HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

VOTE !

2009-08-29 20:44:09 | DAY BY DAY
DEMOCRACY DOESN'T WORK UNLESS YOU PARTICIPATE / FZ

今回の選挙戦で意外に思えたのが、選挙カーをあまり見なかったことだ。
えっ、おまえがデスク・ワークをしているからだろうって?。
そうかもしれないが、職場への行き帰りの道中でも見かけることは少なかった。
自転車で走るほうが、印象が良いからだろうか。(笑)
早起きなので、全政党の政見放送を見た。
小選挙区用のものも見たが、自転車で走ってアピールするのはいいが、
有権者と話すのに、自転車に乗ったままで長話している体の映像は
私的にはアウトなように思えたのだが、普段は乗ってないのかな。

ポスターと実物もしくは映像がかけ離れている人が多いのも可笑しかった。
風俗店じゃないのだから。そんなに修正(偽装)が大事なのか?。(笑)
明らかにここ数か月前に撮影した写真じゃない人もいるし。
駅前はいつもより喧しい日々。本人がつつましく挨拶していても
運動員が無駄話をしたり、通行の妨げになっても意に介さなかったりするのを
見ると萎えてしまう。立候補者にしてみれば「私は悪くありません。
悪いのは、あの運動員で私とは直接関係ありません。」とでも言うのかな。

掲載写真は、1974年の参議院選挙に立候補した野坂昭如の選挙演説を
記録したレコード「辻説法」。35年前の記録で、当たり前だが当時とは
抱える問題は違うものの、ここに刻まれた熱気には今聴いても圧倒される。
私は、野坂の有名な作品もそれを映画化したものも一度も見たことがない。
歌手としての野坂を面白い思ってアルバムを5枚ほど所持しているのだが、
出鱈目な酔っ払いの野坂と、ここで聞ける熱気のギャップに人間味を感じる。
こういう早口で捲し立てるのは流行らないのだろうが、今回の選挙で
これを上回る熱意で演説した人は何人くらいいたのだろう。

自分の選挙区の立候補者の何れもが、大したことない候補者だと感じたら
その中で、よりましな候補者に投票しなければならない。
退屈であるが、それも政治である。
冒頭に書いたフランク・ザッパの言葉を忘れないでほしい。

「あなたが参加しないなら、民主主義は機能しません。」
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URGH ! A MUSIC WAR

2009-08-28 20:16:55 | ROCK
かつてビデオで発売されていたものも、あらかたDVD化されたように
思いがちだが、まだまだ再発の網から漏れた物は多い。
以前も書いたが、NYパンク・シーンをリアルに映し出した「UNDER
UNDERGROUND」と題された2本のビデオは、質・量ともに最高の内容にも
関わらず未だDVD化はされていない。まあビデオ自体も発売されてから
市場に半年も出回らなかったと実しやかに噂されるくらいなので、
この先も「幻」のままかもしれない。

掲載写真は81年頃に撮影され、84年にソフト化された「URGH ! A MUSIC
WAR」。おそらく一度もDVD化されていないと思う。この映像を初めて
見たのも同年で、おそらくレンタル・ビデオだったと思う。
定価14800円というのも今から思えば凄い値段だが、当時のレンタル代も
1泊2日で1本1000円だったから、ビデオを1本借りるのも真剣勝負
だった。先日、安価で入手できたので25年ぶりに見ることができた。

84年当時、明らかに私の目当てのほとんどはポリスだった。
25年前に一度しか見ていないのに、オープニングがポリスで、ビデオの
終わりの方で再登場し、UB40やXTCと一緒に「SO LONELY」を演奏することを
見事に覚えていたということから、それは明白だ。
クラウス・ノミを認識したのも、このビデオだった。

今見れば、当時より経験値が上がっているせいもあって、初見時より
随分楽しめた。チェルシー、999といったところは、パンク登場から
わずか数年なのに、ルーティン・ワークに陥っているように思えたのは
余計なお世話だろう。(笑)マガジン、ギャング・オブ・フォーは貴重だし、
ゴーゴーズが立派にライブ・バンドだったことに感心したり、クランプスの
いかがわしさにクラクラしたり。このビデオ全体の中ではディーボの
評判が良かったような風評があるが、確かにキャッチーなリフを軸に展開する
曲で耳を惹くが、ディーボの前に収録されたバンドが地味な印象を
残すので、一際印象に残ったのだろう。

で、その地味なバンドの映像こそ、私にとって本作の目玉でもある。
曲は確かに地味だし、映像も主要メンバーがカメラに背を向けるシーンが
多いため今一つな感じを与える。
しかし。メイヨ・トンプスン入りのペル・ウブを見ることが出来るのだ。
それだけで、有難味があるという人は多くはいないか。(笑)
ビデオの画質は、今の目で見れば決して誉められた物ではないが、
内容はそんな不満を軽く凌駕する。権利関係のクリアが難しいだろうが
高画質のDVD化を希望する。

そういえば、この時期のポリスのドラマー、スチュワート・コープランドの
ドラム・セットにはタム1個につき一文字ずつドラム・スキンに文字が
書かれていて、『F・U・C』の3文字は読み取れたが最後にKが書かれているのか
どうか、わからなかった。
ちなみに。ゴースト・インザ・マシーンのツアーの頃のビデオを見ると
やはりタムのドラム・スキンに1文字ずつ文字が書かれていたのだが、なんと
平仮名で『お・ま・ん』と書かれてあった。最後に何が書かれてあったのか
いや、その3文字で終わっていたのかはビデオでは読みとれなかったのだが
ドラム・セットのタムは3個では無かったことは書いておかねばなるまい。(笑)
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YOU CAN DO A LOT WITH 100 WOMEN - 18

2009-08-25 20:17:09 | ROCK
まだ見ぬ大物、未知の強豪なんていうと大袈裟だが、そんな言葉で
今でもすぐ思い浮かぶのはヴァン・モリスンとジョニー・ウィンター。(笑)
グレイトフル・デッドは消滅したし、ザ・フーは来たしね。
大物という言葉は時に尊大な印象を与えるので好きな言葉ではない。

ブリジット・セント・ジョンが初来日したのは、2001年。
その後もう一度来日したが、最初の来日の時は私の周りでも話題になった。
「吉祥寺かぁ、遠いなあ。磔磔で見れたら最高だろうなぁ。」とか
出無精の私は思ったものの、結局足を運ばなかった。
時は流れて2009年。何を今更とは言うまい。
8年の月日が流れたとはいえ、日本公演のライブ盤が登場した。
タイトルは「UNDER TOKYO SKY」。帯には『日本独自制作盤』とある。
英米主導でないことが逆に我が国の心ある制作サイド(同時に心ある
音楽ファンだろう)の良質の仕事を世界に知らしめることになり、
日本人として嬉しく誇らしい気持ちになる。

スタイルはギターの弾き語りだが、全く単調さを感じさせない。
元々の曲が今でも瑞々しさを失っていないのは勿論だが、ブリジットの声の
魅力が曲を惹きたてる。幾分低めの声は決して派手ではないが、淡々と
しかし深く聴き手の中に入り込んでくるのだ。
まだ、あと何回か暑さがぶり返す日があるだろうが、気分はすっかり
秋の夜長。(笑)これから何度でも聴き返したいアルバムだ。
久しぶりに紅茶でもいれるかな。その後はすぐスコッチなんだけど。(笑)

折角の雰囲気に水をさすが、ライナー氏の表現は私とは相容れない。
私は「処女」であることの特性に、何の優位性も感じないし、それを
声高に何度も主張することには気持ち悪さすら感じる。
ブリジットの女性としての、人間としての包容力を感じることが出来れば、
それでいい。

そして。下北沢某所(笑)の音源をそろそろ私に解放してくれないかね、
ミスターN。(笑)いや、これは冗談です。
なにはともかく、この盤の発売を心から歓びたい私がいる。
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GRAND FUNK / THE LOCO-MOTION

2009-08-23 12:01:03 | THIS SONG
相変わらず、携帯電話を所持していない。
無いと不便なのは解かっているが、無くても何とかなることも解かっている。
今のところは。

そんなもんだからテレビで様々なCMが流れても、ちっとも関係ないのだが
つい、この曲が流れてくると画面に目をやってしまう。
恐るべきは、グランド・ファンク。マーク・ファーナーの歌唱は時に
ソウル・ミュージックの流儀を感じることもあり、単なるハード・ロックの
枠で捉えられるが故に、聴き手が厳選(笑)されるなんてことが
あってはならない。

『THE LOCO-MOTION』がゴフィン&キングの作でオリジナルがリトル・エヴァ
ということは、まあ基本的な知識としてそれそれでは重要なことだろうが
それよりも、「LOCOMTION」の意味が「移動」「運動」「旅行」を指し
関連する言葉、例えば「LOCOMOTVE」が機関車を指すことを思い出したところで、
グランド・ファンクがこの曲をカバーするという意味の深さに
ちょっとした感動を覚える。かつてはグランド・ファンク・レイルロードと
名乗っていたのだから。模倣してオリジナルのごとくクレジットして
シングルを切りながら、クレームの結果クレジットを変更した阿呆達とは
違うのだ。

曲が流れるたびにCMに見入るものだから、いろいろと気になって仕方が
ないことが増えた。大抵画面の向かって右から2番目と左から2番目の男に
目がいく。右から2番目の男は動作が大きく目立つのはいいが、実は
5人で同じ振りをするところは一人だけ遅れているのではとか、
左から2番目の男は、終始表情が硬く携帯電話を取り出すのも一番遅いので
冷や冷やしたり。まあ、冷や冷やする必要は全く無いのだが、いくら一発撮りと
いっても全7テイク撮影して、あんなものかというのは失礼なのだろうな。
金もかかってそうだし。全員で同じことをするのはシングル曲の歌唱(事務所
伝統の『ユニゾン』)を耳にする限りでは得意そうなんだけど。(笑)

シングル盤を買って盤を取り出した時、レーベルがその曲用のカスタム・
レーベルだったら嬉しいのは私だけではないだろう。それはともかく
シングル盤のクレジットはグランド・ファンクではなく、グランド・ファンク・
レイルロードなのに、裏ジャケはしっかり「GRAND FUNK」なのが
当時の東○EMIの売り方だったのね。いつぞや書いたウイングスと同じだな。

そういえば、この曲が収録されたLP「輝くグランド・ファンク」の
3Dメガネが取れたダメージ・ジャケットを何枚見たことか。(笑)
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YOU CAN DO A LOT WITH 100 WOMEN - 17

2009-08-20 21:10:36 | ROCK
録画しておいたロバート・プラントとアリスン・クラウスのライブを見た。
アルバム「レイジング・サウンド」が、第51回グラミー賞の年間最優秀
アルバム賞の栄冠を獲得したのは知っていたが、未聴だったので「テレビを見て
気に入ったらアルバムを買うかな。」程度の軽い気持ちで見たのだが、
これが結構気に入ってしまった。アルバムのプロデューサーであるT.ボーン・
バネットがステージでも音楽監督であるのだろう、彼が集めたメンバーの
出す音のバランスがよく、マーク・リーボウのギターの鳴りもひたすら
気持ちいい。プラントも無理に声を張り上げることなく、アリスンとの
コンビネーションも良い。ロック畑を中心に考えると「アリスン・クラウス?。
誰?。」ってことになるのだが、ブルーグラスの世界ではグラミーの常連で
彼女との出会いがプラントのキャリアを更に一段高いところへ押し上げたことに
なるのだから、まだまだ知らない世界に凄い人はいるものだとの思いを
新たにした。

amazonとかで検索してもわかるのだが、カントリーの世界には美人の
シンガーが多い。興味はあるのだが、ストロング・スタイル(笑)のカントリーや
ブルーグラスを聴くのはちょっと辛いかもという不安もある。
で、思い出したのが掲載写真のCD。
シャナイア・トゥエインの「UP!」はタイトル曲が日本ではCMに使われたので
聴けばわかる人も多いと思う。世界の荒鷲、坂口征二も出演したあのCMを
思い浮かべてください。あっ、メインは息子だったか。(笑)

単純にアップ・テンポのCMソングが気に入って、このCDを買ったわけでは
無い。最新のポップ・ソングへの目配りなど、とうの昔から出来ていないので
この人のキャリアすら、ろくに知らなかったのだがアルバムが2枚組で
その2枚の内容が気になったので手にしたのだ。
1枚目は派手にアレンジされたポップス仕様でこれが通常版でもあるのだが
私が気になったのは2枚目。所によっては「2枚目はリミックス」と
紹介されているのだが、2枚目はカントリー仕様。
実は2枚目がエスニック仕様の盤もあるのだが、それは未聴。

普通、同じ楽曲、曲順で全くアレンジの違う盤を同時に発売することは
珍しいことだ。あったとしてもビートを強調したリミックスだったり
レゲエだったらダブというのがあるのだが、カントリー仕様というのが
面白く思えたのだ。後から調べたら元々カントリー・フィールドの人で
そっちでグラミーも獲っているくらいだから、私の興味の持ち方は
本末転倒で、自分を笑ってしまった。

聴き比べた結果、私は1枚目のポップス仕様より2枚目のカントリー仕様を
気に入ってしまった。音の「押しつけがましさ」が、より少なかったのが
その理由だが、それは私個人の感覚であって1枚目のおかげでカントリー・
チャートではなくポップス・チャートで大ヒットしたのだから、彼女の
アプローチは成功したということだろう。

ポップスよりのアプローチで成功する人がいれば、ブルーグラスの歌姫と
出会って更に成功する人もいる。
元カントリー娘。の人を可愛いと言ってバカにされる40男もいる。(笑)
音楽とは、かくも面白い。
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鈴木慶一 / シーシック・セイラーズ登場

2009-08-18 21:04:39 | 日本のロック・ポップス
鈴木慶一が昨年発表したアルバム「ヘイト船長とラブ航海士」は評判が
よかったそうで、雑誌の人気投票で首位になっているのを何度か見た。
私の周りでは、誰もそんな話をしていなかった(笑)のだが、そのうち
聴こうと思っていたら、同じような流れで新譜が出てしまった。
今回も最初は大して気にとめない筈だったが、様々な要素が絡んで
購入してしまった。

まず、今作は『コンセプト・アルバム』であるのが気になった。
もっともらしい序章があったり、思わせぶりな文字解説があってもなかなか
理解できないのが『コンセプト・アルバム』の常だが、阿呆の私は
今回も理解に苦しんでいる。帯に書かれた「これはODYSSEYかORACLEか」
なんて叩き文句に惑わされるほどの阿呆ではないが。
いや、ODYSSEY(長い旅)であるのは間違いない。

そして、アルバム・タイトルが気に入ったのと、初回盤にはこのアルバムが
まるでサントラであるかのようにも捉える事が出来る短編映画のDVDが
添付されているのも購買意欲を掻き立てた。

設定は今から3000年後の未来。そんな気が遠くなるような未来にも
ロック・バンドがあり、海賊放送船からラジオ放送をしている。
当然ながら物語を進める上で細々とした設定があるが、そんなものを
端折っても「ロック・バンド」「ラジオ」というだけでワクワクする。
広大なゴミ捨て場に捨てられたラジオに何かの拍子でスイッチが入り、
誰も聞いていないのに、放送だけが空に響いているという図は
美しいのではないかと思ったり、例え誰が聴いているかわからなかったり、
少しの人しか聴いていなかったとしても、ラジオって素敵だなと思ったり。
アルバムの趣旨から外れるような想いが駆け巡るのだが、それこそが
楽しいのだ。

音数はそれほど多くないと思うのだが、奥行きのある壮大な音つくりは
長年の経験の成せる技か。私個人の全くひとりよがりな思い込みは
これこそ鈴木慶一の「永遠の遠国」なのだと解釈させる。
まだ見ぬ、そして永遠に辿り着けない場所だけに愛しい。

さて、アルバム・タイトルの「シーシック・セイラーズ」。
単純に訳せば「船酔い水夫たち」なのだが、私はこの言葉が妙に印象に
残っている。それは最初に「SEASICK SAILORS」という言葉を耳にしたのが
ボブ・ディランの「IT'S ALL OVER NOW,BABY BLUE」であるという
ただそれだけの理由なのだけど。
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PANTA / FIGHTING 80'S

2009-08-17 21:45:45 | 日本のロック・ポップス
レコードを買い始めた頃の重要な情報源の一つに「レコード新聞」があった。
なじみのレコ屋で月に1枚のLPを買うのが楽しみだった高校時代、
レコードを買うと女店主が「好きなポスター持ていっていいよ」とか
言いながらLPと「レコ新」を袋に入れてくれるのだ。
で、家に帰ってLPを聴きながらライナーや対訳を読むよりも、まずは
レコード新聞を読み、新譜情報や再発情報を得るのだ。

81年と言えば、印象に残っている記事が二つある。
まずは大滝詠一が「A LONG VACATION」を出した時。その記事を見た時点では
勿論知らない人なわけで、車の中で電話をしている写真を見て「テレビに
出ない人でも大物扱いされる人っているんだ。でもなんで、車の中に
電話があるんだろう。」なんて思ったものだ。「君は天然色」がCMで
使われて、その夏イヤというほど耳にしたのはいうまでもない。

もうひとつはPANTAが「KISS」を出した時の記事。まず『PANTA』という名前で
ロック・ミュージシャンであることが理解できなかったというか、
初めて見た『PANTA』という固有名詞をあまり格好よく思えなかったことと
ついでに『頭脳警察』という、一度見たら忘れられないインパクトのある
バンド名を同時に知ってしまったことの落差が強烈だった。
リアル・タイムのファンは、当然ながら音でその落差を感じただろうが
16歳の私はまずは名前だけで構えてしまった。
今までの流れとは違う作風であることが強調されていたことも妙に覚えているが
私がPANTAのアルバムを買うのは更にずっと後の「反逆の軌跡」なのだった。

掲載写真はそのアルバム「KISS」発売直後にTVKの「FIGHTING 80'S」に
出演した時の模様を収録したDVD。後追いの私のようなファンなら
ZKから今に至るまでを俯瞰して、81~82年の所謂スウィート路線を
冷静に受け止められるが、思い入れの強い当時のファンのとまどいも
何となく理解できる。このDVDは当時の演奏の収録の貴重さは言うまでも
ないが、司会の宇崎竜童との会話が意味深い。
少年時代に憧れたポップスをカバーでなく自前の曲でやったPANTAと、
日本人のブルーズを演歌を踏まえながら解釈した3部作「あゝブルース」や
「曽根崎心中」のサントラを発表した宇崎。アプローチこそ違うものの
パブリック・イメージを裏切ることになっても、ファンやレコード会社の
望むものでないとしても、自分のやりたいことをやった男同士の
わかりあえる「何か」が伝わってくると思うのは私の思いこみか?。

DVDの最後には「悲しみよようこそ」のプロモが収録されている。
特になんてことのないビデオなのだが、思えば80年代にはこんな感じの
ビデオをやたら「ミュートマ・ジャパン」とかで見たものだ。
おっと、PANTAのビデオなんて見たこと無かったけど。
で、不思議とKBS京都の「かたつむり大作戦」が何故か脳裏に浮かんで
くるのだが、これはうまく説明できない。説明できないが、なんとなく
書いておきたかったので、深くは突っ込まないでください。(笑)

もともと、歌詞に重きを置かずに外注の歌詞に曲をつけたパターンが多かった
「KISS」。「こんなもんでいいのら、俺でも」とばかりに自分で歌詞を
書いた次作の「唇にスパーク」のほうが笑いの要素は大きい。
同時にPANTAの作詞のパターンも読めたりして、なるほど3部作のはずが2枚で
終わったのも、単純に飽きたというより、ある程度の達成感と限界が
見えたのではと想像するのも楽しいのであった。
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追悼 ジム・ディッキンスン

2009-08-16 20:32:36 | ROCK
生前に自身の銅像をぶっ立て、それを黒く縁取っれたジャケットで
デビュー・アルバムを飾るというのは、どういう思惑があったのだろう。
掲載写真の「ディキシー・フライド」は日本で98年に世界初CD化された
のだが、それを聴いた時の高揚感は昨日のことのように覚えている。

ジム・ディッキンスンが8月15日に亡くなった。心臓を患っていたようだが
ここ数年コンスタントに新作を出していたので、そんなことは全く知らなかった。
ジムの活動は「ディキシー・フライド」1枚でロック史に名を刻む価値が
十分にあるのだが、それよりも様々なセッション参加やプロデューサーとしての
活動の方が知られているかもしれない。

「ディキシー・フライヤーズ」として、アレサ・フランクリンやデラニー&
ボニーをサポートしたり、ライ・クーダーとのセッションといったところが、
スワンプ・ロックやSSW好きの記憶に残っているだろう。
しかしながら、ロック者はビッグ・スターやフレイミン・グルーヴィーズの
アルバムへの参加、更にはグリーン・オン・レッドや先日逝去した
ウィリー・デヴィルをプロデュースしたことの重要性を忘れてはならない。

勿論、ストーンズの「WILD HORSES」でのクールかつリリシズム溢れる
ピアノ・プレイも。
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Big 盆 Boogie

2009-08-16 11:20:38 | 日本のロック・ポップス
お盆が近づくと毎度のことながら「今年は帰ってこれるのか」と
聞かれる。盆だろうと正月だろうと、仕事はきっちりカレンダー通りなので
いつものように「無理だ。」と答える。あと何回こんなやりとりがあるのだろう。

掲載写真は吾妻光良&ザ・スウィンギン・バッパーズのDVD「STAGE &
BACKDOOR」。2007年のライブで最新型ではないものの、バッパーズの
映像がオフィシャルで出ただけで驚きというか感動物だ。
ビッグ・バンドでもジャズでもジャンプでもブルーズでも何でもいいけれど
全方位外交とは言わないが、様々な音楽の楽しいところをすくい上げたら
こんな音になったというのが彼らの音で、それを曲間のMCやリハの様子まで
含めて楽しむことができるなんて、嬉しいにきまっている。

DVDの冒頭には警告表示の後、こんな一文が現れる。
「だめだよ コピーしちゃ うりものなんだもの みつよし」
自分の名前が少し被るというだけで、こういう「フリ」をするところが
私にはたまらなくて、掴みはO.K.というヤツである。
2日間のライブからの収録で、両日の選曲は1曲しかダブらないというMCが
あったが、このDVDは正にベスト・オブでお馴染みの曲、聴きたい曲が
これでもかと詰め込まれている。正直、ゲスト・ボーカルの方々には
興味が持てなかったのだが、特別なライブという感じを演出する意味では
いいアクセントなのだろう。何を持って「歌の上手い下手」を云々するかは
人それぞれだから、他意は無いのだがデイヴ・リー・ロスの「歌心」を
再確認したくなった。

面白かったのはゲストの女性ボーカリストが退場した後、「性差別じゃないけど
女の人はいいな。素晴らしい。」と言った後に譜面をめくって次の曲が
「やっぱり肉を喰おう」だった時の吾妻のリアクションである。
さっきまでのムードをぶち壊すジャンプ・ナンバーで、尚且つこのタイトル。
「曲変える?変えない。(笑)」
まあ、このニュアンスは実際に映像を見てもらわないと伝わらないと思うが
何でもかんでもダブル・ミーニングで解釈するのは私の悪い癖かも。(笑)

2時間を超える大作だが、時間を忘れて見入ってしまった。
今まで見た写真や映像の吾妻さんと何か違うなと思ったら
きれいに散髪していたのですねぇ。今気づいたよ。(笑)
もう一度『BIG 盆 BOOGIE』を見よう。
お盆なんだもの。
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THE APPLEJACKS

2009-08-12 20:19:29 | ROCK
80年代末か90年代初頭か忘れたが、所謂ブリティッシュ・ビートの括りで
割と早い時期にCD化されたブツで買い逃して後悔したのが、ハニカムズの
日本でのライブ盤とアップルジャックスだった。
今みたいにネットは発達していなくて、何でもかんでも試聴できる状態では
ないから、買うかどうか躊躇しているうちに入手困難になって後手を
踏むことは多かったのだ。

アップルジャックスは、単純にレイ・デイヴィスさんの妹がメンバーという
だけで興味を持ったのだが、肝心の曲を全く知らないので外す確率が
極めて高く「待ち」状態であった。そんな時に購入したのがビデオアーツから
発売された「ロック映像年鑑」という10数枚のシリーズとなったLD。
画質も選ばれたアーティストも玉石混交のとりとめのないシリーズだったが
そこに何とアップルジャックスが2曲収録されていた。
曲は「TELL ME WHEN」と「LIKE DREAMERS DO」。彼らの最初の2枚の
シングルのA面曲でこれがポップで気に入ってしまい、改めてCDの
購買意欲が高まったのだが、最早どこにも見当たらなかった。

それから今に至るまで未所持だったのだが、遂に再発されたのが掲載写真の
CDである。唯一のアルバムにシングルを詰め込んだもので、当時の英国の
ロック・シーンの一端が垣間見えるが、「ブリティッシュ・ビート」と
呼ばれたバンドが全て格好良かったわけではないことの見本とも言えるかも
しれない。それでも、レノンーマッカートニー作の「LIKE DREAMERS DO」は
コンポーザーとしての二人を追及する人たちには避けて通れない曲だし
何といってもレイ・デイヴィスが書いた「I GO TO SLEEP」を妹のミーガン・
デイヴィスがいるバンドが演奏するという、その一点にロマンを感じても
いいのだと思っている。それだけで、キンクス・ファンは所持する価値が
あるということなのだ。兄貴はどんな気分だったのだろう。

私には妹が一人いる。大して美人でもないのに妹が高校生にもなると
いろんなヤツが現れるのが面白かった。携帯電話なんか無い時代で
家の固定電話に電話がかかってきたので電話に出ると、いきなり
「妹さん出してよ」と言いながら変な呻き声出すヤツとか。
「何してるの?。俺が手伝ってやろうか。」と言うと電話は切れたりして。
また、ある時はいきなり見ず知らずの他校のヤツが「妹、紹介してよ。」
なんて言ってきたので、「じゃあ、まず口のききかたから教えてやるよ。」と
指導してあげたり。犬の散歩をしていると「あっ、あれが兄貴のハリー。
あいつがヤバいんだよ。」なんて話している二人組がいたり。
そういうのは聞えないように言うもんなので、また軽く指導してあげたり。(笑)
妹の恋愛の邪魔をするつもりは全く無かったが、まさか俺が障害になってる
なんてことはなかったよな。今度聞いてみよう。

妹は一人で良かったよ。レイ&デイヴのように姉妹が何人もいたら
とても対応しきれなかっただろうし。(ん?)
その数年後、私の妹は結婚するのだが、まさか私より4つも年上の義弟が
出来るとは思わなかったよ。(笑)
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YOU CAN DO A LOT WITH 100 WOMEN - 16

2009-08-09 16:48:17 | 日本のロック・ポップス
私が音楽を熱心に聴くようになったのは中学1年なのだが、佐藤奈々子の
名前はかなり早くに知った。ミュージシャンとしてではなく、AMラジオの
パーソナリティーとしてだったけど。AMにしろFMにしろ当時のラジオ番組の
中では異色のパーソナリティーで、何しろ語りのテンポも発声も私にとっては
初めて体験するもので、「かったるい女だな」と思ったものだ。
しかしながら当然のように、そんな喋り方をする女性は身の回りにいない訳で
ましてクラスにいる筈もなく、「かったるい」と思いながらも妙にクセになって
というか、多分に怖いもの聞きたさ(失礼)もあって、思い出したように
ラジオを聞いたものだ。ラジオ番組の名前が思い出せないのが残念だ。

掲載写真は77年発表のセカンド・アルバム「SWEET SWINGIN'」。
95年にCD化されたものを初めて買ったのだが、購買理由がこれまた
思い出せない。値段が安かったと言われればそれは外れではない。
おそらく、佐野元春が作曲に手を貸しているという理由ではなく、
私にとってはPANTAのアルバム「KISS」に歌詞を提供した人という認識の方が
当時は強かったはず。

なるほど、曲は初期の佐野元春のアルバムに収録されているバラッドと
同じような雰囲気があるし、歌詞は81年のPANTAが望むようなものだ。
全て後付け。
本人の歌唱は、大昔に聞いたラジオ番組を思い起こさせるような歌い方で
ここで全てが繋がった。

70年代のアルバムは全部で4枚。何故この2枚目のジャケットを
選んだかというと、もうそれはアルバムの内容ではなく単純に、この写真が
気に入ったから。女性の顔はメイクをする前と完全武装後では全く違うのは
言うまでもないが、正面から見て美人だと思っても、上から見た場合
あるいは下から見上げたらそうでもないことも多々ある。
人によっては、自分が綺麗に見える「角度」を知っている人もいる。
このアルバムのジャケットは、アルバムの雰囲気をよく出している。
一時の現実離れした夢にうつつを抜かすとしたら、こんな感じだろうか。

裏ジャケットでリアルに現実を見せられ、夢から覚める。
覚めない夢は、きっと恐怖だろう・・・。
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AGNES IN WONDERLAND

2009-08-08 16:51:10 | 日本のロック・ポップス
先日、ゴダイゴが演奏を務めたちあきなおみの「あまぐも」(1978年発表)を
とりあげたが、今回はアグネス・チャンのバックを務めたアルバムを取り上げる。
掲載写真は1979年発表の「AGNES IN WODERLAND(不思議の国のアグネス)」。
正直なところ、アグネス・チャンがアイドルとしてデビューして以降、
今に至るまで、そのルックスも曲も社会的活動や発言に何の興味も共感も
抱いていないのだが(むしろ嫌悪することの方が多かったかも)、今回の
CD再発はどうしてもスルーできなかった。

演奏は79年のゴダイゴなのだ。しかも曲は全てタケカワ・ユキヒデが
手掛けているとなれば興味は沸く。今回の再発はアルバムのストレート・
リイシューだけでなく、タケカワの全曲デモを収録したCDを含む2枚組で
それも購買意欲に拍車をかけたというわけだ。

タケカワのライナーが当時の様子を生々しく語っている。
テレビで自分達のヒット曲を歌い、家ではデモを作り他人のアルバムを
レコーディングし、その後には自分達のアルバム(OUR DECADE)の録音と
いうのは、いくら昔からCMやサントラの仕事をこなしているとは言え
大変だったのは容易に想像がつく。一番違うのは過去に比べて自分達が
恐るべき勢いで売れてしまったということだ。
気持ちの切り替えの難しさや、曲の納品締切のプレッシャー等の
様々な条件と折り合いをつけるのは容易ではないだろう。

初めて聴いたこのアルバムは、ほとんどの曲が英語で歌われるせいもあって
良く出きた洋楽アルバムを聴いている気にさせる。テレビで見た有名曲の
イメージとは全く違うアグネスの歌唱も、贔屓目でない私にも違和感無く
聴くことができた。それよりも、やはり私が嬉しかったのは2枚目のデモだ。
アルバム収録の12曲が、ほとんどピアノだけでタケカワによって歌われる
のだが曲の瑞々しさが良く伝わるデモで、よくぞ発掘してくれたと言いたい。
自身の多重コーラスや、シンプルにピアノやエレピを重ねただけなのに
充実したアルバムを1枚聴いた気分にさせるのは、当時のタケカワの
アーティスト・パワーの成せる技なのだろう。

「キタキツネ物語」の再発の時も感じたが、デモ名人というのはいるものだ。
ピート・タウンゼンドの「スクープ」じゃないけれど、もっといろいろ
聴きたいと思ったのは私だけでは無いだろう。次はゴダイゴに書いた曲の
デモが日の目を見るのを期待して待とう。


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WOODSTOCK 3DAYS OF PEACE AND MUSIC

2009-08-06 17:10:10 | ROCK
今年はウッドストック40周年ということで、様々な音源や映像を
使った企画物がリリースされているのだが、映画「ウッドストック」も
40周年記念版が出た。オリジナルの映画の流れを損なわないような
形で映画に未収録だった3組のバンドの演奏を組み込んだ拡大版の
DVDが2枚、本編未収録というか、ほとんど初登場の映像を3時間近く
収録した物が1枚、インタビュー集が1枚の計4枚で構成される。
全部見ると8時間以上かかるのだが、今日は休みだったので全部一気に見た。
ずいぶん酒も飲んでしまった。(笑)大元の映画を観たのはかなり前なので
記憶が間違っているところがあるかもしれないが、今回のDVDの見どころを
思いつくままに。

まず本編。
リッチー・ヘヴンスの演奏の後に客席やバック・ステージがマルチ・カメラで
映るシーンで、アコースティック・ギターを抱えたティム・ハーディンが
呟く場面は今まで無かったと思う。ステージでの演奏シーンは追加されなかった
のだが、「IF I WERE CRPENTER」を演奏するシーンは3日間のイベントを
日別に収録したビデオやLDで見ることができた。
で、その後に登場するキャンド・ヒートの映像が素晴らしい。バンドに肉薄
するカメラ・ワークはボブ・ハイトの迫力ある体と歌唱を見事に捉えている。
演奏途中にステージに上がってきた青年とのやりとりは見物で、本来の
映画に収録されても良かったのにと思う。

映画は時系列に沿ってないから、今思えば映画の割りと早い段階で登場する
シャ・ナ・ナはその立ち位置を含めて、不思議な存在である。(笑)
彼らは大トリのジミ・ヘンドリックスの直前にステージに立ったのだから。

テン・イヤーズ・アフターの後にジェファースン・エアプレインが追加された。
「SOMEBODY TO LOVE」「WHITE RABBIT」は先の日別ビデオに収録されたので
今回は割と地味な曲が2曲選ばれているが、それでもやはり華があり、
大きなイベントには欠かせない存在感を見せつける。
スライ&ザ・ファミリー・ストーンの後にジャニス・ジョプリンが追加。
この3組の追加によって、映画のエンド・クレジットも少々オリジナルとは
変わっている。
改めて本編を見て、関わった人の多さ経費の大きさは勿論だが、イベントを
運営する人や陰で支えた人達のエネルギーの量と豊かな感情に感心するばかりだ。

特典映像は見どころだらけであるが、まずグレイトフル・デッドの
「TURN ON YOUR LOVE LIGHT」の長尺の演奏には驚かされる。これは
ブートレグDVDで見ることができたが、そこに収録されたのはほんの
抜粋にすぎず、まさか40分近い演奏だとは思わなかった。
これでは映画にもサントラにも使えないわけだ。(笑)
C.C.R.は3曲も収録された。ジョン・フォガティーが、あの音をリッケン
バッカーで出しているという事実に改めて驚く人もいるのでは。
ステージ裏で談笑するジャニスとグレース・スリックという美しい画も
あれば、シャ・ナ・ナのステージを、何だか不思議な物でも見るかのように
見つめるジミ・ヘンドリックスを捉えた映像も面白い。

インタビューも興味深いものばかりで、映画は初めからマルチ・アングルに
しようと決めていたこと、おかげで複数の映像と音声の同期が大変だったことや
ワーナー・ブラザーズとのやり取りが生々しく語られる。
気になるのは、全ての演奏シーンを撮影しているわけでないことが
公言されたことだ。経費や諸々の問題でそれが不可能だったとのことであるが
それを踏まえれば、たとえ「HERE MY TRAIN A COMIN」のプロショットが
無くても、フェスの最後でフィルムの残量やカメラマンの体力の問題が
あったとしても、あれだけの映像が単体で発売されているジミ・ヘンドリックス
の偉大さも浮き彫りになるというものだ。

通して1度見ただけなのだが、それでも今回のプロジェクトにかけた
労力と熱意は伝わってくる作品で、ロック史はもとより「ロック映像史」
としても最上位にくるべき映像だとの認識を改めて持った次第である。
コメント (4)
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YOU CAN DO A LOT WITH 100 WOMEN - 15

2009-08-03 21:09:55 | ROCK
このCDは、もうジャケ買い上等、名前買い上等なのだ。
掲載写真は2006年にシャルロット・ゲンスブールが発表した
アルバム「5:55」。
実に20年ぶりのアルバム作製ということで、スタッフも充実していて
シャルロットが贔屓にするレディオ・ヘッドのプロデューサーに音作りを
任せ、弦のアレンジはデヴィッド・キャンベル、何より私の琴線を
擽ったのが、作詞にジャーヴィス・コッカーが関わっていることだ。
一時は、ブライアン・フェリーさんの正当な後継者になるんじゃないかと
真剣に思っていたくらい入れこんだのだから、まさかこんなところで
出あうとは思わなかった。

ウィスパー・ヴォイスというのは、母親ジェーン・バーキンのイメージを
そのまま受け継いで、そういう歌い方が戦略的にいいのだろうが
面白いのは、母親同様に英語で歌っているのに、シャルロットの歌唱は
まるでフランス語のような語感で耳に届くところだ。
どっちもネイティヴでない、日本人ならではの感想に過ぎないのだが
これが結構いい感じで耳に残るのだ。「雰囲気物」として聴き流すのは
簡単だが、贅沢なアレンジと柔らかい肌触りの音に身を委ねた人が
一番正しいだろう。

人の好みは様々であることを踏まえての物言いだが、万人受けする美人でない
にも関わらず私はシャルロットのルックスが好きだ。モノクロの写真を見ると
若かりし頃のパティ・スミスのように見えるものもある。もうすぐ40歳で
子供もいるというのに、この瑞々しさは一体どこからくるのだろう。
この人と原田知世の年齢不詳さ加減は双璧で、どちらもいつまでも
若く美しくあって欲しいと思いながら今宵も酒がすすむ。

でも、ごめんねシャルロット。
僕は「5:55」という時刻には反応できないんだ。
目覚めるのは「4:30」だし。(笑)
一周り違うけど、仕事が終わるのは定時だと「5:15」だし。

INSIDE OUTSIDE, LEAVE ME ALONE.
INSIDE OUTSIDE, NOWHERE IS HOME.
INSIDE OUTSIDE, WHERE HAVE I BEEN ?
OUT OF MY BRAIN ON THE FIVE FIFTEEN.
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COOKIN' WITH THE MIRACLES

2009-08-02 17:34:42 | SOUL
毎月いろいろと発売が待ち遠しいアルバムがあって、かなり先まで
予約をしているのだが、気がつけば9月でカードの有効期限が切れるのだった。
新しいカードは信販会社を変更したので、気をつけねばならないなと
何度も発売が延期になる、とあるCDの発売日にやきもきする日々・・・。

予定通りにいけば8月上旬には、かのHIP-Oからスモーキー・ロビンスン&
ザ・ミラクルズの最初の5枚のアルバムを収録した2枚組CD「DEPEND ON
ME : THE EARLY ALBUMS」が初売される。過去単独でCD化されたのは
2枚だけで残る3枚は初CD化。スティーヴィー・ワンダーやマーヴィン・
ゲイ、ジャクスン5らに比べると、再発状況はおそまつ極まりないが
とりあえず、聴くことができなければ話にならないので、今回のリリースを
楽しみにしている。

掲載写真は61年発売の2枚目「COOKIN' WITH THE MIRCLES」。
94年にCD化されたのだが、所謂有名曲が収録されていない地味な位置づけの
このアルバムがCDになったのはちょっとした驚きだった。
しかしながら、聴きどころは多い。つまり、まだH-D-Hの手が入る前の
スモーキーの天才を感じるにはもってこいなのだ。プロデュースこそ
ベリー・ゴーディーの名がクレジットされているが、1曲を除きすべての
曲を手掛けるスモーキーの作曲能力と声には後のロック世代を魅了する
要素、特にリズムにはそれを強く感じずにはいられない。

なにしろ、スモーキー・ロビンスン&ザ・ミラクルズはタムラ/モータウンとの
最初の契約アーティストなのだ。心して聴かねば。
コメント (2)
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