HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

EARTH WIND FIRE & WATER

2016-03-31 20:45:05 | SOUL

掲載写真はアース・ウインド&ファイアーがコロンビアに残した15タイトルの
アルバムと、シングルや12インチ等を収録した1枚のボーナス・ディスクで
構成される16枚組ボックス「THE COLUMBIA MASTERS」。アースの最初の
2枚のアルバムはワーナー・ブラザーズから出たので、それを除けば手っ取り早く
アースの足跡を辿ることができる便利な箱である。

実のところ、EW&Fのアルバムはベスト盤しか所持していなかったので、一気に
追いつくにはこれ幸いとばかりに購入した。私がリアル・タイムで聴いたのは
シングル『LET'S GROOVE』であり、その後のシングル『MAGNETIC』も記憶に
残っている。しかし、まだソウル・ミュージックといってもディスコ寄りのそれに
踏み込む勇気は無かったし、流行っていたのでホイホイとそれに乗っかるのも
恰好悪いなんて思っていたら、この歳になるまで疎遠であったというわけである。

熱心なファンからすれば、特段珍しいレアリティーズも無いので触手は動かないだろうが
私のように「これで一網打尽じゃぁ。」なんていう人にとっては便利このうえない。
70年代のアースは単に大所帯のディスコ・バンドというものではなく、ジャズ・サイド
からジャンルを壊しにかかった成果の一つに良き悪しきはともかくフュージョンという
ものが生まれたのと同様のことを、ソウル・ミュージックの側からやったのだなあと
いうことがよくわかる組物である。

ま、そうは言っても87年以降の盤は今聴いてもあまり面白くないのだが、それでも
70年代のアルバム群は今更ではあるが面白い。カリンバを使ったプリミティブな
音が語弊はあるがテクノ・ミュージックのように思える瞬間もあって、一筋縄では
いかない。『SEPTEMBER』で単純に盛り上がるのも気持ちいいが、もっと深く
聴き込もうと思える曲に出会えたのは大きい。

ボーナス・ディスクにフィリップ・ベイリーとフィル・コリンズの『EASY LOVER』が
収録されているのも嬉しい。85年に聴いた数々のヒット曲の中でもとりわけ好きな
曲であったので。なんてことを書くのも恥ずかしいが、今回はいいのだ。(笑)

紙製ジャケットの作りが安っぽくて今一つなのだが値段も抑えられているので
文句は言うまい。ライナーに記された各アルバムのクレジットは充実しているし。

合言葉は「一網打尽」である。(笑)

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NOBODY BUT YOU

2016-03-28 21:05:46 | SOUL

気になるミュージシャンのオリジナル・アルバムを全て揃えても、漏れてしまうのが
シングル・オンリーの曲である。アルバム収録曲でも尺が違ったりミックスが
違ったりするし、更にアルバム未収録のカップリング曲なんてのは、なかなか
編集盤に組み込まれないので厄介だ。

そんな時にありがたいのが「コンプリート・シングルス」というヤツである。
掲載写真はO.V. WRIGHTがBACK BEATとABCに残した全21枚のシングルの
両面を漏らさず収録した2枚組CD「TREASURED MOMENTS」。21枚の
シングルの両面を収録しているのに全41曲収録なのは、シングルに2回収録された
曲があるからで、コンプリートなのは間違いない。

内容は今更ではあるが、自信漲る歌唱とトラックの出来のどちらも素晴らしく、
O.V.の全盛期は正にこの時期であると言えるのではないだろうか。アルバム単位だと
HI移籍後の77年のアルバム「INTO SOMETHING」を回数多く聴いたので、
その刷り込みが強いのだが、個人的にはHIでのシングルはちょっとベタっとした
感じを強く持つので、BACK BEATでの録音の方に軍配を挙げる。

GOLD WAXに残したシングル(あの有名な『THAT'S HOW STRONG MY LOVE IS』)
は1枚のみで、これはP-VINEが世界に誇る組み物として世に送り出したボックスに
収録されたシングル集で聴くことができる。いみじくも、そのシングル集も「TREASURED MOMENTS」と題されていた。

  

HIに残された6枚のシングルの全ても「THE HI RECORDS SINGLE COLLECTION」
と題されたCDで聴くことができるので、この3枚があればソロでのシングル曲は
全て網羅できる。何だか嬉しい。(笑)

今回の2枚組CDは正に宝物と呼ぶに相応しい。一生聴き続けられるCDである。

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ROCK OPERA

2016-03-26 22:04:25 | 日本のロック・ポップス

掲載写真はオルケスタ・リブレとローリーによるアルバム「ロック・オペラ!」。
1枚のアルバムを通してストーリーのある歌劇を作ったというのではなく、
ローリーが音として残したかった歌劇の名曲を歌い綴り演奏した盤である。

「キャバレー」「ロッキー・ホラー・ショー」「トミー」「三文オペラ」等の曲を
日本語で歌うのだが、どれもローリー独特の言葉でこれがまた上手くハマっていて
英語でなくても全く違和感がない。国籍不明の微熱を湛えた面白ささえある。
先に挙げた4つの歌劇のうち、ローリーは「キャバレー」以外の3作で実際に舞台を
経験しているので、その体験も大いに活かされているのだろう。

個人的には「トミー」から3曲選ばれているのが嬉しいのだが、それがバランス
悪いような気もするので、今度は丸ごと「トミー」をカバーしてほしいものだ。
『ピンボールの魔術師』はエルトン・ジョンのバージョンも踏まえた長尺の演奏で
ある。猥雑さと軽妙さが際立つ『アシッド・クイーン』も聞きもの。

今回のCDは、HMVとタワーとamazonでそれぞれ購入特典のCDRの内容が
違う。こういう売り方には賛同できないのは以前頭脳警察のCDを購入した時に
書いたが、その考えは今も変わらない。因みに私は特典CDRに収録された曲目で
amazonを選んだ。

特典にはアルバム収録曲である「三文オペラ」からの『MR . PEACHUM'S MORNING
HYMN』のライブが収録されている。私はローリーがこの曲を取り上げたのは89年の
映画「MACK THE KNIFE」の影響かと当初は思った。何しろロジャー・ダルトリー
も出ていたし。(笑)しかし、特典CDで同曲の演奏前にローリーのMCで大谷亮介が
歌うのを見てそれが印象に残っていたことが語られる。あっさり種明かしされた気分
であったが、特典CDにこれを選んで良かったと思った瞬間でもあった。

そうそう、ロック者にはフォーカスの『SILVIA』のカバーも嬉しいところ。
ハード・ドライヴィンなローリーとは別の側面を大いに楽しめるアルバムである。

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GROOVY POTENTIAL

2016-03-23 00:03:25 | SOUL

昨年9月にプリンスのアルバム「HITNRUN PHASE ONE」がリリースされたその
三か月後に「PHASE TWO」がリリースされるというアナウンスがあった。過去に
3枚組とか2枚同時とかのリリースがあったことから、それだけなら何の驚きも無い
のだが、当初は配信発売のみでCDリリースは後日というアナウンスもあったために
いつフィジカルでリリースされるのか、ということは気になっていた。

一応CDはリリースされたのだが、どうも一般的に流通していないようで何故そのような
事態になっているのか理解に苦しむ。形だけ苦しんでみた(笑)ものの、この盤は
往年のプリンス好きを満足させる内容であり、事実私は手にしてからもう何度も
聴いている。

アルバム内容は純粋な新曲ばかりではなく、11年から13年にかけて配信或いは
フィシカルでリリースした曲も収録され、それらが違和感なくまとまっているのが
素晴らしい。何より「PHASE ONE」では過剰に思えた音作りの曲が此処には無く、
メロディー・ラインのしっかりしたミディアムが多いのが嬉しい。

「PHASE ONE」の冒頭に配された『MILLION $SHOW』のイントロで過去曲を
繋いで驚かせてくれたが今回も『STARE』の曲中にあの名曲『KISS』他のフレーズが
入っているのが面白い。アルバム冒頭の『BALTIMORE』のテーマは重いが徒に
攻撃的になるのではなくじっくり聴かせるし、続く既発曲『ROCKNROLL LOVEAFFAIR』
への流れも良い。アルバムの最後がファルセット炸裂のバラッド、そして強烈な
ファンクというのもよくできた構成だ。

ここ数年のアルバムの中では一番気に入った盤であるが、返す返すも未だにCDが
一般的に流通していないのが本当に勿体ない。

  

「PHASE ONE」といい、「TWO」といい、はたまた14年の「ART OFFICIAL AGE」
といい、ジャケットのセンスはちと疑問だ。実際にプリンスがこういったサングラスを
かけているのは結構なのだが、これを絵で描く或いは記号化すると何だか不気味だ。

  怪奇蜘蛛男・・・を連想する私が悪いのだろうな、きっと。

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BE NICE TO ME

2016-03-22 00:08:50 | ROCK

掲載写真はトッド・ラングレンの3枚組CD「BOX O TODD」。3枚のCDには
それぞれ71年から73年までの各年にFMで放送されたライブを収録していて、
コンパクトな箱の中にはバック・ステージ・パス、ピック、そして3種のバッヂが
同梱されている。

71年のフィラデルフィアでの演奏はトッドのソロ・キャリアに於ける最古の
ブロードキャスト物。70年代前半にトッドのバック・バンドを務めたハロー・ピープル
との演奏で、ハロー・ピープルの曲が多数含まれる中、抜粋ではあるがビートルズ・
カバー『HOLD ME TIGHT』が収録されているのが目玉か。

72年のウルトラソニック・スタジオでの演奏は、最初期のブートレグCDとして
世に出たがその時は74年と表記されていた。これもハロー・ピープルとの演奏で
この日の演奏は08年に当ブログの「追憶のブートレグ」シリーズで取り上げた。

73年のシンシナティーはユートピアを率いての演奏。最初の数曲はトッドの
ピアノ弾き語りであるが中盤からバンドでの演奏となる。FM放送された時の音源を
使用しているためか、不適切な言葉の幾つかが不適切なノイズ(笑)で消されている。

マスター・クオリティーとは言い難いが全てそれなりの音質であるこれらが
オフィシャル商品としてこれらの音源が世に出たのは喜ばしい限り。
何よりボックスに使用された写真が素敵だ。3種のバッヂの出来も良い(笑)し、
ファンなら入手する価値は大有りである。

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通販生活も楽じゃない その2

2016-03-21 00:03:13 | DAY BY DAY

いいことばかりはありゃしない。

というわけで。通販で購入したブツに何らかの不具合があった場合、日本での購入なら
対応は日本語で事足りるのだが、海外通販の場合は困ってしまう。何しろ、私は
英語が不自由(笑)なのだから。

まずは、悲嘆に暮れる。そして、足りない頭で何とか英文メールを送る。
購入して得意気に買い物日記をつけているのであるが、ここ数年で出くわした事柄を
恥を忍んで紹介する。(笑)得意気に買い物日記を綴る、その裏側で何が起こっていたか、
それを書かないで、さも満足気に駄文を書き連ねていた時分の私を嗤う気持ちで
以下を読んで頂ければ幸いである。

まずは、15年11月。私はボブ・ディランの18枚組「THE CUTTING EDGE
1965 -1966」を手にした時のことを書いた。18枚のCDに収録された内容は文句なく
楽しんだのだが、実は私が手にしたセットは本来添付されるはずの9枚の7インチが
1枚足りなかった。

 それがこれ。『POSITIVELY 4TH STREET /
FROM A BUICK 6』が欠けていたのだ。高額な買い物だったので、すぐにディラン・
ドット・コムにメールしたのだが、最初の担当者は私の英文が拙かったせいもあってか
「何言ってるのかさっぱりわからない」という感じで相手にしてくれなかった。

めげずに、もう一度メールすると今度は別の担当者が「了解した、速攻で欠落品を
送るから待っててね。」ということで、本当に数日後に掲載写真の7インチが届いた。
今回の場合、メールを受けるアドレスが二つあったおかげで別の担当者の目に運よく
辿り着いたということも云えるかもしれない。

そして、15年3月にはブルース・スプリングスティーンのHIGH HOPES TOURの
30公演全90枚のCDRを購入したことを書いた。30公演90枚である、という
ことを言い訳にしたくはないのだが、ぼんやりと流して聴いたのは確かである。
一通り聴き終え、2巡目というか適当につまんでは聴いていたある日、衝撃が走った。

 14年2月14日パース公演の
ディスク3が、何と2月11日のアデレード公演のディスク3と同じ内容だったのだ。
ディスクの盤面にはPERTH 02/08/14 DISC3と印刷されているにも関わらず、である。
しかも、それに気付いたのが今年の2月である。(笑)

1年近く前の買い物の不備をどう伝えるか思案したが、「1月にTHE RIVER TOUR
全24公演のCDRを予約してあるので、それを送る時に正しいディスクを送って
くれると助かる。」とメールしてみた。

すると、翌日に「次の発送時に正規のディスクを送るよ。」という返事をもらい
一安心。THE RIVER TOURはまだ続いているのでブツ自体はまだ手元に届いてないが
まあ、大丈夫だろう。忘れられていたら、またメールを送るさ。

というわけで、いいことばかりはありゃしないのだ。(笑)

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通販生活も楽じゃない その1

2016-03-20 00:25:35 | DAY BY DAY

掲載写真はエルヴィス・プレスリーがRCAに残した57枚のアルバムと50年代から
70年代の各年代ごとのレアリティーズを集めた3枚のCDを収納した、都合60枚組の
ボックス「THE ALBUM COLLECTION」。

かなり前に出た年代ごとの3種のボックスは50年代のセットしか持っていないし、
ライブ盤や70年代のアルバムの数々をまともに聴いたことがなかったので、これは
いい機会だということで購入。私は30398円でHMVで購入したのだが、60枚で
この値段だとコスト・パフォーマンスが良いと判断したのは言うまでもない。
添付されているブックレットというより、豪華な装丁の本も資料として役立つ。

ここで、目出度し愛でたしといかないのが通販の常。いや、別に通販でなくてもいいの
だが、最近は通販生活専門なので。(笑)

HMVやamazonでは購入すると、「スペシャル日本語翻訳ライナーノーツ封入」と
謳っているのだが、それが封入されていないのだ。私は「ソニー・ミュージック・
ジャパン限定なんたらと書いてあったので、私のには入ってないのかな。でも、
ディランの組物の時はライナーが封入されていたから、やっぱり漏れたのかな。」と、
呑気に「無けりゃ無いでいいや。」程度に捉えていた。

すると、ブツが到着した当日にHMVからメールがきて、そこには「ライナー添付漏れ
の声が多数カスタマーセンターに寄せられた。封入漏れの場合はココにメールせよ。」
みたいな内容のことが書いてあった。早速メールすると、来週あたりには件の
ライナーが送られてくるようだ。amazonには不満の声が幾つか書き込まれているが
そこで買った人たちはどうなるのだろう。

ま、他人の心配はともかく今回のHMVからの連絡は珍しく迅速だった。一度、余りに
出鱈目な対応をされた経験があるので(数日がかりでクリアしました)今回は少しだけ
見直した。

で、ボックスであるが3枚のレアリティースは音質がマチマチで、これは本当に
ボーナス扱い、コアなファンのためのプレゼントというところだろう。私は70年代
から遡ってキング・エルヴィスの凄味を追体験しているところです。

続く・・・。


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HELPLESS , RESCUE ME

2016-03-19 07:49:21 | ROCK

掲載写真はレスリー・ダンカンが75年にリリースした4枚目のアルバム「MOON
BATHING」。レスリーの最初の2枚はCD化されていたがGM移籍後のアルバムは
なかなかCDにならなかったので、これは待望の再発である。

レスリーから特別な謝辞が添えられているとおり、プロデューサーでピアノを担当
した当時の夫であるジミー・ホロヴィッツの役割が大きく、公私共に充実していた様が
伺える。ジミーがアレンジを担当したリンダ・ルイスの「SAY NO MORE」のような
暖かみのある音が、これからの季節にぴったりのように感じ、最近はよくこれを
聴いている。

さて「SAY NO MORE」と同じくこの盤に参加しているのがクリス・スペディング。
今作に於けるクリスの演奏の最大の聴きものはスライド・ギターである。
特に『RESCUE ME』に於ける演奏はジョージ・ハリスンのスライドと同じような、
切れ味の鋭さではなく人懐こい温もりのようなものを感じさせる。
そして『LADY STEP LIGHTLY』でのスライド・プレイには哀愁がある。

今回のCDにはレスリーの生写真が添付されている。

若かりし日のレスリーの日常の断片を捉えた何気ない写真だが、この盤の雰囲気に
相応しい、素敵な写真である。

そういえば、レスリーが亡くなったのは今頃の時期だったのだなあ・・・。

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WHAT'S IN MY BAG

2016-03-18 18:49:17 | ROCK

       

今年のレコード・ストア・デイの陣容がほぼ全て出揃った。今回も欲しい物が沢山あり
何とか20点くらいに絞りたい、いやどうやってその20点を手に入れるか頭を
悩ませている。1枚1枚が普通に売り出されるレコードより少々高い値段設定になる
のが癪に障るが、手に入れたいという欲求の方が遥かに強い。これも厄介といえば
厄介な心の在り方である。(笑)

基本的には7インチしか狙わないのだが、JSBXのライブ盤は入手しなければ。
後でCD化されても構わないというか、それも癪に障るのだが清濁併せ飲んで臨むのが
レコード・ストア・デイというものである。そんなわけないか。(笑)

米国のレコード店Amoeba Musicを訪れたミュージシャンが何を買ったかを紹介する
「WHAT'S IN MY BAG」は映像がアップされる度に楽しみに見ているのだが、
JSBXのジョン・スペンサーとラッセル・シミンズの映像がアップされた。
基本的にCDでなくレコードを取りあげるのがこの企画の常であるのが、琴線を
擽る。

掲載写真はジョン・スペンサーが選んだレコードの中で私が所持しているブツ。
といっても私が所持するのはCDだが。(笑)13THフロアー・エレベーターズの
「LIVE EVOLUTION LOST」は67年のライブを収録した盤で、音質はたいして
良くないがエレベーターズの凶暴な感じを捉えた盤で、CDのディスク2には様々な
盤で小出しにされたジャム・セッションに未発表セッションを追加してあり聴き応えが
ある。ジョンが紹介するのはレコードで分厚い箱に入ったそれは購買意欲をそそる。

ボ・ディドリーの「THE BLACK GRADIATOR」は70年リリース。チャック・ベリー
と違ってボの70年代のアルバムは聴きどころの多い盤が沢山ある。これもそんな1枚
で、ファンクに接近するボを満喫できる。

エレベーターズに於けるエレクトリック・ジャグ、或いはボのサウンドの隠し味で
あるマラカスやタンバリンといった楽器の重要性を思えば、JSBXのステージや
レコードにテルミンが使われる意味合いも十分納得ができるというものだ。

  ホワイト・ノイズの「AN ELECTRIC
STORM」はプログレとサイケの両軸を見事に歪めながら、ポップであるという
一筋縄でいかない盤。賛同は得られないだろうがボウイ様の「LOW」に先駆ける
スタジオ内での空間処理の妙を楽しむべき1枚だと思う。

ジョンは他にもう1枚、ノイバウテンの「LAMENT」(これのみCD)を取りあげたが
これは私は未聴。ラッセル・シミンズが紹介する盤はジョンより更にマニアックで
気になる方はYouTubeの「Amoeba」で見ていただきたい。
 

因みに同企画の最新版はステラ・マッカートニーでティム・ハーディンやジュリー・
ロンドン、ウイングス(!!!)等々を選ぶ中、最後にボウイ様の「HUNKY
DOLLY」を取りあげている。

さて、レコード・ストア・デイのリストでも見て悶々としますか・・・。(笑)

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CRIMSON MOON

2016-03-14 00:05:01 | JAZZ

掲載写真はデルタ・サキソフォン・カルテットの新作「CRIMSON」。07年に
ソフト・マシーンのカバー集を出した彼らの新作はタイトルからわかる通りキング・
クリムズンのカバー集である。

今回はピアニストのグウィリム・シムコックをゲストに迎えての録音で、アルバム冒頭に
シムコック作の『KIND OB BLUE』ならぬ『A KIND OF RED』なる曲が収録されている。
シムコックはクリムズン絡みだと、ビル・ブラッフォードのアースワークスのメンバー
だったことがあるが、今年はパット・メセニーと共に来日するようである。

さて、今回のカバー集。一般的にクリムズン・カバーといえば私が日本人故かファースト・
アルバム収録曲を想起するのだが、今作は全5曲のカバー曲は「THRAK」から2曲
「BEAT」から1曲と80年代以降から3曲選ばれているのが意外。
70年代からは『THE NIGHT WATCH』と『THE GREAT DECEIVER』という選曲。

デルタ・サキソフォン・カルテットというくらいなので、バンド編成はソプラノ、
アルト、テナー、バリトンの4管で構成され、そこにゲストのピアノが加わる。
聴き馴染んだクリムズンの曲がギターもドラムスもメロトロン(笑)も無しでカバー
されるというのは新鮮な感じで面白く聴き通せた。

しかしながら、『THE GREAT DECEIVER』のような超攻撃的な曲になると、少し
物足りなく感じるのも事実。アルバム「THRAK」収録曲のカバーはすんなり馴染んで
これはこれでまた意外で面白かったけれど。

クリムズンが現在進行形なので、この手のカバー集は熱心なクリムズン・ファンには
敬遠されるかもしれないが、これもまた英国ジャズのワン・シーンと思えば門外漢の
私には、面白いバリエーションの一つであるとすんなり受け入れることが可能であった。

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LIFE ON MARS

2016-03-13 00:10:55 | ROCK

ボウイ・ロスというのが私の中で続いているのだが、そのせいもあって例年以上に既に
長時間ボウイのアルバムやブートレグを聴いた。そんな感覚も徐々に薄れていくのだろうが、
今年は特別な1年として私の中で記憶されるのだろう。

掲載写真はボウイ追悼のトリビュート盤として、リック・ウェイクマンがリリースした
3曲入りCD「LIFE ON MARS」。原題にあったMARSの後の「?」は省略されている。

邦題は『火星の生活』であったが、なかなかに訳が難しいこの曲の中での「LIFE」は
「生活」でもいいが「いきもの」でも筋が通る。ミッキー・マウスやジョン・レノンを
引用しながら大量消費される文化(夢と置き換えてもいいかも)を皮肉る歌詞が良いのだが
今回のリックによるカバーはインストである。

歌は無いものの、メロディーの美しい曲なのでピアノによるインスト・カバーも美しい
ものだ。11年に出たマイク・ガースンの「BOWIE VARIATIONS」収録の同曲と併聴する
のも一興。

もう1曲収録されたボウイ・カバーは『SPACE ODDITY』。ここに収録された2曲の
ボウイ・カバーは共にリックがボウイのレコーディングに参加した曲をとりあげた
ということになる。リック・ウェイクマンというと、どうしてもイエスのメンバーであった
ことやプログレのイメージが強いのであるが、最もボウイ追悼に相応しいトリビュートの
一つ、と言って差し支えないだろう。

全ての利益は癌患者の支援団体に寄付されるという。
もしかしたら、ボウイは今、火星にいるのかもしれない・・・。

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追悼 キース・エマーソン

2016-03-12 07:03:20 | ROCK

死因は明らかにされていないが3月10日にキース・エマーソンが死去した。
享年71歳。

私はキースの音楽の熱心な聴き手ではないがナイスやエマーソン・レイク&パーマーでの
活動で残したアルバム群はそれなりに聴いてきた。ピアノやシンセ、多様なキーボードの
演奏者としてロック・バンドのステージにおいて「魅せる」ということを実現させた
ことで記憶に留めるべき人であろう。日本人にとって洋楽が憧れだった時代を体現した人
という意味でもキースの功績は大きい。

洋楽の大スターであるという刷り込みが私の中にあったからかもしれないが、日本の映画の
サントラを担当したというのも、当時高校生だった私は「何だか凄いなあ。」と思った
ものだ。

R . I . P .

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YOU CAN DO A LOT WITH MORE 100 WOMEN - 64

2016-03-08 21:30:27 | ROCK

桃の節句は終わったけれど、女の子祭りは継続中。なんせ3月ですから。桃の節句S
ですから。冗談はともかく、今日は国際女性の日というわけで、やっぱり今日の日も
この企画がよろしかろう。

掲載写真はフランスの歌手フローレンス・ジョエルが12年にリリースした「FLORENCE
JOELLE'S KISS OF FIRE」。英国の再発レーベルとして著名なACEが流通を手掛けた
というだけあって、ヴィンテージ感がほとばしるサウンドである。

50年代のリズム&ブルーズやジャズに多種多様な異国の音楽を混ぜ合わせたような
音は安易なジャンル分けを拒む。エラ・フィッツジェラルドの当たり曲『WHEN I
GET LOW I GET HIGH』や、『UNCHAIN MY HEART』の素敵な解釈も良いが、
自前の曲の出来が素晴らしい。

アコースティック・ギターに絡むハーモニカやパーカッションが絶妙の無国籍感を
演出し、演奏の主役といえるギターは欧州各地から北米まで宛ら簡略化された
世界旅行に連れて行ってくれるかのようだ。そんな曲に乗っかるフローレンスの
歌唱がまた余裕綽々で堂々としている。

懐古趣味というのは簡単だが、時代が一回り二回りする間に必ずこういった音は
生まれてくるわけで、そういった音が現行仕様で登場するのは個人的には好きだ。
翌年に出た2枚目のアルバム「STEALING FLOWERS」はアルバム・ジャケットが
コルトレーンの「GIANT STEPS」のような感じで、これも良かった。
JSBXや、マイティ・モカンボスの在り方に理解を示せる方なら、彼女の存在も
OKなはず。

そろそろ新作を聴いてみたいのだが今年こそと、期待して待つのであるがどうだろう。
男を待たせる、憎いあの娘・・・なのだ。(笑)

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WORKING CLASS HERO

2016-03-05 08:55:34 | DAY BY DAY

ブルース・スプリングスティーンの「明日なき暴走」収録曲のアウトテイクを集めた
ブートレグ「THE ESSENTIAL BORN TO RUN SESSION」が届いた。

   

LPブートレグの「E TICKET」は入手できなかったが89年に出たCD「BORN IN
THE STUDIO」は抜かりなく入手し、大いに楽しんだものだ。以降、似た趣向の
ブツがどれくらい出たのかは疎いのだが、今回のブツは音質が良さげだったので早々に
手を打った。結果は大正解で初登場音源を多数収録し過去に出たテイクも音質が
向上しているので、ボスのスタジオ・アウトテイク物の中では定番として後々まで
語り継がれる名ブートレグとなるだろう。

それにしてもアメリカ大統領選挙の予備選挙が面白い。いや、正確には共和党が
面白いのだけど。日本人には馴染みの無い複雑な選挙の段取りがあるので、
幾重にも篩にかけるフィルターがあるはずなのだが、私の感覚では理解出来かねる
候補者が躍進を続けている様を見ると、これまでの良識や常識を逸脱するような
面白おかしいトークを展開し、白人労働者階級や若い白人無党派層を取り込む様が
日本での今年の参院選挙での戦い方の参考になんかされたら馬鹿馬鹿しいにも程がある。

共和党が最終的にどんな候補者を立てても民主党が勝てばいいだけの話ではあるが。

TRUMP'S LIKE ASS , BABY WE'RE BORN TO LOSE .

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YOU CAN DO A LOT WITH MORE 100 WOMEN - 63

2016-03-04 21:21:24 | ROCK

艶っぽいジャケットの盤を買うことに何の抵抗もない昨今の私であるが、それは通販
という便利なシステムの恩恵に与っているからかもしれない。そうは言っても通販でなく
赤黒の店舗で池玲子のCDを買った時は、流石にこっ恥ずかしかったのも事実である。

掲載写真はダイアナ・クラールが12年に発表した「GLAD RAG DOLL」。現在51歳の
彼女の47歳の時の写真ということになるのだが、全然ありでしょう。いや、意味不明で
すみません。(笑)如何なる心の葛藤(笑)も受け付けつけない素晴らしいジャケット
である。

ジャンル分けすれば彼女はジャズに分類される。レコーディング・アーティストとしての
キャリアはかなり長く、ジャズ風にいうと93年には初のリーダー・アルバム(笑)を
リリースしているのだが、ロック者の私が彼女を知ったのはエルヴィス・コステロと
結婚した時であるので、かなり遅い。

コステロとの結婚で、ジャズ人脈にコステロ人脈も加わって彼女のアルバムの音や
選ばれる曲が徐々にジャズ・ボーカル・ファンの好きな路線から外れていったという
その事実が痛快である。ノラ・ジョーンズやダイアナ・クラールといった人を狭苦しい
枠に閉じ込めようとするのが間違いなのだということに気付いた人の方が、余程音楽を
楽しめる度量が大きいと思えたとき、自然と薄ら笑いも浮かぶというものだ。

Tボーン・バネットのプロデュースで、音の中心となるギタリストがマーク・リボー。
何だか出来過ぎのような人選でのこのアルバムは、ボーカルを取り巻く音の質感が
私好みで、温かいのか冷たいのかわからない上に、ザラついているとも歪んでいるとも
とれるこの音の感触は実に得難い。勿論ボーカルも素敵だ。

昨年はほぼロックのカバーで構成された盤を出し、ますますジャズ・ボーカルとやらの
意味合いと境界線を曖昧にしてくれたダイアナの次の一手が楽しみである。
そして、私にはどこまで彼女の過去作を遡って受け入れられるかという、なかなかの
高さのハードルも待ち受けているのである・・・。

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