HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

ROBYN HITCHCOCK / ROBYN SINGS

2006-02-28 21:39:42 | ROCK
フェアポート勢はもちろん、イギリスのフォークやスワンプ系の
アーティストやバンドによるボブ・ディランのカバーには秀逸なものが
多い。アルバムをまるまるディラン・カバーで賄ったものもあるくらいだ。

また、ある1枚のアルバムをライブで頭から最後まで全曲演奏するという
試みもある。今は解散してしまったジャム・バンドのフィッシュが
ビートルズの2枚組を演奏したものは面白かった。ご丁寧に「レボリューション
NO.9」までやっているのには嬉しさを通り越してあきれたものだ。

さて、ここに紹介するのはロビン・ヒッチコックが全曲ディラン・カバーでの
ライブを収録した2枚組。2002年の発売だ。
ロビン・ヒッチコックのアルバムは数が多く、私も全て集めたわけではないが
どれも良質なものだ。何枚かは今でも繰り返してよく聴く。

このアルバムの1枚目は複数の場所でのライブを収録してある。
いずれも小規模な会場でのもので、どちらかというと穏やかで
ほとんどドラムレスな編成である。選曲も割と新し目の曲もあって
「NOT DARK YET」や「DIGNITY」のカバー・バージョンというのは
まだロビンによるものしかないんじゃないだろうか。
ほとんどディランになりきって歌っているのが微笑ましい。

お楽しみは2枚目である。「TELL ME MAMA」で始まり「LIKE A ROLLING
STONE」で終わると言えば、ピンとくる方もおられよう。
昔から「ロイヤル・アルバート・ホール」での録音といわれブートレグで
散々でまわったあのライブを再現しているのだ。
ディランのバージョンは98年に「THE BOOTLEG SERIES VOL.4」として
正規に発売され、それが66年5月17日のマンチェスター・フリー・トレード・
ホールでの録音だというのが明記されている。

ロビンのバージョンは2002年ロンドン録音だが正確な日時・場所の
クレジットはない。が、断り書きが面白い。
ディラン役はロビンで、ロバートスン役は誰それでと書かれてあり、
ガース・ハドスン役はいないとある。(笑)

「ロイヤル・アルバート・ホール」での「LIKE A ROLLING STONE」での
客のヤジとそれを受けて返すディランのやりとりは有名だろう。
ライブが進行すると、誰もが最後は「LIKE A ROLLING STONE」だと
わかっているので、私も初めて聴いたときは「誰か、ジューダスって言うかな?」
と思いながら聴いていた。
ところが・・・。7曲目の「やせっぽちのバラッド」が終わるとすぐさま
「ジューダス」と叫ぶヤツがいる。ちょっと早いだろ。(笑)
最後の「LIKE A ROLLING STONES」のイントロのところで仕切り直したかの
ように再び「ジューダス!」と叫ぶ客。ライブ盤はこれだから楽しい。
あっ、ロビンは「I DON'T BELIEVE YOU・・・YOU'RE A LIAR」なんて
返しませんから。(笑)

趣味で遊びのアルバムかもしれないが、ファンならもちろん、ディラン・ファンも
聴いて損はないアルバムである。
もちろん、オフィシャル盤。(笑)

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青い空

2006-02-27 22:29:40 | DAY BY DAY
パロディでジャケットをつくるというのはあまり格好いいものでは
ないと思う。それなりに美意識を働かせながら制作したものならまだしも、
先達への尊敬や憧れが感じられないものは、大抵格好悪いものだ。
逆にレジデンツの1stのように露骨な悪意が感じられるものは
時に痛快な時もある。もっともパロディの対象にされた側のファンに
とっては耐えがたいものかも知れないが・・・。
あっ、私のブログをずっと読んでいる方なら私がビートルズも
レジデンツも好きなことは了解してもらえよう。

掲載写真の左は98年に発表されたポール・ウェラーのベスト盤「MODERN
CLASSICS」。初回版はライブ盤が付いた2枚組であった。
掲載写真の右は73年に発表されたKIM JUNG MIのアルバム「NOW」。
たまたま似たようなジャケットなので並べてみた。
パロディもリスペクトも何も介在しない単なる偶然である。

「おーい、キム~と呼んだら皆が振り返る」なんて歌ったのは
タイマーズのゼリーだったが、私はこのKIMさんのことはほとんど
何もしらない。数年前にLPで復刻されて以降、サイケ者の間では
人気が高く、韓国はもとより、日本や英国でもそれなりに知られた
存在のようだ。曲にどうのせるかという歌い方にもよるが
日本語も、ハングルもかなりもったりしているなあと思うのは、
このアルバムが昔の歌謡曲を聴いている気にさせるからか・・・。
フラワーズが日本語で歌っているのと大して変わらない気もする。
「そんな感じ」の音は格好良くはないかもしれないが、耳に残って
離れなかったりする。

韓国の空と英国の空。当たり前だが遮るものなく繋がっていて、
それは73年も98年もかわらない。この間、25年。
どちらもいいジャケットだと思う。
さて。2023年に空は繋がっているか・・・・・・。
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FAIRPORT CONVENTION / FIDDLE HOUSE

2006-02-25 22:10:05 | ROCK
フェアポート・コンベンションの初期の映像を集めたDVD-R。
リリースがアナウンスされてから、毎日いつ発売されるか楽しみで
発売されるやいなや、珍しく東京は某店まで足を運んだ。
ちなみに、オフィシャル物ではありません。(笑)

DVDは68年にフランスのテレビに出演した白黒映像から始まる。
1STリリース時のメンバーでの演奏で、ボーカルはジュディ・ダイブルだ。
ジュディの歌は、サンディ・デニーに比べると表現力や力強さといった点で
物足りないように思えるかもしれないが、私は結構好きである。
サイモン・ニコルとジュディのハモる映像を見れるなんて、夢のようだ。
ジュディはオートハープを演奏する場面もあるが、自身が歌わない時に
微動だにしないシーンが、その立ち姿が美しく印象的だ。

個人的に一番期待して見たのが、70年7月5日にオークウッド公園で
行われた野外ライブの映像。91年に限定1000部(PAL仕様)でリリースされた
こともあるが、未見だった。72年にはフロイドの例のポンペイでの
映像と共に映画として公開されたこともあるようだ。
これが、期待通りの素晴らしい演奏で、7月とはいえ風が少し吹き、
陽射しがそれほどきつくない感じのシチュエーションで、絵的にも綺麗だ。
サンディー・デニーはいないものの、この時期の男くさい演奏は最高だ。
「LIDGE&LIEF」や「FULL HOUSE」収録曲に加え、シングル「NOW BE
THANKFUL」(大好き!)といった名曲を惜しげもなく披露する。
共演の「マシューズ・サザン・コンフォート」の映像も収録してあり、
これは当時公開されたフィルムの状態をいじってないということだろう。
もうこのフィルムだけでも、全ての心あるロック・ファンに大推薦できる。
フェアポートの必殺ライブ盤に「HOUSE FULL」というのがある。
70年8月録音のものだが、その面子での映像と言えば、私が大推薦する
理由もわかっていただけよう。

71年のグラストンベリーではリチャード・トンプスンはもういない。
グラストンベリーはフェスそのものを捉えた映像があり、
そこにはリンダ・ルイスとテリー・リードの共演や、ファミリー、
アーサー・ブラウンやトラフィックの映像も見ることが出来るので
それを見たほうが楽しめる。
他には73年の「OGWT」(これは昨年オフィシャルDVDに収録済み)、
76年のロックパラストが収録されている。全体的に見て内容充実の115分。
サンディー在籍時の映像は、続編に期待したい。

それにしても今は闘病生活中のデイヴ・スワーブリックの、バイオリンは
フェアポートの象徴だったと改めて感じた。リチャード・トンプスンの
ギターと時に共鳴し時にバトルを展開する様は、圧巻である。
「SLOTH」を演奏している映像ってないのかなあ・・・。
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イナバウアー

2006-02-23 21:07:11 | DAY BY DAY
初めて耳にした時から、頭に残ってしまう音(おん)や響というのが
あるものだ。ここのところ「イナバウアー」というちょっと固い響きの
言葉が気に入っている。もちろん荒川静香をほんの少し応援している
というのも理由だけど。
「なんや、イナバウアーって?食うたらうまいんか?」とか
横山やすしが生きていたらいいそうだが、私は「なんや、イナバウアーって?
ベッケンバウアーなら知っとるで。」とか「ニルヴァーナだったら知っとるで」
とか大して面白くも無いボケを連発していたのだが、ベッケンバウアーの
名前を出すのは、なかなか今となっては深い?と思ったりして。

つまりイナバウアーというのはイナ・バウアーというドイツ人の名前から
きているのだから、同じドイツ人の名前の響が似ていたというだけなのだが
なんとなく由来を知った時は勝手にニヤニヤしていたものだ。
よくテレビで「イナバウワー」という技に関しての解説を聞くが、
フィギュア・スケートという競技において、現在は採点の対象ではないそうな。
つまりは繋ぎ技と言うことなのか?(笑)
人の名前がついたプロレス技ならアントニオ・ドライバー(古っ!)とか
アントニオ・スペシャル(猪木ばっかりかよ)とか思い浮かぶのだが
いずれもキメ技である。

繋ぎ技なら・・・好きなものに「ドラゴン・スクリュー」がある。
ジュニア時代の藤波辰巳が、相手の動きを止めるために脚を痛めつける技として
使っていた。本来はあんなとこやこんなとこをがっちりロックして
ひねって投げるのでダメージはかなりあると思うのだが、どうも
形勢逆転のための繋ぎのイメージが強くて、損をしているイメージがある。

さて「ニルヴァーナ」である。(笑)
日本で一番人気があるのはおそらく、「局部麻酔」という邦題の付いた
ヴァーティゴ移籍第一弾のアルバムだろう。ジャケット(掲載写真)のインパクトが
強烈なせいもある。紙ジャケ発売直後には大手チェーン店の店頭には無い状態が
続いた。(限定5000ですが、まだ普通に買えます。)
個人的にはそれ以前のアイランド時代の方が好きだ。
ポップ加減、サイケ加減のバランスがいい感じでとれているのは
初期の3枚だと思う。それ以降は曲の出来よりもアレンジに凝っただけのような
気がしないでもない。
まあ、いいや。今日は「イナバウアー」と何度も書きたかっただけなのだ。(笑)

デイブ・メイスンの「アローン・トゥゲザー」を以前、ブログで取り上げた時に
「変形ジャケはともかく、マーブル・ディスクの再現は無理だろう」なんて
書いたら、ちゃんとディスクがマーブル模様でした。
同時発売の「ロン・デイヴィス」や「マーク・ベノ」のCD盤面は
レーベル・マークだったので、これはアナログを意識した嬉しい仕上がりと
言える。足は意外と早いかも・・・。
ストーンズの「サタニック・・・」も3Dが確定したようですね。
目出度し、愛でたし(笑)。

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THE CARS / JUST WHAT I NEEDED

2006-02-21 22:25:17 | THIS SONG
「CAR」は当たり前だが漢字で書けば、「車」である。
こういった名詞をバンド名にするセンスというのが、個人的には
理解に苦しむのだが、「日常生活に欠かせない」「ないと困るだろう」
というふうに迫られると、なるほど意味が見えてくるような気がする。
最も、車の必要ない生活というのは存在するし、そのほうがいいとも
思う。

カーズを最初に知ったのは、FM雑誌にレコーディング風景が
取り上げられていたのを読んだことによる。音でなく文字から入ったわけである。
このダサい名前のバンドは、メンバーが個人個人で別のスタジオに入り
モニターを見ながらレコーディングしていたのである。
バンドというものは、スタジオに集まって「せーの」で音を出すものだと
決め付けていたので、これは驚きであった。
たぶん「キャンディー・Oに捧ぐ」のレコーディングだったと思うのだが
記憶は遠い。

興味を持ったもののなかなか購入に至らなかったのはジャケットのせい
かもしれない。女性を扱ったものにしては、ロキシー・ミュージックほど
インパクトはないし、メンバーの写真を見ても絵的にパッとしないし。
それでも17歳のある日、私は二択を迫られていた。というかレコ屋で
2枚のLPを前にどちらを購入するか悩んでいただけなのだけど。
以前、コステロとスペシャルズのどちらを購入するか悩んだ話を
書いたことがある。今回のカーズの相手は・・・クリーム(笑)だった。

「シェイク・イット・アップ」と「サンシャイン・ラブ」の対決といっても
良かろう。(バカ)。その日は夏休みの真っ最中、なんとも暑い日であった。
私が2枚のレコードを並べて悩むのは、なじみのレコ屋の奥さんにしてみれば
いつものことだから、どれだけの時間店にいても急かされることはないのだが、
それでもその日は、一段と長考していた。
財布の中には2500円しかない。カーズは2500円、クリームは2000円。
どちらも買えるのだが、カーズを買うと帰りにコーラも煙草も(コラ!)も
買えないではないか・・・。

で、どっちを買ったか。
私は両方を入手して家に帰った。全く愚かなことにあと2000円分の
レコードを買えばポイント・カードが貯まって2500円分のレコードが
もらえることに30分も気がつかなかったのである。
レジで金を払う時の奥さんに笑われたのが、少々気恥ずかしかったことを
今でもよく覚えている。

正直言って、カーズのアルバムを通して聴いて満足したことは未だに無い。
クイーンもそうなのだが、これは、私とロイ・トーマス・ベイカーの
相性が悪いのか?。いや、それは冗談としてカーズはアルバムの中から
的確にシングルを切っていた、これが紛れも無い事実と言うことなのだろう。
そんなカーズの曲の中で一番好きなのが1ST収録の「JUST WHAT I NEEDED」。
「燃える欲望」という邦題が付いている。
掲載写真は「燃える欲望」収録の1STのデラックス・エディションで
99年に発売された。(オリジナルの1STは78年発売)
1ST収録全9曲に、そのうちの8曲のデモや未発表曲などが収録された
2枚組。余り話題にならなかったせいか、続編はいまのところない。
オリジナルとデモで、曲構造にそれほど差異はないが、アルバムとして
世に出たバージョンの、スカスカなんだけどゴージャス感のある
音は素晴らしく、ここはロイ・トーマス・ベイカーのセンスに脱帽である。

欲しいものは山ほどある。
死ぬまでに1曲でも多く、格好いい曲を聴いておきたい。
そんな「燃える欲望」に突き動かされ、今日もレコードを買うのである。

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NEW YORK DOLLS / ALL DOOLED UP

2006-02-19 13:18:16 | ROCK
昨年発売されたものだが、ドキュメントということで英語の苦手(笑)な
私は字幕つきの国内版がリリースされるのを待っていた。
が・・・いつまで経っても出る気配が無いので、遂に購入してしまった。

ボブ・グルーエンと妻ナディアが3年間に渡り、ポータブル・ビデオ・
レコーダーで撮りためた40時間の映像の中から編集されたもの。
ドキュメントが90分、フォト・ギャラリーもある。
結構ドールズの映像は昔から、ちょこちょこ出回っていたが
当たり前ながらここまで綺麗なものは、初めて見た。
会話やインタビューが多いので、やっぱり字幕が欲しいなあ、と
思ったのは事実だが、動くドールズを見ているだけで意味も無く
盛り上がってしまうのも、また事実。
キンクスの「アフタヌーン・ティー」をBGMに臨むフォト・セッションは
有無をいわさぬバンドの魅力があふれ出ている。

ドキュメント部分で扱われるライブ素材で完奏するものはない。
しかし、ボーナス映像として12曲のライブ映像が収録されている。
もちろん完奏だ。「MAX'S KANSAS CITY」「WHISKY A GO GO」「MATRIX」と
いった伝説の会場での演奏が数曲ずつ、モノクロの映像で捉えられている。
何台もカメラを使って撮影して編集した映像ではないし、音声も
お世辞にもいいとはいえない。だが、この動くドールズの前ではそんな
ことは些細なことだ。狭い会場で汗まみれになって放たれる膨大な
エナジーを感じ取れないロック・ファンはいないと思う。

若きデヴィッド・ヨハンセンとジョニー・サンダースが絡む様は
今時のロックといわれるバンドのステージでは見られない光景かもしれない。
弦を大袈裟に弾き上げるアクションをキメるジョニーと時にリードを分け合い
時に的確にバッキングに徹するシルヴェイン・シルヴェインの
コンビネーションも抜群だ。
なんて格好いいのだろう。何度でもリピート再生してしまう私がいる。

2004年にリリースされた「MORRISSEY PRESENTS THE RETURN OF THE
NEW YORK DOLLS」の横に並べると、ジャケット・デザインや色使いに
共通項があり、少々感動する。
値段もそれほど高くはないし、リージョン・コードの心配も無いので
是非ともコレクションに加えていただきたい。



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ビフォー&アフター アフェニティの場合

2006-02-17 20:48:13 | ROCK
「アフェニティ」といえば、70年にヴァーティゴからリリースされた
唯一のアルバムが、広く知られるところだ。キーフの手になるジャケットも
印象的だが、何よりリンダ・ホイールの歌唱の印象は強烈だ。
メンバーの演奏も、渋いギターやハモンドが英国ならではだし、
思慮深く重ねられたブラスもいい感じだ。CD化の際はボーナス・トラックも
収録され、喜んだものだ。

英国ロック・ファンはこの「唯一の」アルバムを何度も聴いてきたのだが
2003年から2004年にかけてアフェニティの発掘音源が3種もCD化された。
ジャケットはどれもオリジナルのキーフのジャケットを下敷きに、色合いを
調整したものだがこれがなかなかいい。4枚並べると「この音を世に出したい」
という強靭な意志を感じたような気になる。

掲載写真右が1965年から67年の録音集。なんとピアノ・トリオである。
リンダ・ホイールを擁したあの名盤でベースを担当していたモ・フォスターは
ドラムスを担当している。演奏されるのは「AUTUMN LEAVES」、
「MY FUNNY VALENTINE」「SOMEDAY MY PRINCE WILL COME」など、
スタンダード集といった趣だ。名を伏せて聞かされたら、特に「おお!」という
反応を即座に出来る類のものではないが、これがあの「アフェニティ」になるのか
と思うと感慨深く聴けるのだから勝手なものである。(笑)

以前、私のブログでマイク・ダボを取り上げた時に、バックがアフェニティなので
「72年にアフェニティが存在したのか?」と疑問に思ったが(71年にリンダは
ソロ・アルバムを創っているし)謎が解けたと書いた。
それが写真左の71年から72年の録音集だ。
リンダの後任に「VIVIENNE McAULIFFE」なる女性ボーカリストを迎え
幾つかの録音を残している。この女性は「プリンシパル・エドワーズ・マジック・
シアター」(昨年紙ジャケCDでリリースされましたね)のボーカリスト
であったが、なかなかの歌を聞かせる。
リンダを擁した時代にもとりあげたディランの「見張り塔からずっと」は
マイルス・デイヴィスの「IT'S ABOUT THAT TIME」のフレーズを挟んで
よりアグレッシブな演奏を聴くことが出来る。
当時アルバムとしてまとめ上げることが出来たのかもしれないが、
リンダ以外に、ジャズ・トリオ時代からの盟友「レイトン・ナイフ」が脱退
したことで、完成にいたらなかったのかもしれない。

今回はとりあげなかったが他には69年録音のインスト・ライブ集もある。
いずれにせよ、たった1枚しかもそれが英国ロックを代表する名盤をつくった
バンドの「名盤誕生前夜」と「夢のあと」を聴くことができるとは、
なんとも嬉しいことである。
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MARBLE PHROGG / SAME

2006-02-16 19:55:35 | ROCK
1980年代半ば、私は学生バンドで遊んでいた。
このブログでは何度かそのことに触れたが、オリジナル曲を創る気力も
能力も無く、ただひたすら快楽の追求と自己満足のために好きな曲を
カバーしていただけである。

遡ること約20年(笑)、オクラホマのローカル・バンド「マーブル・フロッグ」も
そんなバンドだったのだろうか。1968年に発表されたアルバムはその希少性も
あって1000ドルで取引されているなんて話も聞いたことがあるが、
私の手元には実に怪しい再発CD(笑)がある。
一見、ベタなカバーのオン・パレードである。
「ワイルドでいこう」「すっきりしたぜ」「魔女の季節」「スカイ・パイロット」
「ストレンジ・ブリュー」・・・。もし私が68年にアマチュア・バンドを
やっていたらこんな選曲になっていたかもしれない。
ローカル・バンドらしく録音状態は余り良くない。だがこの分離の良くない
音の混ざり具合が、却ってファズ・ギターの凶暴性を際立たせるのだから
面白い。

アルバムの大半は正直どうってことのない選曲だが、ストーンズ者には
見逃せない曲をカバーしている。(コレが購買動機)ほとんど本家ストーンズにも
忘れ去られていた状態であったのが、キース・リチャーズの1STソロ発売に
伴うツアーで演奏されファンを「あっ」といわせた曲。
そう、「ボタンの間に」に収録されている「コネクション」である。
オリジナルもバタバタした演奏の中にサイケな感じを残していたが、
この「マーブル・フロッグ」はより凶暴に迫る。
何故「コネクション」だったのか、よくわからないのだが素敵な選曲だ。

日本のGSや米国ローカルバンドの、やけくそででたらめなエフェクター使用は
稀に笑いと感動を携えて不意に耳を襲う。その度に私は笑い、あきれかえり
そしてまた同じようなバンドを探し回るのであった・・・・。

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FLEETWOOD MAC / RHIANNON

2006-02-14 19:27:16 | THIS SONG
ベーシストとドラマーの名前をとってつけられたバンド名を持つ
「フリートウッド・マック」。時にしなやかに時に豪気なリズムを
叩きだす素晴らしいコンビである。
だが、たいていはこの二人以外のメンバーを中心に語られることが大半だ。
ある人はピーター・グリーンにジェレミー・スペンサー、更にダニー・
カーワンがいた時代が好きだろうし、またある人はバッキンガム・ニックスの
時代が好きだというだろう。相方は何故だかボブ・ウェルチが好きだという。(笑)
ちなみに私はバンドとしてはブルー・ホライズン時代が格好いいと思う。
ボーナス付き紙ジャケ仕様BOXが輸入盤でリリースされた時には即、購入した。
だが、一番好きな曲は75年の「リアノン」だ。

ボブ・ウェルチ脱退後、スティービー・ニックスとリンジー・バッキンガムを
加えた新生マックが放ったヒット曲。スティービー作でもちろん歌も彼女だ。
バンドにはクリスティン・マクビーという優れたシンガーでキーボーディストの
女性が既にいたが、おそらくは自分よりフォトジェニックであろう女性の
加入をどう思ったのか、ものすごく興味がある。自身はジョン・マクビーと
恋仲であっても、マスコミの注目は細身の金髪の小悪魔に集まるということに
嫉妬を覚えなかったはずはないだろうから。

「リアノン」はスティービーの歌手としての魅力に満ち溢れている。
ちょっと高飛車だが、ふとかわいらしいところを見せる感じといえば
わかっていただけようか。ファンの間では「噂」収録でこれもシングル・カット
された「ドリームス」と人気をわける曲だろう。
「リアノン」はイントロのリフが覚えやすいことや、バック・コーラスを
つけるクリスティンの声がなんとも艶っぽいこともあって、私はこちらを
断然推す。ブリッジのリンジーのちょっとしたフレーズも素敵だ。

76年の「ミッドナイト・スペシャル」、WEAが77年につくった有名な
プロモ・フィルム「ROSEBUD」、77年来日時の「YOUNG MUSIC SHOW」などで
当時の映像を見ることができるが、この曲だけを抜き出すとまるで
ソロ・シンガーとバック・バンドのようにさえ見える。
それだけ、この曲ではスティービーが際立っているということだ。

私の昔の友人で面白いヤツがいた。ギターに興味を持つ友人は多くいた。
大抵譜面やタブ譜を見て、もしくは耳コピーで何かを弾こうと試みたものだ。
だが理数系ゆえか、ヤツはいきなりコードの解析から入っていった。
何度の音を足すとか抜くとか、まあ当たり前といえば当たり前だが
周りでいちいちそんなことからやっていたのはヤツだけだったので
少々異質に見えたものだ。そうやってキース・リチャーズさんの奏法を
分析し、理論で説明してくれたのだが、すっかり忘れてしまった。(笑)
キース好きのヤツではあったが、他に好きだったのがロビー・ロバートスンと
リンジー・バッキンガムだった。なるほど、少々知的だなあなどと妙に
感心したのも懐かしい思い出だ。もっとも数学で赤点ばかりとっていた私には
ギターなんて煩わしいだけで、もっと繊細(笑)な楽器に興味があった。
ほら、ドラムってよく女性に例えられるでしょ?。

ミュージック・ライフのグラビアで見たスティービーの写真は刺激的で
16歳の少年の脳裏に強く焼きついたものだ。時の流れは残酷だが
私の中にはいつまでも当時のままで残っている。スティービーの横に
写っていたトム・ペティの姿はもちろん当時も今も自動的に削除された
ままで・・・。(笑)

掲載写真は「リアノン」収録のアルバム「ファンタスティック・マック」。
原題は単純に「フリートウッド・マック」なのだけど、上手く韻を踏んだ
いい邦題だと今でも思う。
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DELBERT McCLINTON & GLEN CLARK

2006-02-12 18:27:36 | ROCK
一度見たら覚えてしまうジャケットであるのが私にとって
効を奏したのが、このアルバム。人名は覚えられなくても視覚での
印象は強烈だ。
このアルバムは1972年にデルバート・マクリントンとグレン・クラークの
二人が発表したもの。二人は2枚のアルバムを連名で発表しているが
これは1STでタイトルは「DELBERT & GLEN」。
昨年、2NDとのカップリングでCD化された。初CD化である!。
いちいち、名前は覚えてなかったのだがこのジャケットを見たときに
「おお!」と思い出して購入となった。

二人ともテキサス出身で、72年録音というだけでなんとなく匂ってきそう
でしょ。ただずっとテキサスにいたらこのアルバムは出来なかったろう。
マクリントンがL.A.に行ってクラークと出会うのは勿論大事だが、
そこでダニエル・ムーアと出会うのが肝だと思う。
ダニエル・ムーアの盤は過去に私のブログでも取り上げた。
当時のL.A.スワンプ人脈の中から生まれたアルバムだが、この盤も
そんな1枚。ムーアはプロデュースとコーラス等でアルバム制作の影の
立役者となる。共同プロデューサーとしてTボーン・バネットの名もある。

いなたいサウンド、ぐいぐいバンドを引っ張るマクリントンのハープ。
この手の有名盤と比べて、何ら劣るところは無い。
後にブルース・ブラザーズやボニー・レイットにカバーされる曲もある。
L.A.産スワンプ・ロックの名盤として、これから広く認知されるべき
アルバムだと思う。ザ・バンドのファンも必聴。

73年の2ND「SUBJECT TO CHANGE」は1STに比べて幾分、洗練されるがそれでも
十分泥臭い。
日本盤はVIVIDからの発売で例によって輸入盤に帯をつけての発売。
入手はもしかすると、外盤のほうがカタかったりして。
2イン1はオーストラリア盤だが、HMVで検索したら米盤は2枚単体で
CD化されている。この際2枚ともいっときましょう。

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追悼エルトン・ディーン

2006-02-10 20:52:03 | DAY BY DAY
hopperさんからのメールでエルトン・ディーンさんが亡くなったことを
知った。まだ60歳の若さでの逝去である。

エルトン・ディーンはキース・ティペットとの活動やソフト・マシーンの
「3rd」から「5th」までの録音に参加したことで、ロック者の記憶に
残る人物である。
掲載写真はCD化されたエルトンのアルバムでタイトルは「JUST US」。
もともと自身の名前をつけたアルバム・タイトルで71年に発表された
ものだが、アルバム録音後にバンドは「JUST US」と名乗ることになり、
CD化に際して「JUST US」のライブ録音を加え、タイトルもバンド名に
変わったものだ。

ソフト・マシーン在籍中に録音され、このアルバム収録曲の数曲は
マシーンのライブでも演奏されている。面白いのはマイク・ラトリッジが
参加した2曲だ。ロイ・バビントンや後にワイアットの後任ドラマーとなる
フィル・ハワードの存在もあわせれば、ほとんどこれは「ソフト・マシーン」
である。いや、もっと突き詰めればラトリッジのオルガンの音色が
全てを決定付けているのかもしれないが、その他の収録曲が良しにつけ
悪しきにつけ、インター・プレイ大会の側面が強いのに対し、曲調や
「ハッとするようなリフの魅力」が抜きん出ているように思える。
マシーンのアルバムを揃えたら、次に手にすべきアルバムであるのは
間違いない。

エルトンさんの逝去で、「ソフト・マシーン・レガシー」はどうなるのだろう。

ソフト・マシーンやエルトン・ディーンに興味の無い人も次の
有名な実話は覚えておいて欲しい。
エルトン・ディーンは66年にロング・ジョン・ボールドリーと
「ブルーソロジー」というバンドを作る。そのバンドのキーボーディストである
レグ・ドワイドは、ディーンとボールドリーの名前をいただいて、
後に「エルトン・ジョン」と名乗ることになるのであった・・・。
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THE POLICE / EVERY BREATH YOU TAKE

2006-02-07 20:24:37 | ROCK
昨年末、ユニバーサル・ミュージックから売れ筋洋楽アーティストの
CD2枚&DVD1枚をセットにして2980円で売り出すという破格の
企画があった。全て既発のCDとDVDの組み合わせだが、ちょっと
聴いてみようかな、なんていう向きには手頃な感じで手が伸びた方も
いるかと思う。我が家にも遂に「カーペンターズ」がやってきました。(笑)

今回とりあげるのはそのシリーズの1つである、「ポリス」。
ポリスへの入れ込み方は一時、尋常ではなかった。今は手元にないものが
ほとんどだが、英国盤や日本盤シングル、12インチ、ピクチャー・ディスク、
果ては「白いレガッタ」の10インチ2枚組なんていう訳のわからないものまで
目に付いたものは買っていた。もちろん映像もほとんど目にしているが
「ソフト」で所持しているものが全く無かった。
そこで今回の限定版に目が行ったのだ。
CDの1枚はベスト盤、もう1枚は2枚組でリリースされた「POLICE LIVE!」の
1枚。なんとも中途半端であるが、映像が欲しいと思ったので購入と相成った。
プロモ・クリップは全てビデオで録画してあるが、DVDに落とし直すのも
面倒くさいし、DVDの「ボーナス・マテリアル」も魅力的だと思ったし。

早速DVDをセット。いきなりショックを受ける。
初めて見た動くポリスは「ロクサーヌ」を演奏するものだった。
スタジオ内に赤い床と壁のセットをつくり、黒を基調にした服装の
3人が口パクするだけのものだが、それがえらく格好良かったのだ。
同じセットで収録された「キャント・スタンド・ルージング・ユー」然り。
当然のようにその映像が収録されていると思ったのに、全く違うではないか。
もちろんこのDVDに収録されている映像も見たことはあったが、
「これじゃないだろう」という思いがどんどん強くなり、なんだか
ひどくがっかりしてしまった。

先のスタジオでのフィルムは口パクで演奏の当て振りをしている最中にも
スティングはマイクの付いてないスタンドに向って歌うし、スチュワート・
コープランドは平気でドラム・セットを離れるし、そのふざけ方が
楽しい。後に見た日本のテレビ番組に出演した際もなめ切った態度で
振舞ったのだが、このビデオが頭にあったので「なるほど」と変に感心した
ものだ。(後日、出演したU2があまりにマジな生演奏をしたので、
昔のポリスを引き合いにだして、U2は素晴らしいなんて言われたものだ。)

がっかりしたのはここだけで、ボーナス映像は良かった。
今は無きモンセラット・スタジオでのレコーディングを、すっかり大物司会者
となったジュールズ・ホランドが面白おかしく紹介する場面は楽しいものだ。
「クリーム・フェアウェル・コンサート」のジンジャー・ベイカーじゃないけど
スチュワート・コープランドがドラムを叩きながら、レゲエのリズム解析を
するシーンは必見だ。

まあ、単体でベスト盤(必要ないんだけど)やDVDを買うより、
この「組み物」を買ったほうが安いというだけの理由での入手で
あったが、良しとしよう。
安いだけに解説やクレジットは全く不親切そのものではあるが。
それにしても醜悪な被せ帯?である。
いずれポリスは別な形でとりあげるとは思うが、今回はこの辺りで・・・。

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I CAN'T JUDGE THE MUSIC BY LOOKING AT THE COVER

2006-02-06 22:29:07 | DAY BY DAY
今年のスーパーボウルはスーパーボウル史上、ランの最長記録が
出たり見所は多かった。な~んて、大して詳しくもないのに
のっけから、訳のわからないことを書いておりますが、ロック者の
最大の興味はハーフ・タイムにおける、ローリング・ストーンズの
演奏であろう。

実際は約15分で3曲演奏されたのだが、BSでの放送では「ROUGH JUSTICE」が
カットされ、「START ME UP」と「(I CAN'T GET NO ) SATISFACTION」の
2曲が放映された。メインはスーパーボウルなので、音質のクオリティは
それほど良くないが、それでもちゃんと2台のギターが聞き分けられるレベルで
ミックスのラフさが妙に格好いい。ミックやキースのコンディションも良さそうで
よく動く。何よりカメラの数が多く、様々な角度から演奏を捉えていて
面白かった。幾分ミックを映しすぎるきらいはあったが。
相方に「見にいきたいんやろ~」と絡まれるが、生返事。(笑)

ケーブルテレビとかCSのスポーツ専門チャンネルでは完全に放送された
のかもしれないが、見れる環境にない。ま、いけないDVDで出回る
のは間違いでしょうね。

今回の掲載写真は92年に1000枚プレスされた7インチ・ブートレグ。
92年6月20日のロッテルダムでの「IMAX」上映に伴う特別リリースだなんて
大仰な能書きが印刷されている。
中身は62年にチャーリー、ビル不在で録音された「YOU CAN'T JUDGE A
BOOK BY LOOKING AT THE COVER」、75年のセッションから「I GOT A
LETTER」「ENGLISH RODE」「I DON'T CARE」など。
62年のボ・ディドリーのカバーはともかく他の曲はだらけたセッションの
断片にタイトルをつけただけのようなものだ。
多分どれもなんらかのCDで聴けるものとは思うが(最近は全くここらへんは
ノー・チェック)7インチという装丁が可愛らしく今でも手元に置いてある。
ちなみに赤盤。しかも「犬ジャケ」で「見開きジャケ」。(笑)


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名古屋公演よりも気になるもの

2006-02-06 00:04:57 | DAY BY DAY
ストーンズの名古屋公演の予約が先の土曜日から始まった。
前々から噂はあったものの、まずは東京ドームを埋めないとという
思惑もあってか、日にちをずらしての正式発表である。
まあ、それは前回もそうだったので特に「ひどい」とか思ったりはしない。
愛知県には知人や親戚が、何人もいるので久しぶりに会いたいなあ
なんて思いもあって、躊躇したものの今回もやっぱり見送ってしまった。
駄目な僕・・・・。

そんな私がストーンズ絡みで一番気になっているのは、3月16日に
発売が予定されている「サタニック・マジェスティーズ」の紙ジャケである。
いまだにユニバーサル・ミュージックのHPでも詳細が発表されずに
いるからなのだが、要は3Dジャケットが再現できるかどうかである。
LPも2002年のCDも持っている身としては、これが再現されなければ
買う気はないのだ。

3Dといえば、80年代後半の松任谷由実の何枚かのCDジャケットは
3D仕様だった。「売れると金かけてもらえるんだな」と思うと同時に
「いつかはストーンズのあれもこんなふうに発売されないかなあ」と
思っていたものである。
3Dだと、コラージュされたビートルズの4人の顔が判り辛いのだが
それはそれで置いといて、今回は決定版を作成して欲しいと願っている。

「スルー・ザ・パスト・ダークリー」の八角形仕様は早々に発表されて
いるのに、「サタニック」については未だ何のアナウンスもないのが
本当に気に掛かるところである。

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JULIET / YOKOSUKA BAY

2006-02-05 16:07:53 | 日本のロック・ポップス
横須賀のバンド、ジュリエットが76年に発表した唯一のアルバム。
「横須賀ベイビー」ではない。(笑)
今でこそ、「舶来モノ」なんていってもこっちの身の丈や
生活習慣にあわなければ「ゴミ」と同じだと容易に認識できるが
70年代には、まだまだ憧れや畏敬の念があったと思う。
横須賀といえば、基地の町である。そんな町からアメリカへの憧憬を
あからさまに音にしたバンドがジュリエットである。

たった今、偉そうに書いた私ではあるが「横浜」「横須賀」なんて
言われれば、ちょっと一目置いたりする。(笑)
田舎者の私だが、同じ工業都市(だった・・・)出身としては、
「川崎」「鶴見」なんてのにいちいちビビッてられないのである。

ジュリエットを紹介する時によく例えに出るのが、オールマン・ブラザーズ・
バンドやリトル・フィートだ。だが、本当にそれを感じ取れるのは
バンドや楽曲全体の構造を理解し、愛せる人だろう。
デュアン・オールマンや、ローウェル・ジョージのスライドにしか
気のいかない人には100年たっても理解できないかもしれない。
このもどかしさは、一体何なのだろう。

グレイトフル・デッドは好きだけど、「めんたんぴん」は聴いたこともない
なんて、得意げに言う人もいるが、それでいいのか?。
ジュリエットは、いなたい「はっぴいえんど」であり、太平洋側の
「めんたんぴん」であり、そして紛れもなくオリジナルな「ジュリエット」だ。
ガロのバックで腕を磨き、森園勝敏やジョン山崎の協力を得て
作り上げたこのアルバムが、当時の横須賀の気分を表しているかどうかは
私にはわからないが、2006年の今聴いてもそのクオリティには
驚くばかりだ。

2001年にCD化されたが、入手は難しいかもしれない。
70年代のアメリカの音に興味がある方は、気に留めておいて
中古コーナーを探す時に思い出して欲しい。
地味に聴こえるかもしれないが滋味なアルバムであるから・・・。
コメント (2)
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