レゲエのライブ盤と言われて真っ先に思い浮かぶのが、この2枚。
ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズの「LIVE ! 」は、私のレゲエ事始めの盤であり最初にこれを聴いた時の
衝撃は大きかった。ジミー・クリフのこのアルバムは「IN CONCERT - THE BEST OF JIMMY CLIFF」と
いうタイトルなのだが、日本盤は「ベスト・オブ・ライブ !」というタイトル。両者とも付けも付けたりのタイトルで
その名に偽りなしの渾身の歌唱を聴くことができる。私にとってジミーのこのアルバムは、ロックのレコードに
例えれば、ニール・ヤングの「LIVE RUST」と同じような位置にある。つまり、両者のアルバムで最も好きな
盤ということだ。
次いで挙げるなら、この2枚か。ミスティー・イン・ルーツの「LIVE AT THE COUNTER EUROVISION 79」は
ちょっと経験値を上げてから出会った盤で、彼らのデビュー・アルバム。英国のレゲエ・バンドに目を向けると
こんな凄いバンドがいるのかと驚かされた盤でもあった。デニス・ブラウンの「LIVE AT MONTREUX」は
映像も残されている。この映像は単体でも発売されているが、やたらとセット売りもされていて、掲載写真の
ライブ盤CDと同梱されたり、デニスのベスト盤CDと同梱されたりもしている。それだけ定番であるということ
なのだろう。
で、今回取り上げるのは先日のCD化で初めて聴いた、このアルバム。
74年12月、このライブ盤制作のためにキングストンの
「ターンテーブル・クラブ」で行われた演奏を収録。ソウル・シンジケートをバック・バンドに、デニス・ブラウン、
アレクサンダー・ポーテウス、デルロイ・ウィルスン、ビッグ・ユースの4者の演奏を聴くことができるのだが、
ここで聴くことができるのは、どれも勢いのある、ちょっと危険な匂いのする演奏で雑然とした混沌を感じる
ことができる。
特にアルバム最初に収録されたデニス・ブラウンの勢いが素晴らしい。若さにまかせた怖いモノ知らずの
勢いをそのまま捉えている。アレクサンダーの演奏は大して上手くないと思うが、雰囲気は十分。
デルロイ・ウィルスンの『IT'S A SHAME』は聴きものだし、ビッグ・ユースのレゲエ賛歌は会場を湧かせる。
歓声のミックスが幾分作為的で、純粋なライブ盤というには少々違和感を感じない事も無いが、ミックスを
キング・タビーが担当し、マスタリングをアップル・スタジオで行ったとなれば、有難味も増すというものだ。(笑)
今回のCDは見開きの紙ジャケ仕様。中ジャケの観客を写した写真を見ながら聴くと、ライブの熱気が
より一層伝わるかも。