HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

一発目は怒り . . . 二発目は恐れ . . .

2015-09-29 20:47:36 | DAY BY DAY

    

では、13発目は・・・。(笑)

今回のタイトルはゴルゴ13「帰ってきた標的」(第21話)より引用。
もはや旧聞に属するが、千葉県で制御不能となった大型犬を射殺するために警官が
13発の実弾を使用した。世間では13発も撃たないとしとめられないのか、なんて
声もあったようだが、人より俊敏に動き回る犬をしとめるのは簡単ではないだろう。

私の職場に前職が警官だったヤツがいる。まあ、すぐに辞めたらしく実働年数は
少ないようだが、ヤツの話だと射撃練習なんかすると、とんでもない下手くそがいて
まだ撃ってもいないのに自分の的が撃ちぬかれたことがあるという。つまり、隣の
レーンで撃っていた人の弾丸がヤツの的を撃ったのである。これは極端な例で
しかも訓練を始めて間がない時期の話なのだろうが、動かない的を撃つのも大変
なのだから、まして動く標的となるとその難易度が高いのは想像に難しくない。

ヤツが現職だった時代はニューナンブを使っていたはずだが、今はS&Wが主流の
ようだ。グリップの部分がちょっと見た感じが可愛いのだが現場で使うには、ああいう
デザインが最適なのかもしれない。

私は拳銃マニアではないが、それでも13発放たれたと聞いた時に「ああ、
5発×2人+3発×1人なのかなあ。」なんて想像くらいはできる。それにしても13発か。
弾丸の回収は大変だったのだろうな。

この話を受けてネットでは更に不謹慎(笑)な書き込みが相次いで中には
「福岡県警なら一発で仕留めただろう。」なんてのがあって笑ってしまった。
私見ではあるが兵庫県警あたりも、一発で仕留められるかも。(笑)

というわけで、今回の掲載写真はサントラを2枚。

掲載写真左は76年のイタリア映画「UNA MAGNUM SPECIAL PER TONY SAITTA 」
のサントラ。日本では77年に公開されたので「ビッグ・マグナム77」という邦題が
ついている。カナダを舞台にしたポリス・アクション・ミステリー。
アルマンド・トロヴァヨーリのスコアが冴えまくる一品。

掲載写真右は02年のブラジル映画「LA CITE DE DIEU ( 邦題:シティー・オブ・
ゴッド)」のサントラ。スラム内でのストリート・チルドレンの抗争を描いたもので
ジャケット写真で銃を握るのは子供である。ブラジル音楽を基盤にしたファンクと
サウダージが漂う音の対比が面白いサントラである。

さあ、13階段への荒野を歩きだそう・・・。

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十月の匂い

2015-09-27 11:15:11 | 日本のロック・ポップス

掲載写真は鈴木茂とハックルバックの「1975 LIVE」と題された2枚組CD。
このCDの宣伝文に「急逝した名エンジニアの遺した膨大なテープから、氏の
エンジニア・ワークスを辿っていくシリーズ」とあったので、年代とかを意識も
せずに「凄いテープが出てくるものだなあ。」と勝手に頭の中で高音質のライン
録音のリールから起こした音だとばかり思っていたのだが・・・。

物を手にするとCDの帯に「カセット・テープ・マスター」とある。実際に音を
聴くと「ああ、会場録音か。」と、ちょっと拍子抜けするも、アルバム「BAND
WAGON」が大好きな私にしてみれば、この頃の鈴木茂の演奏を聴くことができる
のなら大歓迎、というわけで2枚のCDを有り難く拝聴した。

とりあえず、音質はブートレグ並みであることは事実であるが、会場録音のテープや
ブートレグを聞きなれた耳には何の問題もないし、それよりも「この音を聴きたい」と
いう熱意のある方にとっては、喜ばれるリリースとなるだろう。

収録されているのは75年4月4日大阪サンケイホールと5月15日京都会館での
演奏。京都会館では4曲のリハーサルも収録されているので、これは誰もが簡単に
立ち合えることができる場面ではないので更に貴重といえる。

ハックルバックのレア音源といえば、08年に出た「鈴木茂ヒストリー・ボックス」に
収録された3月15日の荻窪ロフトでのライブ他を収録した盤がある。思えばあの
箱は6枚組であったが、重複感が強くてレアリティーズの「お宝度合」が薄かった
ように取られる風向きがあったが、今回は全編未発表音源というのが本当に嬉しい。

因みに4月4日の「ベイ・エリア・コンサート」にはハックルバック以外にも
多くのミュージシャンが出演している。手元にある音源から備忘録を兼ねて
最後に曲目を記しておく。

シュガーベイブ

01 ココナツ・ホリデー
02 ダウン・タウン
03 ためいきばかり
04 風の世界
05 約束
06 こぬか雨
07 YUMIN '
08 今日はなんだか
09 ( ENDING )

メンバーチェンジがあって伊藤銀次、上原裕が加わったことが客席に告げられる。
最後の曲は1分足らずの短い曲で正式な曲名があるのかどうかわかりません。

ティンパンアレイ

01 夢を追って
02 アップル・ノッカー
03 五月雨のスケッチ
04 夕方ラブ
05 ハリケーン・ドロシー
06 バイバイ・ベイビー
07 しらけちまうぜ

最後のMCで終わりを告げられて客席から「え~っ」という声があがるのだが
確かにもっと聴きたいと思わせる尺の短さである。

大瀧詠一

01 論寒牛男
02 福生ストラット
03 三文ソング
04 お先にどうぞ
05 ハンド・クラッピング・ルンバ~ドレッサー

これがセット・リストの全てかどうかわからないのだが、これも尺が短く
たった15分の音源である。

先に書いたが、今回は「シリーズ」とある。続編も期待するのだがカセット音源が
続くようなら、現役ミュージシャンでアーカイブ価値よりも音質を重視するような人の
リリースは許諾が取れず難しいのかなといらぬ心配をしたり。とりあえず、期待して
次を待とう。

それにしても八月の匂いというのを感じることもなく、九月も終わろうとしている。
十月の匂いを感じることが出来ればいいなと思いつつ本日最初のビールを飲む
ことにする。

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飲まずに死ねる・・・か。

2015-09-26 15:12:51 | THIS SONG

昨日の聴かずに死ねるか・・・というのは、内藤陳の「読まずに死ねるか」をもじった
ものである。大昔にテレビで内藤陳の仕事部屋か何かの映像を見たことがあるが、異様に
多くの本が未整理で積まれていて、雑然とした部屋を汚く(失礼)思うよりも、なんだか
それが格好良く思えたことを記憶している。

子供の頃から熱心な読書家ではなかったが、収集癖があることと整理下手である自分の
免罪符として了解してしまったのかもしれないが。

掲載写真は先日リリースされた7インチE.P.「ミュージック・フォー11PM EP」で、
66年にリリースされた同名LPから選ばれた4曲が収録されている。
11PMは65年から90年までの長きにわたって放送された深夜番組で、私を含む
ある年齢層までの方なら番組を見たことがあり、テーマ曲を耳にしたことがあるだろう。

00年に「11PMのテーマ」はCDになっているが、それを買わなかったこともあり
今回は7インチということもあり入手したというわけである。

コレを聴いた第一印象は、テレビの番組オープニングで聞いた印象とは違うなあ、であった。
テレビで流れた曲は、それほどギターの印象がなかったのだがここで聴けるテーマ曲には
けっこうギターが大きめの音でミックスされているので「あれ?」と思ったのだ。

66年のLPの音源が番組用であったのか、そうでないのか知らないので何とも
よくわからないのだが、それはともかくやはりこのメロディーとスキャットを聴くと
10代の頃のいけないトキメキ(笑)が脳内をよぎるのだから、音楽の力は偉大だ。

いや、偉大なのは音楽ではなく、音楽や番組名から想起する「うさぎちゃん」だったら
どうしよう。その証拠にコレを聴きながら「泉質は?」とか「効能は?」と無意識に
口走ってしまうのであった。(笑)

ここで聞けるスキャットは伊集加代子によるもので、私なんかは今更のようにコーヒーの
CMを思い出してしまった。

そういえば。記憶が正しければ内藤陳は11PM内でのウイスキーのCMに出ていた
ような気がする。グラスを氷とウイスキーで満たして「読まずに死ねるか」と言った
ような・・・。

う~ん、やっぱり私は「聴かずに死ねるか」にしておきましょう。

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聴かずに死ねる・・・か。

2015-09-25 21:25:12 | ROCK

ボブ・ディランのオフィシャル・ブートレグ・シリーズ第12弾「THE CUTTING EDGE
1965 - 1966」の情報が出揃ってきた。いつだったか、私が最初に目にしたインフォメーション
では6枚組のデラックス・エディションの他に18枚組仕様の発売がある、というもので
18枚の内容には具体的に触れられていなかった。

「どうせ、CDとLPを同梱して18枚なんじゃないの。ここは普通に6枚組で・・・。」
なんて思っていたのだが、これはとんでもないことになってしまった。
最新インフォメーションを見ると、今回のブツは限定5000。
そして・・・。

18枚組とは、文字通りCD18枚でそこに「65年から66年に録音された様々な
セッションをひとつ残らず収録する」とあるではないか。インフォメーションに書かれる
までもなく65年から66年というのは「BRING IT ALL BACK HOME」「HIGHWAY 61
REVISITED 」「BLONDE ON BLONDE」が録音された時期である。その時期の音源が
18枚のCDで登場するとなれば、是が非でもこれは手にしたい。

正直に書けばディランの一番好きなスタジオ・アルバムは「BRING IT ALL BACK HOME」で
次は「INFIDELS」、全アルバムを勘定に入れると「HARD RAIN」「BEFORE THE
FLOOD」がそこに入ってくるという何とも素直でないヤツなのだが、それでも65年から
66年のディランを嫌いになれるはずもなく・・・。

           

昔懐かしいブートレグが用済みなる日は近いのか・・・。(笑)

しかも、ウルトラ・コレクターズ・エディションと名付けられたこの18枚組には、
当時のモノラル仕様の7インチが9枚添付されるというのだから、これは堪らない。

ディランのサイトでオーダーを受け付けている、このブツの値段は$599.99也。
懐具合は寒々しいのだが、明日は明日の風が吹く。答えは風の中になんかあるものか。
答えは己の心積もりと財布の中にあるのだ。

送料に$90.86かかるが構うものか。4日前に不調のパソコンを修理に出した
勢いで新品を買ってしまったが構うものか。11月に車検があるが・・・・。うう・・・。

長生きしたいぜ。(笑)

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TOO YOUNG TO VOTE

2015-09-22 12:52:48 | ROCK

        

10年以上音楽ブログ(だよね)をやっているのだが、一応はポリシーというものも
ある。(笑)それは、取り上げたミュージシャンや盤に対してなるべく否定的なことを
書かないということである。例えば「ちっとも面白くないアルバムだった。」とか
「あのミュージシャンの音楽は糞の足しにもならない」とかいう類のことを書かないと
いうことである。ま、たまにそれっぽい内容もあるが気に障れば読み飛ばしてほしい。

逆に言えば、ここで取りあげられるミュージシャンやアルバムは、何がしか聴く価値がある
ということなのであるが、人の好みは様々なのでそこは全面的に賛同いただかなくても
結構である。(笑)

10年以上やっていると書いた割には、著名な人を取り上げていないことも多々ある。
例えばエディー・コクランを取り上げるのは今日が初めてである。ロックンロール
生誕60周年ということで、ユニバーサルから2枚のアルバムが廉価で出たので、これは
いい機会ということでの登場である。

そもそもエディー・コクランを知ったのは、ザ・フーが演奏した『SUMMERTIME BLUES』
がコクランのオリジナルである、ということから興味をもったことに端を発する。
覚えやすいメロディーと歌詞の持つ深さ、何よりも格好いい見てくれに興味を持った
ものの、コクランの盤はお手軽なベスト盤は多かったもののオリジナル・アルバムと
いうものになかなか出会えなかった記憶がある。

今思えば、それは当たり前で掲載写真左の57年にリリースされた「SINGIN TO MY
BABY」が生前唯一のオリジナル・アルバムで、60年の自動車事故による事故死の後に
出されたのが掲載写真右の「MEMORIAL ALBUM」であるという、アイティム数の
少なさが、原因だったともいえる。ま、個人的にはチャック・ベリーとバディー・
ホリーに入れ込みすぎたというのもあるにはあるが。(笑)

生前唯一の盤は今聴くと、幾分甘めに感じる。アルバム・タイトル通りの恋人に歌いかける
ようなミディアム・テンポの曲がほとんどで、彼のルックスを重視した女性ファン層を
狙った音だったのかなと思うのだが、これはこれでありだろう。

ロック者が知る有名な曲の数々は58年以降の録音が多い。シングルで出されたこれらの
曲を集めたのが追悼盤の形をとった「MEMORIAL ALBUM」で、そういわれると
ジャケットの意匠もなんとなく重々しく思えるのだが、最初の1枚として手にするなら
断然こちらのアルバムとなる。

『C'MON EVERYBODY』『SOMETHIN' ELSE』の2曲をシド・ヴィシャスとレッド・
ツェッペリンがカバーしたというのは、単なる偶然なのだろうが面白い一致だし、
ロッド・スチュワートが『CUT ACROSS SHORTY』を選んだその選曲の渋さに
唸らされたり。カバーから遡りオリジネイターを聴くという作業を随分と繰り返した
ものだが、改めてエディー・コクランの魅力に触れるいい機会が今である。

ストーンズ者が必ず聴かねばならない『TWENTY FLIGHT ROCK』はこの2枚には
収録されていないので、そこは編集盤で補わねばならないのだが、それくらいは何の
苦労でもない。

さて、夏も終わりの『SUMMERTIME BLUES』。青少年の労働意欲を削ぐほどではないが
なかなかインパクトのある内容である。最後の最後に「助けてあげたいが、あんたはまだ
投票権がないんだろ」と議員に言われる件は強烈である。

選挙権があるなら、次は有効に使わないとなんて思いながら、本日最初のビールに
手が伸びる怠惰な昼下がりであった。

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NO CANDLE PLEASE . . .

2015-09-18 21:59:10 | DAY BY DAY

一度だけ、母親にレコードを買ってきてもらったことがある。
当時、私は高校生だったのだが母親が街中に買い物に行くというので、リリース
されたばかりのローリング・ストーンズの新譜を買ってきてくれるよう頼んだのだ。

その日は日曜日だったので、明日になれば学校帰りに馴染みのレコ屋に立ち寄って
買うこともできたのだが、どうにも聴きたくて我慢ならず、だからといって自ら
出掛けるのも億劫だ。そこで、馴染みのレコ屋がスーパーへ行く道中にあることを
思い出し母親に頼むことにしたのだ。

小遣いから捻り出したレコード代金とスタンプカード(笑)を渡して「店のおばちゃんに
『ローリング・ストーンズの新しいLPをください、タイトルはUNDERCOVERです』
って言うんやで。」と念押し。

「間違ってもコレを買ってくるんじゃないんやで。」と「刺青の男」のジャケットを
見せる。流石に母親も「刺青の男」は息子が飽きずに聴いているものだから、その
ジャケットの絵柄も頭に入っていたようで「それは間違わんわ。」と出掛けていった。

さて。買い物から帰ってきて開口一番こう言われた。
「お母さんは、こんな恥ずかしいものを買わされるとは思わなかった。」

「えっ?」と思いながら手渡されたレコードのジャケットを見ると・・・。
今でこそ発売前のCDのジャケット写真なんかすぐにわかるのだが、あの時は何で
事前に知らなかったのだろう。NOW PRINTINGとでも書かれてあったのかも。(笑)
とにかく手渡されたレコードを見て私は初めてジャケットのデザインを知ることと
なった。

   う~む。ちょっと微妙。(笑)

「レコード屋の人(女主人)と二人でマジマジと見て笑ったわ。息子さんはコレどう
思いますかねって言われたわ。お母さんはもう恥ずかしくて・・・。」

確かに微妙だけど「お母さん、あんたの息子はもっといろいろ知っていますよ」
と言いたいところを堪えて、「これは参ったね。どうもありがとうね。」と
いいつつも「おかん、何恥ずかしがっとんじゃ。」と心の中で呟く私。
私がスコーピオンズのファンでなくて良かったじゃないか。

あれ以来、母親にレコード購入を依頼したことは一度もない。(笑)

「STICKY FINGERS」のジッパーは妹に下げられ、フロント・ジャケの下に
パンツ姿があることを見破られ、母親には「UNDERCOVER」を手渡される。
まったく、ストーンズは兄妹・親子の会話のきっかけを与えてくれる素晴らしい
ツールなのであった。

掲載写真はポール・ケリーが74年にリリースした「HOOKED , HOGTIED &
COLLARED」。鍵をかけられ豚のように縛られ、おまけに首輪までされたぜ、という
見たまんまタイトルである。

このジャケットから一体どんな音を想像しろというのか、と思う方もおられようが
中身は正真正銘のサザン・ソウル。ナッシュビル録音ということと、ポール自身が
SSWのような側面を持つことから、王道でありながら捻りのある実に味わい深い
1枚。

もし高校生の私がこのアルバムを買ってきてくれと頼んだら、ストーンズの時
以上に事態は複雑になったかもしれない。(笑)それならそれで、面白かった
かもしれないけれど。

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HANDSWORTH EXPLOSION

2015-09-15 22:05:20 | REGGAE

英国には名前に「BLACK」が付くレゲエのグループが幾つかある。例えば、
ブラック・ユフルにブラック・ルーツ、ブラック・スレイトにブラック・サバス。
あっ、一番最後のは違うか。(笑)

掲載写真はバーミンガムに拠点を置いたレーベル、ブラック・シンボルから80年代に
リリースされた2枚のコンピレーション盤「HANDSWORTH EXPLOSION VOL.1」と
「同2」を2イン1で再発したCD「THE COMPLETE HANDWORTH EXPLOSION」。
ブラック・シンボルというのはレーベル名であり、またレーベルを運営した中心人物
ファットマンによるグループ名でもある。

そういえば、ブラック・サバスはバーミンガム出身のバンドである。
あっ、やっぱり関係ないか。(笑)

昨年LP盤で再発され、マイナーというには余りに素晴らしくもクセのあるサウンドと
複数バンドが収録されているにも関わらず、どのバンドのクオリティーも高いという
ことで話題になっていたが遂にCD化である。
ダブの効いた直球ド真ん中のレゲエがあればラバーズやディージェイもあり、その
どれもが聴き応えがあるのだから堪らない。

ここに収録された幾つものバンドの中で、同じ再発レーベルであるREGGAE ARCHIVE
RECORDSからブラック・シンボルとセプターが単体で先にCD化されている。

        

セプターの盤は84年の「ESSENCE OF REDEMPTION INA DIF'RENT STYLE」。
男女二人のボーカリストがいる異色の編成であるが、ボーカル・グループでなく
男性がベース、女性がギターを担当するボーカル&インストバンドである。

ブラック・シンボルは当時の12インチや7インチ、先のコンピレーション盤から
16曲を収録した編集盤で、バンド名をそのままCDのタイトルにしてある。
80年代のリアルタイムではアルバムを残していないので、こういった形の編集盤でも
編んでもらえないと素晴らしい仕事の数々になかなか目が届かないので、これは
有り難い盤である。

レーベルとしてのブラック・シンボルの音は、商品レビューではワッキーズと
比べられることが多く、聴いて「なるほど」と思った方もいるはずで私もその一人。
ニューヨークの喧騒の地下で生まれた渇いたワッキーズの音に、英国ならではの
湿り気を加えたと言えば、当たらずとも遠からずであろう。
この独特の音が今更のように世に放たれたのだから、この機会を逃すことはない。

そしてもう一度「THE COMPLETE HANDWORTH EXPLOSION」に立ち返り、
ベンジャミン・ゼファニアが歌う『STOP THE WAR』の歌詞に耳をすます。
上手く聞き取れないが「NO MORE JAPAN」という件は核の使用を危惧している
のだろうか。天災で死ぬのは嫌だが、それが人災だとなおさらである。
身近に苦しんでいる人がいると、着地点が不明瞭な夜もある・・・ということだ。

再び話戻って(笑)ブラック・シンボル。
男のシンボル、女のシンボル。こいつで今宵も世界征服。(笑)
酔いが回って、やっと明瞭な夜になったぜ。(笑)

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FLOWERS AND SUNSET AND RIFLE

2015-09-13 11:36:38 | DAY BY DAY

久しぶりにサントラでも・・・と思い取り出したのが掲載写真の1枚。
70年の映画「LO CHIAMAVANO TRINITA' . . . (風来坊 / 花と夕陽とライフルと)」
のサントラで、フランコ・ミカリッツィの代表作といっていい盤である。

ミカリッツィといえば、以前当ブログでは76年の映画「LAURE (卒業生)」のサントラを
取りあげたが、個人的にはそれと双璧をなす名盤だと思う。

ハリウッド産の西部劇と比べることで軽く扱われることが多々あるマカロニ・ウェスタン
であるが、その中でもコメディー要素の多いこの映画は「映画」としての好き嫌いは
人によってわかれるだろうが、サントラだけ抜き出すと絶品のメロディーのオンパレード。

この手の映画の主題曲は大抵歌入りで、個人的には「歌抜き」のインスト・バージョンの
方が好きになるパターンが多いのだが、これは別。一度耳にすれば忘れられない旋律と
口笛、そして夕陽が沈む砂塵の中から聞こえてくるような歌唱。トゥー・マッチ一歩
手前のギリギリのバランスが心地よいのだ。

サントラに収録される曲はメインテーマのバリエーションがほとんどなのだが、
アルバムのメインテーマから冒頭3曲の流れには惹きこまれる。これを聴いてダメなら
西部劇のサントラというジャンルには縁が無かったと思っていただいて結構。(笑)

高揚と哀愁が交互に心を揺さぶる。

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JUST ONE NIGHT

2015-09-12 11:35:36 | ROCK

          

私にとって実に思い出深いコンサートがブートレグとして登場した。掲載写真左は
88年3月15日大阪城ホールで行われたミック・ジャガーの演奏を収録したブートレグ。
実に聴きやすいオーデイエンス録音で、ファンの熱狂も含めて私にとっては思い出深い
ドキュメンタリーといってもいい。

ミック・ジャガーの公演初日を見ることができる、その中の一人であるという他人に
とってはどうでもいい感慨があったのも事実。当日の席はアリーナではなくスタンドで
しかもステージ右横という余りいい席では無かったが、思ったよりステージはよく
見えたし、何しろ動き回るミック・ジャガーなのでその御尊顔はたっぷり拝めて
大いに満足したものだ。

オープンングに演奏された『HONKY TONK WOMAN』を聴いて「おお、LOVE YOU
LIVE」(笑)と思う間もなくジャンプ・ナンバーがたて続けに演奏され身震いした
ことを思い出した。ドラムスが私の天敵といってもよいサイモン・フィリップスで
ドラム・ソロの長さに辟易したが、この時のギタリストはジョー・サトリアーニと
ジミー・リップ。キース役のジミーが後にトム・ヴァーラインと仕事をした時には
「ああ、やっぱり器用な人なんだな。」と思ったものだ。ジョーは既にソロ・アルバムを
出していて名前は知っていたが、今思えばああいう形で見ることができたのは
貴重だったかなとも思う。

掲載写真右は日本最終公演となった3月28日の同じく大阪城ホール公演。
御存知のとおり、中止になった3月19日公演の振り替え公演である。後輩が19日に
見に行ったのだがミックの風邪により中止になり、「仕方ないががっかりした」と
次の日に電話してきた。行き場の無い苛立ちというものは満足するレベルの代替案が
無いかぎり満たされないものだ。

学生だったヤツには当然のように時間があるだろうから振り替え公演に行ったと思うが
後日その話を聞くことはなかった。88年3月28日、既に私は社会人になるべく
転居し新生活に向けての準備に入っていたのであった。

まさか、この2年後にストーンズが来日するなんて露ほども思うこともなく
慌ただしく時間が過ぎて言った88年3月末であった。あの時に戻りたいとは
思わないが今振り返ると、楽しくもあり苦悩にも満ちた数日だったことがまたもや
思い出されてしまった。(笑)

そういえば、ザ・フーのブートレグ「BOSTON 1976」で、キース・ムーンの
体調不良で2曲演奏して中止になり、約1か月後に振り替え公演が行われた様子を
聴くことができる。レッド・ツェッツペリンにも同じようなブツがあったと思うが
記憶が遠い。(笑)いずれにしろ、楽しみにしていたコンサートが中止になるという
のは当日見に行った人には辛い話である。代替公演の演奏を特に聴きたいと
思ったわけでは無いが、ミックの日本最終公演であることと、中止になった時の
ミックの挨拶が収録されているということで手にした次第である。

そして、次のストーンズのVAULTシリーズは90年の日本公演の映像である。
噂通り2月26日(テレビ放送された日でもある)の映像なら嬉しい。
私が2回しか行けなかったストーンズ初来日公演のうちの1日なのだから。

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TASTE OF HONEY

2015-09-09 22:10:40 | ROCK

               

ロリー・ギャラガー率いるテイストがメジャー・フィールドで活動したのはたった
2年である。その間に2枚のスタジオ盤をリリースし、解散後に更に2枚のライブ盤が
リリースされた。今更のように比較するまでもないが、あのクリームも実働2年半で
バンド解散後に2枚のライブ盤が出た。

テイストの評価が日本で今一つ高評価でないのは、クリームに比べてベーシストと
ドラマーのキャラクターの認知度が低いせいかも、なんて考えたこともあるのだが
このところたて続けにリリースされたテイストの音と映像に接すると、もうそろそろ
テイストもクリームやジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス並みに聴かれても
いいのに、なんて思ってしまうのだ。

掲載写真右は「I'LL REMEMBER」と題された4枚組CD。最初の2枚のCDには
バンド存命時にリリースされたスタジオ・アルバムにそれぞれスタジオ・アウトテイク
を中心にしたボーナス・トラックが収録され、残りの2枚には未発表のライブや
ロンドンに出てくる前の67年のベルファストでのスタジオ・セッションが収録
されている。

初期のセッションやライブのレパートリーに69年のレッド・ツェッペリンの
デビュー盤に収録されたブルーズ・ナンバーが2曲あるのが興味深い。つまり、
67,8年頃にブルーズの影響下にあったバンドやギタリストの好みの反映具合が
透けて見えるようで、面白いのだ。勿論、優劣を決めるのではなくクリームや
ジミ・ヘンドリックスとの好みの違いから、こちらがアレコレ考えるのが面白いと
いうことである。

未発表ライブは音が凄くいいというわけではない。よくブートレグで「音質は
最高のサウンドボード録音。欠損部は当日のオーディエンス録音をうまく繋げて
違和感なく聴き通せます。」なんて宣伝を見かけるが、それに近い場面が幾つか
ある。しかしながらそれがまた古臭い音源を妙に生々しく感じさせて、個人的には
それほど違和感はない。そんなことよりも聴くことができるだけで有り難いはずだ。

全編を通して聴くと幾分地味かなと思う瞬間もあるが、若きロリー・ギャラガーが
真摯に取り組んだブルーズの密度の濃さに倒れそうにもなる。若さゆえに勢いのみで
乗り切らんとするところも今となっては愛おしい。

掲載写真左は70年のワイト島での演奏を収録した「WHAT'S GOING ON :LIVE
AT THE ISLE OF WIGHT」。ブルーレイとCDで構成されるセットを私は手にした。
ワイト島での演奏は71年のLPで6曲が最初に世に出て、次いで97年に「ワイト島
1970~輝かしきロックの残像」として映像がリリースされた際に2曲を見ることが
できた。今回は映像としては5曲追加、音源としては4曲が追加となり満足できる
ボリュームでの登場となった。

とてもこの4か月後に解散するとは思えない息のあった演奏は素晴らしく、アンコールで
演奏された長尺の『CATFISH BLUES』における三者の音の掛け合いせめぎ合いは
ちょっとした感動すら感じる。

映像にはボーナス・トラックとして70年に出演した「BEAT CLUB」での演奏が
収録されているのだが、それがまた素晴らしい。当時の放送で流れなかった『MORNING
SUN』の収録以上に着目すべきなのが、『IT's HAPPEND BEFORE , IT'LL
HAPPEN AGAIN』である。70年2月の本放送では同曲は、2分に満たない尺で
前半のほんの一部の放送(しかも意図的にモノクロ処理)であったが、ここに収録
されたのはフルレングスでしかも全編カラーでの映像である。曲の中盤でギターを
サックスに持ち替えてソロを吹きまくるロリー・ギャラガーというのは極めて珍しい
映像ではないだろうか。

本編のワイト島でのライブの前半にドキュメンタリー部分がついたバージョンで
見ることもできるし、演奏だけを見ることができる(画面サイズが変わるが)のも
便利である。

今後おそらくはまとまった形でテイストの映像が出ることは無いだろうから、今回の
ブルーレイは非常に有り難い。
というわけで、組物のCDと映像がほぼ同時期に出揃ったことを、喜んでいる
豪雨の夜の私である。


 

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I ' VE GOT A FEELING

2015-09-07 19:12:44 | 日本のロック・ポップス

好事家の間で話題になるであろうモニカ・ラッセン&サウンズの「愛撫 WOMAN ! !」が
CD化された。オリジナルは70年7月の発売で中古LPだと6000円弱から8000円
くらいの相場のようだが、オリジナルなど見たこともないので興味本位で今回のCDに
手を出した。

解説によると同年3月に出た「恍惚 / エクスタシー」を録音した川原正美とエキゾティック・
サウンズによる録音と推測されるとある。女性の喘ぎ声が無ければ、アップテンポの曲は
映画の劇伴と言われても通じるような内容でもあり、ムード音楽一辺倒でないところが
当時のジャズ・ミュージシャンの心意気というところか。

このアルバムが面白いのはスウェーデンの女性の性心理学者(モニカ・ラッセン)主導で
男女の性行為の気分を高めるためのBGMとして制作された、と設定されている所である。

子供の頃から、誰が言ったか誰に聞いたかしらないがスウェーデンは性に開放的で所謂
エロ本や映画は全て無修正だ、なんてことを刷り込まれた記憶がある。確認したことが
ない(笑)ので当時の話がどこまで本当なのかわからないが、こういった触れ込みで
レコードが作られたりしたのだから、話はまんざら外れてもいなかったということだろう。

ただ、いい爺になった今聞いても、明らかに外人の喘ぎ声というのはトゥー・マッチと
感じるのも事実。まあ、これが日本人女性の声なら設定そのものが根底から覆るので
それは無理な話なのだが。(笑)

川原氏の回想だと、ドラムスは石川昌で他には水谷公生、樋口雄右らが現場にいたとか。
同時再発された翌71年リリースの「たわむれ」でも水谷公生らしきファズ・ギターを
聞くことができるとあるので、ロック者は堂々と両方とも買う大義があるというものだ。

出会ってXX秒で合体なんて企画物のタイトルを見たことがあるが、やはり愛撫は
大切である、ということをこのレコードは教えてくれる・・・わけはないか。(笑)
愛撫  先・・・である。

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追悼 リコ・ロドリゲス

2015-09-06 00:10:05 | REGGAE

リコ・ロドリゲスが9月4日に死去した。享年80歳。

ドン・ドラモンドと同じく、私にトロンボーンという楽器の面白さを教えてくれた
人である。ロック者にはスペシャルズとの活動が記憶に残っているはずだ。

スペシャルズのPV『MESSAGE TO YOU RUDY』を最初に見たときはテリー・ホールや
ジェリー・ダマーズにしか目がいかなかったが経験値を上げてリコ・ロドリゲスの
姿を見つけて大いに喜んだのがついこの間のことのようだ。

掲載写真は07年に来日しクール・ワイズ・メンをバックに従えて上野水上音楽堂で
行った演奏やインタビューを収録したDVD「RICO RODRIGUEZ MEETS COOL
WISE MEN」。このとき既に73歳。歌唱に多少のヨレはあるが、それはそれで
味わい深いものであるし、なにより強靭なバックの演奏に支えられてトロンボーンを
吹いているというその事実だけで素晴らしいことである。リコの映像を正式にリリース
したのは日本くらいなもので後年の姿とはいえ、それだけリコが日本のファンに愛された
ということなのだろう。

このDVDでのインタビューで「私はスカタライズのメンバーではなかった。」と
本人の口から語られたのを見たときに「あっ、そうなんだ。」と驚いた記憶までが
今更のように蘇ってきた。

R.I.P. RICO .

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ゲームは終わり

2015-09-05 08:54:19 | 日本のロック・ポップス

実のところ、五つの赤い風船を熱心に聴いてきたわけではない。なんとなく何枚かの
アルバムが手元にあるが、早川義夫目当てでライブ盤を買ったとか藤原秀子のソロ・
アルバムが良かったとか本流とは外れたような記憶が先に出てくるのだから始末が
悪い。

それでも、ビブラフォンやチェレスタにマリンバといった楽器を使う曲の浮遊感は
他のバンドでは聴くことができない独特な雰囲気があるし、ハーモニカのフューチャーの
仕方が素敵は曲があったりで嫌いではないはずなのだが、単にタイミングが合わなかった
だけなのかもしれない。それが何故なのか深く考える時間がないので、これからも
折につけぼんやりと聴いていくのだろう。

掲載写真は五つの赤い風船の「ゲームは終わり 解散記念実況盤完全版」と題された
6枚組CD。72年に行われた2回のコンサートを収録した3枚組LPがオリジナルで
あるが、今回はその3枚に未発表だった72年8月31日に行われた日比谷野音での
解散コンサートの未発表音源を贅沢にも3枚のCDに収録して計6枚組でのリリース。

豪華ゲストが登場した解散コンサートであるが、この未発表部分に興味が湧くのは
当然のことで、遠藤賢司やかまやつひろし、加藤和彦のライブが私の目当てなのは
言うまでもない。風船の持ち歌と山本リンダの曲を軽く歌いとばし、『歓喜の歌』と
『カレーライス』を歌うのだが時間が短いのが惜しい。

加藤和彦が一人で演奏し歌う『ゼニフェッショナル・ブルース』を聴くことが
できて、これはなんだか得した気分。かまやつは6曲の収録だが、ファーラウトを
バック・バンドに据えての3曲は今回の蔵出し音源の中で個人的に最大の目玉である。
解散コンサー全体の流れの中では「浮く」かのような荒々しいロック・アレンジは
痛快でここで演奏される『のんびりいくさ』の格好良さは特筆すべき項目。

6枚目のディスクに五つの赤い風船の本当に最後の演奏が収録されているのだが、
淡々と進行するのが彼ららしいといえばらしいのだろう。ライブ盤としての出来は
オリジナルでリリースされたライブ盤での演奏(72年7月30日東京文京公会堂)
のほうが優れているのだが、当時の最後の演奏が世に出たことを喜ぶ人は多いだろう。

CDの最後に収録された曲は『めめずはん』なのだが、この曲で本当に終わったのか、
それでよかったのか、というモヤモヤとした感じが風船ゆえなのだとしたら、やはり
最後まで一筋縄でいかなかったのだなぁということを思い知る他ない。

オリジナルの風船はここで終わりだが、こうして記録が世に出て聞き継がれると
いうことは重要なことである。

遊びの時間は終わらないのだ。

コメント (2)
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