HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

HOT STUFF

2015-03-30 20:48:36 | SOUL

ローリング・ストーンズの『HOT STUFF』を聴く度に、「これがファンクだ。」
いや、「これこそファンクだ。」と気分が高揚する。

ギターの1弦から3弦を使って弾き出すメイン・フレーズの最初の一音の伸ばし方は
ジェームス・ブラウンの『SEX MACHINE』におけるギターのメイン・フレーズの
三音目の伸ばし方と通じるところがある。

ストーンズの場合、16で刻めるビートを8で刻むことで独特のもったりした感じが
生まれ、これがストーンズならではの無骨なリズムに繋がる。極めて感覚的な
物言いだが、これがストーンズの「ファンク」である。

ドイツのファンク・バンド、マイティ・モカンボスがローリング・ストーンズの
『HOT STUFF』をカバーしたという話を知って、慌てて聴いてみた。
あんな難しい曲を一体どうしようってのだ、と聴く前はそれほど期待していなかった
のだが、これがえらく格好いい。

徒に今風でなくブギー・テイストを漂わせ、ブレイクではカウベルが『HONKY TONK
WOMEN』を彷彿させるアイディアが素晴らしかった。大御所アフリカ・バンバータらの
歌唱というかコーラスというか合いの手(笑)もキまっている。

掲載写真は先日リリースされたアルバム「SHOWDOWN」。
アルバムも全曲捨て曲なし。ゲスト・ボーカルを加えた歌物がいいアクセントに
なっているし、4曲目やラストの曲で聞かれるような、マイナー調のフレーズを
ダンス・ナンバーに昇華するセンスが素敵だ。

ジャケットもまさにハード・ボイルドGメン75(笑)ってな感じでO.K.
ロック者や70年代のソウル・ミュージックが好きな人にこそ聴いてほしい
今のファンク。本当に最高だ。

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CZ2014

2015-03-28 12:46:55 | ROCK

CZ2014なんて書くと、新しいバイクの型番みたいだけど。(笑)

昨年の4月頃だったか、キース・レヴィンがPILの未完のアルバム「COMMERCIAL
ZONE」を本来あるべき姿で復活させるという話があった。「CZ2014」と題された盤を
世に出すというプロジェクトを完遂させるための出資金調達のキャンペーンが実施された
ので早々に参加(つまりは、出資した)したのだが、当初の予定から半年近く遅れた
2015年にそれが届いた。

掲載写真は届いた封筒の裏面。表には私の名前と住所が書かれていたのだが、
裏面には「CZ」とだけ書かれ、差出人の住所や名前は一切書かれていないのが
何だか秘密の暗号のようで格好良い。(笑)

中を開けると・・・。

   

左のような「紙袋」が真ん中の写真のような文字が書かれた厚めの紙に貼られ、中には
無造作に折られた曲目表と盤が入っていた。紙袋と台紙の文字はすべて手書きである。

  肝心の盤はこんなジャケット。

「27」というのは通し番号なのだが、これがレタリングシートなのが笑える。
白地にキースのサインというジャケットは渋いのだけど。中身はプレスCDではなく
CD-R。

で、内容はというと・・・。

かつて出回った「COMMERCIAL ZONE」とは全く別物。先に掲載した写真の
曲目を見れば解る通り、全くの別物。PILを期待してはいけない。
8曲目の『TRUE ROMANCE』は、映画「禁じられた遊び」の主題歌「愛のロマンス」を
アコースティック・ギターで弾いたものだし、20曲目の『WHAT'S MY NAME』は
自身がクレジットされている唯一のクラッシュの曲をインストで演奏したもの。
慣れ親しんだ?「COMMERCIAL ZONE」を想起させる曲はほとんど無いといっても
いいだろう。

これを聴いてがっかりした人がいても不思議ではない。でも、私は満足している。
キース・レヴィンが現時点でやりたかった音を確認できたのだから。
まあ、これで落とし前がついたとは思わないけど。(笑)

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帰ってきた「 EVERYBODY MUST GET STONES 」

2015-03-27 22:59:46 | ROCK

                     

先日手に入れたマイティ・モカンボスのアルバムがおそろしく格好良くて、尚且つ
そこに収録されていたストーンズ・カバー『HOT STUFF』を気に入った私は7年振りに
あることを思い立った。

それは・・・。再び私の好きなストーンズ・カバー集を編もうということであった。
08年の4月に、その時点での私の好きなストーンズ・カバーを選んだのだが、前回は
ロックに拘ったつもりであったので、今回はもっと幅を拡げてみた。

それでは、覚書を兼ねて、ここに曲目を記す。

DISC1

01 HOT STUFF / MIGHTY MOCAMBOS
02 START ME UP / MANIC STREET PREACHERS
03 GIMME SHELTER / PATTI SMITH
04 SYMPATHY FOR THE DEVIL / JIMMY CARL BLACK
05 MONKEY MAN / GOV ' T MULE
06 TORN & FRAYED / BLACK CROWES
07 TURD ON THE RUN / PHISH
08 WINTER / CARLA OLSON & MICK TAYLOR
09 MISS YOU / KENDRA MORRIS
10 RUBY TUESDAY / THE CORRS
11 PAINT IT , BLACK / VANESSA CARLTON
12 BEAST OF BURDEN / BETTE MIDLER
13 JUMPIN ' JACK FLASH / ARETHA FRANKLIN
14 JIGSAW PUZZLE / MELANIE
15 PARACHOUTE WOMAN / CHEAP TRICK
16 MEMORY MOTEL / NIKKI SUDDEN
17 WAITING ON A FRIEND / LUNA
18 SHINE A LIGHT / JENNIFER WARNES

DISC 2

01 ( I CAN ' T GET NO ) SATISFACTION / OTIS REDDING
02 UNDER MY THUMB / TINA TURNER
03 LET ' S SPEND THE NIGHT TOGETHER / MUDDY WATERS
04 VENTILATOR BLUES / CLARENCE "GATEMOUTH" BROWN
05 YOU GOT THE SILVER / SUSAN TEDESCHI
06 SLAVE / JIMMY McINTOSH
07 LIES / THE GROOVERS
08 19TH NERVOUS BREAKDOWN / JASON & THE SCORCHERS
09 PLEASE GO HOME / IZZY STRADLIN
10 CAN ' T YOU HEAR ME KNOCKING / SANTANA & SCOTT WEILAND
11 YOU CAN ' T ALWAYS GET WHAT YOU WANT / DEF LEPPARD
12 HONKY TONK WOMAN / THE POGUES
13 SWEET BLACK ANGEL / WAILING SOULS
14 EMOTIONAL RESCUE / FREEDOM DUB
15 NO EXPECTATIONS / CHRIS SMITHER
16 SALT OF THE EARTH / IAN McNABB
17 I AM WAITING / LINSDSEY BUCKINGHAM
18 SHE SMILED SWEETLY / BILLY BRAGG
19 CONNECTION / RAMBLIN ' JACK ELLIOT
20 MOONLIGHT MILE / LEE FIELDS

今回はソウルもブルーズもレゲエも何でもあり。企画自体がくだらないと思った
ボサノバ・カバーの中にも面白いのがあったし、ライブやリハーサル・テイクからも
多く選んだ。全てオフィシャル・リリースされたものばかりである。
勿論、定番であるにも関わらず前回の選曲から漏れた曲は優先した。

68年から72年までに発表された曲のカバーが多いのは、私の趣味がそうだから
なのだが、そのおかげで今回も何とか体裁は保てた・・・・かも。(笑)

                

更なる覚書と私的記録を兼ねて、08年の「EVERYBODY MUST GET STONES」を
ここに再掲する。

DISC1

01 JUMPIN' JACK FLASH / FLAMIN' GROOVIES
02 UNDER MY THUMB / THE WHO
03 STREET FIGHTING MAN / ROD STEWART
04 (I CAN'T GET NO) SATISFACTION / BLUE CHEER
05 GIMME SHELTER / GRAND FUNK RAILROAD
06 NO EXPECTATIONS / CHRIS SPEDDING
07 LET'S SPEND THE NIGHT TOGETHER / JERRY GARCIA
08 BACKSTREET GIRL / JENNIFER
09 DANDELION / MIRANDA LEE RICHARDS
10 TUMBLING DICE / LINDA RONSTADT
11 HAPPY / NILS LOFGREN
12 PLAY WITH FIRE / THE DEVIANTS
13 WILD HORSES / THE FLYING BURRITO BROTHERS
14 HONKY TONK WOMAN / ELTON JOHN
15 EMPTY HEART / MC5
16 FLIGHT 505 / SONIC'S RENDEZVOUS BAND
17 SHATTERED / RICHARD HELL & THE VOIDOIS
18 LET IT BLEED / CAETANO VELOSO

DISC2

01 BROWN SUGAR / LITTLE RICHARD
02 BITCH / PYG
03 SYMPATHY FOR THE DEVIL / BRYAN FERRY
04 SING THIS ALL TOGETHER / ORANGE BICYCLE
05 CITADEL / THE DAMNED
06 2000 MAN / KISS
07 19TH NERVOUS BREAKDOWN / THE STANDELS
08 YESTERDAY'S PAPERS / CHRIS FARLOWE
09 SILVER TRAIN / JOHNNY WINTER
10 STAR STAR / JOAN JETT & THE BLACKHEARTS
11 HAVE YOU SEEN YOUR MOTHER,BABY,STANDING IN THE SHADOW? / THE RECORDS
12 MOTHER'S LITTLE HELPER / LIZ PHAIR
13 STUPID GIRL / SUE FOLEY
14 PAINT IT, BLACK / THE FEELIES
15 OUT OF TIME / RAMONES
16 BEFORE THEY MAKE ME RUN / SUPERSUCKERS
17 SINGER NOT THE SONG / ALEX CHILTON
18 BLUE TURNS TO GREY / DON & THE GOODTIMES
19 GROWN UP WRONG / THE NIGHTCRAWLERS
20 CONNECTION / MARBLE PHROGG
21 SWEET VIRGINIA / RONNIE LANE
22 SITTING ON A FENCE / TWICE AS MUCH

ジェニファーが2回登場してしまったが、登録名が違う(笑)ということで・・・。

 

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I LOVE TO BOOGIE

2015-03-26 22:47:02 | ROCK

T . レックスの7インチ26枚組ボックスが届いた。T . レックスを名乗る
ようになってから英国でリリースされた『RIDE A WHITE SWAN』から
『CRIMSON MOON』までの23枚を各国でリリースされたシングルや
EPのジャケットに入れてリリースするという企画である。

MARC12の型番まで用意されながら実際には当時リリースされなかったクリスマス・
シングルには今回用のデザインの新ジャケットが施された。また、マークが
プロデュースしたビッグ・キャロットのシングルと、マーク&グロリア・ジョーンズ
名義のシングルも添付され、計26枚というわけである。

それでは、各ジャケット写真を掲載。曲名の後ろにジャケットが採用された国名を記す。

 
RIDE A WHITE SWAN / NORWAY        :  HOT LOVE / ARGENTINA

 
GET IT ON / ITALY                            : JEEPSTER / ITALY

 
TEREGRAM SAM / GERMANY               : METAL GURU / THAILAND

 
CHILDREN OF THE RWVOLUTION / THAILAND : SOLID GOLD EASY ACTION / DENMARK

 
20TH CENTURY BOY / THAILAND        : THE GROOVER / FRANCE

 
TRUCK-ON (TYKE) / FRANCE              : TEENAGE DREAM / JAPAN

 
LIGHT OF LOVE / GERMANY               : ZIP GUN BOOGIE / GERMANY

 
NEW YORK CITY / FRANCE                 : DREAMY LADY / JAPAN

 
CHRISTMAS BOP / -                          : LONDON BOYS / JAPAN

 
I LOVE TO BOOGIE / GERMANY          : LASER LOVE / GERMANY

 
THE SOUL OF MY SUIT / FRANCE      : DANDY IN THE UNDERWORLD / JAPAN

 
CELEBRATE SUMMER / FRANCE         : CRIMSON MOON / U.K.

 
TO KNOW YOU IS TO LOVE YOU / GERMANY  : BLACKJACK / U.K.

ビッグ・キャロットの『BLACKJACK』はオリジナル・リリース時はカンパニー・
スリーブに入っていたが、今回は02年にシングルCDとしてリリースされた時の
ジャケットが流用されたようだ。

それにしても。何だか冴えないジャケットを選んだものだ。もっと他に格好いい
ジャケットがあるのに。特にイタリア盤の『JEEPSTER』のセンスの無さ。(笑)

『LIGHT OF LOVE』や『NEW YORK CITY』は英国盤と各国盤でB面曲が違うので
絶妙にジャケットを修正してある。因みに『LIGHT OF LOVE』の独盤の本来のB面は
は『VENUS LOON』で、これは最強のカップリングである。この2曲が収録されている
アルバムは全然違うのだけど。(笑)

というわけで、微妙な空気を醸しつつも楽しい7インチである。手間と時間をかけて
ゆっくり楽しみますよ。

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YOU CAN DO A LOT WITH MORE 100 WOMEN - 38

2015-03-23 00:02:02 | BRASIL

ブラジル音楽の入り口として、私が最初期に手にしたのは「TROPICALIA OU PANIS
ET CIRCENCIS」(トロピカリア)であった。68年に発表されたこの盤は
カエターノ・ヴェローゾの号令の元に数多のミュージシャンが録音した曲を収録した
オムニバス盤であるが、一際印象に残ったのがカエターノ作の『BABY』であった。
そして、それを歌ったのがガル・コスタであった。

掲載写真はガルの事実上のファースト・アルバム「GAL COSTA (1969)」。
「トロピカリア」収録の『BABY』はガル単独のアルバムだと、この盤で聴くことが
できる。

69年にガルは2枚のアルバムを出しており、サイケなジャケット・デザインの
「GAL」はブラジル音楽の様式を大幅にはみ出したサイケ感の強い曲が並んでいて
ロック者には面白いのだが、掲載盤で聴くことができるブラジル音楽とサイケ感の
絶妙なバランス感覚の調和は広い意味合いで、今の時代でも歓迎されるだろう。

当時のブラジル軍事政権下では音楽が検閲されることは多々あり、当然のように
ミュージシャン達は抗議行動を様々な形で起こしたり、亡命を余儀なくされたりした
のだが、ガルの活動はその中でも挑発的なものではなかったかと思う。

愛だの平和だのを訴えて、花をつけて髪を伸ばして裸になった(なることを
許容された)アメリカと違って、挑発的なジャケットの「INDIA」をリリースする
ことがギリギリの線ではあったのだろうど。

それにしても魅力的な女性であったのは間違いないだろう。そうでなければ
カエターノや、ジルベルト・ジル、ジョアン・ドナートら錚々たる面子が何枚もの
アルバムをサポートしないだろうから。近年の盤は聴いていないのだが、
69年から70年代末までの盤は、どれを聴いても素敵だ。

意思の強そうな横顔と強烈な水着に痺れた私は、今も痺れっぱなしである。(笑)

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HE 'S SO TOUGH

2015-03-22 08:44:49 | ROCK

掲載写真はミンク・デヴィルがテレビ番組ロックパラストのために残した
映像と音源で構成された「LIVE AT ROCKPALAST 1978 & 1981」。
DVDには2回のプログラムが収録され、CDはそれぞれの回を分けて収録
しているため計3枚組となっている。

ボーカルのウイリー・デヴィルの魅力満載の映像である。物凄く男前では
ないかもしれないが、ロック・バンドのボーカリストたるもの、これくらい
格好つけなければ、と思わせる伊達男ぶりは昨今の街ですれ違っても誰だか
わからないような見てくれのアンちゃんがフロントを務めるバンド群とは確実に
一線を画す。

髪や口髭の手入れは怠らないだろうし、タイトなスーツに紫のシャツでステージに立ち
汗だくになるというのは、時代なのかもしれないが本当に格好いい。

映像は140分に及んだ2回のコンサートを1枚のDVDに収めたので、今の
眼で見るとそれほど画質は良くないのだが、この熱気の前では大した問題ではない。
81年のセット・リストは、以前出た82年のモントルーでのDVDと似ているが
敢えて唯一のヒット曲である『SPANISH STROLL』を演奏しないという男気に
痺れた。

バンドとして十分に勢いのある時代なので、次々と繰り出される曲はどれも良い。
オーソドックスなロック・バンド故に、バンドとして或いはマネージメント側からの
大きな仕掛けがないと超メジャーになるのは難しかったのだろうが、全盛期の映像が
登場したことをきっかけに多くの人に再注目してほしいバンドだと改めて思う。

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いとしのバナナ

2015-03-20 19:36:59 | DAY BY DAY

「味覚糖のど飴缶 アンディ・ウォーホル」の全30種ある缶のデザインを見て、
即座にバナナのデザインの缶は絶対に手に入れたいと思った。

実際に手に取った方は御存知の通り、袋を開けるまで缶のデザインがわからないように
なっているのが難点で、かくいう私も既に17個買ってまだバナナには辿り着けて
いない。(笑)しかも、30種もデザインがあるというのに17個買って3種も
同じデザインのものにあたってしまった。う~む、引きが弱い。(笑)

実は「バナナ缶」は人気があるだろうと見越して、初回プレス(笑)はバナナ缶の
数が少なくて、ロック者が何個も買うことを狙っていた・・・わけはないか。(笑)

しかし、最短距離で全30種を手に入れる方法もあるようで。

    それが、コレ。
30箱限定の漆塗りの木箱で、中にはしっかり30種の缶が収納されている。
ウォーホルの収集家の方は、是非とも入手してください。因みに受注販売で値段は
540,000円也。桁を間違えているのではなく、54万円とのこと。

私は地道に1個ずつ買うことにします。(笑)あっ、amazonには6個入りもある
ので、今度はそれを買ってみるかな。(笑)

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追悼 アンディー・フレイザー

2015-03-18 22:53:47 | ROCK

元フリーのベーシスト、アンディー・フレイザーが3月16日に亡くなった。
享年62歳。

フリーを結成した時は15歳、ファースト・アルバムをリリースした時でも
16歳という早熟の天才であった。フリーはポール・ロジャースのボーカルや
夭折したポール・コゾフのギターを中心に云々されることが多いが、アンディーの
ベースの素晴らしさは特筆すべき事柄であった。

個人的には、フリーの音の骨格というか聴いた時の印象を強烈に耳にとどめたのは
アンディーのベースによるところが大きいとさえ思っている。
更に大文字で書かれなければならないのは、フリーの楽曲はほとんどが、アンディーと
ポールの手によって書かれているということである。
ベーシストとしてだけでなく、コンポーザーとしての魅力も大きかったということだ。

クリス・スペディングのファンとしては、たった1作ではあったがシャークスとしての
活動も記憶に留めたい。

MORNING SAD MORNING .
今日もまた、朝は悲しい一日の始まり。

R.I.P.

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AQUASHOW DECONSTRUCTED

2015-03-16 21:04:55 | ROCK

      

昨年は5曲入りのミニ・アルバムをリリースしたエリオット・マーフィーであるが、
今年になって早くも2枚の興味深い盤をリリースしてくれた。

まずは「AQUASHOW DECONSTRUCTED」。タイトルからもわかるように、
マーフィーが73年にリリースしたデビュー・アルバム「AQUASHOW」を40年経った
2014年に全曲を再録音したアルバムである。

今やマーフィーの片腕といって過言でない息子のガスパードが、マーフィー自身が
「AQUASHOW」を録音した時と同じ年齢になったことの記念の意味合いもある。
今回のアルバムのブックレットを読み始めて、その書き出しと終わり方が73年の
オリジナルのライナーと同じなのが何だか嬉しい。

今回の企画はマーフィーによるとアルバムに第二の命を吹き込んだということになる。
新解釈、新録音というのは往々にしてオリジナルを超えることは無い。今回もそういった
例に漏れないのだが、オリジナルを好きすぎる(笑)私には、14年に吹き込まれた
新しい息吹を受け入れる用意はあるし、バリエーションとして十分に楽しめるクオリティーは
あると思えた。若くはないが、過ぎた年月にふさわしい思慮は備わっているというわけだ。

そういえば、2007年にアナログ盤のみでリリースされた「THE 1973 AQUASHOW
DEMOS」を買い忘れていたことを思い出した。いかんなぁ~。(笑)

  

今更ではあるが、忘れないうちに手をうちました。(笑)

さて、もう1枚は「POETIC JUSTICE」と題された4曲入りCD。これはマーフィーが
出版した小説「POETIC JUSTICE」のサウンドトラックの体を成す盤である。
小説はスペイン語での出版のようで、マーフィーのHPで小説とCDを組み合わせたものと、
CD単体での購入が可能。私はCDのみを購入した。

日本語訳の本なんて出ないだろうし、これが映画化されることもないかもしれないが
せめて音だけで想像力を膨らませたい。チャプターは4つ打たれているが、曲といえるものは
3曲であとの一つはマーフィー自身による小説の第一章の朗読。
『IF POETS WARE KING』と題された曲は秀逸であり、マーフィーのファンが
この盤をコレクションに加える価値のあるものとする手助けをする。

ROCK ' N ' ROLL HAS ALWAYS BEEN AND STILL IS ONE OF THE FEW HONEST
THINGS LEFT IN THIS WORLD .

1974年にV.U.のライブ盤のライナーで、こう書いたマーフィーは自身で今も
それを体現し続けている。

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追悼 デヴィッド・アレン

2015-03-15 00:02:03 | ROCK

デヴィッド・アレンが癌のため3月13日に亡くなった。享年77歳。

ソフト・マシーンの創設時のメンバーであり、ゴングでの活動で広く名を知られた
自由人の残した音は、テクニカルな側面を重視するのではなく豊かな発想に満ちたもの
であり、70年代初期の何枚かのアルバムには好きな盤がある。

掲載写真は71年に発表されたアレンのファースト・ソロ・アルバム「BANANA
MOON」。今思えば、夢のようなメンバーで録音されていて、『MEMORIES』では
ロバート・ワイアットの、『WHITE NECK BLOOZE』ではケヴィン・エアーズの
歌唱を聴くことができる。

アレンは亡くなったが、惑星ゴングはいつまでも世界中の空を漂い続けるだろう。

REQUIESCAT IN PEACE .

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DISCO 2000

2015-03-14 00:13:11 | ROCK

昨日はDISCO 3000だったので、今日はDISCO 2000を・・・。

90年代にブリット・ポップという名称で一括りにされるバンド群とブームが
あった。大体において、こういったブームには乗り遅れたり乗り切れないことが
多い私である。グランジやマッドチェスターといったブームの主役のバンドは
どれも好きでなかったし。

そんな私でもブリット・ポップの中でパルプだけは熱心に聴いた。
ジャービス・コッカーの情けない(失礼)ルックスと情けない踊り方、自己憐憫に
満ちた歌唱と声が、なんとなくブライアン・フェリーさんと近似値的なものを
感じさせたので。

彼らが爆発的に売れたのは95年に掲載写真のアルバム「DIFFERENT CLASS」を出した
頃であったが、実際の彼らは83年に既にファースト・アルバムを出しているという
苦労人であったのが、また私の琴線に触れる所以であった。

つまり、ブラーやオアシスのメンバーより、いや私よりもジャービス・コッカーは
年上である。(笑)もう好きになるしかないのであったが、そういった外堀以上に
「DIFFERENT CLASS」はシングル・カットされた曲を多く含むところも親しみ
やすかった。

『DISCO 2000』も、そんな1曲でローラ・ブラニガンの『GLORIA』のリフを
上手く再利用した気分の高揚する曲。

で、DISCO 1000という曲がないか検索したけど、それは無かった。(笑)
それにしても、「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」に、ほんの一瞬登場する
バンドのボーカルがジャービスだったなんて、全く気付かなかったよ。
エンド・ロールにはしっかり名前がクレジットされていたのだけど。(笑)

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DISCO 3000

2015-03-13 20:11:30 | JAZZ

さて、あと一か月とちょっとでレコード・ストア・デイである。リリース情報も
出揃ってきたのだが、前回のブラック・フライデイ同様に日本国内のレコ屋では
事前予約は受け付けないようなので、当日並んで買うか当日より始まるネット予約に
かけるか、悩ましいところである。

ま、出不精なのと昔からレコード・セールでよく見られた行列や奪い合いの中に
参戦したくないという気持ちがあるので、のんびりとネットで注文し、買えたら
ラッキーくらいな感じでいるのがいいのだろう。ただ1枚何があっても、例え
外国の店にオーダーして法外な送料がかかっても入手しなければいけないブツが
あるのも事実だけど。(笑)

ざっとリストを見渡して、欲しい7インチが20枚ほど。(笑)
全部買えたとして「これは金がかかるなぁ。」と呟くと、即座に「毎月、その倍以上の
値段の買い物してるくせに。」と呟き返される。ご尤も。(笑)

懸念事項はまだある。

何と、サン・ラーの映画「SPACE IS THE PLACE」がDVDとサントラCDと本を
セットにした豪華装丁でリリースされるではないか。私の目当ては当然ながら
映画のDVDである。映画自体は、演奏シーンが細切れの収録なので音楽的な楽しみは
もう一つなのだが、映像の色合いと様々なシーンでのぶっ飛び具合が面白いので
綺麗な画質で是非とも見たいのだ。もし、ジョージ・クリントンが70年代に映画を
作っていたら、こんな感じになったのだろうな、なんて想像していただければ映画の
感じは大体想像がつくであろう。

しかーし。今のところ輸入盤のみの発売のようである。映画なので日本語字幕が欲しい
ところで、限定版と謳われた本ボックスを入手するか、日本版が出るのを期待して
待つか悩ましくも様子見である。

掲載写真はサン・ラーがアーケストラではなく4人という少人数編成で、78年に
録音したライブ盤「DISCO 3000」。ジャケットの色は再発のたびに様々に着色
されるので、オリジナルが何色だか知らない(笑)のだが、掲載写真は12年に出た
2枚組CD。オリジナルLPでは4曲しか収録されていなかったが、ここでは全12曲の
完全版で聴くことができる。

シンセやリズム・ボックスの使い方が今聴いても面白く、それ故に録音から35年以上
経った今でも、ジャズ・ファンの垣根を軽く飛び越えて幅広い層に聴かれるのだろう。
サン・ラーの盤を揃えよう、なんて思ったことはないのだが数多いアルバムを集めると
いう行為自体がフランク・ザッパのアルバムを集めるのと同じような快感をもたらす
ような気がしてならない。

気のせいならいいのだけど。(笑)

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NOBODY LOVES ME

2015-03-10 00:05:00 | ROCK

       

幾多数多の難関(笑)を乗り越え、作成する「俺ベスト」シリーズ、本年度第三弾は
念願のブライアン・フェリー。タクシーならぬマイカー・オンリーのベスト盤でもある。

全ソロ・アルバムから選ぶことも考えたが、フェリーさんのジャズ風録音の盤の曲を
入れると流れが寸断されるように思えたので、今回はスルー。ロキシー・ミュージックで
ベスト盤を編むこともないので、ロキシーの曲も選出。ロキシーの曲の中には後に
フェリーさんが再録した曲があるが、それはロキシー・ミュージックでの録音を使用。

ザッと曲を並べてみて、気づいたのは今でも「SIREN」を偏愛していることであった。

それでは、覚書を兼ねて、ここに曲目を記す。

       

DISC1

01 A HARD RAIN'S A - GONNA FALL
02 THE PRICE OF LOVE
03 SHE SELLS
04 THE CHOSEN ONE
05 LIMBO
06 SOLDIER OF FORTUNE
07 LOVE ME MADLY AGAIN
08 MOTHER OF PEARL
09 SEA BREEZES
10 THE " IN " CROWD
11 ALL NIGHT OPERATOR
12 SIGN OF THE TIMES
13 HEARTACH BY NUMBERS
14 A FOOL FOR LOVE
15 WILDCAT DAYS
16 LOVE IS THE DRUG
17 ANOTHER TIME , ANOTHER PLACE

       

DISC2

01 (WHAT A) WONDERFUL WORLD
02 LET ' S STICK TOGETHER
03 SHAME , SHAME , SHAME
04 SAME OLD SCENE
05 SLAVE TO LOVE
06 SENTIMENTAL FOOL
07 LOST
08 NO FACE , NO NAME , NO NUMBER
09 NOBODY LOVES ME
10 FALLING LOVE AGAIN
11 ANSWER ME
12 DON ' T WANT TO KNOW
13 GODDESS OF LOVE
14 DO THE STRAND
15 EDITIONS OF YOU
16 THE THRILL OF IT ALL
17 NIGHTINGALE
18 AVONMORE
19 I DON ' T WANT TO GO WITHOUT YOU
20 THESE FOOLISH THINGS

これは、恋ですらない。
愚かなり、わが心・・・・である。

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WANT YOU !

2015-03-09 00:05:35 | 日本のロック・ポップス

何だか最近は『STAYIN ' ALIVE』ばっかり聴いている気がするが、まあいいか。(笑)

掲載写真はウルトラ・ヴァイヴからリリースされた「夜の番外地 ディスコ歌謡
抱いて、火をつけて」というオムニバス盤。特にこの手の音に興味があったり造詣が
深いわけではないのだが、シングル盤を探すのが面倒だったり今更感があったりする時、
この手のオムニバス盤の存在は役に立つ。

さて、今更ながら聴きたいと思ったのが『「ヒゲ」のテーマ』と『星降る街角』(笑)
であった。前者はテレビ番組でよく見たものの、曲をシングルとして買おうなんて発想は
なかったのだが、数年前に(遅い、笑)元歌であるテディ・ペンターグラスを知って、
今更のように聴きたいと思ったのだ。

ベースとホーンのファンキーさに最初は耳がいくが、簡単なようで正確なカッティングが
難しそうなギターの、キメのワン・コードの素晴らしさに改めて驚く。できれば、
ピート・タウンゼントにも、スタジオ・バージョンに忠実に『PINBALL WIZARD』の
コード・カッティングをキメてほしいものだ、などと余計なことを思ったり。(笑)

後者は、単にイントロと間奏で入る「WANT YOU !」の掛け声を気に入っているから。
これはストーンズの『JUMPIN’ JACK FLASH』のイントロの掛け声に匹敵する。
実のところ、今になってあの掛け声が「ONE , TWO」なのか「WATCH IT」なのか
悩んでいるところではあるが。(笑)

さて、冒頭に書いた『STAYIN ' ALIVE』は、何とジョーン・シェパードが歌う
日本語バージョン。こういう曲に出会えるのはオムニバス盤ならでは。
他にもとんでもない曲がかなりあって、厳しい篩にかけられてデビューできない
歌手やバンドが沢山いたにも関わらず、安直な企画物が横行したのだなあという
ことを考えずにはいられない。

やめて・・・やめないで・・・・。

コメント (2)
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立直・平和・栄

2015-03-08 08:54:05 | 日本のロック・ポップス

羅生門なるグループの名前を知ったのは、98年に「インディアン、死よりも赤を選ぶ」
というアルバムがCD化された時であった。その盤をあまり面白いと思わなかったのだが
同時に彼らには件の盤の前に日本国憲法の条文を歌詞にした「日本国憲法」という
盤があることも知り、そっちは何だか面白そうだなと思ったものだ。

アルバムは71年に発表され、先日やっとCD化された。
う~む、この盤を創ろうと思う発想はどこからきたのだろう。71年は学生運動の
活動が下火になり始めた年であり、殊更「権利」だの「自由」を捻じ曲げて都合の
いいように解釈する者も横行しただろうから、良きにつけ悪しきにつれ、客観的に
日本国民がどのような憲法の下で生活しているかを、ロックのフォーマットで
若者に示そうとしたのかも、なんて想像する。

都合のいい条文だけを抜き出してとりあげるのではなく、第二十七条の、すべて国民は、
勤労の権利を有し、「義務」を負ふという箇所や、第三十条の、国民は、法律の定める
ところにより、納税の「義務」を負ふといった、「義務」もしっかり歌っているのが
公平な感じがして、今聞いて笑われなくて済むといったところだ。

そう、彼らは憲法を歌ったのだ。歌ったというのが凄いのだ。
ポエトリー・リーディングや、平坦な抑揚でラップするのでなく、しっかりメロディーを
つけて歌うということの困難さと、歌われた内容とを合わせて考えれば、実に
画期的な盤であったのだなぁと思わずにはいられない。

私は法学部の出ではあるが、あまり真面目に法律を学んだとはいえない。
当時、この盤を聴いていたら、ちっとは真面目に憲法でも覚えただろうか。
それとも、「やめてくれ」と思っただろうか。今となってはどちらでもいいが・・・。(笑)

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