HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

ANDY ROBERTS / HOME GROWN

2005-11-30 23:09:19 | ROCK
来年は犬年である。犬が大好きな私としては、
当然、犬が写ったレコード・ジャケットも大好きである。
ぱっぱっと思い浮かべると、クラプトン、ジャック・ブルース、
アメイジング・ブロンデル、バート・ヤンシュ、ヴァン・モリスン、
フリート・ウッドマック等好きなジャケットは多い。
今年も数多くの紙ジャケが再発されたが、特に嬉しかったのが
アンディ・ロバーツの70年の1ST、「ホーム・グロウン」である。
イギリスのシンガー・ソングライターのアルバムとして
個人的には最高の1枚だと思っている名盤。

つい先日もレア盤を怪しく再発する「HUGO-MONTES PRODUCTION」に
ついて書いたが、このアルバムもそこから再発されていた。
それが掲載写真の左側のもの。これは1STと2ND「ニナ・アンド・
ドリーム・トゥリー」を収録したもの。私はこれで十分満足していた
のだが、紙ジャケを買って和久井光司氏のライナーでいろいろと
知ることになった。

このイラスト・ジャケは71年の再発時のもので、1STのオリジナル・
バージョンから14曲中5曲削られ、未発表曲を1曲追加したもので、
米アンペックス盤は更に2NDの曲も追加しての発売だったことが
書かれてある。で、HUGO盤CDは米アンペックス仕様なのか、
1STから5曲削られ1曲追加プラス2NDの5曲が収録されている。

そして遂に、待望の「犬ジャケット」である。オリジナル通りに14曲の
収録プラス追加された1曲も含む15曲仕様での登場、これを
快挙といわず何を言う!ってなものである。
ライナーには更にオリジナルの「犬ジャケ」の復刻は奇跡だとも
書かれてある。おお、グレイト!。

ブリティッシュ・ロック好きには興味深い1枚だ。
バックがマイティ・ベイビーの3人であることやアンディが
後にニール・イネスらとグリムズを結成することなどを知ると
どんどん興味が拡がる。
インサートにはエレキ・ギターに煙草をさして演奏する
アンディの写真がある。エレキもアコギもどんとこい。
イギリスならではの渋く味わい深い音に是非触れていただきたい。
発掘録音ではないが、「ストレート・リイシュー」なら
2005年の再発モノではかなり価値のあるものだ。
なくなる前にどうぞ。


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THE SPIDERS / MOVIE TRACKS

2005-11-28 21:51:04 | 日本のロック・ポップス
雑誌というか季刊誌というのかよくわからないが
「HOT WAX」誌の高護氏が監修した、スパイダースのCDが
リリースされた。
一般にレコード化されたものではなく、映画用に録音された
音源からセレクトされたもので、全21曲からなる。

同じような企画で選者は異なるが、2000年に「THE NEW TASTEMENT
OF G.S. SOUREE」2001年に「Mera Mera...GROUP SOUNDS ORIGINAL
CINEMA TRAX」というG.S.が映画用に録音した音源をコンパイルした
CDがリリースされているが、今回のCDは約半分の曲が
先の2種のCDには収録されていない。

ちょっと値が張るが初回1000枚はスパイダース主演の4作品の
予告編を収めたDVD付きなのでそちらを購入。
私は4作品ともCS放送されたものを録画しているが、
さすがにそれよりは画質はよかった。

今回は日活作品からのセレクションなのであるが、よくよく公開日を
見ると驚いてしまう。なんと68年1月から8月の間に3本も主演映画が
公開され、12月公開の「にっぽん親不孝時代」(東宝)も含めると
4本の主演映画が公開されたことになる。これは尋常ではない。
この年にはアルバムを2枚発表し、なかでも10月発売の
「明治百年、すぱいだーす七年」はフェイバリットに挙げる人もいる
くらいのもので、いかに彼らがハードに働いていたかがよくわかる。

G.S.映画の音楽の魅力は何といってもスタジオ盤にはない
荒々しさにある。オルガンやファズ・ギターの鳴りが凶暴で
コーラスもラフ。よりライブに近い感じなので、「グループ・サウンズ」
ならぬ「ガレージ・サウンズ」が楽しめるというわけだ。
ムッシュの述懐では映画用の録音は通常のスタジオ録音より設備が
劣っていたため、より実験的で奔放に演奏したとある。
確かにファズを踏んだために、ディレクターに「ノイズが出てるから、
アンプをチェックして」とか間抜けなことを言われないですんだ
せいもあろう、録音は貧弱なものもあるが、スタジオ盤にはない
熱気と勢いがある。

実のところ映画はスパイダースの演奏シーン以外は個人的には
どうでもいい。そりゃ「杉本エマ」とかが出ていれば
ドキっとはしますけどね。(おっさんですね。)
まあ、のんびり見るぶんには「おお、マグニフィセント・セブン」
なんて感じでいいのだけど、それまでだ。
何はともあれこのCD、私の叔母のように井上順のファンで
「昔はスパイダースのシングルは全部買った」という往年の
ファンには驚き以外の何物でもないだろう。
今は音楽から完全に遠ざかった当時のファンよりも、後追い世代の
方が手にするであろうCDであるとは思うが、多くの人の目にとまり
そこそこの枚数の売上があることを切に願う。
そうでないと、次がないからね。

ちなみに主演ではないけれどG.S.関連の映画で一番好きなのは
「野良猫ロック・暴走集団’71」。原田芳雄が格好いいのと
モップスが「御意見無用」を演奏するシーンが割りと長く
収録されている、この2点が個人的には特筆すべきことなのだが
不条理きわまるエンディング、梶芽衣子の美しさも記憶に残る。
この映画の中の原田芳雄のとある短い台詞を私はよく
真似して同じイントネーションで使うのだが、それはまあいいか。(笑)


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THE RUTLES / THE RUTLES

2005-11-27 19:19:04 | ROCK
待望の再DVD化。邦題「四人もアイドル」。
以前はCDサイズのパッケージだったが
今回はいわゆる「トゥール・ケース」仕様。
特に画質・音質に向上があるような表記もないし、
ボーナス映像もなし、ライナーも昔のままである。
私はビデオのダビング版しか持っていなかったので
今度こそ買っておこうと思って購入した次第。
思い起こせば、昔のレンタルビデオ屋は「何でもあり」の店は
結構な品揃えだったものだ。

78年に米NBCと英BBCで放送された時のタイトルは「ALL NEED IS
CASH」で、このソフトは番組をそのままビデオ、DVDにしたもの
なので、もちろん「ALL YOU NEED・・」のタイトルがオープニングに
入っている。

内容はジャケットからわかるとおり、ビートルズの歴史の完全
パロディ。時間も金もアイディアもふんだんに使われ、これ以上の
モノは今後もないだろう。テレビ出演の照明とスタジアム・コンサートの
照明の違いに気を配るくらい、こだわった作品である。

ビートルズに詳しければ詳しいほど、そのパロディのこだわり方が
理解できるのはいうまでもない。私は何度も書くのだが
それでもやっぱり、ジョン・レノン役のニール・イネスのセンスを
もっと理解して欲しいと思ったりもする。そして、モンティ・パイスン
絡みのエリック・アイドルのコメディアンぶり、脚本の素晴らしさにも。

ミック・ジャガーやロン・ウッド、ジョージ・ハリスンに
ポール・サイモンといったミュージシャンが参加し、インタビューに
答えたり、インタビュアーになるシーンは有名だろう。
77年にニール・イネスが「サタディ・ナイト・ライブ」に出演した
関係からか、その番組のコメディアン達も参加している。
圧巻はジョン・ベルーシがアラン・クライン役で出演していることだ。
写真で見たことがあるアランと同じようなセーターを着て、傍若無人に
振舞うのだ。アランはビートルズやストーンズの財産を管理する立場に
ありながら多くを搾取した悪人としてのイメージが強く、見たこともないのに
「あんな感じなのだろうなあ」と思わせてしまう、なんともアクの
強い演技であった。

流石と思わせるのはジョンとヨーコが撮影した「ボトムズ」の
パロディ・シーンがあることだ。尻ではなく延々と足を映すだけの
フィルムって見たいと思いますか?(笑)

97年にラトルズはエリック・アイドル抜きで再編された。
エリックはあれほどの脚本を手がけて、自身はポール・マッカートニー役を
演じたにも関らず、再編には興味がもてなくなったとのこと。
もっとも音楽自体はニール・イネスが手がけていたので
再結成CDのクオリティも高いものであった。
おっと、想定は新録ではなく「ラトルズの過去の録音が発掘された」
ということだった。(笑)
当時のインタビューでは「18年後に帰ってくるよ」とのことだったが
あれから8年が過ぎた。
あと10年、だまされたつもりで待ってみますか。

ところでこのDVDの中で、ジョージ・ハリスン役の
リッキー・ファターって一言も台詞がなかったのね。(笑)








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THEATRE ROYAL DRURY LANE /ROBERT WYATT

2005-11-26 21:47:41 | ROCK
これはカンタベリー・ロックのファンのみならず、
一般的なロック・ファンにとっても驚きの発掘音源といって
いいのではないだろうか?。
邦題「1974年9月8日 日曜日 ドゥルーリィー劇場の
ロバート・ワイアット」。まんまなのだが、意外やいい感じの
邦題である。

裏世界では有名な音源ではあるが、公式発売の意義は
深い。収録曲中の1曲「CALYX」はベスト盤や5枚組のEPボックス
にも収録されていたが、ライブの全貌をこの音質で
聴きたいと思ったのは言うまでもない。

ワイアットの足跡をたどった本「ロング・ムーヴメンツ」には
この日のプログラムの曲順が掲載されているが、実際とは
違い、プログラムには1曲目は「SEA SONG」とあるが実際は
4曲目に演奏され、プログラム掲載より2曲多く演奏されている。
最後はシングルにもなったモンキーズのカバー「I'M A BELIEVER」と
決まっていたようだ。このライブの2日前にリリースされた
ばかりの最新シングル曲である。

それにしても面子が凄い。
ワイアットをして「夢のリズム・セクション」と言わしめた
ヒュー・ホッパー(b)ローリー・アラン(ds)デイブ・スチュワート(kbd)の
3人に加え、フレッド・フリス、マイク・オールドフィールドが
ギタリストとして参加している。オープニングの司会はジョン・ピール。
なかなかこれだけのメンバーは集まらないが、73年の事故以降、
ライブに消極的だったワイアットを盛り上げるには、これくらいの
面子でないとGOサインが出なかったのかもしれない。

最後の曲「I'M A BELIEVER」はもう一人のドラマーとして
参加していたニック・メイスンのカウントで始まる。メンバー全員での
大団円は感動的ですらある。もっともメイスンさんは
デイブ・スチュワートにこんなふうに言われている。
「あのコンサートはうまくいったよ。ニック・メイスンが
4分の7拍子を叩けなかったにもかかわらずね。、あっ言っちゃった。」

いつまでもカタログに残るべき音源だと思うがとりあえずは
急いで入手をしておくべきだろう。
それにしても、寡作でライブを行わないワイアットにしては74年は
精力的な活動を行ったものだ。
シングル「I'M A BELIEVER」アルバム「ROCK BOTTOM」の発表、
そうそう、6月1日にはこれも凄い面子のエアーズ/ケイル/イーノ/
ニコのあのライブにも参加、「悪魔の申し子たち」のタイトルで
ライブ盤が出ているのはご承知の通り。そして、今回のアルバム。
74年にワイアットがステージにたったのは「悪魔の申し子たち」を
入れて5回のみ。そのうちの2回を正規盤で聴くことが出来るというのは
素晴らしいことだと思いませんか?。
ちなみにあとの3回のうち74年4月13日、ハットフィールズのライブに
1曲「CALYX」を歌うために参加した音源が1年程前にブートレグが
出た。
ワイアットには74年のようにとは言わないけれど、今後も継続的に
音楽を発表して欲しいし、また気が向いたら(笑)過去の音源の
発掘もして欲しいものだ。

ライナーで大鷹俊一さんが、氏にしては珍しく人名間違いをしている。
もしかしたら、原稿を書いているうちにノッてきて、つい
好きなギタリストの名前を書いてしまったのかもしれません。
マイク・オールドフィールドとマイク・ブルームフィールド、
勢いついてれば、筆がすべりそうな二人の名前です。

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SANTA CLAUS IS COMIN' TO TOWN / BRUCE SPRINGSTEEN

2005-11-26 13:08:35 | THIS SONG
さて、クリスマスCDを作ろうと思い立ったが、私の
記憶に残っている「ロック縛り」に耐えうるものという
基準が早くも邪魔をし始め、困ってしまった。(笑)

ブルース・スプリングスティーンは2曲のクリスマス・ソングを
残している。「メリー・クリスマス・ベイビー」と「サンタが
街にやってくる」。の2曲。
何れもシングルのB面収録でライブ録音。今は多分、
レコード会社が適当につくるクリスマス・コンピレーション盤で
入手が可能だと思うが、スプリングスティーンの編集盤とかに
収録されていないのが、難点である。

私が特に気に入っているのが「サンタが街にやってくる」。
アルバム「ボーン・イン・ザ・U.S.A.」からの5枚目(!)の
シングル・カットとなった「MY HOMETOWN」のB面に収録。
もういいかげんシングル・カットには辟易としていたのだが
明らかにB面目当てでの入手であったのは間違いない。
81年か2年のオムニバス・アルバムに収録されていたが、
1曲のために買うほどのことでもないというわけで、無視していたのが
何で今更?の収録。ちょっと嬉しかったりして。

クレジットを見て尚更びっくり。75年12月12日のライブ録音とある。
今なら、やたらと売れた5枚組LPや何やかんやでライブ録音を
聴くことが出来るが、このシングルがリリースされた85年は
ブートレグでも聴かない限り、ライブは聴くことが出来なかった。
しかも75年録音とくれば、胸も高鳴ろううというもの。

語りからゆっくり始まり、エンジンがかかって盛り上がる様は
圧巻だし、多分クラレンスが唸っているであろう、サンタの声を
想定して「ホッ、ホッホ」とやるあたりは絵付きで見たいと
思ったものだ。
とか書きながら掲載写真のジャケットを見ると「なんで?」の
イギリス盤であった。もちろん日本盤も出ている。
日本盤といえば、プロモ・オンリーでライブの写真を使った
シングル盤もあるのだが、高値のもとい高嶺の花である。

さて次の「ピース」を探すとしますか。
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12月だけのクリスチャン?

2005-11-25 23:29:42 | DAY BY DAY
百貨店や、街中のビルや街路樹、駅前なんかがクリスマスの
飾り付けを施されても、それほど気にもとめることはないのだが
賑やかな通りを離れ、家路を歩くうちに薄暗い中に
クリスマスの飾りつけが光っているのを見ると、
「ああ、もうすぐクリスマスなんだな。」と思ってしまう。

薄暗い話で何だが、クリスマスに楽しいことがあったという
記憶は特にない。彼女と二人で・・・というのもあったかも
しれないが思い出せない。いや、あったのだろうけど。
家族で何か楽しむ、ということもなかったように思う。

妙に覚えていることが2つ。
25年前の話。クリスマス・イブの日、外出先から戻ると母親が
2500円を渡してくれた。2500円、つまりは当時LPレコードが
1枚買える金額である。「好きなものでも買って来い」という
ことだったのだろう。帰ってきたばかりにもかかわらず
みぞれが降る中、自転車に乗ってレコードを買いに行った。
その日は買ってきた「甲斐バンド」のLPを何度も聴いて夜が更けた。
みぞれは雪になんか変わらず、雨が降り続けていたことも
何故か覚えている。

15年前の話。当時の職場の付き合いの関係でクリスマス・ケーキを
一つ買わされた。普通のケーキではなく生地の上にアイスクリームを
デコレーションしたものだった。仕事を終えて部屋に戻り、
テレビをつけると、とんねるずと工藤静香がクリスマスをネタに
ドラマ仕立てのコントを楽しげにしている。
持って帰ったクリスマス・ケーキを一口食べ、当たり前だがその
冷たさに悲しくなり、すべて台所で流してしまった。
生地だけが水を含んで間抜けに膨れ上がったのがまた虚しさに
輪をかけて・・・。

なんでこんなつまらないことばかり覚えているのだろう。
楽しいこともあったはずなのに。

と、ちょっと感傷にひたって「孤独な俺」を思い出して見たのですが
今は実際は、ハロウインになると玄関先にかぼちゃの飾りが1個
何気に置かれてあったり、クリスマスになったら、クリスマス仕様の
ペンギンが置かれてあったりしてそれなりに「平穏」だったりするのです。
タワー・レコードの袋がクリスマス仕様になったことに
ほんの少し「喜び」を感じたり・・・。

よし、今年は「俺選曲のクリスマス・アルバム」を編んでみるか。
今まで何回も何種もの「俺編集盤」を編んだが、ことクリスマス仕様盤に
関しては初めての試みである。
いろいろ縛りを設けよう。
1、ロック縛り。ソウルやジャズは使わない
2、ジョン・レノンとウィングスのあの曲は使わない。
3、クリスマスに直接関係なくても、相応しいものなら使う。
何だか楽しくなってきたな。
酔っ払っているせいかもしれないけど。

掲載写真は、キンクス屈指の名曲「FATHER CHRISTMAS」。

人生ゲームの金なんかじゃなくて、本物の金をくれよ・・・。
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MARY HOPKIN / Y CANEUON CYNNAR

2005-11-23 23:10:24 | ROCK
今年はメリー・ホプキンの紙ジャケがアップル瓢箪帯仕様で
再発されたばかりか、72年5月のロイヤル・フェスティバル・
ホールでの録音が発掘されCD化された。72年5月だと
アップルとの契約も終了し、出産前の最後のお披露目という
感じのライブだったのかなあ、などと思いながらCDを聴いて
いたのだが、すっかり忘れていたCDがあった。

それがこれ。96年のCDである。
アップル契約前の67年に地元ウェールズのレーベル「カンブリアン」に
残したもの。曲はウェールズ語で歌われている。
何を歌っているかはさっぱりわからないが(笑)声は当たり前だが
メリー・ホプキンなのである。
シングル「GOOD BYE」のB面に収録された「THE SPARROW」や
同じくシングル「悲しき天使」のB面に収録された「TURN,TUR,TURN」
といった曲が既にこの時点でメリーに採り上げられている。
1STアルバムにはウェールズ語の曲を1曲いれることに
なっていたようで、そこに収録された「Y BLODWIN GWIN」も
収録されている。この曲は英語だと「THE WHITE FLOWER」となるのだが
邦題は「涙の教会」であった。

このウェールズ録音はシングルやEPの形で世に出ていたものだが
71年にこれらをまとめたLPが日本でリリースされている。
当時の邦題は「愛の喜び」。
今回とりあげた再発CDに比べて、日本独自のいいデザインの
ジャケットも作られての発売だったので、その形態でCDになれば
また話題になるのは間違いない。
その時は写真たっぷりでお願いします。(笑)

それにしてもまさか、ライブ盤が出るとは思わなかった。
基本的にはネットでの販売だがユニオンでも販売している。
選曲もいいのでメリー好きの方は是非・・・。

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生田敬太郎+マックス / この暗い時期にも

2005-11-21 22:11:08 | 日本のロック・ポップス
昨日から村八分を聞き込んでいるのだが、当時唯一の
村八分の音源だったエレックからの「ライブ」の音が
いい感じで仕上がっている。都合5度目の入手となった「ライブ」
であるが、恥ずかしながらオリジナル・アナログは所持していない。
それを踏まえてではあるが、「いい音」だと思う。
その「ライブ」のプロデューサーは浅沼勇であるが、ここに
紹介する生田敬太郎も浅沼の口利き?で世に出た一人である。

これは72年に発表されたデビュー作。
エレックで72年、「フォークかよ」と軽く見るのは早計である。
私が所持しているのは98年に再発された盤であるが、これに
掲載されている生田自身のライナー代わりのインタビューを
読むと、デビュー時から軽く「フォーク」を超えた意識の下、
活動していたことがわかる。
基本はボブ・ディランであったかもしれない。
その次に出てくるミュージシャンが、当時の数多のシンガーとは
違う。
例えば・・・。トニー・ジョー・ホワイト、クインシー・ジョーンズ、
ジョン・メイオールに、ピンク・フロイドである。
確かに72年デビューであれば、エンケンや岡林、高田渡らとは
背景が違うといえば違うが、アコギ1本持ったとしても
ソウルの意匠を凝らす演奏というのは稀有な存在であった
はずだ。ディランの次にトニー・ジョーというのは今考えても
斬新だ。

聴きモノは「散歩Ⅰ」「散歩Ⅱ」と題された全く違ったアプローチを
する2曲であろう。「Ⅰ」はのんびりぼんやり、穏やかな気分での
散歩。曲調はポール・マッカートニーを想起させる。
片や「Ⅱ」は同じ時間を潰すにしても、自分自身への苛立ちと
世間への苛立ちが頭の中をぐるぐる回り、そのささくれだった気分を
歌にしたものだ。バックを担当するマックスの演奏も冴えている。

マックスは元々拓郎のバックを受け持っていたのだが、
ここではギターの萩原暁が生田と共にアレンジも担当している。
エレックの売り出し方としては拓郎や泉谷の次の
フォーク・シンガーとして売り出したかったのかもしれないが、
生田の歌唱や、アレンジ能力はそんな小さな枠には収まらなかった。
少し前に寺田十三夫が再評価されたが、ちょっと泥臭いが
この生田敬太郎もそれ相応の再評価がなされてもおかしくないと
思う。志高く、生田は「ディランとザ・バンド」のような
関係でこのアルバムを録音したという。
マックスとの関係は何故かこの1作で消滅するが、この
アルバムで聴ける両者の濃密な関係の産物は、もっと多くの
リスナーに届くべきだろう。

最後に収録されたタイトル曲は6分の大作だ。歌詞や、
メロディ、最後に長尺の曲で盛り上げるところなどは、
何故か泉谷しげるのデビュー盤を彷彿させ、
「ああ、エレックなんだなあ。」と変なところで
感心したりもする、そんなアルバムである。

来年1月にはドンと再発されるようである。
未聴の諸氏はそれまで、指折り数えて待っていただきたい。

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村八分 / 村八分BOX

2005-11-20 09:43:49 | 日本のロック・ポップス
今日明日はこれの到着を待っている人がいるでしょう。
我が家には、本日朝9時に到着しました。
私はネットでタワーで購入したのですが、特典ポスターは
HMVのほうが格好いいよう気がします。ただHMVの
断り書きが気になって。
「折りたたんで送付するかも」ってそれはないでしょ。
タワーは昨年、ルースターズの大箱を購入した時も
ポスター類も丁寧に梱包されていたので安心でした。

ああ、内容ですね。
書くことないでしょ。これだけの発掘ものなのです。
心ある人は「またエレックのライブ買わされるのかよ。」
とかいいながら入手しているはずですから。
音源という意味では、高い金出して「草臥れて」探す必要も
なくなったことだし。

72年11月の京都会館や73年のエレック・スタジオでの6曲は
よく出回った音源だが、それらも「いい音」で聴ける。
私のCDRも、ごみばこのふたを開けて処分する時がきた。
以前「ハガクレ」から出るとインフォメーションされながら
リリースされなかった72年の円山でのライブも遂に聴くことが
できる。なんとも嬉しいではないか。
71年日比谷での「裸の街」のスライドにはしびれる・・・・。

DVDですが、正味15分くらい。私のパソコンでは
例のHPの映像は見れなかったのですが、今回のDVDには
そのプロモも最後に入っている。先にプロモを見た人が
更なる拡大版を期待すると・・・・。(笑)
それでも、モノクロで捉えられた71年日比谷の映像は
格好いいものだ。ステージ後方の巨大な「日の丸」、降りしきる雨、
そして村八分の演奏のすべてが、異様な雰囲気を画面から
醸し出す。8ミリだから断片でしか捉えきれてないのは
仕方ないが、それでもなんだか凄いものを見た気にさせられる。
頭脳警察の時もそうだったけど、あるところにはあるものだ、
と思わずにいられない。

しかし、今年は凄いな。
「ワン・ステップ」の4枚組と双璧をなす今年の日本のロック最大の
発掘である。
さあ、年末は三上寛だ・・・・。

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SCREAMIN' JAY HAWKINS / PORTRAIT OF A MAN

2005-11-20 00:05:30 | ROCK
ジェイ・ホーキンスの歴史を1枚で辿れる便利なCD。
最初のリリース時の邦題は「怪奇!R&Bの宴」という
なかなかの邦題だったが、ジェイ・ホーキンス死後に
追悼の意味合いを込めて再発された際は「R&B怪人の肖像~
スクリーミン・ジェイ・ホーキンスの歴史」と改題された。
何れにしろR&Bという言葉はそのままだ。
今、大型レコ屋のR&Bコーナーを見ても私が聴きたいものは
そこにはなく、別なジャンルわけをされている。
あのね、R&Bってのはこういうブツを指すんですよ。

ジェイ・ホーキンスといえばまずは「I PUT A SPELL ON YOU」。
1956年録音のこの曲が含まれた「カウ・フィンガーズ&モスキート・
パイ」こそまずは必聴の盤なのだが、それはまたの機会に。
この曲のどこが人を魅了するのかいまだにうまく言えない。
が、C.C.R.、ピート・タウンゼント、クレイジー・ワールド・オブ・
アーサー・ブラウン、ブライアン・フェリー等々、多くの
ロック・ミュージシャンがカバーしているのだから、
彼らのファンの方々は自分でその魅力を考えるべし。(笑)

この盤はレーベルの枠を超えて54年から94年までの録音が
収録されている。おかげで74年の「YOU PUT THE SPELL ON ME」
を先の曲とあわせて聞くことが出来る。
ジェイ・ホーキンスは曲中でその名の通り、奇声を発し、聞く者を
驚かせ楽しませる。ライブでは棺桶の中から登場し、骸骨の杖を
持って現れる。J.B.のショーではマント・ショーはお約束だが
ジェイのステージはオープニングからお約束があるので遅刻は
厳禁なのだった。

ポルカあり、ジャイブあり、ロックンロールにアフロ・ファンクと
レーベルや時代ごとに様々な録音にトライしているのを
確認するのも楽しいがなんといってもこの唯一無二の
ボーカルを楽しんで欲しい。

さて、このアルバムはストーンズ者は避けて通れない?曲を
収録している。だから、とりあげたのか?ハイ、そうです。
79年のストーンズは確かに暇ではあった。
が、まさかキース・リチャーズさんがジェイとレコーディング
していたとは。
シングル・オンリーのリリースでLPはもちろん、初CD化の
2曲が収録されている。曲は「ARMPIT NO.6」そしてなんと
「I PUT A SPELL ON YOU」。2曲ともジェイにとっては
再録である。「腋の下 NO.6」って何よ。(笑)
キース参加の「I PUT ・・・」は雷鳴と鐘の音から始まる。
ブラック・サバスじゃあるまいし。そこにかぶさるジェイの
不気味な笑い声。そしてキースさんのあのルーズなカッティング。
ロキシー・ミュージックのバック・コーラスかと思うような
女性のコーラス隊の参加もある。
オリジナルを凌駕するには程遠い出来だが、十分楽しめる出来だ。

ブルーズ愛好家からは煙たがられ、変人扱いのジェイではあったが
そのエンターティナーぶりは、音だけでも伝わってくる。
私は残念ながらライブを見ることが出来なかった。
が、なんと相方はライブ中にジェイに気に入られて終演後、
楽屋でジェイとの歓談のひと時をすごす。
バック・ステージ・パスまでもらい次のライブには
招待され・・・。いいなあ。
都合4回も見た相方のほうが、このブログを書くのにふさわしかったな。
さっき棚を探したら、ブートレグが1枚ありました。
果たしてどのくらいの需要があったのか。(笑)



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CHRIS SPEDDING / CLICK CLACK

2005-11-18 23:52:26 | ROCK
クリス・スペディングの新譜が地味に登場した。
前作「ONE STEP AHEAD BLUES」(2002年)以来である。
前作の原盤はベルギーで今作はドイツ。
その前はフランスの「ニュー・ローズ」だったので
相変わらず都落ちの感は否めないが、些細な話である。
こうして新譜が届けられることに感謝しなければ。

その前作はほとんどがカバー曲であった。J.J.CALE,
ALLEN TOUSSAINT,FLEETWOOD MAC,ROGER TILLISONらの
渋いカバーに混じってストーンズ者を喜ばせたのが
「NO EXPECTATION」のカバーであった。
「次のストーンズのアルバムにゲスト参加しないかな」
なんて淡い期待を持ったのだが、それが夢物語に終わったのは
ご承知の通り。贅沢を言えば素敵なカバー集であったが、
クリスのオリジナルの新曲をもっと聴きたいと思ったのも
事実であった。

今作はそこらのバランスがとてもいい。
オリジナルの出来もなかなか良く77年の「HURT!」以来の
傑作ではなかろうかとさえ思っている。
1曲目のギターの音から「これぞクリス・スペディング」という
サウンドで安心しつつ盛り上がる。
しかもほぼ全ての曲でギター以外にベース、キーボード、
ベースを演奏し、バイオリンまで披露している。まるで
クリス・スペディングを味わい尽くすためのアルバムである。

さて、お楽しみのカバー曲であるがこれがまたお驚きの
選曲。今回はタイトル曲でもあるキャプテン・ビーフハート、
オーネット・コールマンのカバーがまず目に付く。
ビーフハートはリズムが複雑なものの、電化で怪物化した
ハウリン・ウルフだと思えば、間違いなくブルーズを通過している
スペディングさんにとっては「バリエーション」のひとつに
すぎないのかもしれない。
オーネット・コールマンは有名曲「RAMBLIN'」をカバー。
71年の「無言歌」がよりスマートに格好良くなったといえば
ファンには解りやすいかも。3分20秒とコンパクトにまとめつつも
ジャズ・ロック時代を彷彿させるプレイは聴きもの。
ボビー・チャールズの比較的近年の作品をカバーしているのも
興味深い。

それにしてもこのジャケットは冴えないなあ。
内容がいいだけにもうちょっと格好いいものにならなかったか?。
ストーンズの新譜に迫るくらいの回数を聞いているといえば、
その良さがわかるだろうか?。
えー、たまには騙されてみるのもいいものですよ。(笑)
大推薦。
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「格好いい」の基準

2005-11-17 23:14:40 | DAY BY DAY
一日のうちに同じような光景に二度出くわすことが
ありませんか?。今日はそんな話から。

電車の最後尾の車両に乗ったのですが、途中で二人の
女の子が乗ってきました。推定23~4歳と思しき二人組、
世間的に「女の子」というかどうかはさておき、
おっさんの私から見れば十分「女の子」ということで話を
すすめます。(このことは然程重要ではありませんが)
最後尾というのは、まあ復路では先頭になるわけで、運転席が
あっていろいろな機械が備え付けられた室内はガラス越しに
見えるわけなのですが、その二人の女の子は乗ってきて
室内にいる運転士を見て開口一番こういいました。
「ねえ、なんか格好いいと思わない?」
「うん、うん、なんかパリッとしているしね~。」

どうやら、沢山の計器を前に立っている運転士の立ち姿が
凛々しく見えたようである。
後ろ向きに立っている彼の顔は当然良くわからないのだが、
我々が触ったこともない計器をあやつり、指差しで安全確認する
動作は確かに格好いいかもしれないな、などと思いながら
目的地で降りる。

帰りは何故か先頭車両に乗ってしまったのだが、またまた
途中で二人組の女子高生が乗ってきて、こう言いました。
「運転手?車掌さん?格好いいよね。」
「制服がいいんかな~」。
あれあれ、朝と同じような感じだぞ。
もちろん、運転士は別人だし顔がよくわからないのも同じ。

コスプレということばがあります。特定のユニフォームや服装に
反応する人たちは、その服装に憧れたり自分で真似したりするのだが、
男が「コスプレ」という言葉を使う時はそこはかとなく
いやらしさが漂う。私がどんな服が好きかはここでは書きませんが
女性にアピールする服装ってのがあるのか、それも
電車の乗務員の服か、と思うとなんだか不思議な気分です。
そんなもの格好いいと思ったこと一度もなかったもので。

かわいらしい感性の持ち主であろう4人の女性に
「本当に格好いいものとはなんぞや」というものをおっさんなりに
教えてあげたくなり、風呂に入りながら考えました。
電車は私も嫌いではないですが、宇宙船のほうが格好いいぞ。
で、操縦していた人がこんな感じなら・・・・・。
きっと理性を失っちゃうでしょうね。

ジョージ・クリントンとリンゴ・スター。
どちらも格好いいことは間違いありません。(笑)
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V.A. / フレンズ(若きロックのスターたち)

2005-11-16 23:31:22 | 日本のロック・ポップス
PYGといえば、ショーケンとジュリーというG.S.の
2大ボーカリストをフロントに置いた名バンドであったが、
そちらを「表」とすれば、「裏番長」二人が1枚のアルバムで
しのぎを削った?作品がある。
それがここに取り上げる「フレンズ」である。

71年6月発表。仕切りはテツ山内。
二人の裏番とは、ダイナマイツの瀬川洋とビーバーズの成田賢。
なかなか渋いボーカリストの競演である。
先に紹介したフラワーズのアルバムがほとんど洋楽のカバーで
占められていたのと同じくこのアルバムも1曲を除き
洋楽のカバーで占められている。

選曲はテツ山内によるものだが、二人のボーカリストの趣向に
合うようなことも踏まえて渋いセレクションとなった。
なんといっても瀬川洋の歌う「アイ・シャル・ビー・リリースト」。
リチャード・マニュエルそっくりにファルセットを駆使するのが
微笑ましくも美しい。
ダイナマイツ解散後はアメリカのシンガー・ソング・ライターや
スワンプ系に興味があったというだけに続く「ジョイ・トゥ・ザ・
ワールド」と共に熱唱を聞かせる。
瀬川が一番気持ちよく歌っているのは「ザ・ウェイト」かも
知れない。これは近年の「トラベリン・オーシャン・ブルーバーズ」の
ライブでも取り上げているのでお気に入りにナンバーなのだろう。

一方の雄、成田賢は2曲のエルトン・ジョンのカバーもさることながら
ジェームズ・テイラーの「火と雨」が聞きもの。
それほど低い声とは思えない成田がJTのカバーをするのが
意外なところだが、バッチリきめている。

二人を支えるのはテツはもちろん、原田裕臣、大野克夫ら。
このセッションは諸事情で療養中の成田にテツが話を持ちかけて
始まったものだが、なかなかの出来栄えに仕上がり、そこでの
友好な関係が後の成田のソロ「眠りからさめて」(71年11月発表)と
瀬川のソロ「ピエロ」(72年10月発表)へと繋がる。
どちらにも先の3人が演奏の中心になっているのだが、そういった
観点からも実に意義深いアルバムだと思う。

それにしてもこの時期のテツの活躍には驚かされる。
このアルバムを録音した2ヵ月後には渡英し、「コソフ、カーク、テツ、
ラビット」を録音、成田のソロ、自身のソロ作成、再結成フリーへの
参加、瀬川のソロへの参加、そして73年のフェイセスへの加入。
テツのインタビュー記事といったものを目にしたことが無いのだが
71年から73年までの間にこれほど濃密な活動をした日本人ミュージシャンの
当時の語りおろしの本でもでたら、資料としても読み物としても
楽しいものになるのは間違いない。

このアルバムはもしかするともうカタログから外れているかも
しれないが、「洋楽にあこがれた日本のロックの記録」として、
また素晴らしい二人のボーカリストと、テツ山内の足跡の一つとして
是非、聴いていただきたいアルバムである。


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内田裕也とフラワーズ / CHALLENGE!

2005-11-15 22:49:51 | 日本のロック・ポップス
裕也さん絡みでもう一発。

69年7月発表のフラワーズ唯一のアルバム。
裸のメンバーが野っ原に佇むジャケットが印象的である。
67年春に欧州を旅行した裕也さんが、本場のロックに
触発され「日本でもああいったものを」との思いから
人選され、フラワーズは67年11月に結成された。
裕也さんは演奏では表に立たず、もっぱらプロデューサー的
立ち位置で、バンドをまとめていった。
ステージ・デビューはすぐだったが、レコードを発表するのが
69年と、時間がかかった。
もし、67年末にリリースされていれば、このアルバムは
もう少し評価の高いものになったかもしれない。
カップスは67年が終わるまでには既にシングルを2枚、
リリースしていた。

67年夏に裕也さんは帰国し、持ち帰ったレコードをメンバーに聞かせ
「こんなふうに演奏するんだ」と教えたという。
この時点でクリーム、ビッグ・ブラザー&ホールディング・カンパニー、
ジミ・ヘンドリックスはアルバムを1枚しか出していない。
(ジェファースン・エアプレインが既に2枚のアルバムを出している
ことに驚く私)
もし67年末にアルバムが出れば当然選曲は変わったものに
なっているだろうが、虚しいながらも想像するのは楽しい。

なんといっても聞きものは麻生レミのボーカルだ。
和製ジャニス・ジョプリンの括りは麻生の歌唱の魅力の
一部分ではあるが、それでも当時はもちろんそうだったろうし
今聴いても驚かされるのは間違いない。
アルバム・オープニングの「ふたりだけで」が最高である。
ジャニスのオリジナル・テイクは名盤として名高い「チープ・スリル」
収録だが、それよりも軽快に(多少お手軽に)すっとばす歌唱と
演奏は快感ですらある。

渋いのはジェファースン・エアプレインの4枚目「創造の極致」から
「グリージー・ハート」を選曲しているところだ。
ジャニスとグレイス・スリックはコインの表裏とばかりに
歌う麻生のなんと魅力的なことか。
男性ボーカルの曲もあるがそれが貧弱に聞こえる結果にはなったが。

バンドの演奏能力はそれほど高くないかもしれない。
劇伴に使われたサイケなインストはそれなりに格好いいが
例えばこのアルバムとほぼ同時期に出たカップスのライブと比べると
1枚落ちるのはいなめない。両者にはクリームの「アイム・ソー・グラッド」の
カバーが収録されているので聞き比べるとよくわかる。
ただ、カップスのテイクではエディ藩が神がかっているので
比べるのも何なのですが。

シングル2枚は歌謡曲といっていいものだが、このアルバムの他には
今年復刻されて話題を呼んだ「オペラ横尾忠則を歌う」収録の録音、
劇伴数曲、オール・スター・セッションの「ロックンロール’70」
がある。「ロックンロール’70」ではジョー山中、石間秀樹を
迎え、充実した演奏を聞かせる。
が、フラワーズ名義のアルバムはこれしかないことは変わりない。
何度も書くが67年末にアルバムを出していれば
いち早く「ニュー・ロック」を体現したバンドとしての評価が
なされたのにと思わずにいられない。この時代の2年というのは
今の何倍もの速さで時間が流れただろうから、尚更である。
タイガースの1STアルバムも67年11月だし、スパイダースは
デビューは早かったがこの時期はどちらかというと、オリジナルや
職業作家の曲を歌っていたし、どちらも洋楽のカバーは
長い間ビートルズやストーンズが中心であったのだから。

70年春にはメンバーの渡米からフラワーズは再編を余儀なくされ
先のジョーや石間を加えてフラワー・トラベリン・バンドとなる。
同年10月にリリースされたFTBの1STではキング・クリムズンや
ブラック・サバスのカバーを聞くことが出来、時代の移り変わりを
感じさせる。

ところで裕也さん、FTBの1STでも裸なんですね。(笑)



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ロックン・ロール・バカ?/湯屋さん

2005-11-14 22:28:06 | 日本のロック・ポップス
えーと、テレビの前の皆さんを私が代弁いたします。

昨日テレビを見ていてふと、こんなフレーズが
頭をよぎりました。
「ブ○な女房もらったら おっちゃん いちやく 有名人」

「外道」の迷曲?「ロックン・ロール・バカ?」の一節。
これは真偽の程は良く知らないのですが、内田裕也を
歌ったと言われています。
「へたな英語でゼニもうけ」とは手厳しい。(笑)
が、外道自身も「バカな男のROCK'N ROLL」を笑いながらも
自分たちも同じ穴の狢であることを笑い飛ばしている様が
面白い。
この曲は74年の9月発売のデビュー盤に収録されている。
外道はその1ヶ月前に郡山の「ワン・ステップ・フェス」に
出演しているのだが、そこでの裕也さんの印象が強烈でこの
曲が出来たのかなあ。「ロックン・ロール・バカ?」は外道の
1ST以外では発掘モノで幾つか収録されているが、
74年9月以前の録音であることが確証できるものがないので
そんなふうに想像してみました。

で、外道に先駆けること?2年、72年9月発売の沢田研二の
アルバム「今 僕は倖せです」にも裕也さんを歌ったと思しき
曲があります。その名も「湯屋さん」(笑)。

正式なクレジットは「湯屋さん」だが、歌詞カードが「湯屋ちゃん」
となっている。実在の風呂屋の子供をたしなめている感じにとれるが
歌詞を見ると・・。
「能書きいっぱいゆうやちゃん」
「ロックンロールなゆうやちゃん」
「短気は損気 ゆうやちゃん」
そして「僕は好きだよ 怒っちゃだめだゆうやちゃん」とある。
いいな、裕也さん。歌にしてもらえて。(笑)

ドラムスの大口ヒロシはいないものの実質PYGのメンバーで
録音されたようなものであるので、ショーケン・ファンには
PYGの3枚目というのは無理があるが、アルバム自体は
そんな楽しみかたもできるものであります。

そして冒頭に返るのですが・・・・。
え~と、明日結婚するの誰だっけ?
支度金でバンバン車を買ってください。(笑)

憎い男さバ・バン・バン。BURN!
いや・・・。

BANG!




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