HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

YOU CAN DO A LOT WITH MORE 100 WOMEN - 69

2016-06-28 18:03:09 | ROCK

雨降りである。豪雨は勘弁だがそれなりの雨が降らないと水不足になったり、
農作物の成長に影響が出たりするので、寛容に捉えなければならないこともある。

というわけで(でもないか)傘を持った女性のジャケット写真が頭に浮かんだので
今日はコレを・・・。掲載写真はミンディ・グレッドヒルが12年にリリースした
3枚目のアルバム「ANCHOR」。声量で勝負するタイプではなく、時に可愛らしく
時にかすれて大人っぽく、かつ耳障りなキンキン声でもなく聴いていて実に
心地よい声が素敵だ。

自身で曲をつくる所謂SSWの括りで捉えられるのであろうが、そのポップな曲の
魅力を更に惹きたてる程よく抑制の効いたアレンジも良い。普段はエレキ・ギターが
鳴るロックを好む私もここで聞けるアレンジを理解できないほど狭量ではない。(笑)

コーラスもすべて彼女の声の多重録音で、それが浮遊感を漂わせる大きな要素となり
バンジョーやウクレレといった楽器の使い方も素敵だ。

実は、ここに掲載したジャケット写真よりも素敵なのが封入された歌詞やクレジットが
記載されたブックレットに使われた写真である。傘の代わりに大きな赤い風船を
持って微笑む彼女の表情が素敵である。この写真をフロントにしてもよかったかも。

いやいや。
MINDY JUMPS AGAIN.

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BORN TO RUN

2016-06-27 00:41:15 | ROCK

ブルース・スプリングスティーンのTHE RIVER 北米ツアーのセカンド・レグの
13公演分のCDRが届いた。え~、5月に当ブログに記録した12公演は
まだ半分しか聴き終えていません。(笑)

    
    
    
    
     
    
    これでは宿題が終わらない子供と同じである。

いやいや、今でも何がしかのノルマに追われるので仕事も同じか。

到着後、すぐに4月23日と25日の公演を聴いた。ツアーの日付順に聴いていくのが
筋だろうが、この二日はプリンス追悼で『PURPLE RAIN』を演奏した日でもあるので
早くコンサートの流れの中でそれを聴いてみたかったのだ。

23日はコンサートのオープニングで、25日はコンサート終盤に『THUNDER ROSD』と
『BORN TO RUN』に挟まれる重要な位置で演奏。どちらも素晴らしい
演奏であった。その前の公演は20日のボルティモアで行われたのだが、もし
プリンスが逝去したのが4月21日より前なら、20日のボルティモア公演は
どんなものになったであろうか意味の無い想像をしてみる。もしそこでプリンスの
追悼曲でも演奏しようものなら、観客の悲しみとボスへの感謝の心はさぞ強いものに
なったのでは・・・なんてことを考えたりもしたが、どっちにしろ下らない夢想で
あるのには違いない。実にくだらない。

さて、これから少しずつ遡って聴いていくとしますか。
でないと、次は欧州公演28回分が待っているのだから。(笑)


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追悼 バーニー・ウォーレル

2016-06-26 07:07:02 | SOUL

ファンカデリック / パーラメントでの所謂Pファンクのメンバーとしての活動が
よく知られるバーニー・ウォーレルが肺がんのため亡くなった。享年73歳。

バーニーの名前を意識したのはトーキング・ヘッズの映画「STOP MAKING SCENCE」
を見たことに端を発する。そこからさかのぼってトーキング・ヘッズの過去盤や
Pファンクの一連の盤を揃えていったのが何だか懐かしく思い出される。

掲載写真は90年にリリースされたソロ・アルバム「FUNK OF AGES」。ソウルや
ロックの大物が大挙参加してバーニーの久々のソロ・アルバムに彩を添えたことで
多くの人に聴かれた盤である。今思えばフィービ・スノウやジミー・リップなんて
ところまで掌握していたのだから、バーニーの顔の広さと支持のされ方が伺える。

R. I. P.

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彼はサイエンティスト

2016-06-25 07:11:24 | REGGAE

ついこの間といってもよい2年前にサイエンティストの所謂漫画ジャケシリーズの
盤が6枚再発されて喜んでいたのだが、何と今年になってその6枚が2枚組仕様で
登場した。ダブの元になったオリジナルのボーカル曲をまとめたCDが添付されての
2枚組というわけで、「最初から2枚組で出してくれれば良かったのに。」という
恨み事が口を突きながらも、購入。(笑)

ダブの元ネタをまとめてくれるのは実に有り難いし、元ネタまで辿り着くのは
正味な話なかなか難儀なので、ここは素直に喜ぶべきなのだろう。今回、面白いのは
ジャケットが微妙に変わっていることだ。

オリジナル、というのも変だがサイエンティスト名義でダブ盤が登場した時の
主役は当たり前だがサイエンティストであるが、今回は元ネタ曲をプロデュースした
人がメインになっている。

それ故に元々のジャケットに描かれていたサイエンティストの姿が意図的に隠されたり
リンバル・トンプスンやヘンリー・ジュンジョ・ロウズに変わっている。
比べてみると・・・。
   
   

パックマンに襲われるサイエンティストがリンバルに・・・。

   

シュートを打つサイエンティストがジュンジョに・・・。しかも今回はレフェリーが
シュートをキメている。(笑)

    

ラウンドガールによってサイエンティストの顔が隠されている・・・。

    

銃を乱射する人がサイエンティストからリンバルに・・・。

   

今夜のチャンピオンはサイエンティストではない・・・。

    

サイエンティストの姿がサーチライトで消されている・・・。

という感じでフロント・ジャケだけでも面白いのだが、中ジャケやリア・ジャケが
面白いのもある。というわけで2年前に買ったCDも手放すわけにはいかないのだが
仕方あるまい。

ところで、「LINVAL PRESENTS:ENCOUNTERS PACMAN AT CHANNEL ONE」の
元曲の12曲目と13曲目はアレでいいのか?(笑)プレイヤーが壊れたとしか
思えなかった。(笑)

そういえば、先日のユーロ2016のフランスとスイスの試合でスイス代表の
ユニホームが計7着も破れてしまった。フランスの選手に引っ張られたから破れた
のであるが、相方が「フランスは汚いチームなのか」と問うてきたのですぐさま
「WIN THE WORLD CUP」のジャケットを見せて、「引っ張ったり肘を使うのは
昔から当たり前」と答えてやった。(笑)

おっと、話が逸れた。ジャケットの絵柄が変わってもサイエンティストが偉大なのは
変わらないのだ。
  

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IT'S TOO LATE TO STOP NOW

2016-06-23 19:59:49 | ROCK

ヴァン・モリスンはいつだって凄いのだけど、73年のヴァンが如何に素晴らしかった
かを如実に伝える組物が登場した。3枚のCDと1枚のDVDで構成されるそれは
「IT'S TOO LATE TO STOP NOW VOL. Ⅱ. Ⅲ. Ⅳ . & DVD」と題されているのだが
VOL.Ⅰに該当するのは74年にリリースされた2枚組LPで、今回の4枚組とは別に
再発された。

それにしても、この組物のタイトルは今ひとつだ。これだと「VOL . Ⅰ」と改めて
但し書きが加えられたCDを手に入れないと収まりが悪いように思えて・・・。
でも、この2枚組を敢えて組み込まなかったことで組物が6枚組でなく4枚組となり
幾らかでも値段を下げた状態で購入できるので、「よし」としなければならないのかも。

3枚のCDに収められたライブ盤は、驚くことに同じツアー中であるにも関わらず
セット・リストがおそろしく違う。今のように曲目はおろか曲順までほとんど同じに
進行するツアーとは大違いで、ヴァンとバンドの充実具合を推し量る意味合いに
おいても単純に聴き手として楽しむとしても、文句なく楽しめるようになっている。

思えば68年の「ASTRAL WEEKS」からこの時期までほとんど駄作を出していないと
言ってもいいヴァン・モリスンである。73年の「HARD NOSE THE HIGHWAY」を
弱いとする向きもあろうが、あくまで極めて高レベルの話であり、他者と比べれば
十分に凄い盤を連発してきたのだから、ここで一つの区切り或いは成果を形にしようと
してライブ盤を出したのであろうことは想像に難しくない。そんな時期の演奏を
今になって楽しめるのだから、長生きはしなければならない。(笑)

DVDは73年7月のレインボー・シアターでの演奏を収録している。昔から
ブートレグで見ることができたが、ようやくのオフィシャル登場である。ただし、
画質は今の目で見ればドンピカという程ではない。解像度の低さというか、
ちょっとした処の画質の粗が目立つ瞬間があるが、酷い画質のブートレグを見てきた
ことを考えれば上出来である。

このところ、毎日3時半頃に起きて(笑)1枚ずつ聴いているのだが密度が濃すぎて
朝の5時にはヘトヘトになっている。(笑)そして、聴き逃した音を探すために
また聴くのである。止めるには遅すぎるのだ。

以前も書いたが、そろそろヴァンの盤(洒落か?)をコンプリートで揃えたいのだが
道は険しい。徐々に揃っていくであろうからそれは自然な流れに任せるとして、
暫くはこの3枚のライブ盤に浸っていたい、そんな気分である。

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SLIPSTREAMS

2016-06-20 08:33:33 | ROCK

マイティ・ベイビーがバンド存命中に残したオリジナル・アルバムは2枚だが、
時折思い出したかのようにライブ盤やリハーサル音源が発掘される。それだけ、
根強い人気があるということなのだろうが、掲載写真の「SLIPSTREAMS」も
そんな1枚。

71年リリースのアルバム「JUG OF LOVE」は、ファーストとは趣が異なり
グレイトフル・デッド辺りの影響下にある音で私好みなのだが、そんな時期の
リハーサル音源である。それほど音質はいいとは言えないのだが、とりあえず
骨格あたりが出来上がった曲の肉付けをしていく上でのジャム・セッションという
感じで聴き進めていくうちにリハーサルの現場に立ち会っているような気分になる。

「JUG OF LOVE」は71年10月の発売で、ここに収録されたリハーサルは7月の
録音とのこと。まだ歌詞がなくインストではあるが、このとりとめのないような
演奏が英国ロックの傑作盤まで昇華するかと思えば、実に愛おしい音源である。

「JUG OF LOVE」収録曲中心のセッションであるが、フライング・ブリトーズの
曲も演奏するところが何とも嬉しい。万人にお勧めできる盤ではないが好き者諸兄の
棚に収まって何の不満も不足もない1枚となるだろう。

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THE OTHER SIDE OF THE RIVER

2016-06-19 11:33:03 | ROCK

テリー・リードが73年にリリースしたアルバム「RIVER」を初めて聴いたのは
99年に日本盤で世界初CD化された時であった。ツェッペリンとパープルの両方の
バンドのボーカルを断った男と言うエピソードは知っていたが、実の処その逸話は
私の興味を惹くところではなく、LPでよく見かけた69年の自身の名前を冠した盤さえ
聴いていなかった。ところが「世界初CD化」というお題目と当時の「名盤探検隊」が
選んだ盤というのには惹かれた。そんなわけで「RIVER」を手に取り、今に至るまで
愛聴盤となった。

そんなアルバム録音時の未発表テイクや未発表曲を収録した盤が出るというのだから、
これを逃す手は無い。掲載写真は「THE OTHER SIDE OF THE RIVER」と題された
11曲収録のCD。アルバム・タイトル曲にはウイリー・ボボが参加していたが、今回の
アウトテイク中、長尺のジャムである『COUNTRY BRAZILLIAN FUNK』では
ジルベルト・ジルがパーカションで参加しているし、『AVENUE』ではアイケッツの
コーラスを聴くことができる。

アメリカ南部への憧憬というのは簡単であるが、そこにブラジル音楽やジャズの要素を
さりげなく塗すというのは、センスの良さがあればこそ。勿論、テリーのボーカルは
ブルーズやフォークの良い処のフィーリングを感じさせる最良もものだ。

アルバム「RIVER」のリア・ジャケを今回はフロントに持ってきただけのジャケットの
清々しさが、この盤の魅力を如実に表している。ブラック・クロウズのファンも是非、
この機会に聴いていただきたい逸品。

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YOU CAN DO A LOT WITH MORE 100 WOMEN - 68

2016-06-14 19:58:39 | 日本のロック・ポップス

今回のクールのドラマも次々と最終話を迎えつつある。今回はいつも以上に単純に
私が好きな女優が出演しているという、ただそれだけの理由で見続けたドラマがほとんどで
あった。しかし、個人的に滅多にないことが起きたドラマもあった。

というのも、第一話を見て面白くないと感じたら次以降は見ないのが常なのだが、
土曜日とか日曜日に再放送して次回放送に視聴者を誘うという、あの手法にまんまと嵌って
結局最後まで見たというドラマがあったのだ。
そして、もう一つは登場人物の歌声に何か感じるものがあって、その人のCDを買って
しまったということ。こんなことは今まではあまりなかったと記憶する。

そのドラマとは昨日終わったCXの「ラブソング」を指し、登場人物とは歌手の藤原さくらを
指す。ドラマの背景に音楽があるドラマというのはなかなかヒットするのが難しいようで
CXだと12年の「家族のうた」がすぐに思い浮かぶ。ドラマの内容はともかく、
「お茶の間にロックが根付くなんてのはまだまだ先の話」であると思ったものだ。

「ラブソング」は主人公の女性の生い立ちがそれほど恵まれていないことや、吃音である
ということが、とっかかりとして私にはきつかった。小中高とクラスが同じだったり
違ったりしたものの吃音の生徒とずっと同じ学校だったことを思い起こしてしまったのも
このドラマを見るのを断念しようと思った理由であった。

中学は三年間クラス替えがなく、吃音の生徒と同じクラスであった。ある日ちょっとした
ことが理由でそいつとクラスの人気者が掴み合いの喧嘩をしたのだが、私の目から見れば
明らかに人気者の方に非があったのに、クラスの女子の大半が吃音の生徒の方に冷たい
反応をしたという、ゾっとした記憶まで蘇ったものだから何ともたちが悪い。

それでも再びこのドラマを見たのは、藤原さくらの演技が上手に思えたのと、それ以上に
ドラマ中で歌う彼女の声が良かったからに他ならない。

調べてみるとCMソングを既に幾つか手掛けているし、高校生の時に既にアルバムを
リリースしている。あっ、これはドラマ中で時折出てくる新山詩織とパターンが似ている
かもと思ったりして掲載写真のCD「full bloom」を手にした。

収められた12曲は、正に瑞々しいSSWの曲そのものであり、各曲に施された過不足無い
アレンジと共に彼女の素敵な声に魅了されてしまった。そして、ドラマで歌われ先日
シングルになった数曲とは歌詞もメロディーも明らかに違うものであることも感じた。

ドラマでの起用をあざといと思った彼女のファン以外の人がいても、それは不思議
ではない。ずっと活動していても気づかれず急に目の前に現れたとしか受け取られない
のが世の常であり、自分の贔屓にしている俳優のドラマの視聴率が悪ければ共演者や
脚本のせいにするファンがいるのも事実であろう。

しかし、私はあのドラマのおかげで藤原さくらを知ったし、素晴らしい盤の存在も
知ることができた。この先、どんな曲が世に出てくるのか楽しみな若い才能の成長を
楽しみにしたいと思う。

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クラウドファンディング

2016-06-12 14:06:05 | DAY BY DAY

クラウドファンディングというのは、ネット等を通して不特定多数の人が目的に賛同し
資金提供すること或いは資金回収を目指すことを指す。所謂「洋楽」の世界では既に
広く行われていて、私もブツが欲しいがために参加したことが何度もある。

ミュージシャンにとっては制作資金を集める手立てとなるので便利であるし、ファンに
とっては作品の完成はもとより、そこで得られる何がしかの特典の恩恵に預かれることが
あるので双方にとって有意義なシステムといえる。

ただ、何らかの事情で上手くいかない時もある。私の例でいうとバッドフィンガーの
未発表曲を世に出すプロジェクトに前金を払ったのだが、プロジェクト自体が頓挫して
しまい、メールでの断りと共に返金されたことがある。

一定数の予約数が集まることで再発CD化が実現するSONY MUSIC STOREのオーダー・
メイド・ファクトリーなんかも、これに類するものかもしれない。そういえば、私は
フォーリーブスのライブ盤の再発に「賛同」したのだが、残念ながら期待数に達せず
商品化は見送られた。(笑)

日本でもこうした活動が行われているようだが、先日気になるプロジェクトが目に
とまった。それが15年6月28日に行われた頭脳警察や外道、THE 卍らの演奏を
「LEGEND ROCK DVD」として世に出す計画である。

「伝説のロッカーたちの祭典」というお題目に何とも言えない居心地の悪さを感じるが
単純に先に挙げたバンドの演奏を見たいという気持ちはある。
しかし・・・。そこで組まれた様々なプランを見て笑ってしまった。
ここで多くは書かないが暇な方は検索してチェックしてみてください。

金が集まろうと集まらなかろうと商品化され、普通に購入できるようになるとは
思うのだが、このクラウドファンディングを全否定するのではなく何がしかの「賛同」は
しておいた。

それにしても。温泉旅行企画がよく通ったものだ。よくある旅行会社のツアー企画だと
参加者が一定数に達しなければ企画は流れるのだが、今回はどうなるのだろう。
全くの他人事ながら、この顛末は知りたいと思う底意地の悪い私がいる。(笑)

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YOU DON'T KNOW MY NAME

2016-06-11 21:44:50 | ROCK

キンクスが72年に2枚組LPとしてリリースした「EVERYBODY'S IN SHOW-BIZ」の
レガシー・エディションが登場した。今回は2枚組CDでオリジナル・アルバムを
ディスク1に、未発表ライブやスタジオ・アウトテイクをディスク2に収録している。

VELVELと契約していた98年に出た再発盤のボーナス・トラックとして収録されていた
ライブの2曲はディスク2に収録。98年盤ではその2曲の収録日は曖昧な表記であったが
今回はしっかりとクレジットされている。ディスク2に収録されたライブ音源は13曲ある。
元々のLP「EVERYBODY'S IN SHOW-BIZ」に収録されたライブは72年3月3日の
カーネギー・ホールに於ける演奏であったが、前日の演奏も録音されており今回の
レガシー・エディションで追加されたライブ音源には、明確に2日もしくは3日の何れの
日に録音されたかがクレジットされているのが嬉しい。

基本的にオリジナルLPに収録された曲と重複を避けるセレクトが成されているが、
重要曲である『ALCHOL』や『ACUTE SCHIZOPHRENIA PARANOAIA BLUES』の
日にち違いの演奏を楽しむの一興。

スタジオ・アウトテイクは4曲あり、初登場の未発表曲『HISTORY』の収録は嬉しいし
この後の「PRESERVATION」シリーズのしかもACT2に収録される『MONEY TALKS』の
アーリー・バージョンをインストではあるが聴くことができたのは驚きですらある。

それにしても。何度聴いても素晴らしい。オリジナルLPの1枚目のスタジオ録音曲の
数々はロック・バンドを生業とすることがどういったことかが記されている。
そこには夢や希望以上に現実の悲哀や虚しさ、心の葛藤が描かれており、こんなことを
歌にして尚且つ市井の人々が求める安らぎとロック・スターが求める安らぎに大差がないと
知らしめることができるのはレイ・デイヴィス以外にいないだろう。

そして、オリジナル・アルバムの2枚目はライブ盤であり、そこではツアーで演奏する
バンドの姿を捉えてある。スタジオで仕事をしツアーで仕事をする両方の姿を1セットで
リリースするというのは、これこそ一大コンセプト・アルバムと呼ぶのに相応しいと
常々思っている。

    経験値が上がると、キンクスのホーン・セクション
の面々がマイク・コットン・グループであることに目が行き、こんな盤も有り難く楽しめる
ことができる。因みに運よく私は800円で手に入れました。(笑)

さて。次は「PRESERVATION ACT1」なのだが楽しみだなぁ。

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WONDERFUL WINO JUNKO

2016-06-10 21:06:51 | ROCK

掲載写真はフランク・ザッパの発掘録音シリーズ「ROAD TAPES VENUE #3」。
前回の「#2」が出たのが13年だったので、あれからゴタゴタ続きで頓挫した
のかなぁなんて思っていたら、いきなりの登場である。しかも、今回はFZのHPでの
販売アナウンスが無く、普通にAmazonで買えてしまった。経緯はよくわからない
のだが、ゲイルの死を契機にもしかしたら流通経路を変えたのかもしれない。

今回は70年7月5日のミネアポリスでの1日2公演を2枚のCDに収録している。
フロ&エディーを擁した時期での演奏で、個人的にはこの時期の演奏は好きである。
FZの歌唱は嫌いではないが、フロ&エディーという歌える二人をフロントに据える
ことで、初期のマザーズ時代の名曲を楽しく聴くことができるのがこの時期が好きな
理由である。個人的に思い入れの強い「WE'RE ONLY IN IT FOR THE MONEY」や、
「WEASELS RIPPED MY FLESH」に収録された歌物を、オリジナルより強力に
歌うのだから、これは堪らんというわけで。(笑)

「CHUNGA'S REVENGE」に収録された『THE NANCY & MARY MUSIC』は
この日の演奏であり、しかも短縮版だったそれの完全版を聴くことができる。
01年に出た「CHUNGA'S REVENGE」の日本盤ライナーで、同曲が70年7月の
演奏であることが触れられ同時に短縮版であることも触れられていた。完全版が
どんなものだか想像する気も起らなかったが、今回の盤を聴くと「おおっ」と
思うこと必至。同時に「CHUNGA'S REVENGE」が70年10月のリリースで
あることを思い起こせば、FZの仕事の早さに改めて驚く。

全体に最高の音質とは言えないかもしれないが、ライブの生々しさを封じ込めた
簡素なテープから引っ張ってきた音というのも、現場にいるようで面白い。

大統領選挙が間近に迫った88年に共和党政権を阻むべくFZはツアーに出た。
選挙人登録を促すのと、政権風刺の曲を披露するのが目的であったが、叶わなかった
ものの当初はこのツアーのフロントにフロ&エディーを据えることを考えていた。

もしFZが生きていたら、どんな活動をしたか、どんな新曲を作っただろうか
なんてことを考えながら2枚のCDを聴き終えた。
で、今後はもっとハイ・ペースで「ROAD TAPES」シリーズを世に出して欲しいと
全然関係ないことを思う間抜けな私がいるわけで、これはもう笑うしかない。
素敵な酔っ払いには、ほど遠い間抜けな私である。

7月10日の選挙には必ず行こう。立候補者が皆間抜けに思えても、よりマシな
候補者に投票するのだ。

PARTICIPATE IN DEMOCRACY .

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JEWEL

2016-06-08 20:30:47 | ROCK

EASY ACTIONというレーベルは本当に素晴らしい。何せ私が聴きたいバンドの
聴いたことがない音源を次々とリリースしてくれるのだから。レーベル名はおそらく
T.レックスの曲である『SOLID GOLD EASY ACTION』から取られていると思うのだが
そんなレーベル名に相応しく、今回はティラノザウルス・レックスの未発表ライブを
リリースしてくれた。

掲載写真は「A CROWN OF DARK SWANSDOWN」と題されたライブ盤で、70年
4月4日のケルンでの演奏。マークの相方はミッキー・フィン。実はここが肝である。

ティラノザウルス時代のライブで、スティーヴ・トゥックが相方の時期のものは
67年9月の演奏を収録した「THERE WAS A TIME」や、EASY ACTIONがリリース
したボックス「A WHOLE ZINC OF FINCHES」で3回分の演奏を聴くことができた。

一方、ミッキーが新たな相方になってからのティラノザウルス名義でのライブは
70年1月に収録されたBBCでの演奏くらいしか、纏まった形でCD化されてなかった
ので、今回の発掘は貴重である。69年9月にメンバー・チェンジが行われ、
70年10月にリリースされたシングル『RIDE A WHITE SWAN』をもってバンド名が
T.レックスと表記されるまでの僅か1年ちょっとの間の時期の演奏を収録していると
書けば、有難味が増すのではないだろうか。(笑)

二人だけの編成で8曲約40分の収録であるが、前半をアコースティック、後半を
エレクトリックと分けている上に1曲マークがオルガンを弾く曲もあり、ステージの
構成がよく練られていることが伺える。

エレキ・ギター1本とパーカッションのみの音が物凄く格好いい。実はこの編成の
音を格好いいと意識したのは、本末転倒かもしれないが頭脳警察が90年11月に
同志社大学で行ったライブの映像を見た時であった。今でもこの編成でZKが
アルバム(ライブ盤でも可)を作ってくれればいいのにと思っているのだが・・・。

おっと、話が逸れた。(笑)この後、本格的にバンド編成となるT.レックスであるが
ここでの二人が演奏するエレキ・ギターとパーカッションの武骨な音のせめぎあいに
得体のしれない気持ちよさを感じてしまう。音はそれほどよくはないが、生々しさと
迫力がそれを補って余りある。

約10年ぶりに再発される予定の「BORN TO BOOGIE」の映像を予約している人で
これをスルーしてる人がいたら、「それはちょっと勿体ないかも」と書いて思わせぶりに
本稿を終わることにする。私は「BORN TO BOOGIE」の映像はスルーすることに
したが、それはまた別の機会に・・・。

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THIS IS THE POP

2016-06-06 21:05:32 | ROCK

ポップ・グループというその名に反して、自称音楽好きの人たちの大半の顔を
顰めさせるであろう不協和音と複雑なリズムを紡ぎだす、このバンドの音を嫌いに
なれないのは一体どうしたことだろう。そんなことをふと考えた時期があった。

結論は出ていないのだが、結局はレゲエとブルーズを広義で好きだからということで
自分を納得させている。ポップ・グループはそんなに単純な音を出すバンドではないが
様々なジャンルの音楽を咀嚼して提示していることは間違いない。
それは特定のジャンルの定型化した音を好む人への、私個人が抱く(言葉は悪いし実際に
口にはしないが)嫌悪感を代弁しているとの勝手な解釈を付け加えることもできる。

掲載写真は「THE BOY WHOSE HEAD EXPLODED」と題された発掘ライブ盤。
79年と80年に複数の会場で録音された10曲約41分のCDと7分ほどの映像を
収録したDVDから成る2枚組。

ライブであるが、スタジオ録音の質感とライブならではの風通しの良さの両方を
上手く捉えており、ポップ・グループに相応しい音質がファンの期待に十分応えることが
できる素晴らしい記録といえる。スタジオ録音が未発表である曲の収録も嬉しい。

驚くべきは映像で、野外フェスでの演奏の模様をカラーで収録している。尺は
短いし完奏ではなくダイジェストのようなものだが、それでもこの時期の「動く
ポップ・グループ」の混沌としたステージを見ることができるだけで、ありがたい。

因みに私が購入したのは輸入盤で、自宅のブルーレイ・プレイヤーでは再生できなかった
のだが、パソコンで映像を見ることができた。日本盤がどんな塩梅なのか知らないが
何れにせよ、ロック者なら一度は見る価値がある映像である。

耳あたりは良くないかもしれないが、引っ掻き傷が治りかけた時のむず痒さも
気持ちのいいものである。(笑)

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WE ALL SUNG TOGETHER

2016-06-05 21:22:53 | DAY BY DAY

       

週末は久しぶりにマシーン軍団の面々と会った。マシーン軍団とは大学時代のサークル
の面々である。RATLEDGE先輩、同期のHOPPERさん、後輩のWYATT君の3人が
揃った状態で私と会するのは2005年のハットフィールド&ザ・ノースのライブ以来。
今回は準構成員の自称AYERS(笑)こと私を面子に加えての近況報告と回顧、いや
お気に入りの曲を持ち寄ってのレコード・パーティーと相成った。

        

私以外の3人の好きな音というか趣味の傾向は、おおよそ把握しているつもりでいても
意外な曲が飛び出してくるのが面白い。昼間から酒を飲みながら昔のように音楽を
聴きながら何の役にも立たない与太話を延々とする、その時間が尊いように思えた
一日であった。

       

あれからもう10年も経ったのか、と思うと同時にお互いの環境や容姿の変化が
月日の流れを物語る。次に会うのはいつになるのだろうか、実際のソフト・マシーンの
メンバーだとエアーズとホッパーは物故者なんだよなぁ、なんてことを考えながら
帰りの新幹線の座席に身を沈めた。

それにしても、随分と酒が弱くなってしまった。(笑)
マシーン軍団のみなさん、楽しい時間をありがとう。


 

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YOU CAN DO A LOT WITH MORE 100 WOMEN - 67

2016-06-02 00:44:53 | 日本のロック・ポップス

カルメン・マキと言われて、まず最初に浮かぶ「音」というのは人によって
違うだろう。OZや5X時代のハードな音を好んで聴いた人がいれば、それ以前の
アルバム「真夜中詩集」に代表されるような音を想起する人もいよう。

何れにしろ、後追いの私にはOZ時代の曲が最初に思い浮かぶのだが、それは映画
「太陽を盗んだ男」が好きだからというのもあるし、OZ時代の盤が割と見つけやすく
聴きたいと思った時にすぐ手に入ったというのがあるかもしれない。

先日、未CD化状態だった69年のアルバム「アダムとイヴ」と70年の「想い出に
サヨナラ」がやっとCDになった。ほとんどカバー・アルバムの趣の後者は、それまで
フォーク歌手の括りだったマキがグループ・サウンズの曲を取り上げることで
ロックへ移行する助走期間と捉えることもできるが、マキなら助走無しの一足飛びで
ジャンプできたようにも思える。まあ、それは置いといて「アダムとイヴ」は
以前から聴いてみたいと思っていたので待望の再発であった。

何だか不気味なジャケットからして、一筋縄でいかない感じがするのだがアルバムの
内容も一筋縄でいかない、多様なアレンジが施された曲が揃いロック者もサイケ者も
楽しめる利き処の多い盤である。マキの声は太く声量がたっぷりなはずなのに、どこか
繊細で異様な説得力で耳を襲う。帯には「4人の詩人と8人の作曲家による10の唄」と
書かれているのだが、曲を提供した12人は皆、マキの表現力に満足したであろう
ことは想像に難しくない。

今年リリースされた2枚組DVDはまだ未見であるが、そこには「ROCK SIDE」と
「アングラSIDE」と分けられた別々の公演の演奏が収録されている。単純な
物言いに収束してしまって情けないが、それだけでもマキが表現者として多彩な
活動をしてきた(している)ことの見事な証明となり、如何に稀有な存在であるかと
いうことを思わずにいられない。

いつだったか、正確な年は忘れたが(時期的には5Xの頃かも)これもかなり後で
映像を見たのだが日比谷野音での短髪のマキが妙に可愛らしく思えたのは、それを
見た時の私が既に40を超えていたからではないだろう。(笑)

そういえば、映画「探偵はBarにいる」をボケっと見ていたらマキが登場し、少々
驚いたのだが映画のエンディングでマキが歌う『時計をとめて』が流れてきたのには
ちょっと感動であった。

正直なところ、近年の盤は聴いていないのだが自身が選曲した3枚組ベスト盤を
足がかりに追いつこうか、なんてことを考えている。もう一人のマキが歌った
『それはスポットライトではない』を併聴する夜というのがあってもいいだろうし・・。

コメント (4)
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