HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

20th CENTURY BOY

2008-07-29 20:25:47 | DAY BY DAY
40をとうにすぎた爺ともなると、職場の若い衆の気をどうやって
惹くかを考えることがある。そんなことをする必要はないのだが、
子供の頃から妙に「受け狙い」のところがあって悪癖だとは思っているが
今でも続いている。机の上に何気にポニョ・グッズでも置いておこうかな
なんて思うのだが、そうすると可愛らしいヤツと、一部で非難があがっている
○ーソンの半漁人のぬいぐるみも用意しないといけないな、とか
無駄に出費が多くなりそうで、まだ実行に至っていない。

「崖の上のポニョ」はともかく「20世紀少年」という映画が職場で
よく話題になる。可愛いメリーさんまで漫画を読んだことがあるという
ではないか。無知な私が今更書くのも恥ずかしいが、有名な漫画だった
ようで職場でも多くの者が読んでいた。そして映画のキャスティングについて
あれこれ話しているのを聞いていると、なんだか私も興味が出てきた。
話の内容は「主人公が唐沢寿明というのは格好よすぎる」というのだが
漫画を読んでいない私には見当もつかない。
心の中で、「あのね、T.REXって知ってる?。アルバムを50枚くらい
持ってるんだよ。結構ファンなんだけど。」と呟いて口には出さなかった。

そのうち話の輪の中の一人が「東スポ・ネタだけど、最初はユースケが
キャスティングされていたらしいんだけど、それでは『弱い』ということで
唐沢になったらしいよ。」とか言うではないか。
家に帰って検索してみようと思い「20」とだけ打ち込んだらいきなり
最初に「20世紀少年」が出てきたからかなりの人気なんだな。
ああ、なるほど。豊川悦司って似ているなというか、皆どのキャストも
漫画に似せてうまく作っているなとか思いながらHPを見ていると
あれ、第2章でユースケはキャスティングされているじゃないの。
なんとなく「良かったな」と意味も無く思ったりして。

で、相方に本当か嘘かわからないのにクイズを出す。
「20世紀少年の主人公として唐沢の前に当初キャスティングが予定されて
いたのは誰でしょう。ヒントは、俺が毎週たいてい見る番組の司会を
している。昔その人が主人公だった連ドラを毎週見ていた。」
しばらく考えたものわからなかったのか遂に新聞の番組表を見始めて
「わかったよ。」と言うものの「毎週見ていた連ドラって何?」
と聞かれたので答えた。

「アル・ジャーディンに花束を、だよ。」
相方は腹を抱えて笑いながらこう言った。
「それをいうなら、アルジャノーンに花束を。」
ああ。ビーチ・ボーイズでも聴くかな・・・。
コメント (3)
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MY FAVORITE BEATLES ACT1

2008-07-27 21:20:18 | ROCK
ビートルズの全楽曲から、時代を二つにわけてそれぞれ50曲ずつの
ベスト・セレクションをつくるという、雑誌の企画があったがなかなか
複雑な心境でそれを読んだ。
選者は一人20曲ずつ計40曲選んでいるのだが、量的にはそれは
ちょうどいいように思える。しかしながら何で合計で100曲なんだろう。
オミットされた曲と半々くらいじゃないのとか、そんなにいい曲ばかりなの
というやっかみが頭に浮かんで、困ったことに一向に消えない。
ボブ・ディランの時は、150曲くらい選んでくれるのだろうな、きっと。

そういえば、正直に言ってビートルズの「ベスト・セレクション」という
ヤツにトライしたことが一度もないことに気付いた。
洋楽事始めは間違いなくビートルズなのだが、すぐストーンズに移行したし、
(高校のクラス・メートがビートルズを集め始めたので、私はそれを
借りて私の所持するストーンズなどを彼が借りるという、持ちつ持たれつの
関係が自然に出来たこともある)ビートルズが一番偉いという考え方が
嫌だったのも、なかなか前向きになれなかった一因である。

しかしながら、ビートルズのアルバムは大抵所持しているし、大学時代に
「ハリーさんは、大学生になってからビートルズ聴き始めたんでしょ?。
一番長い曲名って言えますか?」という後輩のからかいに対しては
「バカ言え、大学に入ってから聴き始めたのはボブ・ディランだよ。(笑)
一番長い曲名は『EVERYBODY'S GOT SOMETHING TO HIDE EXCEPT ME AND MY
MONKEY』だろ?」とかえした記憶があるので、立場上(笑)表に出さなかった
ものの、普通に聴いていたのだなと思い出したりして。

初めてビートルズの好きな曲を20曲選ぶことにした。他のブログやBBSの
呼びかけに応じて5曲くらいなら選んだことはあるが、全曲から20曲を
選ぶのは確かに辛い作業であった。
折角なので、今回は66会認定のベスト20を選び抜こうという話になり
何人かに選曲を依頼した。彼らがどんな曲を選ぶのかが非常に楽しみだ。
選者の方には「後のロックへの影響」とか「当時の革新性」とかを無視して
好きな曲を選んでいただくようお願いした。

というわけで、発案者が後出しというのもナニなので私の20曲を掲載する。
好きな順に1位から20位までを選ぶのではなく、最も好きな5曲次に好きな
5曲というように、5曲ずつ選んで4つのブロックに選出する形式である。
各ブロック内の曲順はABC順。

BLOCK 1
01 ANY TIME AT ALL
02 DIG A PONY
03 HAPPINESS IS A WARM GUN
04 IT WON'T BE LONG
05 I'VE GOT A FEELING

BLOCK2
01 EVERY LITTLE THING
02 I WANT TO HOLD YOUR HAND
03 STRAWBERRY FIELDS FOREVER
04 TOMORROW NEVER KNOWS
05 WE CAN WORK IT OUT

BLOCK3
01 FROM ME TO YOU
02 IN MY LIFE
03 REVOLUTION
04 SOMETHING
05 YES IT IS

BLOCK4
01 EVERYBODY'S GOT SOMETHING TO HIDE EXCEPT ME AND MY MONKEY
02 GIRL
03 NO REPLY
04 RAIN
05 TICKET TO RIDE

一番好きな曲「HAPPINESS IS A WARM GUN」。
これは過去2回ほど、他のBBS等の企画に答えた時もそう書いたはずで
今でもそれは変わらない。

一番好きなアルバム「THE BEATLES」。
最高にドライヴする曲から、ありえないような曲までびっしり埋まっている
とりとめのなさが、グループとしてのまとまりに欠くという批判を押しのけて
今となっては時間と言う残酷な批評に耐え抜ける作品として存在していると
思う。
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LIVE AT THE TOP RANK CARDIFF / BRINSLEY SCHWARZ

2008-07-27 11:46:49 | ROCK
無目的にダラダラとネットを徘徊していると、あっと思うようなCDを
販売していることに気付くことがある。
掲載写真はブリンズレー・シュウオーツの1974年6月19日のライブを
収録したCDR。元々イアン・ゴムが自身のメール・アドレスに連絡をくれた人に
販売しているのだが、私はそれをイアンから購入して販売している日本の
業者から購入した。イアンから購入すると送料込みで19ポンド近くかかる
ので、更に高くつくことになるが日本の業者から購入して日本から送ってもらったほうが郵便事故の確立が減るかなという程度の単純な理由でそうしただけである。

この音源はブートレグではないにしろ、トレード音源として有名な物で
私も愛聴していた。74年のデイヴ・エドモンズのサポートとしてツアーした
時の記録で機材車にセットした移動レコーディング・スタジオで録音され、
当然ではあるがしっかりしたSB音源である。マスター・テープからの
CD化ということであるが、正直なところ入力レベルはそれほど高くないし
私がかつて入手したトレード音源とさほど音質は変わらない気もした。
ジャケットはカラー・コピーでCDRであることを併せて考えれば、
この音源を既に持っている人は飛びつかなくてもいいかもしれない。
イアン自身が販売しているということを考慮するコレクターや、
イアン・ゴムの直筆サインがジャケ裏に書かれているので、サイン目当てに
買うと言うならそれもいいだろう。

同様にブリンズレーの未発表音源を集めた「RARITIES」、幻のラスト・
アルバム「IT'S ALL OVER NOW」も購入することができる。
どちらもジャケットはショボく、「IT'S ALL OVER NOW」は今では入手が
難しいものの数年前に出回ったブートレグのほうがプレスCDでジャケットも
良いのでそれを探すのも手だ。「RARITIES」はもし購入するなら
イアン本人から購入したほうがいい。何故なら、曲名が書いているだけで
どこから持ってきた音源なのか、いつのアウトテイクなのか何の記載も
ないからである。
イアンは自身のHPでこう書いている。
「Also available is a "Brinsley Schwarz Rarities" CD if you are interested. Let Ian know if you would like more details.」
「GREASY TRUCKERS PARTY」は拡大版で正式リリースされているので
他の曲(音質もまちまち)について興味があるところだ。

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THE CHILD FLY - KILLER

2008-07-24 10:57:43 | ROCK
あんまり暑いので海っぽいジャケのアルバムでもないかと探したのだが
もともと、海だの車だのに大して反応しないのでそんな気の利いたものが
すぐに出てくるわけが無い。掴んだジャケットは確かに砂地だが
その先に海がありそうな気配は無い。確かにこの男は涼しげな格好だけど。

掲載写真はジャン・クロウド・ヴァニエが72年に発表したアルバムで
タイトルは「L'ENFANT ASSASSIN DES MOUCHES」。
ロック者にはセルジュ・ゲンスブールとの仕事でしられるが、
なるほど、あの傑作「メロディ・ネルスンの歴史」を手がけた人だけの
ことはあって、ゲンスブール・ファンがニヤリとするメロディやアレンジが
随所に顔を出す。全曲の作曲にプロデュースもこなしていてまさに才人である。
各曲にゲンスブールによるテキストが記されていて、コンセプト・アルバムの
様相を呈しているのだが、巷で言われるような「ゲンスブールの生涯」を
表現したのかどうかは私にはよくわからない。
破滅への予感めいた物は何となく感じるのだけど。

様々なエフェクトと、オーケストラを使ったアレンジは絶妙で確かに何かの
映画のサントラを聴いている気にもさせるし、壮大なサイケ絵巻を見ている
ような気にもなる。女性コーラスのアレンジはあの英国サイケ・ブルーズ・
バンドの影響が垣間見える。ロン・ギーシンのソロと「原子心母」の間に
このアルバムを置くと線が繋がるように思えるのは、私がピンク・フロイドと
ゲンスブールのファンだからなのだろう。(笑)

ご心配なく。素っ裸のように見えるこの男、ちゃんと別の写真では前を
隠すような物を身に着けていますので。(笑)
心ある音楽ファンに大推薦。




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DARK SHADOWS / COLD SUN

2008-07-20 13:48:49 | ROCK
HMVのHPを見ていたら、コールド・サンのCDが再発されるという
記事を見つけて驚いた。こんなマイナーなレコードがCD化されるのが
「HMV」のニュースになるという事にである。
アンダー・グラウンドなアルバムを取り扱う専門店のようなところからの
ソースなら別に驚きもしないのだけど。

実はこのアルバムのことは恥ずかしながら、ずっとアーティスト名も
アルバム・タイトルも「DARK SHADOWS」だと思っていた。
このアルバムを教えてくれた人が再発LPから録音したCDRと共に
送ってくれたジャケットの表裏のコピーのどこを見ても「COLD SUN」の文字は
無いし、かの「アメリカン・ロック集成」にも「DARK SHADWS」としか表記されて
いなかったせいもある。

だらしない長尺のサイケの典型のようにも聴こえるが、曲中に必ず
耳に引っかかる妙にいい感じのメロディーやフレーズがあるのが、多くの
サイケ好きの間で評価されている所以だろう。
一定の決まった反復するようなリズムに乗せて、ギターやベースが
縦横無尽に動き回るさまは、V.U.好きにもアピールするかもしれない。
キーボードも効果抜群である。テキサス産なのだが西海岸風の感じも
するので、意外と聴けば気に入る人は多いと思う。

今回の「正規再発」のジャケットは青を基調にしたもののようで、
黄色ジャケのイメージが強い私には、とまどいもあるが元々はこんな
ジャケットがついた状態のものではないし、青の方がバンド名にも合うので
いいのではないかと思っている。
まだ現物CDを手にしていないが、ボーナス・トラックとしてライブが2曲
追加されているので、ここは一つ「購入予定リスト」に入れておく事にしよう。

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追憶のブートレグ61・ACT22 / SILVERHEAD

2008-07-19 22:05:45 | ROCK
学生達が夏休みに入ったので、ふと「ライブ・エイドってこの時期だった
よな。」と思い日付を調べてみると、それは1985年7月13日だった。
大学2回生だった私は、車の運転免許をとるために実家に戻っていたので
ライブ・エイドは実家で見たのだが、大学生の夏休みって結構早くから
始まったのね。(笑)

いろいろ目当てのアーティストが出たライブ・エイドであるが、今思い出しても
ザ・フーが演奏した時の映像回線の乱れ等様々なことに腹が立つ。
当時のビデオを見てみると、1曲目の「マイ・ジェネレーション」の最中に
断線し、「ピンボールの魔術師」の後半で映像と音声が回復する。
「愛の支配」を演奏する前に曲名をロジャーが紹介すると、間抜けな同時通訳が
「これはみんなが好きな歌ですけど」と訳のわからない通訳をするし、
曲の途中で番組スポンサーの紹介が平気で入ってくる。
「無法の世界」の演奏が始まると画面下に「ウォント・ゲット・ワールド・
アゲイン」と字幕が出るにいたっては「もっと音楽が好きなヤツは製作サイドに
いなかったのか」と呆れてしまった。
他にも間抜けなことが多すぎて、リアル・タイムで見ていた人は
「そうだったな」と思い出すことしきりだと思う。
マイクの奪い合いが見苦しかったエンディングの「WE ARE THE WORLD」が終わり
きらないうちに12時となり、いきなり「クイズ、ドレミファ・ドン!」と
のたまわれて呆然としたことまで思い出してしまった。

そんな「ライブ・エイド」も数年前にDVD化された。4枚組というボリューム
は、テレビで見る事ができなかったバンド(放送されなかったものもあれば
こちらが寝こけて見過ごしたものもある)を多く見る事ができて嬉しかった
のだが、収録されなかったバンドの狭量さ?にファンの非難があったのも
事実である。DVDに収録されることで新たに何の報酬も支払われないことに
不満だったのか、それとも演奏内容に納得いかなかったのか?。

実のところ私が不満だったのは「鉛の飛行船」が未収録であったことではない。
「パワー・ステーション」が未収録であったことに非常にがっかりしたのだ。
何故ならこの時のボーカリストはツアーに出ることを固辞したロバート・
パーマーに変わってマイケル・デ・バレスが参加していたからである。
今では俳優としてのほうが通りがいいのだが、私は「これがシルヴァーヘッドの
人かぁ。」と思いながら見ていたのだ。歳は重ねているがさすがに派手と言うか
華があるなあ、とも思いながら・・・。

シルヴァーヘッドはグラム・ロックの括りで語られることが多いが、
それは当時のレコード会社が売りやすくするための戦略であっただけで、
実際はソウルフルな側面さえ感じさせるデ・バレス声と粗野な演奏が結びついた
実に素敵なロックだと思う。
残されたスタジオ盤は2枚しかないのだが、現状では一度はCD化
されたものの1STは入手が困難である。ライブ盤の「電撃のライブ!」
に至っては1度たりともCD化されていない。これでは今の時代に
シルヴァーヘッドを正しく伝えようとするのは無理である。

掲載写真は74年1月19日の東京公演を捉えたブートレグ。
音質はそれほどよくないオーディエンス録音だが、私はそんなことは
どうでもよくこのブートレグをよく聴いた。数少ないシルバーヘッドの音源を
補完する意味で、貴重な音源であると今でも思っている。

ところで唐突だが男の乳首は何のためにあるかご存知か?。
答えはシルヴァーヘッドのライブ・アルバム「熱狂のライヴ(SHOW ME
EVERYTHING)」のジャケットにある。
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極私的血肉音楽 case of HARRY part2

2008-07-17 21:47:28 | ROCK
いよいよ洋楽を中心とする歴史である。
前半10曲は高校時代によく聴いたバンドやアーティスト、続いて
先日記事にした「皮と骨」(笑)、そして90年代に入って日本の
リアル・タイムのロックが洋楽を超えているという事実に愕然としつつ、
いままでそれほど聴いてこなかったアーティストやジャンルを見直す
きっかけとなった曲を選んだ。こういうことを書くと本当にバカのように
思われてならないのだが、笑いの対象としつつもキース・リチャーズさんには
敵わない。(笑)

「極私的血肉音楽 DISC2(66S-003)

01 ANY TIME AT ALL / THE BEATLES
02 TUMBLING DICE / THE ROLLING STONES
03 BABA O'RILEY / THE WHO (掲載写真右)
04 SWEET LADY GENEVIEVE / THE KINKS
05 THE CRYSTAL SHIP / THE DOORS
06 LIGHT OF LOVE / MARC BOLAN & T.REX
07 COMMUNICATION BREAKDOWN / LED ZEPPELIN
08 NIGHT / BRUCE SPRINGSTEEN
09 CLAMPDOWN / THE CLASH (掲載写真左)
10 BEAT SURRENDER / THE JAM
11 OLE MAN TROUBLE / OTIS REDDING
12 MOJO HAND / LIGHTNIN' HOPKINS
13 THE HYMN / CHARLEY PARKER
14 BURNIN' AND LOOTIN' / BOB MARLEY & THE WAILERS
15 VOO SOBRE O HORIZONTE / AZYMUTH
16 ウェイティング・マン / ザ・グルーヴァーズ
17 青い花 / ブランキー・ジェット・シティ
18 LET'S EAT / HATFIELD AND THE NORTH
19 MATTY GROVES / FAIRPORT CONVENTION
20 WHIP IT UP / KEITH RICHARDS
21 L'ULTIMO VOLO ( MONDO CANE O.S.T.)
22 CANNABIS / SERGE GAINSBOURG

バカの時代にアホの時代。100曲も選んでどうすんの?という昨今の
ビートルズであるが、最初に聴いた洋楽がビートルズであるのは紛れも無い
事実であるし、とてつもない魅力に溢れているのは否定しない。
全盛期ではなかったとしても、ストーンズにキンクス、ザ・フーの
ライブを見る事が出来たというのは、自分の中ではある種の目標を達成した
という気持ちがある。今となってはキンクスの再編・来日は難しいだけに
尚更である。

初めて組んだアマチュア・バンドで、何を演奏するかも決めてない最初の
スタジオ入りの日、その日初めて顔を合わすメンバーばかりの中で
いきなりギタリストが弾きだしたのが「コミュニケーション・ブレイクダウン」。
エンディングを含めて一発でバシっと決まった時は、お互い顔を見合わせて
ニヤっとしたものだ。ジャムとポリスを比べると、楽曲単位でもアルバム単位
でも、ポリスを熱心に聴いていたのは明白なのだが、両者が解散した後
スティングのアルバムは最初のソロ1枚を買ったきりだが、ポール・ウェラーの
アルバムは今に至るまで全て購入し続けているので、ここはジャムの曲を
挙げるべきだろう。

グルーヴァーズとブランキー・ジェット・シティは本当に好きなバンドだ。
彼らのビートを聴いていると、当時彼らのリズムに対抗しえた英米のバンドが
どれくらいいたかが思い出せないというのは、大袈裟な表現ではない。

プログレには閉口していたのだが、ハットフィールズをきっかけに徐々に
「誤解」が解けていくような気がしたものだ。フェアポートは必殺のライブ盤
「ハウス・フル」より。私が一番好きなラインナップでの録音で、男気炸裂の
選出曲を聴いていると「ヘヴィ・メタルって何かの冗談だろうか」と
いつも思うのである。

DISC1でも映画で使われたトラックを幾つか挙げたが、「世界残酷物語」の
選出曲の美しさには完全に持っていかれた。(笑)多分映画を見ることは
この先も無いだろうが、選出曲が収録されているというその1点において
このアルバムを所持し続けることになるだろう。
以前も書いたが、もしミュージシャンもしくは音楽業界に携わった人に
生まれ変われるというのなら、私はセルジュ・ゲンスブールになりたい。

2枚のCDに収めるという縛りがあったので、ボブ・ディランやルー・リード
といった重要な人が入っていない。今は全アルバムを揃えているが
高校時代には聴いていなかったという意味で今回の選曲からは外した。
本当に「血肉」になっているのはこうした人達なのだろうけど、こういう処と
折り合いをつけながら選曲するのも楽しかったことを最後に付け加えて
このシリーズを幕としよう。

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極私的血肉音楽 case of HARRY part1

2008-07-16 22:54:06 | ROCK
さて、それでは私の音楽的嗜好のルーツはどこにあるのか、もしくは
偏屈なロック者はどうやって育まれたか、ということを白日の下に晒したい。
というのは大げさで、単に子供の頃から今に至るまで大なり小なり
影響を受けた音楽が下記の通りである。

「極私的血肉音楽 DISC1(66S-OO3)」

01 炎のファイター~INOKI-BOM-BA-YE
02 SPINNING TOE-HOLD / クリエイション
03 EMMANUELLE SONG(FRENCH VOCAL VERSION)
04 A MAN...A STORY
05 仁義なき戦い
06 プルトニウム・ラブ
07 傷だらけの天使
08 BAD CITY / SHOGUN
09 ショッカー襲来
10 キカイダー・アクション
11 ULTRA SEVEN
12 ウルトラマンのテーマ
13 死ね死ね団のテーマ
14 マッハバロン
15 ぼくらのバロム1
16 今日もどこかでデビルマン
17 ルパン3世主題歌2
18 やつらの足音のバラード
19 やさしい悪魔 / キャンディーズ
20 追いかけてヨコハマ / 桜田淳子(掲載写真左)
21 かもめが翔んだ日 / 渡辺真知子
22 東京の冷たい壁にもたれて / 甲斐バンド
23 よごれた顔でこんにちは / RCサクセション
24 NEW AGE / 佐野元春
25 自由に歩いて愛して / PYG
26 オートマチック・パイロット / ウォッカ・コリンズ
27 あなた方の心の中に黒く色どられていない処があったならすぐ電話をして
  下さい / 頭脳警察(掲載写真右)
28 この道 / ジャックス

猪木信者であった。今でも①を聴くと力が漲ってくる気がする。猪木信者だった
ので全日本プロレスは余り見なかったのだが、それでもドリー・ファンクJR.は
好きだった。テリー・ファンクのことは全く好きになれなかったのに。
ブルーザー・ブロディのファンでもあったので、一時は複雑な思いでプロレスを
見ていたものだ。

③は「エマニエル夫人」④は「荒野の1ドル銀貨」⑥は「太陽を盗んだ男」と
それぞれ映画で使われたトラック。今思えばわかりやすくダサい気もするが
西部劇の面白さは④で知った。⑥は今でも私の好きな邦画NO.1。
⑦と⑧はテレビドラマの主題歌。もちろん⑦は再放送で見たのだが自分が
真似できない破天荒さと虚無感がなんとも不思議な魅力を持ったドラマで
後追いながらその影響は大きかった。

⑨から⑫はテレビ番組の中で使われた劇伴。主題歌なんかよりよほど格好いい
インスト。特にキカイダーは他のトラックも「荒野」を感じさせて
音だけ聴いていても楽しい。⑪はウルトラ警備隊が出動する時によく流れた
英語詞が印象的な曲。⑫は「帰ってきたウルトラマン」で使用されたもので
ウルトラマンが怪獣の攻撃を耐え抜き逆襲する時によく使用された。
⑬は一大大河ドラマ「レインボー・マン」のエンディング。⑭は今思えば
私にとって「グラム・ロック事始め」。ロイ・ウッドにも聴かせたい。
⑮の擬音攻撃と妙なエコーにやられてしまった。そう言えば子供の頃に作った
アクション・ヒーロー関係のプラモデルはキカイダーの「サイド・マシン」と
バロム1の「マッハロッド」だけであった。

⑯から⑰はアニメのエンディング。子供心にアニメのオープニング主題歌は
くだらないのに、エンディングはなんであんなにもの悲しかったり、耳を
奪ったりするのだろうと思っていた。テレビ放送の最終回の記憶は遠いのだが
コミックで読んだ「デビルマン」の最後には私も途方にくれてしまった。

⑲から21はテレビやラジオで見聴きして好きになった曲。キャンディーズの
歌を聴いたとき(多分「春一番」)、「なんで○○や△△のドラムに比べて
演奏が上手いんだろう」と思ったものだ。今なら普通に納得がいくのだが
ロック・バンド(のようなもの?)より歌謡曲のほうが演奏が上手だなんて
許し難かった。(笑)いや本当は3人を虜にする男ってどんなヤツなんだろうと
そっちのほうがモヤモヤと気になっていたのは言うまでもない。
20は今でも大好きな曲だし、渡辺真知子がデビューから立て続けに出した
シングル曲を聴いて「天才じゃなかろうか」と思っていたのも事実。

22から24は最初期に影響を受けた日本のロック。実のところ甲斐バンドも
RCサクセションもリズムは弱いと思っているが、そんなことよりも
わかりやすく耳に入ってくる歌詞の影響も大きく、ここらから本格的に
レコードを買うということが日常化してくる。佐野元春はリアル・タイムで
デビューから今に至るまで聴き続ける数少ないミュージシャンとなって
しまった。

25から28は、洋楽を聴くことと並行して過去の日本のロックを聴きだした時に
特に影響を受けた曲。ジュリーとショーケンが一緒のバンドにいたという
事実に小躍りしたのは25。日本の歌で初めてギターで完コピを試みたのが26。
なんだかんだいってPANTAと早川義夫の影響というのは自分の表面に出ない
ところにしっかり刻印されていると思っている。
ここまでがDISC1。洋楽はDISC2へ続く・・・。
コメント (6)
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SKIN AND BONE - case of JAZZ

2008-07-13 10:53:26 | JAZZ

禁断の(笑)ジャズである。

何故「禁断」かというと、このブログで初めてジャズのアルバムを
取り上げるからである。こんな企画でもなければ取り上げるつもりは
なかったのだ。だいたい一本気な自称ロックンローラーにジャズなんて
似合わないし難しすぎるのだ。
学生時代から今に至るまでの音楽仲間であるhopperさんの家では
よくジャズのレコードが流れ、今思えばいい勉強になったものだ。
当時の私は「ジャズ?年金でも貰えるようになったら聴くさ」と
いきがっていたのであるが、とんだ笑い話である。

初めて買ったジャズのアルバムはチャーリー・パーカーの「ON DIAL VOL.4」。
しかも買った場所は大学の生協である。(笑)
パーカーの曲に何か目当てがあったわけではないのだが、これもストーンズ者の
宿命か偶然手にして何となく購入した。「ON DIAL」は全部で6枚あるのだが
棚には「VOL.4」しかなかったためにそれを購入しただけの話なのだが、
今では「VOL.4」との美しき出会いは必然だったと思っている。
ちなみに同時購入したのはLPではなく湖池屋の「カラムーチョ」。
その夜、自宅でのジャズと激辛ポテトチップスを初体験する。(笑)

アルバムを聴き進めるうちに聴いたことのある曲に出くわす。
二つのテイクが収録されていてその曲が終わって別の曲が始まったとき
もう一度聴きなおしたくて針を上げようとしたのだが、手がカラムーチョの
せいでギトギトになっていたので、慌てて洗いにいったことを明確に覚えている。
その曲のタイトルは「THE HYMN」。この曲との出会いは1年前に遡る。

大学に入学して3ヶ月が過ぎた6月のとある土曜日。それまで遠距離を自宅から
通っていた友人が下宿生活を始めたので、近所の下宿生が集まって晩飯を
楽しんでいたところ、誰かが「ポルノ映画を見に行こう」と言い出した。
すぐ同調する者がいたので野郎5人でいそいそと出かけたのである。
私の通っていた高校は街のド真ん中にあった。繁華街の近くなので買い物には
便利だったが路地を数本奥に入ったところにポルノ映画館があった。
自転車で何度も前を通ったことがあるが、恥ずかしくて遂に入ることは
出来なかったので私にとって初めての体験である。他にもっと恥ずかしいことは
沢山してきたはずなのに、映画館に行ったことがないというのも照れくさいので
「よし、行こう」と私も同調したはずである。

雨が降っていたせいか(いや、そうでなくても)映画館の中がじめじめしていた
のと、スクリーンを見ている間中も座席の周りをグルグルと歩いて客を見つけようとする女が気持ち悪かったのを今でも覚えている。
映画はストーリーもあるしカメラ・ワークもしっかりしているし、今のA.V.
なんかとは当然違うわけでそれなりに面白かったが、2本目のエンディングで
流れた音楽のメロディーが頭にこびりついて離れなかった。
同行した4人とは音楽の話をする間柄でなかったので、そのことは誰にも
話さなかったのだが、帰りの道中も「あれは何という曲なのだろう」と
そればかり考えていたのである。

パーカーのLPから飛び出してきたのはまさにその曲だった。
映画では当然日本人のジャズ・メンが演奏していたのだろうけど、あの
印象的なメインのメロディーを忘れるわけが無い。
ポルノ映画とジャズがこんなふうに出会うなんて、出来すぎているのだが
私の中では密かに「いい話」だと思っている。(笑)

さて。下記が私の骨と皮を形成する10枚のアルバム。(ABC順)
果てしないジャンルだが全てを追いかけようとは今でも思っていない。
たまに何かの拍子で良いアルバムと出会ってそれが棚に収まっていくのを、
ゆっくり楽しもうと思っている。

01 LOVE CRY / ALBERT AYLER
02 RAY BRYANT TRIO(PRESTIGE 7098) / RAY BRYANT TRIO
03 GIANT STEPS / JOHN COLTRANE
04 IN A SILENT WAY / MILES DAVIS
05 OUT TO LUNCH / ERIC DOLPHY
06 WALTZ FOR DEBBY / BILL EVANS TRIO
07 THE COMPLETE DIAL SESSIONS / CHARLIE PARKER(掲載写真左)
08 RIP,RIG AND PANIC / THE ROLAND KIRK QUARTET
09 THE MAGIC OF JU-JU / ARCHIE SHEPP
10 LAWRENCE OF NEWARK / LARRY YOUNG(掲載写真右)

コルトレーンが何故インパルス時代じゃないのかは自分でもよくわからない。
ラリー・ヤングは73年録音の未発表アルバムが2001年に発掘されたもの。
生前に発表されたアルバムより破壊力があると感じる。
マイルス?。私の誕生日(ちなみに3回目)のセッションがアルバムになって
それが上出来の内容ならこんなに楽しいことは無いでしょ?(笑)

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SKIN AND BONE - case of BRASILIAN MUSIC

2008-07-12 18:18:49 | DAY BY DAY
当時は全く意識していなかったが、後付承知で言えば夜11時にFMから
流れてきたアジムスの「VOO SOBRE O HORIZONTE」こそ、私がブラジル音楽に
触れた最初ということになる。午前1時の「BITTERSWEET SAMBA」はまた
ちょっと違ったジャンルということになるのかな。

ブラジル音楽というと「サンバ」とか「ボサノヴァ」とかが一般的に
想起されると思うが私は「ボサノヴァ」というのがダメだった。
もう偏見以外の何物でもなかったのだが、血気盛んな10代の時は
「こんなのは、こ洒落た音楽を聴く小賢しいヤツの為のもので、俺には用は
ない」と思っていたものだ。下手をするとジャズに対しても同じような
考えを抱いていたかもしれない。
諸悪の根源は『イパネマの娘』であり、ヴァーヴから出た「GETS/GILBERTO」
だと思っていたのであるが、「イパネマの娘」を征服すれば(おお、何と
いやらしい響き)道は開けるかなとも思っていた。

2000年に「イパネマの娘」という映画のサントラがCD化されたので
それを買ってみた。私が頭に描いていた『イパネマの娘』という曲は
映画のスコアのようにアレンジされ、これを気に入ってしまった。
他の収録曲もほとんどオール・スター・キャストのような布陣で
バラエティに富んだいて、妙に納得してしまった。
いや、本当のところは白い水着の女性に幻惑されただけなんだろうな。(笑)

で、自分の「骨と皮」を形成するブラジル音楽のアルバムを10枚、
思い浮かべたのだが、なんとなくロック寄りであり、SSW寄りである。
私の中で、フュージョンと言われそうなものでもブラジル物なら聴けて、
アメリカ産のものは何で未だに聴こうとしないのか、という謎があるのだが、
言葉を含めた根本的なリズム感の違いということで、手を打ちたい。

私の「骨と皮」を形成するアルバムは下記の10枚
(ABC順)

01 AFRICA BRASIL / JORGE BEN
02 ORGAN SOUND / JOSE ROBERTO BERTRAMI(掲載写真左)
03 CONSTRUCAO / CHICO BUARQUE
04 GILBERTO GIL(1971) / GILBERTO GIL
05 MODO LIVRE / IVAN LINS
06 ...E DEIXA O RELOGIO ANDER! / OSMAR MILITO
07 A DIVINA COMEDIA OU ANDO MEIO DESLIGADO / MUTANTES
08 ACABOU CHORARE / OS NOVOS BAIANOS
09 MARCOS VALLE(1970) / MARCOS VALLE(掲載写真右)
10 SINGLES / CAETANO VELOSO

ジョゼ・ホベルト・ベルトラミのアルバムは今年になって世界初CD化
されたもの。後にアジムスを結成するキーボード奏者の初ソロ・アルバムで
アジムスを起源とする私にとって、アジムスのアルバムより琴線に
触れる内容だったので、ここに取り上げた次第である。

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SKIN AND BONE - case of BLUES

2008-07-10 21:12:51 | DAY BY DAY
いつの時代なのか(80年代なのか90年代なのか?)どんなシチュエーション
なのか(レコーディング中なのかツアー・リハーサルなのか?)はたまた
どの地での発言なのか見事に忘れたが、エリック・クラプトンのこんな発言を
読んだことがある。
「この国にはブルーズを演奏できるドラマーはいない。」
「この国」というのが正確かどうか心許ないが、何かイラついた気分の
クラプトンの発言である。

これを読んで私は、「これが私とブルーズとの境界線そのものである」と
思ったものだ。ブルーズって何だ?。ブルーズとはメインのギタリストや
ハーピストの自己満足が完了するまでソロを弾くことを許容することを指すのか?。
メインパフォーマーの感情の発露が長時間に及んだ時でも、ドラマーは
淡々とリズムを刻まねばならない。例え飽きてきても不用意にフィル・インを
多用したり、構成を変えるべくバス・ドラの打ち方を変えたりすれば
それはリズムの変化となり、約束されたリズムの中で成立する世界から
はみ出ることになる。気持ちよく長尺のソロを弾いている最中のギタリストの
逆鱗に触れるというわけである。
好きな人には長尺のソロは大歓迎だろうし、同じ曲でもいつもより
ソロが長ければ「この日は入魂のソロをきかせる」なんてブートレグ評がでる
くらいなのだが、私にはそういうのはトゥー・マッチである。

先のクラプトンの発言が私とブルーズの境界線であると書いたが、同時に
別のことも考えた。ギタリストが感情の赴くままにソロを弾く間、
何の遠慮もなしにドラマーもベーシストも自分の自己満足を追求したクリーム
というバンドはやはり凄かったということである。最後にはそれが解散の
原因になるものの、クラプトンは三竦みの戦いを許容していたのだから。
下記に私の「骨と皮」を形成する10枚のアルバムを挙げるが、そのうち
ジュニア・ウェルズは65年、アルバート・キングのアルバムは66~67年の
録音である。思えばそのすぐ後にあれだけブルーズの拡大解釈をやったと
いうのは、とんでもないバンドであったのだ。

ブルーズといっても時代や地域によって様々なスタイルがある。
正直なところ戦前ブルーズはそれほど好きではない。もっと時代が降りてきて
バンド編成になったほうが聴きやすく感じるのは仕方あるまい。
ストーンズ者なので、ブルーズといえばマディ・ウォーターズやロバート・
ジョンスンであった。勿論そういったアーティストのアルバムは洋楽を
聴き進めていくうちに自然と揃ってくる。しかし正直なところ早くそこから
抜け出したかった。ブルーズが格好いいのは解ったのだけど、いつまでも
マディとロバート・ジョンスンじゃ、頭の悪いストーンズ・ファンの典型の
ように思えて嫌だったのだ。

名前は知っていたが聴いたこともなかったライトニン・ホプキンスの
「MOJO HAND」をジャケ買いして道が開けたような気がした。
冒頭のタイトル曲が流れてきたとき、実は聴き覚えがあるということに
すぐさま頭が反応した。高校生のとき深夜にベスト・ヒットU.S.A.を見ていたら
番組の間に、当時の県下唯一の輸入盤店のC.M.を必ず目にした。
そのときのB.G.M.が「MOJO HAND」だったのだ。エレキでないのに破壊力
抜群のリズムと声が気になっていたので、思いがけずにその曲と再会した
時の興奮は今でも覚えている。

月日は流れ、膨大な量のロックを聴いてきた。
ブルーズ・マンの全盛期の録音はともかく、晩年の録音を聴くよりも
キャプテン・ビーフハートやジョン・スペンサーを聴くほうがよほどブルーズで
あると思うのだが、そういう物言いは「ブルーズ好き」には通用しないことを
思い知る月日の流れでもあった。

私の「骨と皮」を形成するアルバム10枚は下記の通り。
(ABC順)

01 BABY SCRATCH MY BACK / SLIM HARPO(掲載写真右)
02 ALONE...THE SPECIALITY SESSIONS 1948-1954 / JOHN LEE HOOKER
03 MOJO HAND / LIGHTNIN' HOPKINS(掲載写真左)
04 BORN UNDER A BAD SIGN / ALBERT KING
05 THE JUNGLE / B.B.KING
06 1956-1958 HIS COBRA RECORDINGS / OTIS RUSH
07 HATE TO SEE YOU GO / LITTLE WALTER
08 THE BEST OF MUDDY WATERS / MUDDY WATERS
09 HOODOO MAN BLUES / JUNIOR WELLS
10 HOWLIN WOLF / HOWLIN WOLF

マディのベスト盤というのは勿論チェスの「LP-1427」を指す。
ところで、B.B.キングと水谷孝の共通点とは何でしょう?。
答え:どちらも歌っている時はギターを弾かない。
お後がよろしいようで・・・。
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SKIN AND BONE - case of REGGAE

2008-07-09 21:31:35 | DAY BY DAY
66会のイケダさんと、自身の「ルーツ音楽」を集めたCDRを交換しようという
話を数ヶ月前からメールでしていたのだが、先日イケダさんのバージョンが
届いた。同い年なので見てきたテレビや流行の音楽は同時体験なわけで、その中で
興味があったもの無かったものの違いというのは面白いし、更には
成長するに従ってあるいは環境が変わるに従って受けた(もちろん与えたものも
あるだろう)影響の違いと言うのが更に面白かった。

実際のところ、イケダさんの「極私的血肉音楽」は格好いいものであった。
私も同内容で選曲してはみたものの、ありふれたものになってしまいどうにも
格好がつかない。(笑)そこで大して詳しくも無いのだが、私が「ロック」以外の
音楽、例えば「ソウル」「レゲエ」「ブルーズ」「ジャズ」「ブラジリアン・
ミュージック」を聴くきっかけになった曲を1曲ずつ収録した。
今でも興味は失っていないし何となく聴き続けているので、ルーツの一端という
意味で筋違いでもないだろう。「血肉」となっているかと言われれば
心もとないので、ここは「皮と骨」ということでご容赦願いたい。(笑)

レゲエに初めて触れたのは間違いなく1981年である。
何故ならこの年の5月、ボブ・マーリーが死去したため、FMの番組で
幾つか特集があったのを聴いたからである。自分のレコードを聴く以外は
ほとんどラジオをつけっ放しの生活だったから、よく覚えている。
この時はまだレコードを買おうという発想には至っていない。
しかしながら翌年見た深夜映画が、レコードを買いに走らせることになる。
その映画こそ「太陽を盗んだ男」であった。
劇中で沢田研二が原子爆弾を完成させた時、流れたBGMがボブ・マーリー&
ザ・ウェイラーズの「GET UP,STAND UP」のライブ・バージョンであった。
件の曲のスタジオ・バージョンは聴いていたので、それとは違う感じが
アルバム「ライブ!」収録テイクだろうと読んで、ライブ盤を購入した
わけだが、これが見事に当たる。アルバム全曲どれを聴いてもエモーショナルで
今まで聴いてきたロックとは違う熱気を否でも感じたものだ。
それが私の「レゲエ事始め」ということになる。

私の骨と皮を形成するレゲエのアルバム10枚はこんな感じになる。
(ABC順)

01 IS WHAT'S HAPPENING / THE BORIS GARDINER HAPPENING
02 LIFE OF CONTRADICTION / JOE HIGGS(掲載写真右)
03 LIVE! / BOB MARLEY & THE WAILERS
04 MONKEY MAN / THE MAYTALS
05 REGGAE MAGIC! / JACKIE MITTOO
06 ORIGINAL ROCKERS / AUGUSTUS PABLO
07 THE REVOLUTIONARIES / THE REVOLUTIONARIES
08 HARVEST UPTOWN / SOUL SYNDICATE
09 BLACKBOARD JUNGLE DUB / UPSETTERS
10 THE HARDER THEY COME(O.S.T.) / V.A.(掲載写真左)

これで、一番好きなリー・ペリーのアルバムが判ってしまいましたね。(笑)
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MUSICAL BONES / LEE PERRY & THE UPSETTERS

2008-07-06 22:42:43 | REGGAE
リー・ペリーの数多くあるプロデュース作の中でも、ファンにとっては
74年から79年のブラック・アーク・スタジオで産み落とされた作品は
格別の意味合いがあるだろう。
実際、この間に製作されたアルバムの中にはレゲエ・ファンのみならず
ロック・ファンにも浸透しているものが幾つかある。
例えばジュニア・マーヴィンの「POLICE & THIEVES」もこの時期の作品だ。
クラッシュのお陰でこのアルバムにたどり着いた人は、私を含めて
かなりいる筈だ。

掲載写真のアルバム「MUSICAL BONES」は前作「KUNG FU MEETS THE DRAGON」、
次作「RETURN OF WAX」の3作と合わせて70年代インスト3部作と
ペリーは言っている。全て75年作で、自前のスタジオを持ち
制作意欲が高まったのと、当時のアップセッターズの力量があったとはいえ
この時期のペリーのハード・ワーカー振りには恐れ入る。
そんな3部作の中で一番好きなのが「MUSICAL BONES」。

60年代後半から70年代頭のアップセッターズはオルガンを効果的に
使っていた。これはイギリス市場を見据えてその効果をペリー自身が
確認しての戦略だが、「MUSICAL BONES」ではトロンボーンが目立つ位置に
配されている。このスタイルはこれに限ってのことだがこれが結構
ハマる。ウエットなトロンボーンとドライなリズムがかみ合う時、
今までに無い何か新しい感覚を得たような気分になる。
それはドン・ドラモンドやリコ・ロドリゲスのアルバムを聴いている時とは
違う感覚なので、そこらがプロデューサーであるリー・ペリーが
狙ったところかもしれない。

最初にジャケットを見たとき抵抗があった。
ブートレグのような滲んだ荒い図柄だし、アーティスト名や
タイトルは雑な書き文字であるが、音を聴いてそれが気に入るとジャケットの
雑なところさえ気に入ってくるから不思議だ。(笑)

ところで、私が一番好きなリー・ペリーのアルバムはいわゆるブラック・アーク
の時代のものではない。そのアルバムの話は何れまた・・・。
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鈴木茂ヒストリー・ボックス

2008-07-05 22:52:04 | 日本のロック・ポップス
正直なところ、鈴木茂のアルバムで気に入っているのは「BAND WAGON」
だけである。他のアルバムは聴いていなかったり、1~2回聴いて
放り出したままだったり。しかしながら「BAND WAGON」の影響というのは
私の中ではかなり大きな物だ。はっぴいえんどを含めて関わったメンバーの
ソロ作全てを掻き集めても、「BAND WAGON」のほうが素敵に思える。
複雑なリズムとクラビネットやピアノ、シンセといった鍵盤類の絡みが
気持ちよく、私がブラジル音楽を聴くことができる資質はここにあったのかも
とさえ思わせてくれる。

7月に掲載写真の箱が出るというインフォメーションを見たときは
複雑だった。ボーナス・ディスクとして未発表ライブを数多く収録した盤も
魅力だが、何より複雑なのが「BAND WAGON」のまた別のマスターを
使ったCDというのが引っかかった。4月に「BAND WAGON」は10曲の
アウト・テイクをボーナスとして収録して、本編のミックスも新たにした
2008年バージョンが出たばかりなのに、たった3ヶ月でまた
「別物」が出るのである。

「BAND WAGON バンバン聴いてますよ、2008年版で。えっ、それだけじゃ
もったいない?また?。」まさにそんな気分になったのだ。

何だかんだ言いながら結局、ボックスを買った。2008年版リミックスの
音の太さに慣れた後だっただけに、えっ?と思ったが好きなアルバムの
バリエーションを楽しめるのだから良しとすべきか。
いや、全然いい音なんだけど。

ボーナス・ディスクの中の荻窪ロフトでの6曲はオーディエンス録音である。
音質はそれほどよくないが、「BAND WAGON」発売直前のドキュメントなので
そう思って聴けば身がしまる。ハックル・バックのライブ・テープは幾つか
聴いたが、言葉に御幣があるのを承知で書けば、関西ブルーズのノリが
ある曲を幾つか演奏するのが個人的に嫌だった。今回の音源にはそういった
曲は一切収録されていないのでスッキリと聴ける。
「ヤング・インパルス」出演時の演奏から5曲収録されているが、
ライナーで映像が残っているのは「八月の匂い」だけだと書かれていて
少々がっかり。音だけでも充分素晴らしいのだけど・・・。
「幻のハックル・バック」収録曲を2曲だけ収録するなら、これも丸々1枚
復刻してボックスに入れれば良かったのに。

「BAND WAGON をバンバン聴いても、せっかくボックス買ったんだから
他のアルバムもちゃんと聴かないともったいないよ。」
そんなふうにならないように、じっくりこの箱と向き合うつもりである。
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LIVE AT SHEPHERDS BUSH / THE ONLY ONES

2008-07-01 21:27:50 | ROCK
5月の来日公演は盛況だったというオンリー・ワンズ。
予想通りブートレグが出回っている様子もないのだが、ライブに
行けなかった私も何とか来日公演の模様は聴くことができた。

そして掲載写真は予想もしなかったDVD。
オンリー・ワンズがオフィシャルDVDを出すなんて想像したことも
なかったが、まさに復活の恩恵ここに極まれり、というところか。
2007年6月9日のシェパード・ブッシュ・エンパイアでのライブを
完全収録したDVDと、シングル盤のジャケットにカラー写真満載の
ブックレット(これがツアー・パンフだったのか)とバッヂが入った
セットでの販売という、こんなにサービスのいいバンドだったっけ?と
ニヤニヤしながら楽しむ人も多いだろう。

ただ、DVDはリージョン・コードは問題ないのだがPAL仕様である。
パソコンで見るには問題ないが、普通のDVDデッキで見ると画面に
線が入るような感じ(PALを見たことがある方にはどんな感じかすぐわかる
でしょう)なので、そこのところは各人で折り合いをつけることが必要。

痩せたピーター・ペレットの立ち姿と声を確認するだけでも価値がある
のは言うまでもない。マイク・ケリーの的確なドラムスもいいし、
くわえ煙草でポーズをつけるジョン・ペリーも絵になる男だ。
オンリー・ワンズのHPでも販売しているのですぐに入手困難になることは
ないと思うが、バッヂやブックレットが添付された状態でいつまでも
販売しているとは思えないので、またしても最後はいつもの通り・・・である。
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