・ビューイングがあるのだが、
客の入れ替えはスムースに行ったのだろうか?。
サイン会はあったのだろうか。

というわけでマシーン軍団の皆様、楽しい一夜をどうもありがとう。
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THE WHO 2006

2006-06-17 08:55:18 | ROCK
遂に恐れていたことが起こってしまう。
以前、ストーンズのライブ盤「LIVE LICKS」を取り上げたときに
「どうせなら、全公演DVD化してくれたほうが、よっぽどすっきりする。」
なんて書いたのだが、今年のザ・フーのヨーロッパ・ツアーではそれが
現実になる。

2004年のツアーはCD化され、全て購入して「ああ、散財した」と
嘆いたが今回はCD+DVDである。
それぞれ、単体での発売、CDだけのボックス(23公演)DVDだけの
ボックス(22もしくは23公演)、一日のコンサートのCDとDVDを
組み合わせたもの、CDとDVDを全て収録したもの、と予算と購買目的に
あわせていろいろな組み合わせが用意されている。
CDとDVDを全て収録した大箱は全世界限定100セットで600ポンドなり。
送料はもちろん、税金がかかる可能性もある。

「無視」「決断」「熟慮」・・・「どうする?続く・・・」
ライフ・カードのCMのような状態である。
とりあえず、予約の名前だけ登録しておいたが、どうなることやら。


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ルーディたちへのメッセージ

2006-06-17 00:01:17 | DAY BY DAY
続き・・・。

「MAGGIE'S FARM」を聴くことができて、ちょっと嬉しかったその数日後・・・。
未整理状態の7インチ箱を整理していて、1枚のシングルを掴み出し、いやな予感。
「なんや、シングル盤持っとるやんか。」

掲載写真は80年のシングル(U.K.盤)で、A面が「DO NOTHING」、B面が
「MAGGIE'S FARM」。ああ・・・。
もう自分が何を所持しているのかも覚えていないのか。

呆ける前にちゃんと、整理しよう。自分の持ち物は把握しよう。

それにしてもアルゼンチンは強い。
大会全体ではチェルシー所属選手の活躍が目立つのは気のせいか・・・・。

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ハリーの災難?

2006-06-16 23:33:37 | DAY BY DAY
ドン・ドラモントのLPを聴いていると、久しぶりにスペシャルズを
聴きたくなった。「トロンボーンの響きが心地よい「RUDI,A MESSAGE TO YOU」は
最高だなあ、リコ・ロドリゲスもいいよねえ、」で終わっていればよかった
のだが、更に「そういえば、ディランの『MAGGIE'S FARM』のカバーはオリジナルLP
には収録されてなかったよな、ああ聴きたい」なんて欲望が突っ走ってしまった。

某大型レコ屋のHPで検索すると、ありましたありました、ちゃんとベスト盤に
収録されているじゃないか。
掲載写真の左がその写真で、HPにもこの写真とちゃんと「MAGGIE'S FARM」収録の
表示があったので早速注文。届いた箱を開封すると掲載写真右のベスト盤が
入っていました。右のベストには収録されていないことは知っていたので
軽く憤慨。メールで問い合わせると、HPの表示の誤りを認め、代替品がない
(つまり廃盤)から返金するので、着払いで返してくれという。
丁寧な応対だったので、いや着払いの梱包が面倒だったので「まあいいや。」と
抜いた刀を収める。

ちなみにどちらも91年の発売で左がアメリカ盤で15曲入り、型番がF2 21823。
右はU.K.盤で16曲入り、型番はCDP 3218232。こちらは最近日本盤が
廉価で再発されている。今回の目的はあくまで「MAGGIE'S FARM」だったので
1曲多かろうが関係ない。よって未だに未開封。
で、数日後、定点観測赤黒店で無事左の盤を800円で入手。
「なんだよ、やっぱり足で稼がなきゃダメだな。」と妙に納得した私。

だが・・・・。
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柳ジョージ&レイニー・ウッド / プリズナー

2006-06-13 22:26:47 | THIS SONG
歌詞に使われる言葉、題材で私が好きなものを思い浮かべてみた。
「雨」「水たまり」「列車」「汽車」「夕焼け」「夜明け」「街」などなど・・・。
なるほど、例えば「雨」を扱ったものだけで、日本のロック・フォーク限定縛りの
セレクションを作れば、自分なりにかなり満足いくものが
出来そうな気がする。
逆に全くといって反応しないのが、「海」「車」「空」かな。
なんだか軍隊みたいだな。

日本のロック・フォーク20選からは漏れたものの、柳ジョージ&レイニー・ウッドの
「Y.O.K.O.H.A.M.A.」は大好きなアルバムだ。
以前、甲斐バンドのアルバム「英雄と悪漢」をとりあげたときにも書いたことだが、
このアルバムには田舎者のガキには憧れと恐れを同時に呼び起こすような
言葉が満載であった。
例えば・・・「FENCE」「ガス燈」、そして「本牧」という地名。
私が18歳まで住んでいた町には港がある。そこから夜の9時過ぎに
船に乗ると朝の5時くらいに神戸に着いた。
田舎町の夜の港、早朝の神戸(と、いうにはちと外れているのだが
雰囲気、雰囲気)というのは、明らかに日常生活とはかけ離れた空間で、
そこに身を置くというのは、10代の頃は自分が少し大人になったような気がして
悪い気はしなかった。もっとも柄の悪い連中に気分を害されることも少なくなかったが。

私が10代の頃憧れた「格好いい大人」がこのアルバムには詰まっている。
今聴いても、永遠に追いつけない大人たちがいる。
最も、今は普通に生活していても「格好いいやり方」をいくつか知った反面、
どんどん格好悪くなっていることも自覚しているのだが、このアルバムの
登場人物達は、今はどうしているのだろう・・・。

7曲目はこのアルバム冒頭に置かれた「プリズナー」を選んだ。
アルバム冒頭にスローなナンバーを置くのは、私の好きなパターンだ。
アーティストにとっては、余程自身がないと出来ない所作だと思うが、
見事にハマった。(ヨコハマだけに、というのはくだらないシャレです。)

プリズナー (作詞・トシ・スミカワ 作曲・上綱克彦)

毀れ落ちた夜を拾い集めて
明けていく空に放り投げる
昨夜(ゆうべ)の酒に泳ぐ酔漢れ(よいどれ)は
潦り(みずたまり)の対岸(むこう)も見えない

人はみんな PRISONER
広い都会の見えない鎖に繋がれても
踊り続けるよ

忘れかけた心の痛みと
古い回帰の上を彷徨うか
悪銭(あぶくぜに)で買える幸せを
錘ぎながら 生きていこうか

人はみんな PRISONER
広い都会の見えない鎖に繋がれても
踊り続けるよ

教えてくれ何をすればいいのか
何処へ行けばいいのか

やがて昇る朝陽に照らされて
浮かび上がる夢の落とし穴
アスファルトの声 眩暈と出会いの毎日
俺はここから出られない

人はみんな PRISONER
広い都会の見えない鎖に繋がれても
踊り続けるよ

さて、この項はここまで。
残りの3曲は、Xさんと飲む時の酒の肴にとっておくことにする。

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頭脳警察 / 間違いだらけの歌

2006-06-11 16:44:29 | THIS SONG
73年発表の頭脳警察のアルバム「仮面劇のヒーローを告訴しろ」は
前作からわずか4ヶ月のインターバルで発表された。
シングル盤じゃあるまいし、現在では考えられないリリース間隔だ。
もっとも前作製作時からトシが一時的に脱退しているので、ライブを
やるわけにもいかないので、曲作りとアルバム製作に時間を費やした結果、
このような間隔になったのだろう。

「頭脳警察」の看板があるが故か、ハードな音作りとちょっと乱暴な歌詞で
見落としそうになるが「プリマドンナ」「恋のいらだち」といった曲に
パンタが本来持っているポップな側面が感じ取れる。
頭脳警察の歴史の中ではおそらく低い扱いのこのアルバムにこそ、
私が最も好きな頭脳警察の曲が収められ、それは十分「ベスト10」の
価値がある。なんとも70年代前半の香りを残す歌詞ではあるが、
この青臭い歌詞を笑う資格のある歌が2006年にどれくらいあるだろうか。

間違いだらけの歌 (作詞・作曲 Pantax's World)

聞かせて新しい歌を 教えてつくり方を
飾らないで 自然なままで
間違いだらけの歌を

見せて君の光を 話して君の怒りを
曲らないで 透きとおったままで
涙に満ちた怒りを

がむしゃらに 突き進む
俺達ゃ 反逆の天使
馬鹿と恥知らずは 承知の上さ
俺達ゃ 反逆の天使

教えて君の事を 聞かせて君の音を
隠さないで 壊れたままで
おもちゃのような俺に

見せて君の未来を 話して君の狙いを
待たせないで じらしたままで
おかないで こんな俺を
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チューリップ / 千鳥橋渋滞

2006-06-10 22:05:41 | THIS SONG
最近よく行く店で黒い長袖のシャレた感じのシャツを買ったのだが、
それに合うズボン(パンツという言い方はどうも抵抗がある)がない。
愛用のリーバイスでもいいのだが、ここは一つ黒いスラックスを・・と思い
またまたその店に行く。これでウィルコ・ジョンスン並みの格好いいバランスで
組み合わせができたのだが、もう夏なんだな。(笑)

その店はいつ行ってもビートルズが流れている。
いい加減あきないかな、と無用の心配をしてしまう。「コジ○」や
「サ○ー無線」「ケー○デン○」「ビッ○カメ○」みたいに一日中、自社CMが
流れているよりは数倍ましだけど。ビートルズは好きだけど毎日それじゃ、
私にはちょっとつらい。

5番目に選んだのははチューリップが72年に発表したデビュー・アルバム
「魔法の黄色い靴」収録の「千鳥橋渋滞」。
初期のチューリップはビートルズ(ポール・マッカートニー)のエッセンスを
うまく取り入れた曲を多く残している。
アルバムのタイトルからして「THE YELLOW MAGICAL SHOES」なのだから、
バンドの出自は明白だ。グループのメイン・ソング・ライターでボーカルは
財津和夫だが、「千鳥橋渋滞」は安部俊幸・姫野達也の手になるもので、歌も
姫野だ。この二人はボーカルもとり、財津がポールなら、姫野がジョージで
安部の歌はリンゴのような味わいがある。ここで決定的な欠落に気がつくだろう。
私的に感じる欠落だけに、大勢にとっては気にもならないことではあるはずだが
出自が出自だけに、気になるとそれが頭の片隅に残って私の中でこの
バンドの評価を不当に歪めてしまう。本当はそんなこと全くないのだけど。

それはさておき。
この「千鳥橋渋滞」は本当に好きな曲だ。姫野の優しい歌声、シンプルながら
いい音のドラムス、ハモンドとエフェクトの効いたギターのバランスの良さの
全てが奇跡的に揃った楽曲だ。曲の終わりあたりでコーラの瓶に水を入れ、
それを財津と姫野が吹いているのだが、そういう遊び心も美しい。

千鳥橋渋滞 (作詞・安部俊幸 作曲・姫野達也)

骨の折れた傘さして 水たまりをよけながら
あれは ばかげた夢 あれは淋しいうそ

角を曲がる時 女が駆けてくる
あれは ばかげた夢 あれは淋しいうそ

千鳥橋渋滞 千鳥橋渋滞
髪を切ってしまおう 髪を切ってしまおう

時計屋の窓に まのぬけた俺の
青白い顔を 舌を出して写す

千鳥橋渋滞 千鳥橋渋滞
髪を切ってしまおう 髪を切ってしまおう

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遠藤賢司 / 雨あがりのビル街(僕は待ちすぎてとても疲れてしまった)

2006-06-09 22:52:34 | THIS SONG
いよいよ、ワールド・カップ。日本代表を応援するのはもちろんだが
日本以外の対戦カードもチェックせねばならない。
日韓ワールド・カップからもう4年経つのか・・・。
2回も転勤させられたんだなあ。(笑)
エンケンにはサッカー日本代表を応援する曲がある。
というわけで半ば強引に結びつけたが、今回の選曲はエンケンである。

遠藤賢司にはおよそ駄作というものはない。突き抜け方が凄いだけに
「ああ、平均点だな」と思う曲やアルバムもあるが、エンケンの平均点は
その設定値が高いのだ。エンケンという枠で60点くらいかなぁと思うものは
日本のフォークやロックという枠に放り込むと軽く80点以上はクリアしている。

普段、「裸の大宇宙」や「東京ワッショイ」を聴くとむやみに燃えてくるのだが
実のところ「またいつか会いましょう」とか「外は雨だよ」とかの
ちょっと地味目の曲に執着していたりする。
選んだのは「雨あがりのビル街」。70年発表のエンケンのデビュー作である
「NIYAGO」に収録されている。大瀧詠一を除くはっぴいえんどの
秀逸な演奏がアルバムの中でも抜きん出ている曲だ。
歌詞の中に「ビル街」は出てこないが、なんとなく歌詞の風景が私の頭の中に
浮かんでくる。

例えば・・・。
都庁近辺でも新大阪駅近辺でもいいのだが、日曜日の夕方。
普段は人の行き来が多いのだが休日で閑散としている通り。
それでも人の往来はある。
女の子と待ち合わせをしているのだが、どうも来そうにない。
夕立にもふられ、2時間ほどぼんやり。気がつくと日が暮れていく。
孤独感と虚無感を抱えて、もたれていたビルの壁から離れる・・・。

もちろん歌詞の中では「誰を」「何のために」待っているとは明言していない。
あくまで、私が頭の中に描いた風景の1断片である。
私はいつも何かを待っている。誰かを待っているのかもしれない。
急激な変革や日常の変化を全く望んでいないのに、それでも何かを待っている。
できれば待たせる側になりたいのだが、いつも待つ側である。
何を待っているかわからないので、何が来たのかもわからない。
日常はかくもやるせない。
ずっとそれは変わらないだろう・・・。

雨あがりのビル街《僕は待ちすぎてとても疲れてしまった》
(作詞・作曲 遠藤賢司)

水溜りの中で 大きくゆれた街
しびれを切らした人々は
ゆっくりと歩き始めた
しびれを切らした自動車は
急ブレーキを踏む

僕は人を待ってたんだ もうずっと前から
僕は人を待ってたんだ もうずっと前から

ちっちゃな ちっちゃな女の子が
ちっちゃな ちっちゃな足音を立てていった
それはほんとに ちっちゃな足音だったけど
僕にはとても大きくひびいたんだ
だからもう帰ろうと思った

僕は人を待ってたんだ もうずっと前から
僕は人を待ってたんだ もうずっと前から
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ザ・グルーヴァーズ / 魔法のサムシング

2006-06-08 21:42:50 | THIS SONG
この一瞬に光るために すべての闇に悶えてきた(閃光)

トリオになってからのグルーヴァーズはいつだって私をドキドキさせる
日本最高のロック・バンドであることに今も変わりは無い。
94年のシングル「ウェイティング・マン」のプロモと曲の両方の格好よさには
当然のように打ちのめされた。
前作から1年のインターバルを置いて発表された2NDアルバム(あえて2枚目という)
「モノクローム・カメレオン」も期待通りの出来であった。
3番目に選んだのは、そのアルバム収録曲である「魔法のサムシング」。
私にも幾ばくかの「憧れ」や「望み」はあるにはあるがこれが「真実」であり、
「現実」なのだ。

魔法のサムシング (作詞・作曲 藤井一彦)

あてにするな 身を任せるな
簡単に舵を取らせるな

期待するな 憧れすぎるな
簡単に足元を見られるな

導かれはしない 救われもしない
天の声などない 神は風など吹かせてはくれない

魔法のサムシング そんなものはない
魔法のサムシング どこを探してもない
おまえを今すぐさらいたい 確かなものはそれしかないのさ

お茶を濁すな 身を預けるな
簡単にポジションを空け渡すな

だまされるな 唆されるな
簡単に挙げ足をとられるな

導かれはしない 救われもしない
死なせてはくれない そんな程度のピンチでは

魔法のサムシング そんなものはない
魔法のサムシング どこを探してもない
おまえに今すぐ触りたい 確かなものはそれしかないのさ

導かれはしない 救われもしない
天の声などない 神は風など吹かせてはくれない

魔法のサムシング そんなものはない
魔法のサムシング どこを探してもない
魔法のサムシング そんなものはない
魔法のサムシング どこを探してもない

おまえを今すぐさらいたい 確かなものはそれしかないのさ

「あなたの近所のなんとか」で「素敵なサムシング」が本当に手に入るなんて
思ってないだろう?
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HERON / FIRST FINAL

2006-06-07 22:22:51 | ROCK
94年に再再結成されて以降、地味ながらもコンスタントに活動を
続けるヘロン。G.T.ムーアはいないものの、70年の1STからの
メンバーであるロイ・アップス、トニー・プーク、スティーブ・ジョーンズに
加え、T.J.ロビンスンが現在のメンバー。このメンバーで早10年以上の
活動になるのだと改めて思うと、「凄いなあ」としか言えない。

そんなヘロンの2005年5月6日のライブ映像がDVDとして流通している。
正確にはDVD-Rなのだが、れっきとしたオフィシャル・リリース。
ジャケットはいまどきのブート屋が使用する紙よりさらに劣る材質のものに
カラー・コピーしたような感じなのが泣かせる。

客席は映らないのだが、あまりキャパは大きくなさそうだ。
ステージに上のスクリーンにはフィルムが流れ続け、「鷺」と漢字で
書かれた垂れ幕もある。
演奏はドラムレスの編成の4人に途中からゲスト・ボーカルや
ベーシストが加わる簡素なものだが、これはこれであの「1ST」を容易に
想起させる。

ライブはいきなり「BROKEN ARROW」「ONLY A HOBO」の掟破り(笑)のカバー
2連発からスタートする。もちろん、「1ST」「2ND」の名曲も満載で、
再結成後最もよく知られたアルバム「BLACK DOG」収録曲もいくつか聴ける。
再結成後のアルバムはCD-Rリリースのものや一般の流通経路では
入手しにくいものがほとんどなのが難点だが、どれも平均以上の出来である。
最初の2枚の再録も多く、当然それらはオリジナルに軍配をあげてしまうのだが
それでも、瑞々しい歌声と演奏に聞き入ってしまうのは間違いない。

105分の収録時間が短く感じるというなんとも贅沢な時間の過ごし方だ。
日本国内での再生環境では、PAL方式なのがもどかしいが、
それでも見る価値は十分にある。
先日紹介したフェアポートのブートDVDRと並べて見ると、偶然だが
似たようなデザインで、並べて置くのが筋というものだ。
あとは、来日を心待ちにしたい。
秋くらいにチッタででも演ってくれたら最高なんだけど・・・。
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泉谷しげる / 翼なき野郎ども

2006-06-06 22:54:59 | THIS SONG
続けていきましょう。
泉谷しげる・・・生きることばの速さがいいぜ。(流れゆく君へ)

78年にアサイラムから発売された泉谷しげるの「’80のバラッド」は
私にとっては画期的なアルバムである。
歌詞中に「俺」とか「おまえ」「君」といった表現とは別に特定の
名前を歌いこむ際、照れ隠しか単に格好いいと思うからか、
明らかに日本人の名前でない場合が多い。
日本人の名前を歌いこんだものもあるが、大抵の場合やっぱり格好よく
なかったりする。「’80のバラッド」はそんな私的思い込みを
軽くクリアしている。

このアルバムでは「エイジ」「レイコ」といった固有名詞が登場するが
別段気取った名前を選んだわけでもないのに、妙にすんなり違和感なく聴けるのだ。
これはもちろん、曲やアレンジ、歌詞などアルバムをとりまく全てが
うまく機能しているが故のことではあると思うが、こういう例は少ないと思う。
歌詞中の名前の表記がカタカナ表記なのが匿名性と普遍性を感じさせるのもいい。
アルバムの中で「エイジ」と「レイコ」がどう絡んで行くのか明白では
ないのだが、日常をやりすごす生活者の孤独や苛立ち、希望といったものが
浮き彫りにされ、「これぞコンセプト・アルバム」と言いたい。
お気に入りの1曲はアルバム冒頭の「翼なき野郎ども」。

翼なき野郎ども (作詞・作曲 泉谷しげる)

火力の雨降る街角
なぞの砂嵐にまかれて 足とられ
ヤクザいらつく 午後の地獄
ふざけた街にこそ家族が居る

こんな街じゃ俺のあそび場なんか
とっくに消えてしまったぜ
なのに風にならない都市よ
なぜ俺に力をくれる
ああいらつくぜ感じるぜ
とびきりの女に会いにいこう

ふざけたこの街で 何をしよう
働いて食って ねるだけの窓
土曜の夜は 女といなくちゃ淋しいぜ
ヤニだらけの俺のピンボール

こんな街だから 何をしなくてもいらつく
風にならない都市よ
なぜ俺に力をくれる
ああいらつくぜ感じるぜ
とびきりの女に会いにいこう

地鳴りする都市よ なぜ俺に力をくれる
風にならない都市よ なぜ俺に力をくれる

ああ感じるぜ燃えてくるぜ
とびきりの女に会いにいこう


コメント (2)
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甲斐バンド / シネマ・クラブ

2006-06-05 23:43:43 | THIS SONG
Xさん(ああ、もっといい名前にすればよかったね。ジョニーとか
エースとか・・・すみませんいいのが浮かびません)から今度は
「10曲」で飲もうとお達し(?)が出たのですが、これは
アルバム選ぶより拷問ですよ。
プライバシー丸出しもしくは、「なんや、ハリーの野郎、だせえ。」と言われるのを
覚悟での選択になるのは明白なので。
「ロック馬鹿一代」を返上する覚悟で選びましょう。

日本のフォーク・ロックなので、もちろん曲やアレンジ以上に歌詞が
重要になってくるのはいうまでもない。なんせ、私は日本語が
ネイティブなもんで。(アホ)
洋楽なら曲や各種楽器の格好よさが最初の決め手になるのですが、
今回は歌詞が聞き取れるだけにそれが最も重要かも。

まず選んだのは甲斐バンドのアルバム「誘惑」(掲載写真)収録の
「シネマ・クラブ」。このアルバムはB面が秀逸で捨て曲なし。
「嵐の季節」、「二色の灯」(これはまあ、LOVE IN VAINなんだけど)と
名曲ぞろいだし、私がバランタインを愛飲するきっかけになった曲もある。

シネマ・クラブ(作詞・作曲 甲斐よしひろ)

もうおしまいさ すべては手おくれ
何もかもが 狂っちまった今
思い出すのは 思い出すのは
雨さえ凍てつき 氷ってたあの夜

おいらの言葉は いい訳で終わり
君のそぶりは ひどい仕打ちで終る
お茶は飲みほされ 酒はつきて
白いテーブルに 黒い時間が残る

君はいつまでも 銀幕のヒロイン
ラストシーンは 美しく
思い出には足跡さえ 残さずに

もう駄目さ 誰が悪いのか
俺を苦しめた お前を憎めず
ふたつの針に 身体しばられ
終幕に向って 時間は進む

俺は悲しみを 皿にのせる
君は別れを グラスにそそぐ
子供のように はしゃいだ声で
そしてあの扉を もう出ていくんだろう
 
君はいつまでも 銀幕のヒロイン
ラストシーンは 悲しく
舗道に影だけを 舗道に影だけを 落としては

「3つ数えろ」「港からやってきた女」と競り合っての選曲。

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