HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

KEVIN AYERS / THE UNFAIRGROUND

2007-11-29 22:00:06 | ROCK
ケヴィン・エアーズのスタジオ録音としては「STILL LIFE WITH GUITAR」
以来の、実に15年ぶりの新譜が出た。
BBC録音集やライブ盤が何点かリリースされていたので、15年ぶりと
言われても「そんなに間空いたっけ?」と思ったりもしたが、
やっぱり15年待たされていた。(笑)

近年の来日公演のダレ具合や、たまに目にしたインタビューでのやる気の
無さ加減からして、もう新作を期待していなかったというのもあるのだが
はっきり言って今回の新譜「THE UNFAIRGROUND」は個人的に
全キャリアの中でも3指に入る傑作だと断言できる。
一番好きなのが「WHATEVERSHEBRINGSWESING」なのは固定なので
もしかすると2番目に好きなアルバムになるかもしれない。
購入以来20回近く聴いているが、聴く毎に好きになるアルバムというのは
1年に何枚も出会わないはずだ。

2007年の新譜とは思えない温かみのある録音にまず惹かれる。
使用スタジオや機材、プロデュースといった全てがうまく噛み合わないと
こうはいかない。ホーンやストリングス、アコーディオン等が効果的に
使われているのも一因で、全てがケヴィンの声とうまくマッチしている。
ゲスト陣も豪華でヒュー・ホッパーやロバート・ワイアットという
ソフト・マシーン人脈がその筋の人の琴線をくすぐるのは勿論だろうが
ブリジット・セント・ジョンの参加が目を引く。
ブリジットは2曲に参加しているが「BABY COME HOME」では、ソロ・ボーカルの
パートがあり、ケヴィンとのコーラスがふんだんに聴ける。
これは夢ではないのだ。

ロバート・ワイアットの参加の仕方も面白い。
自分の声をサンプリングしてメロトロンならぬ「ワイアトロン」として
使用。次は(次があれば)加工なしの声で二人のデュエットが聴きたいと
思う欲望が頭をもたげるが、今回の試みは素直に面白いと思う。
若手と言うにはもはや十分なキャリアがあるティーンエイジ・ファンクラブや
ゴーキーズ・ザイゴティック・マンキのメンバーの参加は、
参加した当人にも刺激的だったろうし、ケヴィンにも今までに無い
やる気を起こさせるものだったろう。
過去の曲の再録音もあるが、単なる焼き直しではなく例えば「DEJA...VU」
収録の「TAKE IT EASY」は今作ではタイトルを「RUN RUN RUN」と
変更されているが、オリジナルを尊重するファンを十分納得させる
アレンジである。

ジャケットがもうひとつピンとこない私であるが、それでも左下に小さく
「JOY OF A TOY」に描かれていたカエルを見つけた時は妙に嬉しかった。
私が中学生の時に当時の現役バンドの中で最も嫌いだった
バンドの主犯格のメンバーのアルバム・ジャケットを新聞広告で
見てしまうと、不思議なことにピンとこなかったジャケットが
素敵に思えてきた。(笑)

全く素敵なアルバムだ。


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ROXY MUSIC / THE THRILL OF IT ALL

2007-11-27 23:38:51 | ROCK
95年に4枚組CDでロキシー・ミュージックの歴史を俯瞰する組物が
リリースされたが、それと同タイトル・同ジャケットで今度は映像で
歴史を辿る2枚組DVDがリリースされた。
72年から76年までがディスク1、79年から82年までがディスク2
という時系列に沿った分け方だ。
LDではブライアン・フェリーのプロモを集めたものが出ていたが
ロキシーの集大成物はなかった。
個人的にはロキシーは76年まででいいと思っているが、そこで区切るのは
中途半端であるので今回のDVDは大歓迎だ。

72年の「RE-MAKE/RE-MODEL」は何故かフェリーさんのプロモ集に
収録されていた。続くO.G.W.T.での「LADYTRON」こそ私が最初に見た
「動くロキシー・ミュージック」だった。
よりによってである。(笑)
画像劣悪のオムニバス・ブートビデオに収録されたそれは強烈で
曲は暗い感じなのにフィル・マンザネラとイーノの繰り出す凶暴な音に
度肝を抜かれたものだ。
73年までの7曲がイーノ在籍時の映像だが、まともな服装の
メンバーは誰一人としていない。一際目立つのはアンディ・マッケイで
人がいいのか悪いのかは知らないが、きっとこの人は不良(笑)だろうという
感じを漂わせていてとても好きである。
オーボエにサックス、キーボードと大活躍するのも素晴らしい。

初期のステージではキーボードを弾く曲ではそこにマイクがあっても、
弾き終わると必ずフェリーさんは中央に戻ってくるという微妙なセッティングで
熱演するフェリーさんが素敵だ。
様々なテレビ出演時やコンサート、プロモ映像を見ることができるが
曲はダブらせない編集方針のようでレアなテレビ出演時のものを選んだがために
「えっ?」と思う場面もある。
「LOVE IS THE DRUG」は確かにレアな映像だと思うが、よりによって
フェリーさんは目を患っているためか眼帯をしているし曲は中途半端な
ところで切られてしまう。DVDの容量を活かしてこういった代表曲は
ボーナス扱いで他の映像も見たかった。
76年のストックホルムのライブは1年ほど前にBSで放送されたので
記憶している人も多いはず。

2枚目は単体で発売されたライブビデオからセレクトされたものが
多いので新鮮味に欠ける嫌いがあるが、ロキシーの歴史上避けて通れない
ものばかりであるのは間違いない。
来年には日本版が出るようだが別に字幕がいるようなものでもないので
それまで我慢できない人は輸入版でもいいだろう。

初期ロキシーの映像でDVD化されているもので有名なのは
おそらくT.REXとのカップリングで商品化された「MUSICLADEN」のものだと
思う。ロキシーの演奏は6曲収録されているが今回のDVDには
そこからは1曲も収録されていないことを最後に付け加えておこう。
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JENNIFER

2007-11-25 12:58:37 | ROCK

高校生の頃、「愛と青春の旅立ち」という原題とかけ離れた邦題のついた
映画が流行っていた。深夜放送はもっぱらAM放送を聴いていた私は
地元AM局に良くリクエストを出していたのだが、局アナD.J.はよく
私のリクエストに応えてくれた。
しかしながら、そのD.J.が「愛と青春の旅立ち」にひどく入れ込んでしまい
リスナーと皆で映画を見に行く企画を立ててしまった。
映画に入れ込む位なので映画の主題歌も頻繁にオン・エアされたのだが、
私はどうにもその歌が好きになれなかったこともあって、そのD.J.に
失望してしまい、2度とリクエストを送ることは無かった。

その主題歌はデュエット・ソングだったが片棒を担いだのがジェニファー・
ウォーンズ。後に「ダーティ・ダンシング」でもヒットを生んだが
私にはどうでもいいことである。
しかしながら、もともと実力がある人でウォーレン・ジヴォンやジャクスン・
ブラウン、ランディ・ニューマンらと仕事をしてきたくらいだから
先のヒットが彼女に幸運をもたらしたことを喜ばしく思えないのは個人的な
狭量を晒すに過ぎないことは明白であるが、仕方が無い。

そんなジェニファー・ウォーンズがまだジェニファーと名乗って
レコーディングしていた60年代後半のアルバムが2イン1でCD化された。
またも「REV-OLA」のいい仕事である。
CD化されたのは68年の「I CAN REMEMBER EVERYTHING」と69年の
「SEE ME,FEEL ME,TOUCH ME,HEAL ME」。
80年代のくだらないアレンジやプロデュースは当然ここにはない。
SSWのファンやソフト・ロックのファンに必ずや支持される良質の
アレンジと歌唱があるだけである。
なにせ前者のアレンジはペリー・ボトキンJr.だし。

私の本当の購入動機は69年のアルバムが聴きたかったためである。
女性に「SEE ME, FEEL ME,..」なんて言われると、映画「トミー」と
全く違った意味合いを見出しかねない浅はかな男ではあるが(笑)、
やはりこのザ・フーのカバーを聴きたいというのと、アルバム・タイトルに
惚れ込んだというのが理由だ。
他にもディラン・カバーはあるし、ストーンズの「BACK STREET GIRL」まで
カバーしていれば琴線が擽られても仕方が無い。
68年の「I CAN REMEMBER EVERYTHING」にはビートルズ・カバーに
ジョニ・ミッチェル・カバー、果てはこちらにもストーンズ・カバー「I AM
WAITING」まで収録されていて私のような者には至れり尽くせりである。
カバー目当てで購入したものの、お目当ての曲以外もなかなかの出来で
2枚分を一気に聴きとおせる。

日曜の昼下がりに聴くのにぴったりな1枚。

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THE JIMI HENDRIX EXPERIENCE / LIVE AT MONTEREY

2007-11-24 17:05:33 | ROCK
以前は単体で商品化されていたが、今のところ3枚組DVD
「THE COMPLETE MONTEREY POP FESTIVAL」でしかオーティスと
ジミ・ヘンドリックスの演奏を収録した「あの」ソフトは市場に並んでいない。
高額ではあるが先のソフトに加え、映画「MONTEREY POP」に多くの
驚愕の映像を収録したアウトテイクが見物であるため必携である。

ジミの映像を捉えたソフトとして「THE DEFINITIVE EDITION」との
ふれこみでモンタレーの映像が登場した。DVDならではの特典が魅力的だ。
特にジミをフューチャーしたものではないが、フェスティバルのドキュメントや
関係者の回想シーンは、興味深い話が満載なので字幕が付く日本版の購入を
お勧めする。
ママス&パパス(特にジョン・フィリップス)が当時の西海岸であれほど
大物扱いとは今の日本では想像も付かないし、テレビ特番用として
テレビ局から予算を捻出させておきながら、映画へと昇格させるくだりは
面白い。

「セカンド・ルック」として未発表カメラ・アングルで3パターン収録
した曲を5曲見ることが出来る。私はまだ全てを見ていないのだが
DVDをセットして「本編は何度も見ているから特典から見るか」くらいの
気持ちでぼんやり見ていたら、いつまで経ってもノエル・レディングばかり
延々映っているので、あわててパッケージを見た(笑)くらいなので
これから沢山の発見があるだろう。

本編も編集が少々違っている。
演奏シーンはそれほど手を加えてないと思うが、まずジミ達を紹介する
ブライアン・ジョーンズを映すカメラ・アングルの違いに驚く。
曲が終わったあとは大抵ジミの素敵なMCが入るのだが、客席の様子や
曲が終わる際もしくは始まる際の映像も若干従来の物とは違う。
先日発売されたレッド・ツェッペリンの「狂熱のライブ」は音はいじって
いるが映像は固定であった。今回の「モンタレー」はもうちょっと
腰を据えて見る必要があるかもしれない。

最終曲の「WILD THING」のエンディングでジミがギターを燃やすのは
有名だ。ジミはギターをステージに何度も叩きつけ、そのはずみで
シンバル・スタンドが倒れたりするのだが、そこでその狂騒に
乗っからなかったミッチ・ミッチェルがいたからこそ、あのシーンは
伝説になった。あそこでドラム・セットが崩壊したらジミ達の前に
演奏したザ・フーの二番煎じになっていただろうから。

本編が全て見所なのは言うまでもないが、今回の私は
「LIKE A ROLLING STONE」を演奏中にジミが「歌詞を間違っちまった」と
言うところに愛を感じた。(笑)



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三上寛 / 三上寛のひとりごと

2007-11-24 10:03:00 | 日本のロック・ポップス
三上寛の最初のアルバム「三上寛の世界」は71年4月に発表されたのだが、
収録曲の「ピストル魔の少年」が問題となり市場から回収された。
数曲を差し替え72年1月に発表されたのが掲載写真の「三上寛のひとりごと」で
オリジナル・フォーマットに忠実な形で初CD化された。

「三上寛の世界」も同時にCD化されたが、佐伯俊男の印象的なジャケットを
流用した92年発売のベスト盤「三上寛ベスト・アルバム」に全曲が
曲順もそのままで収録されていたので、個人的には目新しい感じがしないのだが
オリジナル・フォーマットでのCD化は、これも初めてなので入手の価値がある。

ジャケットを見ているだけで、何かよくないことが起こりそうな気がする
この不気味さはそれでも何故か目をそらさずに凝視させる、不思議な
力がある。A面は「三上寛の世界」を凝縮したというか、核になる曲を
絶妙の曲順で収録している。
アルバムに針を下ろし冒頭の「おど」、続く「夢を夜ひらく」の強烈な
ワン・ツーをくらった当時の人のショックはどんなものだったろう。
あれから35年、誰も彼もが自分は「平均的一般市民」だと思うことで
安心し、すっかり平和ボケでぬるい今でも有効だと思うのだが
それに自覚的である人は結局昔から自覚的だった人で・・・。まあいいや。
これを書いている私も、いつの間にかある程度形の決まった現状に慣れて
向上心を忘れているのだから。
その証拠に昔ほど熱心に三上の新作を追いかけていない・・・・。

話は変わるが私個人としては、いかに同郷で貧困や十分な教育を
受けられなかったことが犯罪の根底にあったとしても、被害者の心情を
鑑みれば犯罪者にシンパシーを抱くことは無い。
自分に実害が及ばなかった者の綺麗言とまでは言わないけれど。

天気のいい土曜日の朝に聞くようなものではないけれど、
このアルバムが人にとりつくような魅力に溢れているのは間違いない。
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やっぱりブートレグを買ってしまうのだ

2007-11-23 20:40:07 | ROCK
「Concert Vault」のことは以前も少し触れたが、そこで公開された
音源を元に数々のブートレグが製造されている。
有料ではあるが、ブートレグを買うより遥かに安価でダウンロードができる
公演もある。
私はダウンロードを利用したことが無い。
というのは、もし1曲ずつのダウンロードだったら曲間の空白が鬱陶しいと
いうのがあるからだ。以前使用していた「CD焼きソフト」は工夫すれば
曲間をなくしたり、前後の曲を繋げたりできたのだがPCを変更してから
そのソフトが使えなくなった。

私が整理下手だというのもある。
グレイトフル・デッドのライブ・テープを集めていたことがあるのだが
CDRに日付と場所しか書いていないそれだと、セット・リストを
しっかり把握できないし、ブートレグのようにジャケットがないと
ジャケットを見ることで「いつのどこでのライブ」というのを思い出す
ということもできない。
結局ブートレグを買ってしまう間抜けぶりである。
貧乏人はどこまでいっても貧乏なままである。(笑)

掲載写真右は72年11月5日KENNEDY CENTER、左は72年11月17日
PALACE THEATERでのサウンドボード音源を収録したもので、いずれも
「Concert Vault」で公開された音を元に作られている。
時間は45分前後の収録でコンサートの全貌を捉えているものではないが
サウンドボードで72年のキンクスを聴くことができるのは
喜び以外の何物でもない。音質的には右の方が上質である。
さっき「Concert Vault」をちらっと見たら、72年11月11日の
ORPHEUM THEATERの音源も公開されている。
11月12日の同所での演奏は良質なオーディエンス録音で2年前に
ブートレグとして世に出ている。まずは聴き比べをしないと。
きっとこれもブートレグになり、きっと買ってしまうのだろう。(笑)

コレクターズCDという呼び方は、身勝手で都合が良すぎるので
私は使わない・・・・。
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THIN LIZZY / LIVE AND DANGEROUS

2007-11-21 21:40:48 | ROCK
シン・リジーの定番映像「LIVE AND DANGEROUS」がグレード・アップして
DVD化された。といっても5.1サラウンドを楽しめるシステムがないので、
私が見ることが出来る映像につく音は、昔から見てきたビデオやCS放送を
録画した物とさほど変わらないような気がした。
ここらは再生装置によって変わってくるだろうし、私もさほど重視はしていない。

78年6月に発表されたLPと同タイトル、同ジャケットだが内容が
全く違うのが少々紛らわしい。LPは76年11月と77年10月の
それぞれロンドンとトロントでの演奏を収録しているが、DVDは
アルバム・セールスを強化するために、アルバム発売前の78年3月に
収録されテレビで放映され、後にビデオ化されたもの。
正直なところ、私が好きなシン・リジーはアルバムでいうと「FIGHTING」から
「BAD REPUTATION」あたりまでなので、時期的には微妙である。
それでも電飾のロゴが眩しく光る中、黄金の4人が演奏する様は
格好いいとしか言いようがないし、「ROSALIE」の演奏シーンが見たいという
欲求不満はあるものの、映像のオープニングにある機材搬入の映像なども
何回見てもこれから始まるライブへの期待感を煽るようで、嫌いではない。
名曲「DANCING IN THE MOONLIGHT」ではグラハム・パーカー&ルーモアの
サックス・プレーヤーであるジョン・アールの熱演を見ることができるのも
特筆すべきだろう。

追加された83年の映像は解散ツアー直前にテレビに出演した時のもので
意識的に曲をハード且つテンポ・アップして演奏しているせいか、
いまひとつ感心しない。
それよりも73年から79年の間に「トップ・オブ・ザ・ポップス」に
出演した時の映像が5曲収録されているのが嬉しかった。
先に好きな時期は「BAD REPUTATION」までと書いたが、曲単体なら79年の
「WAITING FOR AN ALIBI」が一番好きだ。ゲイリー・ムーアが参加している
時期で、このDVDで唯一ゲイリーの演奏を見ることができるのが
トップ・オブ・ザ・ポップスでの「WAITING FOR AN ALIBI」。
ゲイリーはスコット・ゴーハムとのコンビネーションも良く、両足を開いて
ジャンプする独特のアクションを何度も披露。
78年10月にシドニーで収録されたビデオ「THE BOYS ARE BACK IN TOWN」こそ
私が初めて見た「動くシン・リジー」の映像だったが、それと同じアクションを
見ることが出来て、妙に嬉しくなってしまった。

75年収録の未発表ライブCDも添付され、もはや映像が収録された
当初の目的からはるか遠い「ベスト・ライブ集」的な商品化ではあるが
私は充分に楽しむことが出来た。
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PAUL McCARTNEY / THE McCARTNEY YEARS

2007-11-17 21:40:57 | ROCK
え~定価19800円、HMVで割り引いて15000円ちょっとで、
ビートルズの「HELP!」のたった2枚組DVDを買った皆様、
再びこんばんは。今夜もお会いしましたね。
お楽しみの最中、恐縮ですがポール・マッカートニーのDVDはいかがでしょう。
充実の3枚組DVDが、6300円でお楽しみいただけるのですが。
えっ、80年代以降は興味は無い?。
それは失礼しました。引き続き「HELP!」をお楽しみください。

ポールのプロモ・ビデオを2枚のディスクに、「ロックショー」や
「アンプラグド」等のライブのハイライトを1枚のディスクに収録した
計3枚組のDVDが発売された。
ポールのプロモを全部収録したら、とても2枚には収まりきらないのは
明白で収録曲をパッと見ただけで、例えば私の好きな曲で言えば
「GETTING CLOSER」や「YOUNG BOY」が抜けているのがすぐわかったが
ここまでよくぞ集めてくれたと、感謝せねばなるまい。
不満な人はブートレグをどうぞ。

ブートレグではとうてい真似できないのが、収録された曲の幾つかに
ポールのコメントが付いていることだ。音声を出すことも出来るし
曲に字幕だけ出して見ることも出来るので、楽しいことこのうえない。
いくつか疑問だったことも解決したし、驚きもあった。

まず「SAY,SAY,SAY」に出てくる黒人の女性はマイケル・ジャクスンの姉、
ラトーヤだったこと。私はずっとジャネットだと思っていた。(笑)
スティーヴィー・ワンダーとの「EBONY AND IVORY」のビデオの二人の
映像はなんと別撮りだったことには驚かされた。
「COMING UP」はポールが自身を含めてバックで楽器を演奏するメンバーを
全て演じるのだが、キーボード奏者はスパークスのロンに似ていると前から
思っていたら、ポール自身がそれを意識していたということもここで語られる。
「TAKE IT AWAY」には俳優のジョン・ハートが出演しているが、
ブライアン・エプスタインに似ていると言うことでの起用だったことも
面白いエピソードだ。
あまり書きすぎるとこれから見る人の楽しみが減るので、このくらいに
しておこう。「マーサ・マイディア」の「マーサ」がどこで登場するかを
お楽しみに。
ちなみに一番グッとくるビデオは「PIPES OF PEACE」。

3枚目は少々疑問が残るセレクションで、これがもしかすると後々
発売されるかもしれない「ROCK SHOW」等の映像の予告編であったとしたら
流石に商売上手というしかないが、「ROCK SHOW」は一度もDVD化されて
いないのでたった7曲であるが見られるのは嬉しい。
それにしても「VENUS AND MARS/ROCK SHOW」~「JET」へ続く流れは
演奏も映像も素晴らしく何度見てもわくわくする。デニーにジミーという
二人のギタリスト兼ベーシストにポールのソロ・キャリアにおいて
個人的に最高のドラマーだったと思うジョー・イングリッシュが加わった
この時期のウイングスは、演奏能力が極めて高い。
スタジオ盤で不満だったドラムスの演奏の改善が顕著なのが最大のポイント
なのは誰しも認めるだろう。ジョン・ボーナムがこの時の全米公演を
何度も見に来たというが、ポールと親交を暖める以外にもチェック項目が
あったのかもしれない。
「UNPLUGGED」というコンセプトや番組自体が好きでないのは、今でも
変わらないがあれから15年以上も経っているのか、と妙なところに
感慨深くなった。

さあ次は「ROCK SHOW」完全版と、楽しい内容に関わらず一度も商品化
されていない73年の「JAMES PAUL McCARTNEY」のDVD化に期待しよう。
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祝!ボンゾ・ドッグ・バンド充実の再発!!

2007-11-15 22:06:35 | ROCK
え~定価19800円、HMVで割り引いて15000円ちょっとで、
ビートルズの「HELP!」のたった2枚組DVDを買った皆様、こんばんは。
お楽しみの最中、恐縮ですがボンゾ・ドッグ・バンドはいかがでしょう。
充実の日本盤CDが5枚で合計15000円、輸入盤だと6000円ちょっとで
お買い求めいただけるのですが。
えっ、そんなものに興味は無い?。それは失礼しました。
では、ごゆっくり「HELP!」をお楽しみください。

普段は「紙ジャケ商法」に懐疑的で、どこぞの箱やら復刻帯商法には
批判的な私であるが、今回は高めの値段設定にもかかわらず諸手を挙げての
大推薦、それがボンゾ・ドッグ・バンドの紙ジャケ再発である。
当ブログ開始時から、ボンゾズの丁寧な再発を望んでいたことを記していた
だけに「筋を通した」というのもあるのだけど。
輸入盤と同じく2007年リマスターで、大量のボーナス・トラックが
追加されたのも同じ。値段の差を考えると倍以上違うのが考えどころだが
ここはやはり国内盤を推薦する。

日本盤は基本的にオリジナル仕様での再発だ。
1STの「GORILLA」(掲載写真)はコーティング・ジャケで、
2枚目の「THE DOUGNUT IN GRANNY'S GREENHOUSE」共々12Pのブックレットを
復刻。3枚目の「TADPOLES」は、くりぬきジャケを、4枚目の「KEYNSHAM」と
再結成後の5枚目「LET'S MAKE UP AND BE FRIENDLY」は銀紙やポスト・カードを
貼った特殊ジャケを丁寧に再現している。
ライナーも充実しているし、なによりボーナス・トラックにいたるまで
しっかりした日本語訳がついているのが嬉しい。

退色した画質のマジカル・ミステリー・ツアーで、「DEATH-CAB FOR CUTIE」を
見て以来、ボンゾズの不思議な魅力に幻惑されっぱなしなのだが、
これでより正確にボンゾズの本質に少しでも迫ることが出来そうな気がする。
ポール・マッカートニーがらみで有名な「I'M THE URBAN SPACEMAN」は
「TADPOLES」に収録されているが、前の曲である「MONSTER MASH」と
繋ぎが被っているので、単体で聴きたければベスト盤も購入する必要が
あることを付け加えておこう。


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THE LEGACY OF OTIS REDDING

2007-11-13 19:20:05 | SOUL
昔、読売ジャイアンツにサンチェという投手がいた。
私は特にジャイアンツのファンではなかったが、サンチェがオーティス・
レディングに似ていたので、何となくサンチェが投げるときはテレビを
見ていた。(笑)

オーティス・レディングの映像を初めて見たのは、ジミ・ヘンドリックスとの
カップリングで映像化されたモンタレー・ポップ・フェスティバルでの
ものだった。これは衝撃以外の何物でなかった。
「サティスファクション」「デイ・トリッパー」といった若者に人気の
2大バンドの曲をカバーし、白人層の人気を獲得しつつあったオーティス
であるが、下手をすると「場違い」に成りかねないリスクと更なる人気拡大を
狙うチャンスを天秤にかけての出演だったろうから、演奏に気合が入ったのも
必然だろう。事実、残された映像からは凄まじいエネルギーが放射されている
のがわかる。

オーティス・レディングの遺産と題されたDVDが発売された。
スティーヴ・クロッパーら所縁のある人達の回想を挟みながら、
様々なテレビやフェスの映像にプロモ・ビデオで進行する。
各演奏のエンディングと回想が少々被るところもあるが、収録曲は
ほぼ完奏する。先のモンタレーや「STAX/VOLT REVUE」等、単体で映像化
されているものもあるが、ここまで丁寧に集めた映像集は初めてなので
必携と言い切ってしまおう。

テレビ出演の物はリップ・シンクが多いが、66年の「UPBEAT」での
「I CAN'T TURN YOU LOOSE」のリアルな熱気には圧倒される。
67年の「TRAMP」は綺麗なカラーのプロモ・ビデオ。農作業をするかのように
つなぎを着るがポケットには何も入ってなく馬に乗ってリラックスする
かと思えば一転スーツを着込みポケットからは札が溢れ、車や自家用ジェットを
披露。でも最後はやっぱりつなぎに馬で去っていくという、歌唱シーンは
ないものの面白い映像だ。RCサクセションの名曲「スローバラード」の
下敷きになったと思しき「GLORY OF LOVE」を歌うシーンも印象深い。
屋外で座って歌うだけなのだが、歌の持つ力があるが故だろう。

ちょっと鼻についたのが、67年12月9日の「UPBEAT」の映像が
始まる前に「THE DAY BEFORE THE DEATH OF OTIS REDDING AND MEMBERS OF
THE BAR-KEYS」のテロップが入るところだ。
日付だけ見れば、それが何を表すかくらいわかるのに。
ここで演奏される「TRY A LITTLE TENDERNESS」と「RESPECT」の
一点の曇りもない演奏こそ必見である。

オーティスが亡くなって40年もたつのか・・・。
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I'M SO TIRED

2007-11-11 20:50:59 | DAY BY DAY
今年もあと1ヶ月とちょっと。年末に控える「HARRY'S ROCK AND ROLL
VILLAGEロック大賞」候補作の選定についてしばし考える。
部門は5つあるのだが、決定しているのは「ブートレグ部門」と「新譜部門」。
ブートレグ部門は比較的簡単に決まった。チケットの売れ行きが芳しくないと
腰痛が悪化したり、練習時間を稼ぐため(?)に指を骨折するような
ギタリストのいるバンドのものでない。(笑)残念ながら我が永遠の憧れ、
キンクスも大賞の座を今回は譲らざるを得なかった。

新譜部門は例年になく激戦のような気もしたが、実のところはぶっちぎりで
決まってしまった。ロックとはブルーズとはなんぞやということを
2007年に明確に音にした数少ないバンドで、ルーツ探訪のふりをして
世界中のバンドとセッション。単なるリヴァイバリストには絶対できない
ラフでルーズで、尚且つノイズやパンクの要素も塗すことに成功したとなれば
これは文句が無い。今のストーンズが絶対たどり着けない音でもある。
もう30回以上聴いたが全く飽きがこない凄盤。

映像部門はこれからまだいろいろ出てくるブツが楽しみなので全く未定。
あとはストレート・リイシュー部門と発掘部門だが、これは毎年悩みまくる。
掲載写真は記事とは何も関係ないのだが、賑やかしということで。(笑)


だから、紙ジャケ部門はないんだって。
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DAVE DAVIES / RAINY DAY IN JUNE

2007-11-10 18:56:21 | ROCK
6・3・3で勉強はもう嫌と歌ったのはウルフルズだったが、
いい歳になっても試験というのがついてまわる。
大した試験じゃないのだけど、とりあえず今日は試験だった。(笑)
某大学まで出掛けたのだけど、あいかわらずいつ見ても同業者の皆さんは
冴えない顔つき服装でウンザリである。
雨までふっていたし。

掲載写真はデイヴ・デイヴィスが自身のHPで2004年に販売した
ライブ盤でタイトルが「RAINY DAY IN JUNE」。CDの盤面には
デイヴの直筆サインが入れられている。ジャケットがキンクスの
「アーサーもしくは大英帝国の衰退ならびに滅亡」を想起させるのが
嬉しいが、「RAINY DAY IN JUNE」が収録されているキンクスのアルバムは
「フェイス・トゥ・フェイス」である。
2004年6月13日、ドイツでの野外フェスでのライブなのだが
きっとその日は雨だったのでしょう。

デイヴは犬猿の仲と言われるミック・エイヴォリーをバンドのドラムスに
考えていたようだが、ゴルフに忙しいミックは参加を固辞。(マ、マジか?)
ドラムスの席にはデイヴの息子、サイモンが座ることになった。
サイモンのプレイはなかなかのものだが、レイ・デイヴィスが参加を期待する
ミックとデイヴの不仲がキンクス再始動を難しくしていると思っていた
のだが、こうなってくるとレイの気まぐれがキンクス凍結の最大の
原因かもと勘ぐりたくなる。

収録曲は自身のソロ・アルバムからは少なめで、ほとんどがキンクスの曲。
これが楽しめないはずがない。何せ曲がキンクスのものなのだから。
デイヴの甲高い声は長く聴くにはつらいのだが、キンクス渇望状態の長く
続く私には今やそれほどの苦痛では無いのである。
この盤に先駆けて2002年にも同様のライブ盤が出ていたが、残念ながら
限定盤のためウェブでの販売は終了している。

レイ・デイヴィス御大のソロが待ち遠しい、RAINY DAI IN NOVEMBER・・・。
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THE FIRST BARBARIANS / LIVE FROM KILBURN

2007-11-08 22:28:35 | ROCK
またまた20年ほど前の昔話から。

後輩が「珍しい通販のリストがあるんですけど。」というので、見に行くと
そこには、普通に定番ビデオや音源に混じって、当時の西新宿では
扱ってないような珍しい物が幾つかあった。
雑誌にも広告をうってないので、一瞬で消えてなくなったのだが名古屋に
あった店だと記憶する。
「気になるもの、ありますか?」というので、
「3つあるなぁ。ブリンズレー・シュウォーツの74年のライブ、『OZ DAYS』、
キンクスの75年のソープ・オペラのビデオかな。」というと、
「あっ、全く同じです」というので、二人で笑ってしまった。
先の2つはカセット・テープ、キンクスはビデオで、後輩はキンクスを
購入することにし(私が強く推した)、それをダビングしてもらった。
西新宿のどの店のリストにもキンクスのソープ・オペラは掲載されてなく
某店が編んだ3本組のコンピレーションにも収録されてなかったので
白黒の写りの悪い映像にも関わらず、大いに喜んだものだ。

現在では、件のキンクスのビデオはDVDブートで容易に入手できる。
「OZ DAYS」は原盤を所持する方に焼いていただいたし、ブリンズレーは
トレードで入手したので、当時の欲望は全て叶えられていることになる。

西新宿だけではなく、大阪にもマンションの一室で営業しているビデオ屋が
あった。心斎橋はアメリカ村を更に奥深く進んだところにある普通の
マンションの一室で、店の名前は覚えていない。
私がそこで買ったのが、ロン・ウッド&キース・リチャーズの「LIVE IN
LONDON 1974」と題されたものだった。市販のスコッチのビデオ・テープに
ダビングされたそれは、色滲みが酷くほとんど色も飛んだようなものだったが
ロン・ウッドの1STアルバムのプロモーションとして、こんなライブ映像が
あったのかという驚きのほうが大きく、何度も繰り返し見た。

DVDの時代になり、そのビデオもそれなりにグレード・アップされたものが
出た。ブートCDでは決定版も出ていたので音声はだいぶよくなったが
それでも映像は「ちょっとはましになったかな」という程度であった。
そして、いよいよオフィシャル盤の登場である。

昨年はニュー・バーバリアンズのラーゴでのライブ盤をリリースした
ロン・ウッドのレーベルから、今回は74年のライブCDとDVDをセットに
したものがリリースされた。映像はマスターが残ってないのでロニー自身が
所持するビデオから起こしたとのこと。
確かに歪みや滲みが多くクオリティは高くは無い。映像の全部がカラーではなく
白黒映像が中心で部分的にカラーになるのだが、カラーになるときの
色の滲みや劣化が感じられるので、全部白黒のほうが良かったような気もするが
オフィシャルを名乗るだけあって、ブートを持っている方も今回は
購入したほうがいいだろう。

まず、今まで静止画だったメンバーが登場するオープニングがちゃんと
映像として捉えられている。何よりブートに収録されなかった曲も映像として
しっかり収録されているのが最大のポイントだ。
「CANCEL EVERYTHING」「SHIRLEY」「SURE THE ONE YOU NEED」の3曲が
それなのだが、これで全11曲の映像を見ることができるようになった。

当たり前だが皆若い。この時期の歯抜けキースはともかくゲスト・ボーカルの
ロッド・スチュワートが登場すると、一際観客の歓声も多くなる。
歌詞を覚えてなくて、歌詞カードを見ながら歌うのはご愛嬌だが
タンバリンを叩く様はさすがに格好いいとしか言いようが無い。
79年のニュー・バーバリアンズと比べても演奏に覇気がある。
まあ、個人的好みをいえばスタンリー・クラークよりウイリー・ウイークスの
ほうがいいという違いもあるけれど。

次は「NOW LOOK」のアウト・テイクを期待するのだけど、DXエディション
みたいな感じででないかなぁ。多分無理だろうけど。
さて「110番街交差点」のサントラでも聴くとしますか。



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ALL DOWN THE LINE

2007-11-07 10:41:34 | DAY BY DAY
ピストルズの紙ジャケを買ってしまった。
日本盤の帯を見たことがなかったのと、「犯すのは君だ」という
キャッチ・コピーに惹かて・・・。
未開封のままにしておく人が多いだろうが一応聴いて見ると、
う~ん、2007年にCDとして発売されるに相応しい音圧ではなかった。
正直な感想は、私の所持する(帯は無いが)77年の日本盤LPのほうが
迫力がある感じさえした。
「買って、しまった。」とは思わなかったが、装丁の豪華さに中身が
ついてこなかった典型である。レコ・コレ企画の70年代ロック・アルバムの
栄えある「1位」だし好きなアルバムなので、これくらいの「投資」は
気にならないけど。(笑)

I Don't wanna holidays in the sun.

掲載写真は私の家の近所で、最も好きな景色である。
道幅の狭い架設の橋から見ることができるので、いつまでもだらだらと
見ていることができないのが玉に傷。
私が毎日駅まで歩いていく時間帯には両方の線路の
前方から電車と列車(電化されてない)が走ってくるのだが、それだけで
意味も無く嬉しくなる。
全然違うのだけど、私だけの「風街ろまん」とさえ思っている。(笑)

仕事が終わって線路沿いに歩いて帰ると、気分のいい日にはあの歌が
口をつく。

All the people singing all down the line.
Watch the men all working,working,
All down the line.

Be my little baby for a while.
Won't you be my little baby for a while?.

本当に大した仕事はしてないのだけど。
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DEXYS MIDNIGHT RUNNERS / TOO - RYE - AY

2007-11-04 18:17:44 | ROCK
デキシーズ・ミッドナイト・ランナーズが1982年に発表した
「TOO - RYE - AY」がデラックス・エディションで登場したのだが、
初回プレス盤は1曲目の「THE CELTIC SOUL BROTHERS」の曲が始まって
1分くらいの所に嫌なノイズが混入していた。
HMVで購入したのだが、「交換してもらうかな、メール出すのかったるいな。」
とか思っていたら先方から『交換案内』のメールがきた。
流石はHMVと感心しながら、交換してもらい現在は正常な盤が手元に
あるという次第だ。

このアルバムはリアル・タイムで購入した。学生時代になけなしの金で
月に1枚のLPを買うという行為に失敗は許されない。
シングル「COME ON EILEEN」がヒットしていたから、ラジオでは
頻繁に曲はかかっていたし、プロモ・ビデオも目にした。
たった1曲を聴いてアルバムを買う決断をしたのだが、結果としてそれは
間違っていなかった。ケヴィン・ローランドの声は魅力的だったし
当時はアイリッシュだケルトだなんてことは露ほども考えなかったが、
今まで聴いたことのないようなフレーズが新鮮だったし、バンド編成も
耳新しい感じだった。
ただ、当時の私の周囲ではこのアルバムの評判は悪かった。
LPを貸しても「いまいち」とか「なんかダサイ」とか、返ってくるのは
そんな言葉ばかり。心の中で「せいぜいエイジアかトトでも聴いてな。」と
呟いたことを思い出してしまった。(笑)

不思議なバンドである。グループ・フォトを見ると5人で写っていたり、
8人で写っていたり、果ては11人というのもある。
正式には何人なのか、いまいちわからない(笑)のだが、いずれにせよ
大人数のバンドを維持するのが大変なのは、洋の東西や今昔を問わず
いずれも同じで、バンドの活動は縮小を余儀なくされ、しばらくの沈黙の後に
復活した際はほとんどソロのようなもので、少々がっかりしたものだ。

今回のDXエディションには、シングルのB面やBBCライブが収録されて
いて、バンドがパブリック・イメージ以上にソウル寄りだったことがよくわかる。
英国にいて「T.S.O.P.」をカバーするセンスがぶっとんでいる。
ライブではオーティス・レディングの「リスペクト」まで演奏するのだから
只者ではない。
オリジナル・アルバムをじっくり聴いてもらえば良く解るが、80年代の
サウンドの多くが今や耐えられない程のプロデュースで台無しなのに対し、
全く古びないサウンドを誇るところも特筆すべきだろう。
勿論カバーの選択を含めて曲は絶品だらけだし、初めてLPに針を
落とした時に感じた新鮮な感動は今も変わらない。

変わらないと言えば・・・。
女の泪がワザモンなのも変わらないな。(笑)
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