HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

時差12時間の国から来た男 2017

2017-12-24 00:32:16 | BRASIL

とりあえず、今年も少しばかり聴いたブラジル音楽から4枚。え~と、左のCDは佐村○内さん
ではありません。エルメート・パスコワルの「VIAJANDO COM O SOM (THE LOST '76
VISE VERSA STUDIO SESSION)」は76年録音の未発表音源集。その特異な風貌から、私も
オリジナル・アルバムを購入するのに何度躊躇したことか。(笑)正直なところ、数枚聴いた
オリジナル・アルバムで好きと言える盤は無いのだが、これは試聴して気に入ったので入手。
プログレッシブ・ロックの良質な形として聴けば、英米のロックにはない個性に驚かされること
必至。ジャケットも気に入っています。(笑)

DISCOBEATSが再発する盤を多く入手したのだが、その中からパウリーニョ・タバジョスの
「1974」を。瑞々しいSSWのデビュー作にして傑作の称号が相応しい1枚。



ミニマリスタの「BANZO」は今年の新譜。繊細で美しい特殊ペーパー・スリーブ共々、素敵な
楽曲と演奏で聴いていて多幸感で満たされる。ヴィンテージ機材で録音されたとのことで
70年代の音のような質感で最良の現行サイケデリックを体現させてくれる。

セステート・ド・ベコが自身のバンド名を冠した80年リリースの唯一作は再発が待たれた1枚。
ブラジリアン・ジャズの素晴らしさを再確認できるといっても過言ではないだろう。

何はともあれ、DISCOBEATSの大量の再発に喜んだ一年であった。

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リアル木ジャケ

2017-09-10 06:15:50 | BRASIL

レコードやCDを収集(という言い方はあまり好きではないが)している方々において
変形ジャケットや特殊ジャケットが好きな人の数は少なくないと思う。私もそのうちの
一人であり、特にCDの時代になってからは、味気の無いプラケースなのでその想いは
尚更強くなった。

以前から「木ジャケ」が好きであることは何度も書いてきたが、言うまでもなくそれは
ジャケット写真の話。ところが、掲載写真のCDはアルバム・ジャケットが木で作られた
「リアル・木ジャケ」である。(笑)複数枚のCDや諸々の添付物を収納したボックス・
セットだと、デヴィッド・ピールやウイングレス・エンジェルスの物を所持しているが、
1枚物の単体CDでの木製ジャケットというのは珍しいのではないだろうか。

レアンドロ・セザールの「MARIMBAIA」と題されたそれは、2枚の木を本のように
貼り合わせた手製ジャケットで、ジャケットを開くと、昔の「とび出す絵本」のような
装丁になっていて、その部分にCDが収納されている。

ジャケットだけが凝っていて中身がつまらないというのは論外なのだが、出てくる音も
私好み。様々な素材でできたマリンバや打楽器にチェロが絡むのだが、この打楽器類も
手製。ミニマル・ミュージックの趣もあり、カフェやどこかの待合室で流れていても
不思議ではない自然な音楽なので聴き流されても何のことはないが、集中して聴けば
気持ちよさが増幅するのは間違いない。ガムランの気持ちよさを理解する人にはすんなり
馴染む音かもしれない。

さて。1枚の厚手の板の中身をくりぬいてゲイトフォールド仕様でないリアル木ジャケが
出来る日はくるだろうか。ま、そんなコストばかりかかって、しかもいつ割れるかも
わからない物を作る人はいないだろうけど。(笑)

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時差12時間の国から来た男 その2

2016-12-19 00:19:34 | BRASIL

掲載写真はジャルズ・マカレーの4枚組CD「ANOS 70」。2枚のCDに収録された
未発表音源の数々がブラジル音楽ファンには喜ばれたであろうが、私はマカレーの
最初の2枚のアルバムが再CD化されてそれを手に出来たことが嬉しい。

        
自身の名前を冠してリリースされた72年の盤は音自体は所持していたのだが、やはり
気に入ったアルバムは盤を所持したいというわけで。ボサノヴァでもジャズでもサンバでも
ソウルでも何でもいいが、それらすべての要素を組み込んで基本トリオ編成で拡がりの
ある音を作ったこのファーストはジャケットの怪しい印象と共に強く記憶に残る。
アコースティック・ギターと唸るベースに耳を奪われる凄盤。

74年のセカンド・アルバム「APRENDER NADER」もなかなか強烈なジャケットだ。
ファーストより参加ミュージシャンが大幅に増えたせいもあり、音つくりも激変。
その分、ファーストより多彩であるがブルーズ風味の隠し味が加えられ、ロック者に
より大きくアピールする1枚だと思う。

どちらの盤もボーナス・トラック付きでファーストにはあの「PHONO 73」に
収録された演奏を含む3曲のライブ・バージョンが、セカンドには同盤収録曲の5曲の
デモが収録されている。ボックスのみ収録では勿体ないので、この2枚は是非とも
単体でのリリースが望まれる。

     
2枚のレアリティーズは、私のような単純なロック者には荷が重いが、いつかこの2枚の
真の有難味が理解できる日がくることを願っている。

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時差12時間の国から来た男

2016-12-18 17:17:39 | BRASIL

今年購入したブラジル物を少しばかり。以前から気になっていたアントニオ・カルロス&
ジョカフィの「MUDEI DE IDEA」が個人的にはハイライトといった処か。

       
71年にリリースされた彼らのデビュー盤である「MUDEI DE IDEIA」はファズを効かせた
ギターやオルガンの使用がジャケットまんまにサイケデリックで、英米のロックを
聴いているような錯覚を起こさせる瞬間もある。アルバム全体を通して飽きることなく
楽しめる好盤。この盤はジャケが2種あるが凡庸なもう1種に比べて、盤の内容を的確に
表しているこちらのジャケットでの再発で本当によかった。

ペドロ・サントスの「KRISHNANDA」は68年リリース。ジャケ買い上等で手にした
のだが、これが正解。打楽器奏者のソロであるが各種打楽器の特性を活かした音だけに
頼らない覚えやすいメロディーを持つ曲が多く、各曲の表情が多彩で楽しい。効果音の
使い方も素晴らしい。

       
アレトン・サルヴァニーニの「S.P / 73」は73年リリースの唯一のアルバム。
全て自作で自身が歌う曲とインストが交互に配され、特にインストは歌が無い分アレンジの
妙がよくわかる。弦楽器や管楽器の使い方や曲の展開がまるで良質な映画のサントラを
聴いている気分にさせる。ここでも効果音の使い方が絶妙。ここまでの3枚はおそらく
世界初CD化だと思う。

ジョゼ・マウロの「OBNOXIUS」は70年リリースのファースト・アルバム。これは
かつてCD化されたことがあるのだが、その時は入手しなかったので今年再発されたのは
嬉しかった。アレトン・サルヴァーニの盤と同じように各楽器のアレンジの妙が素敵で
サイケ者にも十分アピールする。マウロは76年に「A VIAGEM DAS HORAS」という
盤をリリースしているが、これは「OBNOXIUS」から5曲を再収録し残りは70年当時の
同アルバムのレコーディング・セッションからの曲で構成されている。これはCDに
なったことは無いはずなので、いつかCD化されることを期待している。

今回の4枚、いずれも英国のレーベルからの再発であるのが何とも面白い。

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BAIAO VIOLADO

2015-06-22 00:41:24 | BRASIL

昨日とりあげたエラズモ・カルロスの盤は日本初CD化であったが、掲載写真の
ドミンギーニョスの「DOMINGO MENINO DOMINGUINHOS」は世界初CD化。

アコーディオンでサンバもファンクも演奏することが可能であるという事実に
ある種の驚愕と感動を覚える1枚。ドミンギーニョス自身のボーカルも温かみがあり
穏やかに時が紡がれる。

アコーディオンと共に演奏の隠し味になっているのが、ジルベルト・ジルと
トニーニョ・ホルタが弾くギターであるのだが、それでも本来はこの盤をきっかけに
ダンス・ミュージックであること、或いは「フォホー」なる耳馴染みの無い言葉に
気を留めなければならないのだろう。

やたらとセッション・メンバーとして名前が通っていて、自身のリーダー・アルバムが
それほど取り上げらることのないヴァギネル・チゾのエレピも心地よい。

それまでインストの曲を録音していたのに、この盤で初めて歌ったというのも、それまで
歌わなかったのが不思議に思えるその歌唱は、朴訥としたリチャード・シンクレアという
感じ。これじゃ意味不明か。(笑)

何れにしろ、私にとっては2015年における実に気の利いたニュー・ディスカバリー
であったことは間違いない。

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BOM DIA , ROCK N ROLL

2015-06-21 07:39:10 | BRASIL

ユニヴァーサル・ミュージックが様々なジャンルのCDを1000円で再発する
シリーズは大変有り難く、今まで未聴だった盤を揃えるのに役立っている。
昨年好評だった「Brasil 1000」のシリーズが、日本初CD化或いは世界初CD化の
盤を追加して再登場した。

掲載写真はエラズモ・カルロスが72年にリリースした8枚目のアルバム「SONHOS
E MEMORIAS 1941 / 1972」。日本初CD化の1枚。輸入盤ではボックス・セットを
含めると2度ほどCD化されているが、何れも短期間で廃盤になり、しかもそれが
高額物件になっていたので、今回のCDは廉価ということもあり大歓迎されるのでは
ないだろうか。

私自身、「LAND OF 1000 DISCS」に選んだほど気に入っている1枚であるのだが
今回の日本盤が出たおかげで、この盤の意図するところや歌詞の内容を理解することが
できた。

この盤を気に留めたきっかけはジャケットに小さく写っている、英米のミュージシャンの
写真が気になったからである。リア・ジャケットには政治やスポーツで著名な人や
俳優の写真もあるが、このフロント・ジャケットに写る人たちは、やはり気になると
いうわけである。

ジャケットに惹かれた盤は、ずばり全編聴き処の凄盤であった。自身のこれまでの歴史を
回想するのだから楽曲がベストであるのは必然である。ここにはロックンロール賛歌が
あり、挑戦と挑発があり夢がある。

浮遊するサイケデリック・ミュージックは、ポップスとかAORとかフォークとか
様々に細分化されるジャンルを飲み込んで、気持ちよく耳に届く。この音のもたらす
快楽を言葉に置換出来かねるのが本当に、もどかしい。

多くの人が聴くべきだと思うが、廉価故の限定盤である。
このブログを長年読んでいる人の耳には、是非とも届いてほしい音が、ここにある。

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COPACABANA

2015-05-02 07:21:53 | BRASIL

清々しく天気の良い朝だ。さて、FMで今日の波をチェックして出かけるか。
カーステにはカラパナ、もといジャック・ジョンスンでもセットしよう。

そんなわけないか。(笑)

休みの日でも、基本早起きを心掛けてはいるが、ぼんやりとTVをつけて今日は
今日とて女流麻雀対決を見る。(笑)音声は消しているのでステレオからは
掲載写真のCDの音が流れている。あまりにもスムースで聴きやすく気分がいいので、
つい冒頭に書いたような有り得ない妄想をしてしまった。

掲載写真はジョアン・サビアの「NOSSA COPACABANA」。本国ブラジルでは
昨年リリースされていたようだが、今年になって国内発売されたジョアンの3作目である。
セピア色の自身の子供のころの写真を使ったジャケットに惹かれ、某所で試聴して
一発で気に入って購入と相成った。

AORではなく、メロウなソウル。ボッサでありネオアコでありギター・ポップでも
ある、なんて書けば「なんちゅうお手軽な音や。」と眉を顰められそうだが、ここでは
ブラジル音楽の連綿と続く歴史を要約し、現代のレコーディングのクオリティーで
それらを提示した音を聴くことができるわけで、もうこれは素敵としかいいようがない。

この音を聴いて、ふと思い出したのが、かつて私が好きだった頃のオリジナル・ラブ
だったりする。もう大昔(笑)と言ってもいいのだろうが、何だか懐かしいものを
思い出させてくれたものだ。

ビールを飲みながらフラメンゴの試合を見るというのが日常であることを、遠い
日本にいると妙に格好いいように思ったりもするが、それは子供のころから未だに
少し残っている洋楽への憧れ(笑)と大して変わらないもので、ビールを飲みながら
アントラーズの試合を見ることも十分に格好いいはず?である。

本当に瑞々しく清々しいアルバムだ。これが日本でカフェのBGMや生活においての
雰囲気つくりの音楽としてのみ利用されるのでなく、家庭で晩飯の鰹の漬け丼を
食べる時や、音を消したTVの女流麻雀大会を見るBGMとして使用される(笑)
くらいの頻度で浸透すれば面白いのにと思うが、そんなことにはならないだろう。

そういえば、職場の今のボスから4代前のボスはよくサーフィンに出かけていたので
休日出勤を代わってやったものだ。そのボスとは気が合って酒を何度も飲んだが
その度に何故か「お前は女たらしだろう」と事実無根の事を言われたものだ。

私はサーフィンはしない。

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YOU CAN DO A LOT WITH MORE 100 WOMEN - 38

2015-03-23 00:02:02 | BRASIL

ブラジル音楽の入り口として、私が最初期に手にしたのは「TROPICALIA OU PANIS
ET CIRCENCIS」(トロピカリア)であった。68年に発表されたこの盤は
カエターノ・ヴェローゾの号令の元に数多のミュージシャンが録音した曲を収録した
オムニバス盤であるが、一際印象に残ったのがカエターノ作の『BABY』であった。
そして、それを歌ったのがガル・コスタであった。

掲載写真はガルの事実上のファースト・アルバム「GAL COSTA (1969)」。
「トロピカリア」収録の『BABY』はガル単独のアルバムだと、この盤で聴くことが
できる。

69年にガルは2枚のアルバムを出しており、サイケなジャケット・デザインの
「GAL」はブラジル音楽の様式を大幅にはみ出したサイケ感の強い曲が並んでいて
ロック者には面白いのだが、掲載盤で聴くことができるブラジル音楽とサイケ感の
絶妙なバランス感覚の調和は広い意味合いで、今の時代でも歓迎されるだろう。

当時のブラジル軍事政権下では音楽が検閲されることは多々あり、当然のように
ミュージシャン達は抗議行動を様々な形で起こしたり、亡命を余儀なくされたりした
のだが、ガルの活動はその中でも挑発的なものではなかったかと思う。

愛だの平和だのを訴えて、花をつけて髪を伸ばして裸になった(なることを
許容された)アメリカと違って、挑発的なジャケットの「INDIA」をリリースする
ことがギリギリの線ではあったのだろうど。

それにしても魅力的な女性であったのは間違いないだろう。そうでなければ
カエターノや、ジルベルト・ジル、ジョアン・ドナートら錚々たる面子が何枚もの
アルバムをサポートしないだろうから。近年の盤は聴いていないのだが、
69年から70年代末までの盤は、どれを聴いても素敵だ。

意思の強そうな横顔と強烈な水着に痺れた私は、今も痺れっぱなしである。(笑)

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ALL IN ONE RHYTHM

2014-06-16 00:03:42 | BRASIL

        

2014FIFAワールドカップ開催を記念して、ユニバーサル・ミュージックによって
「BRASIL 1000」と銘打たれたブラジル音楽の廉価再発シリーズが始まった。第一弾として
既に80タイトルが発売され7月には更に44タイトルが発売される。

世界初CD化は無いものの今回特筆すべきは、1枚1000円というその値段である。
ジャズやソウル・ミュージックで同様の廉価企画が好評だったために、それが
ブラジル音楽にも波及したとなれば嬉しいかぎりだ。

廉価で再発するためにコストはなるべく抑えなければならない。そのため、過去に
国内盤CDが出た物はその時の解説を流用しているばかりか、ジャケット・デザインも
そのまま流用している。そのため、昔のシリーズ物で出たCDは「税込2548円」なんて
表示がそのまま印刷されているが、この値段ですから何の問題もありません。

廃盤になっていて高値が付いていたタイアグラやオルランヂーヴォの盤が、市場に
廉価で出るというのは健全なことだ。

世界初CD化はないが、国内初CD化は幾つかある。ジョイスの80年の盤「FEMINNA」も
そんな1枚。昔から気に入っていたジャケットだったこともあって即座に入手。
静と動の対比が素晴らしく、特にダンサブルな曲に耳を奪われる。これみよがしな女性賛歌
ではないが、日頃から女性の意見や考え方を尊重することを考慮せねばと思わせる。
ま、すぐ忘れるのだけど。(笑)

カエターノ・ヴェローゾの75年作「ジョイア」は逆にジャケットが好きになれなかったので
購入していなかったのだが、1000円なら買うしかあるまい。(笑)
で、この盤をもの凄く気に入ってしまった。(笑)幸福な「ジョンの魂」或いは「THREE
VIRGINS」とでも言おうか。パーカッションのみ、オルガンのみをバックに歌う曲も
全く突飛でなく、全編静かに胸に響く。

カエターノの盤は98年にCD化されたものをそのまま再発しているので、ボーナス・
トラックにストーンズ・カバー『LET IT BLEED』を収録している。最高にクールなカバー
なので、コレ目当てに購入するのも一興。

毎日寝不足の日が続くが、7月13日までの狂騒を楽しみたい。
それにしても私の応援する国が、あんなに急発進するとは思わなかった。
できればスナイデルにも決めて欲しかったが。(笑)

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YOU CAN DO A LOT WITH MORE 100 WOMEN - 24

2014-05-26 00:01:12 | BRASIL

掲載写真はルイーザ・マリアが75年に発表した彼女のデビュー・アルバム「EU QUERIA
SER UM ANJO」。日本主導の今回のCDが世界初CD化で、彼女の名前もこのアルバムも
初めて知った。

ジャケットの雰囲気が良かったのと、宣伝文句に釣られて購入。最近は、ネット上のCD販売の
宣伝文句はどこも同じものが使われていて辟易するが、何のことは無い、昔は限られた
紙媒体にメーカーが用意した広告が載るのと同じなのに、媒体が違っただけで違和感を
感じるのだから身勝手なものだ。(笑)

自身で曲を手掛けて歌うSSW的な側面と、アコースティックな楽曲だけでなく、きわめて
オーソドックスな楽器編成であるものの、どこか非西洋圏であることが微熱を携える
ロック・アレンジが秀逸なロック・バンド的側面の両方が楽しめる。

ハウル・セイシャスの曲を取り上げたり、アジムスやムタンチスのメンバーに、アントニオ・
アドルフォらが参加している曲があるのも、ロック的アプローチでブラジル音楽を楽しむ向きには
ピッタリとハマるところ。
エレピの音を聴けば一発で「あっ、ホベルト・ベルトラミだ。」とわかるのは楽しいものだ。
バックの秀逸なアレンジに負けじと、主役であるルイーザ自身の声の表情やトーンが多彩なのが
この盤を何度もの再生に堪えうるように大きな貢献をしている。
もし、もっと早くこの盤に出会えれば、年始に選んだ「ブラジル音楽100選」に間違いなく
当確していただろう。

ムタンチスのメンバーが参加した異国情緒漂うフレーズが耳を惹きつける楽曲をアレンジ
したのが、元トラフィックのジム・キャパルディーというのも、ロック者には格好の
撒き餌(笑)となる。

さて、メイスン、故キャパルディーと続けたところで・・・。
そろそろウインウッドの新作が聴きたいところだ、ということで本稿はお終い。


 

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BRASILIAN MUSIC 100選

2014-01-01 01:01:01 | BRASIL

さて、当ブログ正月吉例の100選、今年は「ブラジリアン・ミュージック100選。」
MPBもサンバもボサノヴァもジャズもロックも一纏め、時代も関係なく一纏めの実に乱暴な
枠組みの100選であるが、昨年の「ジャズ100選」の時と同じく、ロック者が聴いて面白いと
思える100選なので、以前から当ブログに接してくれている方には、ある程度の
御理解がいただけるのでは、と思っている。

今年はブラジルで、2014FIFAワールドカップが開催される。
正直なところ、結果として後付ではあるが実にいいタイミングで「100選」を掲載出来て
良かった。記載はミュージシャン(バンド)名のABC順。

       

001 ANTONIO ADOLFO E A BRAZUCA / SAME
002 AMELINHA / FREVO MULHER
003 MIGUEL ANGEL / SAMBA NA ONDA
004 JORGE ANTUNES / SAVAGE SONGS
005 GUILHERME ARANTES / SAME
006 AZYMUTH / AGUIA NAO COME MOSCA
007 MILTON BANANA TRIO / BALANCANDO
008 ARNALDO BAPTISTA / LOKI?
009 BELCHOIR / ALUCINACAO
010 JORGE BEN / AFRICA BRASIL
011 JOSE ROBERTO BERTRAMI / ORGAN SOUND
012 MARIA BETHANIA / DRAMA
013 BOSSA RIO / ALEGRIA !
014 VICTOR ASSIS BRASIL / ESPERANTO
015 BRAZILIAN OCTOPUS / SAME
016 CHICO BUARQUE / CONTRUCAO
017 VINCIUS CANTUARIA / AMOR BRASILEIRO
018 ERASMO CARLOS / SONHOS MEMORIAS - 1941/1972
019 CARTOLA / VERDE QUE TE QUERO ROSA
020 CASSIANO / APRESENTAMOS NOSSO CASSIANO

       

021 CEU / CARVANA SEREJA BLOOM
022 CONJUNTO 3D / MUITO NA ONDA
023 CONJUNTO SOM 4 / SAME
024 GERSON CONRAD - ZEZE MOTTA / SAME
025 BABY CONSUELO / O QUE VIER EU TRACO
026 CRAVO & CANELA / PRECO DE CADA UM
027 GAL COSTA / SAME (1969 - 2ND ALBUM)
028 EUMIR DEODATO / OS CATEDRATICOS 73
029 DJAVAN / A VOZ-AO VIOLAO - A MUSICA DE DJAVAN
030 JOAO DONATO / A BAD DONATO
031 DUO PATICUMPA / SAME
032 ROGERIO DUPRAT / A BANGA TROPICALISTA DO DUPRAT
033 LUIZ ECA / BRAZIL 70
034 LUIZ ECA-BEBETO-HELCIO MILTIO / TAMBA
035 FLAVOLA EO BANDO DO SOL / SAME
036 WALTER FRANCO / REVOLVER
037 LAERCIO DE FREITAS E O SOME ROCEIRO / SAME
038 GILBERTO GIL / SAME (1971)
039 JOAO GILBERTO / ELA E' CARIOCA
040 THE GIRL FROM BAHIA / ! REVOLUTION CON BRASILLIA !

       

041 EGBERTO GISMONTI / SONHO 70
042 PEPEU GOMES / AO VIVO
043 BETO GUEDES-DANILO GAYMMI-NOVELLI-TONINHO HORTA / SAME
044 LUIS HENRIQUE / POPCORN
045 JAIME & NAIR / SAME
046 JOYCE / PASSARINHO URBANO
047 RITA LEE / HOJE E O PRIMEIRO DIA DO RESTO DA SUA VIDA
048 IVAN LINS / QUEM SOU EU ?
049 LO BORGES / SAME
050 EDU LOBO / MISSA BREVE
051 LULA E LALISON / SATWA
052 CARLOS LYRA / ...E NO ENTANTO E PRECISO CANTAR
053 JARDS MACALE / SAME
054 MADE IN BRASIL / SAME
055 TANIA MARIA / OLHA QUEM CHEGA
056 RUY MAURITY / SAFRA 74
057 JORGE MAUTNER / PARA ILUMINAR A CIDADE
058 LUIZ MELODIA / MARAVILHAS CONTEMPORANEAS
059 SIDNEY MILLER / LINGUAS DE FOGO
060 OSMAR MILTO / NEM PALETO , NEM GRAVATA

       

061 PAULO MOURA HEPTETO / FIBRA
062 MUTANTES / A DIVINA COMEDIA OU ANDO MEIO DESLIGADO
063 NANA , NELSON ANGELO , NOVELLI / SAME
064 MILTON NASCIMENTO / SAME
065 MARIO CASTRO NEVES & SAMBA S.A. / SAME
066 MARCONI NOTARO / NO SUB REINO DOS METAZOARIOS
067 ORLANDIVO / SAME
068 O QUALTETO / ANTOLOGIA DA BOSSA NOVA・20 ANOS DEPOIS
069 O TERCO / SAME
070 OS BRAZOES / SAME
071 OS NOVOS BAIANOS / ACABOU CHORARE
072 OS PILANTROCRATAS / PILANTROCRACIA
073 FLORA PURIM / STORIES TO TELL
074 QUARTETO NOVO / SAME
075 ZE RAMALHO / SAME
076 ROBERTINHO DE RECIFE / JARDIM DA INFANCIA
077 ELIS REGINA / ELIS (1972)
078 SERGIO RICARDO / A NOITE DO ESPANTALHO
079 SAMBRASA TRIO / EM SOM MAJOR 
080 ROBERTA SA / BRASEIRO

       

081 SIMPLE MENTE / OS THE DARMA LOVERS
082 SOCIEDADE DA GRA-ORDEM KAVERNISTA SESSAO DAS 10 / SAME
083 EDY STAR / ... SWEET EDY ...
084 TEMA 3 / MADRUGADA 1:30
085 TENORIO JR. / EMBALO 
086 TIAGURA / FOTOGRAFIAS
087 TOQUINHO / SAME
088 ROSINHA DE VALENCA / UM VIOLAO EM PRIMEIRO PLANO
089 MARCOS VALLE / SAME (1970)
090 V.A. / GAROTA DE IPANEMA (1967)
091 V.A. / O FABULOSO FITTIPALDI
092 V.A. / O ORIMEIRO AMOR
093 V.A. / ORFEU NEGRO (1959)
094 V.A. / TROPICALIA
095 CELIA VAZ / MUTACAO
096 CAETANO VELOSO / SINGLES (JAPANESE COMPILATION)
097 ARTHUR VEROCAI / SAME
098 VIVA BRASIL / SAME
099 RONNIE VON / SAME
100 TOM ZE / SAME (1972)

なんだかんだと言っても結局はロック色(それも彩気風味)が強い音を好むのは、仕方ない
というか、当たり前というか。これもまた、ファースト・ステップ。
もちろん、これで終わりではないので、旅は果てしなく続く。

 

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明日は違う日

2013-09-09 20:46:05 | BRASIL

あるCMを見て「可愛いなあ、この娘誰だっけ。」と検索すると、大政○だった。
それにしても、昔からチェックしていたはずだったのに、名前を思い出せないとは
耄碌が進むにもほどがある。

で、大政○、橋○愛、入山○奈と名前を続けてみて、「ああ、美しい統一感。」と
意味もなくニヤリ。

今では、ほとんど聞かれることはないが(笑)、困る質問の一つに「好きなタイプは?。」
というのがある。何故なら私に好きなタイプはないからだ。長い髪の人も短い髪の人も
面長の人も丸顔の人も好きになれば好きだし。

ここのところ、CMやドラマでよく顔を見る本田○のことが気になっている。
何といっても、まゆの薄い感じがいい。細いのではなく、薄い感じ、である。
薄いのではなく、「薄い感じ」なのだ。密度が濃くないとそれはそのまま薄いという感じに
繋がるし、色が濃くないのも然り。本田○の顔を見るときは、いつもまゆばかり見ている。(笑)

あっ、私が80年代から90年代前半にかけてドラマをほとんど見なかったのは、
女性タレントのまゆが濃かったからかもしれない。(嘘です。)

掲載写真の盤ははエリス・レジーナが72年にリリースした、その名も「ELIS」。
極端な短髪に極端に薄いまゆが印象的なジャケットである。
69年の「COMO & PORQUE」や70年の「EM PLENO VERAO」ではきれいに手入れされた
まゆでジャケット写真に収まっているが、71、2年頃のエリスのまゆは極端に薄い。
まあ、髪型はずっと短髪であるが、ここまでの短髪であるのは、この盤くらいだろう。
それだけ、ジャケットの印象が強い盤である。

で、私の一番好きなエリスのアルバムがこれなのだ。歴史的に見ると、公私を共にする
パートナーが変わり、それによってアルバムのアレンジの幅が広がり、流麗且つ多彩な
色合いを持つ曲でアルバムが埋め尽くされた、というのがアルバム「ELIS」である。

ミルトン・ナシメントの曲の解釈が素晴らしくアコースティック・ギターとパーカッションに
様々な音色のキーボードの絡みが素敵『「NADA SERA COMO ANTES』では、
エンディング間際でのエリスのスキャットがバッチリとキマる。
また、荘厳なイントロに導かれ、歌の入りと同時に入ってくる複数のパーカッションが
歌にまとわりついては離れる『CAIS』の出来も素晴らしい。

早くから後に大物になる人の曲を多く取り上げてきた先見の明が素晴らしい人で
ロック者としては、ここらの感覚はリンダ・ロンシュタットと双璧であると思う。
多くの名盤を残すエリスであるが、この盤が持つ永遠の瑞々しさを、未聴の方には
是非とも体験していただきたい。

さて。話は全く変わるが、音楽本編の話に特に関係なく、枕で登場させる人命を
フル・ネームで表記せず、「橋○愛」みたいな表記にするのには理由がある。
それは、その名前で検索してたまたまこのブログを見た人には、無駄な時間を
使わせてしまって悪いからという気持ちと、そんな検索でここに来て欲しくないという
両方の気持ちが同じ分量であるから、である。

今回も最後にくどい言い訳を書いてしまったな。(笑)

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暑中お見舞い申し上げます

2013-08-01 01:20:47 | BRASIL

今、長期休暇をとって伯剌西爾にいます。初めての海外が伯剌西爾になるとは
思いもよりませんでした。

嘘です。ダラダラと日本でカレンダー通りに仕事をしています。(笑)

4月からボスが変わったのだが、今度のボスはあまり仕事熱心ではないようで
土・日の臨時出勤も土壇場で「所用ができたから。」とか言って、私が出勤する
機会が多くなった。あのねぇ、近所の祭りなんてのが所要なら、俺は毎日毎週、
ロックン・ロール・カーニバルだっての。

で、あんまり暑いので、どちらかというとアコースティック色の強いサイケを
求めてブラジル音楽のCDを収納した棚を見渡し、取り出したのが下記の3枚のCD。

     

     どれもルラ・コルテス絡み。

ルラ・コルテスと言えば、ロック者というかサイケ者にはゼー・ハマーリョとの75年の双頭アルバム
が広く知られているが、掲載写真の「SATWA」はそれ以前の73年にギタリストのライルスンと
録音された盤。ブラジル初の自主制作盤とも言われている。ルラのシタールとライルスンの
12弦ギターの絡みが、不思議な効果を出していて地図にない何処かの国を勝手に脳内に
現出させる。軍事政権下での自主制作盤ゆえに、いろいろと難儀したであろうが、
ここではないどこかを目指したことは、聴き手に十分に伝わる。歌と打楽器の類が無いのが
今聴くと新鮮な感じ。

マルコーニ・ノタロの73年のこれも自主制作盤「NO SUB REINO DOS METAZOARIOS」
において、ルラはTRICORDIOという12弦のマンドリンに似た楽器で参加。様々なサウンド・
エフェクトが眩くアルバムに輝きを与える。ほぼ全編でゼー・ハマーリョの12弦ギターが
怪しく鳴っているのも聴き逃せない。ボーカルが時に大雑把なのがちと残念だが、トラックは
面白すぎる。5曲目に突如鳴り響く籠ったエレキ・ギターの音に気が遠くなる。

最後はフラヴィオラと太陽バンドとでも言えばいいのだろうか、バンド名の「FLAVIOLA
E O BANDO DO SOL」がそのままアルバム名でもある76年の盤。
ルラはここではダルシマーも演奏し、いくつか歌詞も提供している。フルートの音が印象的で
先の2枚よりメロディー・ラインがしっかりしているので、より深みにハマった気にさせる1枚。
ずっといい流れでアルバムは進むのだが、最後の最後で何だか場違いのサンバというか
アップテンポな曲が配され、早口の歌唱が色物感というかお笑い感(笑)に拍車をかけ
「これは無くてもよかんじゃない。」なんて思ってしまう。

で、ルラ・コルテスのブラジル音楽における貢献を称えつつ3枚のアルバムを聴き終える
頃には、こんなアルバムを聴きたくなってしまう。

   ガル・コスタが自身の名前を冠した69年の2枚目。

ガルは69年に2枚のアルバムを出し、そのどちらもタイトルが「GAL COSTA」だから
まるであぶらだこ(笑)である。冗談はともかく、このとっつきにくく面倒くさい1枚が、私の
好きなガルのアルバムである。ズバリ、サイケ名盤。

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DUO PATICUMPA

2013-06-13 01:21:07 | BRASIL

高校2年の頃だったろうか。音楽の話をよくする友人が唐突に「グラハム・ナッシュと
デヴィッド・クロスビーのアルバムのジャケットって格好いいな。」と言った。

ドノバン、もといどの盤を指すのかピンとこなかったので、生返事をすると「おい、
よく見ろよ、この写真。普通ならど真ん中に大写しにするところを右端に小さく写真を
置くって凄いと思わないか?。」と追い討ちをかけてくる。

確かに、配置的には面白い。だけど、その時の私の頭の中では「ニール・ヤングがいない。」と
ピントのずれたことしか浮かんでこず、そのレコードに興味すら沸かなかった。
結局、潤沢な資金があるわけでもない二人がそのレコードを買うことはなかったのだけど。(笑)

掲載写真は08年にリリースされたDUO PATICUMPAとネーミングされた二人組の
セルフ・タイトルを冠したアルバム。座った二人がジャケットの左上に配された構図が
絶妙だな、と思ったジャケ買い盤。(笑)この盤のジャケットを見て即座に高校時代の
ある日の会話を思い出したため、冒頭の話になったというわけである。

パーカッション・デュオとの表記もあるが、そんな表記から想起されやすいのが、民族楽器や
ドラムスが打ち鳴らされる曲なのだが、この盤はそんなものではない。

ヴィヴラホンやマリンバが、この盤の主役である。二人が操るこういった楽器は打楽器で
あると同時にメロディー・ラインを持つので、普通に起伏に富んだ美しいメロディーの
インストを聴くことができる。ドラムスやベース、サックスが配される曲もあるが、主役は
あくまでヴィヴラホンとマリンバ。楽器本来の持つ美しい音色とリズムの多彩な様に聴き惚れる。
まさにジャケ買い大当たりであった盤である。

私がストーンズのことを好きなのは、チャーリー・ワッツのドラムスが「よく歌う」ドラムスであり、
メロディーに寄り添ったリズムであると感じる点が大きいのだ。あくまで独善的な解釈だが。
パーカッションを単純な誰でもできる楽器のように思う人もいるだろうが、サンタナやティト・プエンテ、
或いは頭脳警察のトシのパーカッションは最高の状態の時は、見事にメロディーすら担当している。
そう思えば、音を聴くのが更に楽しくなるというものだ。

ああ、また余計なことを書いてしまった。(笑)
前衛でも何でもない、楽しい音がここにある。

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SIMPLESMENTE

2013-06-01 01:46:18 | BRASIL

サーフ・ミュージックという言葉から連想する音は、人によって様々だろう。昔から
今に至るまでの音楽を満遍なく聴いていない人にとっては、それは世代という言葉で
置き換えることも可能だろうが、私的には「世代」という言葉や括りは信用していない。

さて私はと言えば、即座にエレキ・ギターがビンビン鳴る60年代のロックが思い浮かぶ
のだが、現代ならもっとハードでスピード感のある音がイメージされるかもしれない。
それとは別に、数年前に再発されたコーキー・キャロル&フレンズの「LAID BACK」で
聴くことができた、ゆったりしたアコースティックな感じを基調にした音も好まれ、
ジャック・ジョンスンのように大きな支持を得ているミュージシャンもいる。

掲載写真はオス・ザ・ダルマ・ラヴァーズが09年にリリースしたアルバム「SIMPLESMENTE」。
ダルマというのは「達磨」を意味する。メンバーの中にはチベットで僧侶の修行をした者も
いるということで、一般的な「ブラジリアン・ミュージック」のイメージからは、少し違った
音を聞かせる。

ジャケットにはサーフ・ボードを抱えた人が写っているので、冒頭のような書き出しになった
のだが、ここで聴くことのできる音はアルバム・タイトルではないが、単純に気持ちのいい音。
明確なメロディーと素朴なコーラス、ギターと弦楽器とフェンダー・ローズの音が絶妙のバランスで
絡み合うと、そこは桃源郷。日本語が母国語で、英語詞に親しんだ私のような者の耳には
ポルトガル語の歌唱が更なる無国籍感を演出し、もうこれは気持ちがいい以外の
何物でもない。この盤を制作するにあたって現代のブラジル音楽シーンを牽引するオルケスタ・
インペリアルズの主要メンバーが手を貸していて、その貢献が大きいと言われているようだが、
実のところ私は、そのバンドはあまり得意ではない。(笑)

さて、ジャケットに使用された写真は最近の写真ではなく78年のものだとか。
時代を超越して、過去にも聴かれるべきだった、そして未来永劫聴かれるべき音楽の創造を
狙っての所作なら、その目的は達成されたと私は思う。

ピンク・フロイドの「モア」とか「雲の影」あたりに理解がある人に・・・。

コメント (2)
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