HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

RONNIE WOOD / I FEEL LIKE PLAYING

2010-09-29 20:02:35 | ROCK
今年はストーンズ絡みだと72年に焦点があたり、しかも「お宝映像」「お宝音源」の
蔵出しで盛り上がり、自身はストーンズのメンバーだというのに何となく部外者の感じが
寂しいロン・ウッド。しかしながら、素晴らしい新譜を届けてくれた。

9年もアルバムを作ってなかったのか。だからといってロニーの新録音に餓えていた訳では
ないし、それほど間隔が空いていることすら意識していなかった。それはストーンズや
フェイセズのアルバムと同じように、ロニーのソロ・アルバムを満遍なく常日頃から
愛聴しているからかもしれないし、特に期待していないからかもしれない。(笑)

今回のアルバムはサラっと登場したが、バラエティに富んだ内容で楽しい。
オープニングがバラッドというのが意表を突いて渋く迫ってくるし、レゲエはキースのアプローチ
とは違って粘り気のあるギターと、時にディージェイ調になる歌唱が面白い。
今時のヒップホップ風のリズム解釈がブルーズに新しい解釈をもたらしたといってもいい
「SPOONFUL」のカバーがまたキマっている。そして、昔から我々のよく知るロニーがいる。

ゲストのギタリストが豪華なのだが、ワディ・ワクテルは「100%」をプレイしながら
エクスペンシヴ・ワイノズでプレイしているような錯覚を覚えたに違いない。
豪快にギターを鳴らすビリー・ギボンズを、バラッドでも起用したのが意外に思えたが
結構うまくハマっている。ボビー・ウォマックがボーカルで参加しているのも特筆すべきで
ストーンズの新譜には参加しないだろうが、ロニーとは今も良好な関係が続いているようだ。

単なるバリエーションというのは簡単だ。歴史に残る名盤に成りえないというのも外れて
いないだろう。しかしながら、そんな七面倒くさい次元とは遥かにかけ離れたところで
鳴るレコードこそ、私にとっては日常をやり過ごすための、いや日常をやりきるための
トランキライザーのようなものだ。

当然のことながら、しばらく常用することになるだろう。(笑)

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新無頼横町

2010-09-27 21:41:21 | DAY BY DAY
以前も書いたが拳銃の造形が好きである。それもオートマチックより、リボルバーだ。
リボルバーは銃撃戦になった場合、特殊な道具が無ければ銃弾の補填に時間がかかるのが
難点だが、造形は圧倒的にリボルバーが好きだ。S&W M19はずば抜けて格好良い。
装弾数は6発だが、俺が仕留めるなら1発あれば十分。相手がタフなら2発目を見舞う用意は
出来ている。M29だとダーティー・ハリーになってしまうのだが、銃身の長い銃は
所持するのが大変だし、まあ俺的にはM19といったところか。

勿論、法治国家の日本では拳銃の所持は許されていない。日本が銃規制の行き届いた国で
本当に良かったと思う。何食わぬ顔で、銃で武装あるいは護身したヤツらが歩いているかと
思うとゾッとする。まあ、俺は銃の手入れは怠らないがね。(笑)

GUNS N ROSESとは、付けも付けたりのバンド名だ。バンド名の由来は前身となった二つの
バンド名を組み合わせて出来たという話だが、妄想逞しい私は、すぐに別の事を考えたり。(笑)
なもんで、GUNS N ROSESを略して「ガンズ」なんて書いている文を見ると、興醒めすること
甚だしいのだ。銃と薔薇が一つにならないと意味が無いのだ。

昨日は薔薇をあしらったジャケットを2枚出したので、今日は銃を携えた男を2枚。
掲載写真左はソニー・ロリンズの「WAY OUT WEST」。拳銃ではなくテナーを抱えているが
右手は遊んではいない。ジャケットから漂う飄々とした風情の通り、ユーモラスな
「I'M AN OLD COWHAND」でアルバムは始まり、以降も西部をモチーフにしたようなタイトルが
並ぶ。ピアノがいないトリオ編成というのが、面白いアルバムだ。

掲載写真右はジョニー・キャッシュの「RIDE THIS TRAIN」。さながら汽車に乗って遥か昔の
アメリカを旅する気分を味わえるアルバムである。ただし単純に楽しい旅では無い。
曲と曲の間には汽車のS.E.とジョニーの語りが挟まれ、語り部ジョニーは様々なキャラクターを
紹介し、また聴き手は自身をそれに重ねることが出来るようにうまく構成されている。
裕福な人は登場しない。炭鉱夫や木こり、囚人にアウトロー、綿花畑で働く奴隷。
そういった人びとの日常の悲喜こもごもが、すなわちアメリカの歴史であることを端的に
表現した名盤である。

そして・・・。俺は拳銃を持っている。普段は見せないがダブルアクションの
イカしたヤツをこっそり隠し持っている。(笑)

俺は底抜け二丁拳銃
俺はうずうずして 鳴らないピストルを抜くのさ
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君は薔薇より美しい

2010-09-26 18:28:26 | DAY BY DAY
こう見えて(どう見えて)私は花が好きである。花弁が大きく拡がっているのや、
あまり拡がりが無いのは好みでは無い。内側の赤みが強いとちょっと驚くのだが
毛が多くて驚くことはない。花芯は程良く小ぶりで、それらが朝露に濡れた様を見ると
何とも言えない悦びを感じる。

乾いていれば水やりは欠かさない。以前の職場で私が花に水を与えていると、職場のボスが
「おっ、似合わないことやってんな。」と声をかけてきた。
いえいえ、そこらの気の利かないお局様とは違うんですよ。

さて、相方に何気に「花の絵を書いてと言われたら、どんな花を書くか」と尋ねたら
「真中が黄色で白い花びらがあるヤツ」と答えた。私も同じだった。マーガレットの絵は
書きやすいのだ。薔薇や秋桜の絵はなかなか書くのが難しい。因みに私が一番好きな花は
鷺草である。

薔薇の花をあしらたジャケットは数多くあるが、なんとなく構図が似ている2点を引っ張り
だしてきた。掲載写真左はキース・ジャレットの「生と死の幻想」。ジャズの名盤として
名高い盤である。レコードでいうとA面全てを使ったタイトル曲が好きだ。
冒頭のパーカッションとフルートが鳴る中、徐々にベースとピアノが加わるスリルと、長尺の
曲中だれる事の無い演奏は何度聴いても格好良い。スタンダードを演奏するキースは聴いたことが
無いのだが、まあ私はずっと聴かず嫌いでもいいでしょう。(笑)
あっ、いい歳して書くのも恥ずかしいですが「THE KOLN CONCERT」は今年初めて聴きました。
通販って便利ですね。

掲載写真右はソウルの、これも名盤でローズ・ロイスの82年作「STRONGER THAN EVER」。
道路を突き破って出て来る薔薇は今なら、ド根性薔薇としてニュースになるだろう。(笑)
シンセとストリングスが80年代であることを物語るが、それほど嫌味でなく私の許容範囲。
女性ボーカリストが歌う曲がファンクで、男性がリードをとる曲が比較的スローという
構成が面白い。最高なのが「SOMEWHERE WE MADE IT THROUGH THE RAIN」。冒頭の雨と雷の
S.E.で掴みはO.K.。男性コーラスとストリングスが最高のバラッド。途中でねっとりとした
語りでもあればもう言う事無し。(笑)

そして・・・。君は薔薇より美しい。何故なら普段は見せない薔薇の花をこっそり
隠し持っているから。

The lady then she covered me with roses
She blew my nose and then she blew my mind...
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THE FORMERLY WARLOCKS HAMPTON OCTOBER 1989 BOX

2010-09-25 19:44:28 | ROCK
相変わらず精力的なリリースが続くグレイトフル・デッド。精力的には聊かの疑問が
あるものの(笑)私も絶賛散財中である。
「ROAD TRIPS VOL.3 NO.3」は70年5月のフィルモアでのライブで初回版はボーナス・
ディスクが付いていたので、可及的速やかに購入。アコースティック主体のライブなので
なんとなく新鮮な感じがしたのだが、やっぱりガルシアの天まで届くエレキが聴きたいなあと
思っていたら、それほど間をおかず「VOL.3 NO.4」が登場。今回はボーナス・ディスクは
無いので、そのうちのんびりとか思っていたが、とんでもない箱が出たので合わせて購入。

さて。そのとんでもない箱とは掲載写真のブツ。アルバム「IN THE DARK」がヒットして以降、
昔からのデッド・ヘッズにチケットが行き渡らなくなった事への配慮からか、突如WARLOCKSを
名乗って89年10月8日と9日にハンプトン・コロシアムで行ったコンサートを収録した
6枚組CD。箱の中にはバッヂ、チケットのレプリカ、新聞記事、ポスト・カードといった
おまけが沢山。箱は葉巻ケースを意識した木箱でなかなかの重量感があり、手に持つと木の匂いが
鼻を擽る。因みにWARLOCKSというのは、グレイトフル・デッドを名乗る前に名乗っていたバンド名。
この名前でわかるデッド・ヘッズの為のコンサートだったというわけだ。

デッドは同一会場で続けてコンサートをする場合、日によってセット・リストを大幅に
変えてくる。今回もほとんど曲がダブらない選曲で2回のコンサートを楽しむことが出来る。
非常に出来のいいコンサートで、バンドの演奏は充実している。初日の「EYE OF THE WORLD」での
2台のドラムスの迫力からして、このコンサートへのデッドの意気込みが伝わってくると
いうものだ。ドラム・ソロが時代を反映していて(機材の面で)これもまた面白い。

夢が沢山詰まったおもちゃ箱のような楽しさ、これこそグレイトフル・デッドの醍醐味で
このボックスは、その全てを満たしている。

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RORY GALLAGHER / THE BEAT CLUB SESSIONS

2010-09-23 20:59:39 | ROCK
毎週金曜日の夜に楽しみにしていたテレビ・ドラマ、「うぬぼれ刑事」と「熱海の捜査官」は
先週、共に最終回を迎えた。あれから1週間経ったのだが未だに「『熱海の捜査官』、あれは
一体何だったのだろう。」と悶々としながらハード・ディスクに録画した全8話を暇さえあれば
見る毎日。いろいろと憶測や推測が飛び交う中、朝日新聞に掲載された「非現実的な
シーンの連続が理解できなかったのは私が年寄りだからでしょうか」という79歳の方の
投書を見て「私もなんだかわかりませんでしたよ。」と呟く44歳。(笑)

さて、ここ数日件のドラマばかり繰り返して見ていたのだが、そんな閉塞感(笑)を
打破すべく届いたのが掲載写真のDVD+CD。ロリー・ギャラガーが71年から72年の
間にドイツの音楽番組「ビート・クラブ」に出演した際の映像を集めたDVDとそれを
CD化したものでDVDには96分全16曲の映像が、CDには時間の制約上映像版から
4曲オミットした12曲が収録されている。

先日CSで見た第二期ジェフ・ベック・グループのビート・クラブでの映像を記事にした時に
未放送の映像の多さに驚いたものだが、ロリーも実際に放送されていない映像が山ほどあり、
ここにそれらがまとめられた意義は大きい。単に弾きまくるだけのギタリストには大して
興味は無いのだが、ロリーのように精魂込めて歌い、真摯にギターを弾く姿に弾きつけられる
のは当然のことなのだ。

初めてロリーの音を知ったのは実はブートレグ・ビデオだった。20数年前に何気に買った
ビートクラブの再放送を中心に収録した2本組みで3時間くらいのオムニバス・ビデオで
そこにロリーの「GOING TO MY HOMETOWN」が収録されていた。その時点で曲名は当然
知らなかったのだが、ロリーの顔と塗装の剥げたストラトキャスターを弾くことくらいは
知っていた。しかし、初めて見たロリーの映像はマンドリンを激しく弾く姿だった。
で、これが途轍もなく格好良かったのだ。それからそのタイトルも知らない曲を聴きたくて
スタジオ盤を買い始めたのだが、中々件の曲に出会えない。何枚か買ううちにやっと出会えたのが
ライブ盤「LIVE IN EUROPE」。なんだよ、こんな素晴らしいライブ盤ならもっと早くに
狙いを定めとけば良かったよ、と自分の目利きの悪さに苦笑いしたものだ。

日本版解説の中に「GOING TO MY HOMETOWN」を収録した際に演奏された8曲中、リアル・タイムで
放送されたのは「PISTOL SLAPPER BLUES」のみとあるので、私がブートレグで見た「GOING TO
MY HOMETOWN」はやはり再放送か特番なのだろう。今回のDVDに収録されている映像と
背景の処理が違ったような印象もあるし。

マンドリンを弾く姿が格好良かったのだから、ギターを弾く姿がキマってないわけがない。
今回のDVDはほとんどが初登場の映像で、テレキャスターでスライドをプレイする姿や
アコースティック・ギターを弾く姿もバッチリ収録されている。
日本版解説には間違っている箇所があって、今回のDVD中「USED TO BE」が唯一国内で
商品化されたことがあると記載されているが、「LAUNUDROMAT」も商品化されていた。
とは言っても16曲中、14曲が本邦初登場の映像なのだ。この映像集の価値が揺らぐことは
微塵も無い。
今回もお宝映像の蔵出しに感謝しながら、夜が更けていくのであった・・・。
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BORIS GARDINER / EVERY NIGGER IS A STAR

2010-09-22 21:02:27 | REGGAE
以前も取り上げたが、ボリス・ガーディナーという人はアップセッターズでベースを弾いていた
ことでリー・ペリーのファンは元より、レゲエ・ファンには馴染みのある名前である。
しかしながら、彼のアルバムはレゲエ・テイストは当然ながらあるのだが、どちらというと
ソウルやファンクのファンが注目しても良さそうなアルバムが目白押しである。
ドレッドでなくアフロな髪型に注目していただきたい。(笑)

掲載写真はボリスがほとんどの楽曲を手掛け、アレンジに歌唱にと大活躍した映画の
サントラ「EVERY NIGGER IS A STAR」。レア盤の再発であることが様々なところで書かれているが
確かに有名なガイド本や、私が参考にしているHPにもこの盤のことは触れられていなかった。
では内容はと言うと、レゲエとソウルの両方が好きな人にはバッチリのアルバムで、単なる
有り難いレア盤の再発の域を軽く超えていたのであった。

冒頭のタイトル曲は74年という時期を反映したニュー・ソウルの匂いを感じさせる。
ソウル・マナーに則った激烈グルーヴが炸裂するインスト曲「GETTO FUNK」にはソウル・マニアは
思わず身を乗り出すだろう。軽快なギターのカッティングと隠し味のパーカッションに、
オルガンが唸り要所で聴けるワウ・ギターも渋い。A面はほとんどソウルなのだが5曲目で
正真正銘のレゲエを聴くことができる。

B面はどちらかというとレゲエ寄り。「RATS IN THE GETTO」は滋味なダブを聴いているようで
続くタイトル曲のアコースティック・バージョンに泣かされる。そして最後の「NEGRIL」は
またもファンク。1枚のアルバムとしての構成も十分に練られている。

この時期のボリス・ガーディナーが如何に充実していたかは72年の「IS WHAT'S HAPPENING」
75年の「SLEDGEHAMMER」を聴けば即座に解かるわけで、今回の「EVERY NIGGER IS A STAR」は
その間に挟まれた時期の録音ということになる。このジャケットを見て嗅覚が働いた方は
きっと正解でしょう。至福の33分間をお約束します。(笑)
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LET'S GO STEADY

2010-09-20 15:13:53 | THIS SONG
先日の「WORRIED LIFE BLUES」を取り上げた際の記事中、ニュー・バーバリアンズのDVDを
「改めて見てみると『A STONE ALONE』収録曲を3曲も映像体験できる」と書いたのは、
厳密に言うと2曲が正解で、その2曲とは「WORRIED LIFE BLUES」と「APARTMENT NUMBER 9」。
3曲と書いたのはアナログ・ブートの『A STONE ALONE』の一部にライブでの「LET'S GO STEADY」
のシングルが添付されていた事を踏まえて書いたというわけで。
『A STONE ALONE』は何度かCD化もされているのだが、私が所持する型番GL-3437にも
「LET'S GO STEADY」のライブはボーナス扱いで収録されている。

キース・リチャーズが歌う「LET'S GO STEADY」を初めて聴いたのは、アナログ・ブートレグ
『NOT GUILTY』を購入した時だ。ホーンに女性コーラスが参加した、ほとんど完成形と
言っていいスタジオ・アウト・テイクに度肝を抜かれたのは言うまでも無い。
ニュー・バーバリアンズのライブで披露した曲であるものの、ストーンズのアルバム『EMOTIONAL
RESCUE』に収録されてもおかしくない出来で、当時はストーンズのアルバムの中でキースが
ボーカルをとるのは1曲、みたいな不文律がなければ収録されていたかもしれない。

さて、この曲のクレジットには頭を悩ませる。06年に出たニュー・バーバリアンズの
オフィシャル盤『BURIED ALIVE』収録の「LET'S GO STEADY」のクレジットは(N.SEDAKA/
H.GREENFIELD)となっているが、これでいいのか?。(笑)
少なくとも私の中ではオリジナル・シンガーはサム・クックで作者はJ.W.ALEXANDERであると
理解している。しかしながら、キースが参考にしたのはサム・クックのバージョンではなく
アーサー・コンレイのバージョンだろう。オーティス・レディングがプロデュースしたこの曲は
アルバム未収録でヒット・シングル「SWEET SOUL MUSIC」のB面に収録された。
サム・クックのバージョンが幾分甘い感じなのに比べると、アーサー・コンレイのバージョンは
イントロのホーンの入り方や曲のテンポ等、如何にも67年のATCOレーベルという感じで
キースのバージョンも忠実にこれをなぞっている。

俺を置き去りにしてお前はあいつの元へ行った。それが真実の愛なんかでないことに
気付いたんだろう。あいつは悪い奴さ。でもヤツはもう行っちまった。
さあ、もう一度俺とやり直そう。
俺からお前を奪ったヤツは間違っていたがかつては最良の友でもあった。
でもヤツはもう行っちまった。さあ、もう一度俺とやり直そう。

他愛のないラヴ・ソングである。しかしながら、キースにとって『去っていった悪いヤツ』とは
自分のかつての『ドラッグの悪癖』だと考えれば、この歌の持つ意味と重みが随分と
違ったものに聴こえてくる。この解釈をする際、キースは「俺」ではなく「置き去りにした女」の
役回りとなる。音楽を置いてけぼりにし、ドラッグに現を抜かしたのだが、それが間違いで
あることに気が付く。そして音楽からの呼び掛けに気付き、我に帰るというわけだ。
そして、そこには同時に男の役回りもダブり、自分自身にあるいはかつての恋人に呼びかけて
いるというのは、私の自己満足な解釈である。

過去を省みて、女性に対して音楽に対し自分に対して、もう一度やり直そうぜと歌うのは
格好良くないのかも知れないが、私にはなんだか素敵に思えるのであった。

Let's go steady one more time....
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LET IT BE REVISITED

2010-09-17 20:40:02 | ROCK
ちょうど、去年の今頃である。
ビートルズのリマスターの箱を2つ抱えてニヤニヤしながら、「ビートルズのカバー集を
編んでみよう」なんて考えたのは。
あれから1年、時の経つのは早いもので、今ではあの箱はすっかり埃を被って・・・なんて
ことは無いですよね。(笑)

英国のロック雑誌「MOJO」は毎号、雑誌の特集に関連するCDが添付される。
ビートルズのアルバムを丸ごとカバーしたCDが添付されることもあって、今までに
「REVOLVER」以降の英国発売の4枚のアルバムのカバー集が添付された。しかしながら
如何にカバー好きの私と言えども、その収録アーティストのほとんどを知らないとなると
なかなか触手も動かず全てスルーしてきた。そして今回いよいよ「LET IT BE」のカバー集の
登場である。

通常はCDが添付されるのだが、今回はなんとLPバージョンもある。こういう場合
私は大抵CDを買う。少しでも場所塞ぎにならないようにという、何とも情けない理由に
よるものだが、今回は収録アーティストを見てLPを購入することにした。
ベス・オートンや、ジュディ・コリンズという、私でも知っているアーティストの収録が
まず最初の購買動機だが、LPを選んだのには決定的な理由がある。

CDだと『ONE AFTER 909』はJames Apolloのカバーが収録されて、ボーナス・トラックとして
ウィルコ・ジョンスンの『ONE AFTER 909』が13曲目に収録されている。
しかし、LPだと所定の位置、つまり『I'VE GOT A FEELING』と『THE LONG AND WINDING
ROAD』の間にウィルコの『ONE AFTER 909』が収録されている。この違いは大きい。
よって、LPだとJames Apolloのバージョンを聴くことが出来ないのだが、そんなことよりも
ウィルコ・ジョンスンのポジションを優先する方が男気というものだろう。

届いたレコードは丁寧に作られた見開きジャケで、それぞれレーベルに印刷されたオレンジと
レモンの図柄も気の利いたもので、しかも帯付き(笑)である。
レコードを買い始めた頃の「入手した時の嬉しさ」を思い出させるような出会いに、なんとなく
嬉しい気持ちになったのは言うまでも無い。

今回でビートルズは終わりだろうから、次はキンクスとかやってくれないかなぁ。

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WORRIED LIFE BLUES

2010-09-16 16:25:16 | THIS SONG
最近はマメに中古レコ屋を廻るなんてことをしなくなった。広島に行ってもレコ屋に
行こうという気は全く起こらず、普通に観光に徹しただけ。いかんなぁ。(笑)
それでも美術館には行った。月曜日だというのに、開いていたのは「ひろしま美術館」。
年中無休とは恐れ入る。モディリアーニの「青いブラウスの婦人像」を見ることができたのが
嬉しかった。モディリアーニはあまり趣味ではないが、この絵に描かれた女性の表情と全体を
覆う暗い青のトーンが絶妙で、なんともいえない魅力を発している。
ああ、ブラウス。もとい、あぁブルーズ・・・。

さて。この2年の内に3回、浜松のロック・バー「LUCREZIA」に行ったのだが3回とも
聴いたレコードがある。私がリクエストしたのではなく、店長のご厚意、いや趣味でかかる
そのレコードとはキース・リチャーズの「A STONE ALONE」。キース・リチャーズ原理主義者と
言っても過言でない私にとって、何の不満も無い。むしろこの盤をきっかけにいろいろと
話が拡がったり、とっ散らかったりするのが楽しい。「昔買ったニュー・バーバリアンズの
ブート・ビデオは画質が酷かった」というだけで、共通の体験としてその話題が拡がるのは
酒のつまみとしては最高だ。DVDの時代になると、ちょっとはマシになるのだが、
改めて見てみると「A STONE ALONE」収録曲を3曲も映像体験できるわけで、これはやはり
ハズせないと相成るわけである。

「A STONE ALONE」の冒頭を飾るのは『WORRIED LIFE BLUES』。漠然とキース好みの渋い
ブルーズだな程度に思っていたところ、数年後に突然オリジナルを聴くことになる。
それが「RCAブルースの古典」(掲載写真左)であった。日本編集の名盤といわれる
このレコードが世に出たのは71年だが、私は94年のCD化で初めてビッグ・メイシオを
知ったというわけだ。
ミシシッピーに比べるとシカゴは都会なわけで、それでシティー・ブルーズと言われることが
あるが、「RCAブルーズの古典」ではピアノ・ブルーズという括りで紹介されている。

「女に出て行かれて、俺の人生どうなるの、なんて憂いてみるのはもうヤメさ。」
メイシオの歌唱も程良くエグさ控えめで、77年頃のキースの声質にも向いていて、
カバーするにはピッタリの曲である。
おそろしく渋いピアノに絡むギターはタンパ・レッド。ブルーズの美味しい部分が凝縮された
曲と言ってもいいだろう。ビッグ・メイシオの録音を楽しむために現時点で一番入手し易いのが
「THE BEST OF BIG MACEO」(掲載写真右)。41年から45年という正に第二次世界大戦の
さなかに残された奇蹟のブルーズがここにある。

あぁブルーズ・・・。
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永遠の輪廻

2010-09-15 19:59:03 | DAY BY DAY
3泊4日で広島経由で実家に帰った。広島観光をしたことがないというよりも
安芸の宮島をどうしても見たくなったので、寄り道をして帰ったというのが本当のところ。
広島市内の市電の車両には、かつて京都の市電で使われていた車両もある。私が京都に
住んでいた頃にはとっくに廃止になっていたのだが、相方は京都の出なので、かつて
京都市内を走っていた車両のデザインをなんとなく覚えていた。
残念ながら(笑)私たちが乗ったのは、最新の車両だったが。
ちなみに、かつての京都市電の車両が今でも使われているのは、明治村と長崎と広島で
これで全ての場所で目撃したことになる。

実家に帰った翌日は、数日後に介護施設に移る90歳の祖母の見舞いに病院に行った。
自用がたせず、記憶もところどころ曖昧になっている祖母だが、突然現れた私を見て
しっかりと名前を呼んでくれたのが嬉しかった。祖母の横に座り「また、くるけんの。」と
言ったものの、なんだかこれが最後になりそうな気がしてならない。
今のような状態で生きながらえるのが幸福なのかどうかも考えてしまう。
「自用がたせなくなる位なら、くたばりたい。」なんて思うのは今の私が五体満足だから故に
出て来る思いであるのは否定しないが。

私には子供がいない。子供を欲しいと思わなかったので、その事実を憂うことは無い。
だが、どちらが残るにしろ、一人残された或いは残したことを考えると、明るい展望は全く
見えてこないし、私の家系の血筋がこれで絶えてしまうのだな、なんてことも考える始末。
幸せな老後を望むには、余りに無計画な人生だったな、と悲観的になりつつも、ある日突然
「私があなたの子供です」なんてのが現れても困ってしまうし。(笑)
せめて相方には掲載写真の老婆のように、穏やかな老後を送ってほしいものだ。

そして、追悼 南浩二。
人間の余命なんて誰にもわからないのだが、49歳で亡くなるのは余りに早すぎる。
近年のコンストリクターズでの活動のことは、ほとんど知らないのだが南浩二が率いた
「人間クラブ」の妖しくもいかがわしいロックを忘れることは無いだろう・・・。

追記:「人間クラブ」については2005年3月の当ブログで取り上げましたので、
興味がある方は、そちらをお読みください。
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TONY STRIKES AGAIN

2010-09-11 21:25:45 | ROCK
何日か家を空ける旅行をするとき、気になることはありますか?。
ペットを飼っている人なら、その処遇に気を使うだろう。私はペットを飼っていないので
ベランダのプランターに植えている朝顔の水やりを気にするくらいか。
いやいや、一番の心配は郵便受けに物が溜まることである。
新聞なら大したことないが、いろいろなブツが届いた場合にそれを適当に、つまりは
奥まで入れずに下手したら第三者が抜きとれる状態でつっこんだままにされるのは我慢ならない。
まあ、人によっては優秀な人もいるだろうが、全体的に見て昔からS川急便や郵便事業会社の
配達員(もしくは会社)のレベルなんてのは知れているので、今更怒ったり心配しても
仕方ないのだけど。(笑)

掲載写真右は今年、ライノ・ハンドメイドからリリースされたトニー・ジョー・ホワイトの
ライブ「THAT ON THE ROAD LOOK "LIVE"」。ワーナー・ミュージック・ダイレクトでは
初回入荷分が即座に完売、再入荷分も2日程で売り切れとなる人気商品だ。
いくら円高と言っても、送料を考えれば米ライノから購入するよりも遥かに安いというところに
ワーナー・ミュージック・ダイレクトの有難味を感じる。

具体的なライブの日付のクレジットはない。ワーナーに残されたテープに日付も場所も書かれて
いなかったという、「一体何のために録音したの」と当時の関係者の良識を疑うところだが
トニーの記憶によるとロイヤル・アルバート・ホールでC.C.R.のオープニング・アクトを
務めた時の演奏であることが、ライナーに書かれてある。収録曲を見れば71年のアルバム
「TONY JOE WHITE」から数曲演奏されているので、時期も71年で間違いないだろう。
音質は上等。「POLK SALADA ANIIE」の長尺の演奏には賛否あるかもしれないが、間違いなく
演奏は熱い。最後のアルバム・タイトル曲での渋い弾き語りが余韻を残す。
で、このあとがC.C.R.だったのかと思うと、なんて贅沢な一夜だったのだろう・・・。

遡ること5年程前に出たのが掲載写真左のライブ盤「HARD TO HANDLE」。ワーナー移籍前の
モニュメント時代のライブとのことだが、この盤も日付や場所のクレジットはない。
ライナーの類も全くなく、極めて怪しいCD。故に扱いづらいというタイトルも納得。
いや、単にオーティス・レディングの曲名から付けただけなのだろうけど。(笑)
音質はまちまちで余り良いとは言えず、複数箇所でのライブ録音であるのが解かる。
怪しいCDだがここでの演奏も一聴の価値はある。

まずは、演奏も刳り抜きジャケットもバッチリきまった「THAT ON THE ROAD LOOK」の正規発売を
心から歓びたい。
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充電天国

2010-09-10 20:34:32 | DAY BY DAY
ほんの少し涼しくなったのかな。
私の家にはエアコンがなく、扇風機を1時間タイマーにして寝るのだが、ついこの間までは
扇風機が止まる度に目が覚めて、また1時間タイマーにしては寝るの繰り返しだった。
それを約4~5セット繰り返して(笑)起きるのだが、これでは慢性の睡眠不足である。
おまけに夏バテだったのだが、やっと来週から夏休みである。
いろいろと連絡しなければならないことや、やらなければいけないことがあるのだが、
全部忘れたことにして、呆けてしまおう。(笑)

どこかに出かけるでもなく、暇を持て余していると金を使わなくて済むように思うのは
全く甘い考えで、日がな一日何をするでもなく家にいると、四六時中ネット検索をして
CDやレコードを探してしまうので、却ってタチが悪い。
さあ、ザ・フーのまたまた厄介なブツを見つけてしまった。アップルのボックスはどうする?。
ああ、駄目だ駄目だ。どこかに出かけたほうが余程気分転換になる。
で、戻ってきたらきっとクリックしてしまうのだろうけど。(笑)

掲載写真は、Pヴァインからリリースされたブラインド・ブレイクのCD2種。
左の「キング・オブ・ザ・ブルース・エントリー2」が91年に、右の「サウスバウンド・
ラグ」が93年にリリースされた。両者に曲のダブりは無く、極上のラグ・タイム・ブルーズを
聴くことが出来る。ブライイド・ブレイクはその名の通り盲目なのだが、カード・ゲームが
趣味だったとか、車を運転したとか、とんでもない伝説が残されている。大法螺は豪快さに
繋がりそうなものだが、ブレイクのギターは楽しくも繊細で流麗な演奏で、もっとましな
伝説があってもよさそうなものだ。

他の有名な数多のブルーズ・メンとの違いは、自身の吹き込み以外に他の歌手のバックで
演奏した録音が多く残されているということだ。掲載写真右の盤で、それらの録音で残された
ギター・プレイに聴き惚れながら、やっぱり本人の歌唱が聴きたいという思いで再度
掲載写真左の盤に手を伸ばすという、「幸福の循環」(笑)を毎夜続けているというわけだ。
さっき検索したところ、5枚組のとんでもない組物が近年出されていたことを発見。
でも、私はこの2枚に愛着があるので、もう暫くはこれでゆっくり「充電天国」と
洒落こもう。そうそう、先日のグルーヴァーズのライブの後、一彦さんと話をして思い出せ
なかった曲のタイトル、なんとかバウンドじゃなくて、「GEORGIA BOUND」でした。

NOW WE GONNA DO THE OLD COUNTRY ROCK・・・・.
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QUILL / SAME

2010-09-09 20:27:59 | ROCK
69年8月16日、ウッドストック・フェスティバルの2日目はクウィルの演奏から
スタートした。残された映像は、ギターは鳴っているものの木片や箱を叩いて騒いでいる
印象が強く、現場で見た人はどんな感じでこのバンドを捉えたのだろう。
数多の大物達と比べるのわけにもいかないが、何となく私には面白いと思えた。
長丁場のフェスにあって、こんな八方破れの演奏をするバンドも賑やかしになって
いいと思ったのだ。
3日間出演したアーティスト達の中で、一番ギャランティが低かったということを
後に知って、思わず笑みさえ零れてきたものだ。

94年10月のレコード・コレクター誌はウッドストック・フェスの特集で、そこでは
出演したアーティスト達のレコードが紹介されていたのだが、クウィルのレコードだけは
ジャケット写真も無く、しかも誰も聴いたことが無く情報提供が呼び掛けられた。
次の11月号で提供されたジャケット写真とアルバムの内容が紹介されたのだが、
11月号は「早川義夫とジャックス」特集だったので、さてどれくらいの人に情報が
伝わったか。(笑)

掲載写真は先日再発されたCDで、バンド名をタイトルにしたアルバム。
CD化は2度目なのだが、最初のCDは超限定発売で、今思うと少々怪しい感じの再発だったので
今回が初CD化といってもいいかもしれない。
最初にCD化された時、散々検索したのだが中々見つからず、新しめの同名異バンドばかりが
ヒット。そっちは全く興味の無いジャンルなのだが、たまたまヘヴィ・メタ(ハッ、言って
しまった)専門のアメリカのレコ屋のHPでジャケット写真に遭遇し、すぐさまオーダーした
のだが、「在庫確認ミスで既に売り切れ」との返事が返ってきた。
紆余曲折を経て、やっと入手できたという感のあるCDなのだが、さて内容は・・・。

割と気まじめなロックである。無理やりジャンル分けすれば、これもサイケなのだろう。
2009年に出た6枚組CD「40 YEARS ON:BACK TO YASGUR'S FARM」ではクウィルの演奏は
2曲収録されたが、その内の1曲はこの唯一のスタジオ盤にも収録されている。
ブルーズの影響下にあるかと思えば、プログレ的な側面もあり、ウッドストックの映像で
見ることができたような、打楽器を打ち鳴らす曲もある。
全体的に小じんまりした、いかにもローカル・バンドの音であるが、あの時代の雰囲気を
感じさせる愛すべき小品であると言えるだろう。

長いロックの歴史の中では見落とされても大勢に影響は無いが、好事家の方にはコレクションに
加える価値のある1枚。
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TODD RUNDGREN / FOR LUCK OF HONEST WORK

2010-09-08 20:17:22 | ROCK
以前も書いたことがあるが、80年代初頭から半ばにかけてトッド・ラングレンのアルバムは
一部を除いて軒並み廃盤だった。聴けないと言われると聴きたい欲望は強くなるし、
入手困難と言われると、なんだか有難味が増すから浅ましい。(笑)
ライノから再発盤が順序良く再発された時は、喜んだものだ。

トッドはソロ名義では70年に最初のアルバムを出すのだが、並行してユートピアを結成し
こちらは74年に最初のアルバムを出す。以後、ポップな感じの曲をソロで、ハードな曲を
ユートピアで発表するのだが、いくらトッドが好きとは言っても正直なところ、ユートピアは
私には少々辛かった。だって「ANOTHER LIVE」のイラスト・ジャケを見て欲しい。
メンバー6人の内、3人がキーボード奏者って一体・・・・。(笑)

掲載写真はトッド名義で出た3枚組「FOR LUCK OF HONEST WORK」。71年から06年までの
おそらくFM放送用に収録された音源を中心に編まれたオフィシャル・ブートレグである。
FM音源は昔からブートレガーの格好の餌食になっていたので、今回収録されたライブの中には
私もブートレグで聴いたことがあるものもある。
ジャケットは往年のブートレグ好きにはお馴染みのウイリアム・スタウトが担当。
同時期に出たナイスのCDも同じようなタッチで描かれているが、どちらもあまり趣味が
いいとは思えないのは、私がブートレグ収集から遠ざかっているからか。(笑)

構成上、長いトッドの歴史を俯瞰できるようにもなっているのだが、それはすなわち
プログレのような演奏をするライブや、「既存の流通経路やCDのような媒体に頼らずネット上で
新曲を発表する」と意気込んだものの内容が追いつかなかった御乱心以降の時期を含んでいる
ことを意味する。なかなか諸手を挙げて全てを受け入れられないのだが、それでもトッドの声が
聞こえてくれば、「なんとなく、いいかな。」と、なんだか緩いスタンスの私がいる。(笑)
比較的値段も安いので昔からのファンは、買ってもそれほど落胆はしない筈だ。

トッドは「新作はネット上で発表する」と言った時期、つまり2000年前後に過去の
アーカイヴを数多くCDで発表した。その中には今となっては、なかなかレアな「DEFACE THE
MUSC TOUR」や「A CAPPELLA TOUR」の時期のライブもあった。今回の3枚組を聴いて
気に入った方は、それらを探してみることをお勧めする。



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THE END OF SUMMER BLUES SHOW

2010-09-06 18:20:37 | DAY BY DAY

昨日は浜松のロック・バー、LUCREZIAでグルーヴァーズのライブを見てきた。
題して「THE END OF SUMMER BLUES SHOW」。夏の終わりというには暑い一日だったが、
外の暑さ以上に会場の熱気もバンドの熱さも並大抵ではなかった。
単純な縦揺れでなく横にも揺れるビート、曲中テンポ・ダウンする箇所から一挙に
トップ・スピードに持っていく加速力、そして数多のバンドに欠けている「意味のある歌詞」。
約2時間のライブは極上の「AMEZING JOURNEY」だった。
個人的な傲慢を言わせてもらえば、ここ数十年の、いや日本のロックの歴史の中で
最重要バンドのライブを体験するという悦びは、何物にも代え難いものだ。

3曲披露された新曲がいい感じで、これがニュー・アルバムに結実するのが楽しみだ。
「EL DIABLO」というのは、スペイン語で「悪魔」を指すのだが、同名のギター・アンプが
ある。なんだかいろいろと深読みが出来そうで、妄想は果てしなく拡がる。
お楽しみのカバーは「SHE DOES IT RIGHT」。私の横で踊り狂っていたお姉さん達が原曲を
知っているといいな。最後はまさかの「THE WEIGHT」の日本語カバー。
メンバー全員がボーカルを廻すというのが、微笑ましくも美しいエンディングであった。

開演前流れていたのは、一彦さん編集のブルーズの名曲。なもんで、私も一気にブルーズ・
モードに突入。掲載写真はジョン・リー・フッカーの「ALONE - THE SPECIALITY SESSIONS
1948-1954」。Pヴァインから出た素敵な2枚組CD。92年のCDなので今は入手が
簡単でないかもしれない。93年のギター・マガジンのブルーズ特集の一彦さんセレクションで
「BOOGIE CHILLEN #2」の存在を知りこのCDに辿り着いた。一彦さんはLPで聴いていた
ようで、CD化されていることはご存じでは無かったのだが「探してみようかな。」と
言ってました。因みに高校生の時になんと、ロバート・ジュニア・ロックウッドを見た(85年の
来日を指すのでしょう)という話にブッ飛びました。

しばらくブルーズ熱が続くかも知れない。
みんな暑さのせいなのさ。

コメント (2)
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