HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

COME ALL YE

2017-09-24 20:38:31 | ROCK

 

掲載写真左はフェアポート・コンベンションの7枚組ボックス「COME ALL YE : FIRST TEN
YEARS」。今年で結成50周年となるフェアポートの最初の10年に焦点をあてた組物で
未発表テイクやライブが55曲もあるというので、購入した。

フェアポートは79年に解散するが、年に数度フェス限定で集まっているうちに85年に新作を
発表し、それから現在に至るまで継続的ににライブ盤やスタジオ盤を出し続けている。
私はそれほど熱心な聴き手ではないが70年代の盤の中には大好きな盤もあり、その時代の
組物なら聴いてみたいと思ったのだ。

しかしながら、この組物に添付されたブックレットに記載された各曲のクレジットは
それほど親切なものではなく、メンバー交代の多かったバンドなので「あれ、この
ライブの時の面子はどんなだったっけ?」と思っても即座にはわからない。まあ、そんなものは
他の盤のライナーなり本を見ればわかるし、尤も「それくらい把握しているのが当たり前」と
言われれば返す言葉も無い。

そんな中(笑)シンコーがフェアポートのムック本(掲載写真右)を出した。フェアポートと
そのメンバー関連だけで一冊の本が出るなんて快挙だと思ったのと、先の箱物を聴いて
時代考証に難儀したのでこちらも購入。いや、これは買って良かった本でした。
「COME ALL YE」のディスク7にあたる74年のライブ盤は、「RISING FOR THE
MOON」のDX盤のディスク2と丸まる同じだなんて、気が付きもしなかったし。
(「RISING FOR ・・・」のDX盤の存在すら知らなかった。)

メンバーのインタビュー(最近の物もあれば、初来日時のものもある)は、面白いし、
ディスコグラフィーが役に立つ。特に85年以降の数多ある盤を系統立てて知ることが
できたのは嬉しいし、後半のリチャード・トンプスンの特集がまた、嬉しい。
今まで意識して数えたことなんてなかったのだが、結果としてリチャードの盤を30枚以上
所持していることがわかった。因みにフェアポートは15枚しかありませんでした。(笑)

さすがに、ここに掲載されている盤を全部手中に収める度量はないが、資料としての価値は
大きいので、機会ある度に取り出して読むことになるだろう。

 これも買ったのですが、こちらはまだ開いても
いません。秋の夜長のお供にしたいと思っています。

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THE MIGHTY SLUG

2017-09-23 18:11:52 | ROCK

07年のブログで、T.レックスの「ZINC ALLOY AND THE HIDDEN RIDERS OF TOMORROW
OR A CREAMED CAGE IN AUGUST」について少し触れた。掲載写真右側の英国初回限定盤仕様の
紙ジャケがリリースされたのは嬉しかったのだが、その時の帯は同時にリリースされた他の紙ジャケと同一のものであった。
そのため、もしメーカーが日本盤の帯を再現してCDを再発したら、それを必ず買うだろうと。

で、10年越しで夢(笑)が叶った。今回の一連の紙ジャケCDの再発コンセプトは、できるだけ
オリジナル・リリース時の装丁を再現するということなので、ライナーやブックレットも当時の
まま。ポスターが封入されていた盤はそれも再現されている。

「TANX & ZINC ALLOY DX EDITION」に添付された豪華本の中で、日本盤帯付きLPの
ジャケットや日本盤LPに入っていた「T . レックス大百科」の一部が掲載されていて、喜んだ
ものだが、今回は帯も嬉しいが「大百科」が再現されているのも嬉しい。それに、このアルバム
収録曲の訳は今年亡くなった宮原安春が担当しており、その独特の世界に改めて触れられるのも嬉しい。

盤を包むヴィニールの後ろに貼られたステッカーに「本製品には現代では不適切とされる表現が
含まれている場合がございますが、70年代の初版アートワーク再現という企画の性質上・・・・」
という断りが書かれている。何ともせせこましい世の中である。不適切で在ろうと、今でも
普通に使われている言葉ばかりで、それに代わる都合のいい表現なんて見つからないのに。

狂っているのは君の方。(笑)

さて。今回出たT. レックスの紙ジャケはベスト盤を除き全て購入した。帯がカラフルなのが
楽しいのは勿論だがつけられたキャッチ・コピーの意味不明な難解さが笑いを誘い実に良いのだ。
ロックの幻想や非日常性の演出はミュージシャンだけでなく、それを支えるスタッフや売る側の
努力も相当なものがあったことが伺える。

「強烈にバップするロック・ブギーと不条理をきわめるその詩歌。何人の理解をもよせつけぬ
マーク・ボランのナルシスの世界!!」(ズィンク・アロイと朝焼けの仮面ライダー)
「若者にロックの共同体験を誘発するボラン・ブギー」(タンクス)

この2枚はくり抜きジャケットを見事に再現している。80年代初めにSMSレコードから
出たLPを手始めに買い集めだしてから、ティラノザウルス時代を含めてオリジナル・アルバムは
全て3回以上買ったことになってしまったが、できれば爺の棚に収まるだけでなく、若い人にも
多く聴いて欲しいと思いながら、今宵は「地下世界のダンディー」を聴くことにする。

DX盤シリーズ?も残すは「地下世界のダンディー」のみ。来年あたり出ることを期待しつつ・・・。

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DON'T PEEL SLOWLY , BUT CUT AND KEEP IT

2017-09-19 20:37:46 | ROCK



毎週通販で何がしかの買い物をして、毎週何かが届くような生活である。米が届く日が
あれば、酒が届く日もあるが、大半はCDである。(笑)余程の事が無い限り、大型の
ボックスにしろ何にしろ国内盤ではなく、輸入盤を買う。理由は明白で輸入盤の方が
国内盤より安いからである。

で、届いた輸入盤を聴くためにシュリンクをピリピリと破るのだが、大抵はシュリンクに
ステッカーが貼ってある。盤の内容を端的に紹介していたり、大袈裟に「未発表」とか
「初登場」とか「デラックス」とか書いていたりするのだが、そんなステッカーも
破かれたシュリンクと共にゴミ箱行きである。気が向いた時や綺麗に剥がれるときは
ステッカーを剥がしてゴミ箱に張り付けて遊ぶこともある。日本盤のLPを買った時に
付いていた帯を破って捨てていたことに比べれば、ステッカーなんて・・・。

ところが、08年に出たローリング・ストーンズの17枚組ボックス「THE GREATEST
ALBUMS IN THE SIXTIES」には驚かされたものだ。当時の米盤ジャケットを再現した
際に、シュリンクに貼られていたステッカーまで再現していたからだ。

普通に四角形のジャケットならまだしも、八角形の「THROUGH THE PAST , DARKLY」
をシュリンク付きで残している人はそうはいまい。ステッカーの再現は丹念なリサーチの
賜物であるが、それを思えば帯を破り捨てていたことを後で後悔したことを踏まえて、
輸入盤のステッカーも残しておくべきなのか、なんて考えたこともあったが、やっぱり
それは阿呆らしい(笑)ので、今に至るまでステッカーを残すなんてことはしていない。

ただ、このストーンズの箱に収納された紙ジャケのステッカーやシュリンクは残して
ある。出来のいい仕事を目の当たりにすると、いつもと違う行動をしてしまうものだ。(笑)
このボックスの凄い処は、当時出た日本盤仕様での紙ジャケと帯を再現し(流石に盤は
無い)おまけのように添付したことである。昔から紙ジャケ商法には厳しかった私(笑)
であるが、メーカーが帯まで再現してくれたら文句は無い。どこぞのチェーン店の
特典帯商法が嫌いだっただけなのかも。特典再現ステッカー商法だとインパクトはないか。

ま、本当はあるがままに全てを残しておくのがいいのだろうけど。
え、帯やステッカーにこだわるなんて、ロックじゃないって?。
それもまた正しいのかもしれません。

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I GOTTA MOVE

2017-09-17 05:34:23 | ROCK

いやいや、そのタイトルだとキンクスでしょ。(笑)

掲載写真はローリング・ストーンズが15年に行ったZIP CODE TOURの初日である
フォンダ・シアター公演を収録した映像「STICKY FINGERS LIVE AT THE FONDA
THEATRE 2015」。71年にリリースされたアルバム「スティッキー・フィンガーズ」に
収録された曲を全曲演奏したことで知られる公演である。

「スティッキー・フィンガーズ」収録曲の演奏のみは配信でリリースされていたが、
私はそれを購入しなかった。「どうせ、すぐCDになるんだろ。」なんて思っていたから
なのだが、あれから2年経ってのリリース。その間に新譜を含むあまりに多くのストーンズの
商品がリリースされたので全く飢餓感を抱くことも無く、今回の件も忘れていた(笑)
のだが、完全版のCDと映像がリリースされたのは嬉しい限り。

昔は買うレコードの枚数も知れていたので1枚を聴きこんだものだが、そのおかげか
「スティッキー・フィンガーズ」の曲の配置は全てソラで言える。いや、どれだけ手元に
ある盤が少ない時期だったとしても、駄盤なら何度も聴かないわけで「スティッキー・
フィンガーズ」は何度もの再生に耐えうる素晴らしいレコードだったということなのだろう。

映像内のインタビューでメンバーも語っているが、言われてみれば確かに暗い雰囲気の
曲が多い。流石に『SISTER MORPHINE』はすぐに思い浮かんだが、今までそんな
想いで盤を聴いたことは一度もなかった。件の曲は嫌い(笑)であるが、それでも
アルバムを聴くときに「飛ばす」なんて野暮なことはしない。ストーンズ者にあるまじき
発言であろうが、『WILD HORSES』も好きではない。(笑)大上段に構えたかの
ような『I GOT THE BLUES』も苦手(笑)である。

更に言えばライブで演奏する『BITCH』はメインのリフはともかくキースさんが弾く
フレーズやソロは適当な感じで大して感心しない。アルバム・ラストを飾る名曲『MOONLIGHT MILE』の
レコーディングにはキースさんは参加していないことを10代の頃は不思議に思い、
50代になった今でも何となく残念に思っている。
あれ、何だか悪口みたいなものしか出てこないぞ。(笑)

それなのに、1枚のアルバムとして聴くと何回でも通して聴いてしまうのだから、
これこそ魔法というヤツなのだろう。今回の映像やCDについてとやかく言うことは
何もなく、特別な一日の演奏を楽しむことに終始できた。実に健康的な音楽体験である。

アルバム・ジャケットのモデル(フロント・ジャケとブリーフ姿の写真)が今になっても
正確に判明しないというのも、「スティッキー・フィンガーズ」にかけられた魔法の
ようで、それはそれでいいのだろう。

ミックは「次はサタニック・マジェスティーズの全曲演奏を」みたいなことを冗談めかして
喋るのだが、それならアルバム「IT'S ONLY ROCK N ROLL」全曲演奏をお願いしたい、
なんて戯言を書いて本稿を終わりにしましょう。あ、現在進行中のツアーの映像も
早目にリリースしてください。(笑)

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ファイティングマン

2017-09-14 20:56:03 | 日本のロック・ポップス

まさか、今になってフル・ステージの映像を見ることができるとは。

掲載写真はエレファントカシマシの映像作品「LIVE FILM エレファントカシマシ  1988.
09.10 渋谷公会堂」。ここでの映像の断片は当時のテレビやエピック時代の映像を
集めたDVDで見ることができたし、音だけだと13年に出たファースト・アルバムの
デラックス・エディションのディスク2で聴くことができた。しかし、今回はフル・ステージを
捉えた映像である。単純に嬉しい。(笑)

メンバーの髪型や服装が時代を感じさせるが、それよりも何よりもメジャー・デビューから
半年後の大きなステージで、自分たちが置かれた状態と取り巻く環境への戸惑いや憤りを
時に直線的に時に自虐的にぶち撒ける不遜な感じがおそろしく格好いい。しかし、単に怒りを
持っているだけではなく、世の中の歯車の一部であることのやりきれなさと、そこに
気付いてしまっていることへの嘆きと優しさがあるからこそ、彼らは今も支持されているのでは
なんてことを思わせるに十分な映像だと思う。

客電つけっぱなし、舞台は何の演出も無くおまけに設営用の大道具が剥き出しで置かれたまま
という異様な演出は、これを撮影した大人達の思惑が働いているのだが、この異様さも
バンド・ブームの中にあって異質だった彼らを他のバンド群と明確に差別化するための
演出だったのだろうか、と今になって考える。それにしても、荒々しく素敵な演奏である。

 新曲『風と共に』は穏やかで、
これもエレファントカシマシの持つ良い側面の一つが突出した形で、結実したものだ。
添付された今年の武道館公演での演奏を12曲収録したライブ盤を聴いて、新旧の曲の
出来に、いい意味で大きな差が無いことに気付けば、彼らと同時進行で歳をとるのも
悪くないなと思える今宵である。私もちょっとは成長しないといけないのだけど。(笑)

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早朝にしか聴けない音楽

2017-09-11 04:38:05 | 日本のロック・ポップス

今更のようにスカパーで昔のセリエAの試合を見ている。ここ数日で見たのが99/00
シーズンの試合で、懐かしい名選手のプレーを見るのは楽しいものだ。インテルVSパルマを
見て「ああ、この頃はブッフォンはパルマだったなぁ。この後ユーベに行ってファン・デル・
サールがマンUへ行くんだなあ。」なんてことを思いつつ。

で、00/01シーズンのラツィオVSユベントスを見て「あ、クレスポがいる。そうか、
パルマから移ってきたんだっけ。」と記憶がすっかり失われている(笑)自分を嗤う。

最近は精神的にも肉体的にも体調が今ひとつなので、夜は寝るのが早い。その代り、朝は
早い。出勤の日であろうが休みであろうが4時には起きてテレビを見たりCDを聴いたり
している。特に朝しか聴けないCDの消化には余念が無い。(笑)何故、朝しか聴けないかと
いうと、相方がその時間はまだ寝ているからであり、該当CDを聴いていると著しく不機嫌に
なるからである。

掲載写真のカサノヴァ7の「コロムビアコンプリート+」もそんな1枚。イタリア人男性5人と
日本人女性2人からなるムード歌謡のグループで、グループ名の「7」はイタリア語読みで
「セッテ」と読む。これで、冒頭のセリエAの前振りと繋がりましたね。(笑)

5枚のシングルの両面と、唯一のアルバム「マカロニ演歌を歌う」のB面全曲(A面はシングル
曲を収録)に未発表曲2曲。それにメンバーの一人が歌ったテレビ・ドラマの曲が2曲で、
コンプリート。歌謡曲とも演歌とも違う独特の世界が面白いのだが、相方はこういうのを
極度に嫌うので。(笑)「もっと聴きこまなあかんブルーズやレゲエがあるやろ。」って。
ご尤も。

面白いのはデビュー曲『夜の柳ケ瀬』のジャケットにはキャシー中島が写っているのに
実際はレコーディングに参加していないとか、最後のシングルではメンバーが8人になって
いて最早「セッテ」ではなく「オット」になっているとか、当時の芸能界の何やかんやが
垣間見えるところか。

 勿論、同時に発売されたコレも
早朝一人の時間帯にしか聴くことができない。これはコロムビア、キング、ポニー・キャニオン、ミノルフォンから
出たシングルをレコード会社の枠を超えて集めた編集盤。
私の目当てがピンク・フロイドもとい、ピンク・レディーの『UFO』の元歌といってもいい
都倉俊一作曲の『白い羽の勇士』であるのは言わずもがな。

イタリアのロックといえば、プログレのバンドをほんの少ししか聴いたことがないのだが
今はそっちに針が振れていない。ま、いいか。(笑)

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リアル木ジャケ

2017-09-10 06:15:50 | BRASIL

レコードやCDを収集(という言い方はあまり好きではないが)している方々において
変形ジャケットや特殊ジャケットが好きな人の数は少なくないと思う。私もそのうちの
一人であり、特にCDの時代になってからは、味気の無いプラケースなのでその想いは
尚更強くなった。

以前から「木ジャケ」が好きであることは何度も書いてきたが、言うまでもなくそれは
ジャケット写真の話。ところが、掲載写真のCDはアルバム・ジャケットが木で作られた
「リアル・木ジャケ」である。(笑)複数枚のCDや諸々の添付物を収納したボックス・
セットだと、デヴィッド・ピールやウイングレス・エンジェルスの物を所持しているが、
1枚物の単体CDでの木製ジャケットというのは珍しいのではないだろうか。

レアンドロ・セザールの「MARIMBAIA」と題されたそれは、2枚の木を本のように
貼り合わせた手製ジャケットで、ジャケットを開くと、昔の「とび出す絵本」のような
装丁になっていて、その部分にCDが収納されている。

ジャケットだけが凝っていて中身がつまらないというのは論外なのだが、出てくる音も
私好み。様々な素材でできたマリンバや打楽器にチェロが絡むのだが、この打楽器類も
手製。ミニマル・ミュージックの趣もあり、カフェやどこかの待合室で流れていても
不思議ではない自然な音楽なので聴き流されても何のことはないが、集中して聴けば
気持ちよさが増幅するのは間違いない。ガムランの気持ちよさを理解する人にはすんなり
馴染む音かもしれない。

さて。1枚の厚手の板の中身をくりぬいてゲイトフォールド仕様でないリアル木ジャケが
出来る日はくるだろうか。ま、そんなコストばかりかかって、しかもいつ割れるかも
わからない物を作る人はいないだろうけど。(笑)

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追悼 ホルガー・シューカイ

2017-09-06 21:33:17 | ROCK

カンのオリジナル・メンバーでベーシストのホルガー・シューカイが亡くなった。
死因は明らかにされていない。享年79歳。

ホルガーの名前を知ったのは81年のアルバム「ON THE WAY TO THE PEAK OF
NORMAL」のジャケットを雑誌で見たことによる。カンなんてまだ聴いたことすら
なかったのだが、アルバム・ジャケットの可愛らしさと名前の音の不思議な響きが
印象に残ったのであった。

カンの諸作やソロは勿論、日本人を含む様々なミュージシャンの活動も記憶に
深く刻まれているのだが、個人的にはあの風貌も好きであった。

カン結成前にインナー・スペースという名前のグループでレコードを出し、結果として
最後となったソロ・アルバムのタイトルにもインナースペースという言葉が使われて
いることに妙な因果を感じる。カンがレコーディングをしたスタジオの名前でもあるので
ホルガーにとっては特別な意味のある言葉なのだろう。

今年は1月にヤキ・リーベツァイトの訃報に触れたばかりだというのに。
今宵は今年出たカンのベスト盤「THE SINGLES」を聴くことにしよう。

R.I.P.

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FOLK'N'SOUL REGGAE

2017-09-03 21:45:08 | ROCK

掲載写真はG.T. ムーア&ザ・レゲエ・ギターズの2枚組CD「CRAZY GUITAR」。
ムーア&レゲエ・ギターズは70年代に2枚のオリジナル・アルバムを残しているが
本作は1枚のCDに幻のサード・アルバムを、もう1枚に70年代に残したライブを収録
している。

幻の3枚目の登場、というのが最大の売り文句であるが実質は3枚目用に録音されたのは
5曲で、他には73年や74年の録音が含まれている。何れも初登場音源で、これらの曲が
陽の目を見たのは実に喜ばしい。英国フォークのレコードを聴く上で、ある種の高みの
一つであったヘロンに在籍していただけあって、ムーア達の演奏から感じ取れるレゲエの
リズムに紛れ込んだ暖かみのあるフォークやソウル・ミュージックの要素が、紛れもなく
彼らのオリジナリティとなっているのが素敵だ。

収録曲の並びは録音順ではないので、前後の曲の質感の違いが気になる瞬間もあるが
1枚の盤として提出した際のまとまりや聴き応えという側面を優先したということだろう。
また、ライブ盤の方もメンバー違いによる75年の2回の演奏と、大所帯の77年の
演奏とそれぞれ違った趣を楽しめるのが嬉しい。

タチの悪いことに(笑)私は本作をオリジナルの2枚より気に入ってしまった。

 ジェラルド・トーマス・ムーアと
言えば、現在も復活したヘロンでしっかりと活動していて、昨年の京都公演が2枚組CD
「LIVE IN KYOTO」として登場した。磔磔でのライブ盤であるのが、何となく嬉しい。

最新スタジオ盤であるボブ・ディランのカバー・アルバムを含む彼らのキャリアを、ほぼ
万遍なく網羅したセット・リストに不満のあろうはずもなく、年輪を重ねた渋い演奏を
聴くことができる。数多ある「LIVE IN JAPAN」の中でも日本が世界に誇る日本主導の
名ライブ盤をまた1枚手に出来たことになる。

ジャケット右上の「ヘロン実況録音 於:京都」という印を模したデザインが、西部講堂
公演時のフランク・ザッパに送られた「雑葉」印を想起させるのも、またいいのである。

両方の盤を末永く聴いていきたいと思う。

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