HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

HATFIELD AND THE NORTH / AFTERS

2011-01-31 20:11:22 | ROCK

数年前のCD化の際に発売が予定されていながら、流れてしまって残念な思いをした方も
多かったであろう、ハットフィールド&ザ・ノースの「AFTERS」が遂にCD化された。
それも世界初CD化である。

グループの歴史を紐解くと、複雑なメンバーチェンジや交流関係があるのは、この手のバンドの
常だが、レコードを残したメンバー構成になってからの歴史は短く73年1月から75年6月の間の
僅か2年半しか活動していなく残したアルバムも2枚のみ。「AFTERS」は80年に出された
編集盤で、シングルやライブ音源を含むということで貴重なレコードだった。
CDの時代になってシングルはボーナス・トラックになるし、BBCライブは2種も出るしで
有り難いことこの上なかったが、それでも「AFTERS」を待ち望んだファンは多かったと思う。

ジャケットの表裏の色合いやデザインが、なんとなく当時(80年)のニュー・ウェーブと呼応するような
ポップなデザインであるのも気に入っていたし、フロント・ジャケの写真が、05年に来日した際の
パンフレットに使われているのを見て、益々この盤を手元に置きたい気持ちが強くなったものだ。
アルバムの約半分が1STと「THE ROTTER'S CLUB」からの曲。1STからは冒頭の4曲が
選ばれているのだが、この流れを分断するわけにはいかなかったのは当然だと思った反面、
「THE ROTTER'S CLUB」収録曲はメドレーを活かした場面もあれば、思わぬところに
配された曲もあって、これはこれで面白いと思ったり。
レアな曲が少ないという向きもあろうが、ファンなら手元に置いておきたい1枚だ。

ところで、来日公演はCD発売を前提に録音されていたと思うのだけど、どうなったのだろう。
今年の夏になればピプ・パイルが亡くなって、5年目の夏ということになるのだなぁ・・・。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

迷宮の出口無し

2011-01-30 21:06:41 | ROCK



こういうアルバムが再発されると、忘れかけていた「興味の断片」が、記憶の奥底から
鎌首を擡げるからやっかいだ。(笑)

この2つのアルバムのことを知ったのは、「ラビリンスー英国フォーク・ロックの迷宮」という
本だった。同じページに掲載された「ITHACA(イサカ)」と「AGINCOURT」は割と早いうちに
CD化されたので、入手して聴いていたのだが、掲載写真の2枚はなかなかCD化されず
しかも両者ともプライベート・プレスなので、「CD化されなくても不思議じゃない」なんて
思っているうちに、ここ数年は英国フォークよりもレゲエやソウルのほうに重心が移った生活だった
こともあって、すっかり記憶から消えていたのだ。
大体「AGINCOURT」は何て読むのが正しいのか未だに知らない。「アジャンクール」と
ラビリンス本には表記されていたが、「エジンコート」と読むのが通りがいいようでもある。

その「ITHECA」と「AGINCOURT」の中心人物であるピーター・ハウエルとジョン・フェルディナンドが
先のバンド結成前に作製したのが掲載写真の2枚。左が69年作の「ALICE THROUGH THE
LOOKING GLASS」。ルイス・キャロルの同名の児童文学を題材にした舞台演劇用のサントラとして
制作したもので、夢見心地にさせるオルガンやフルートに鳥の鳴き声等のS.E.が効果的に使われ、
1曲1曲を抜き出すと、それほどでもないが通して聴くと、それなりの多幸感で満たされる。

右は翌70年に発表された(制作は69年)「TOMORROW COME SOMEDAY」。これも
前作と同じように、同名のコメディー映画のサントラとして作成された。ほとんど雰囲気は
同じような感じで、演奏が上手いとか図抜けて良い曲があるとかいうのではなく、
アルバムに封じ込まれた英国の片田舎の空気を感じた気にさせる、そんな気分に乗っかった人のために
存在する。有り難いことに、なんと今回のCD化に際し映画のDVDも添付されていて、このアルバムを
楽しむための一助になるよう配慮されている。もっとも字幕があるわけでもなく、私なんかは
ここでも雰囲気を楽しむに留まっているが。(笑)ちなみにDVDはリージョン・フリーのNTSC仕様で、
画質は御世辞にも良いとは言えないけれど。

英国フォークやサイケデリック・ロックのファンは、入手可能な内に手を打つことをお勧めする。
ああ、またこっち方面に火が点くとやっかいだなぁ。(笑)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

MR. MOJO RISIN

2011-01-29 11:17:12 | ROCK

ドアーズというバンドは、思索を巡らせば巡らすほど深みに填り、思い入れを
込めれば込めるほど、仕掛けられた罠に嵌る。16歳の時に朝のFMから流れてきた
「水晶の舟」を初めて聴いた時から30年近く経った今でもそれは変わらない。

オリバー・ストーンが監督した91年の映画「THE DOORS」を現存する3人のメンバーは
気にいらないという。私にしては珍しく映画館まで見に行ったのだが、「まあ、あんなもんだろう」と
いうのが見た後の気分だった。バル・キルマーも可愛らしいメグ・ライアンも、それぞれ
ジムとパメラに雰囲気が似ていたし、別に題材がドアーズでなくとも伝説の多いバンドを
演じて映画を撮るという条件では、できる限りのことをしていたと思う。
ジョニー・キャッシュやジェリー・リー・ルイスを題材にするより叩かれやすいだろうし、
「ドリーム・ガールズ」や「キャデラック・レコード」のようなわけにもいかないだろうということは
了解した方がいいかもしれない。
エスカレーターの中でジムとニコが映画で描かれたように絡んでいたかどうかは知らないが、
ドアーズにまつわる有名なエピソードはわかりやすく網羅されていた。ただ、その個々事柄の演出が
大袈裟だったと言われれば、そのとおりだが。

トム・ディチロ監督、ジョニー・ディップのナレーションで綴る映画「WHEN YOU'RE STRANGE」は
当時の映像のみで構成された、ドアーズ公認ドキュメンタリーということでDVDを見るのが
楽しみだったのだが、85分の尺が短く感じられるほどの期待通りの優れたドキュメンタリーだった。
数々の伝説に彩られたバンドとヴォーカリストの短い歴史を、淡々と過剰な演出も無く紐解くのが
好感が持てた。

思うにジム・モリスンは単なる快楽主義者だったのだ。詩作に没頭するのも、酒を飲んだり
セックスをするのと同等に全てが自分が気持ちよくなるためだったのである。
ただ、一般人より詩作の能力が優れ、それが評価されたため社会に向けて放たれたことが
ジムに幸福と不幸をほぼ同時進行でもたらしたのだ。そして何よりの不幸はジム自身が質以上に
過剰に「量」を求める人だったということなのかもしれない。

日本盤DVDにはドアーズ研究の第一人者である、野沢収氏の解説があって映画を見る上で
非常に役に立つ。例えばあのマイアミ事件を扱うシーンは、スチール写真と映像で構成され
「映像があるのか」と驚いたのだが、スチールは当日の物で当日の映像は無く、別の日の映像が
使われている、ということが書かれてある。

それにしても、コンサートの警備をするのが主催者に雇われたバイトとかじゃなく、本物の警官が
それもかなりの数で警備にあたるというのが、ドアーズのおかれた危うさを如実に表わしている。
エンターティナーという以前に扇動者と目されたジム・モリスンとドアーズのスリルを、一度は
目に焼き付けておくべきだろう。まあ、今の時代でも「本当のことなんか言えない」のは
変わりないけれど。



掲載写真は相方が89年にジムの墓参りに行った時の写真。銅像はもう無かった。
それにしても何故に墓石が動かされているのだろう・・・・。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

生まれた時から王様だった

2011-01-26 21:48:25 | ROCK

やっぱり買ってしまった。いや、別にファンというわけじゃないんですよ、と
意味不明な言い訳を・・・。(笑)

掲載写真はジンジャー・ベイカーズ・エアフォースが、ドイツのTV番組「BEAT CLUB」の
収録のために演奏した映像を収録したDVD「LIVE 1970」。
「BEAT CLUB」用に収録したものの放送されなかった映像が沢山あるということは
昨年来CSで繰り返し放送されているジェフ・ベック・グループや、DVDになったロリー・
ギャラガー、ブートレグで見ることが出来るMC5といった例を出すまでも無く
周知の事実。エアフォースの映像だと、グラハム・ボンドの曲である「12 GATES OF
THE CITY」が放送され、日本でもVHSやLDで発売された際に収録された。

今回のDVDは全6曲51分が収録されている。それにしても1曲目「EARLY IN THE MORNING /
SUNSHINE OF YOUR LOVE」からして22分弱の尺なのだ。
これを一体どうやって放送しろというのだ。(笑)

それでも見どころは沢山ある。フロントの二人の女性ボーカリストは特別個性的な声を
しているわけではないが、個性的な胸なのは間違いない。3曲目あたりからは、御御足も
披露してくれるし。いや、そんなことじゃなくてグラハム・ボンドがサックスとオルガンを曲によって
使い分けて熱演するところは英国ロック・ファンにはたまらないだろう。
一座の中心は勿論ベイカーさんで、相変わらず半開きの口にニヤけた顔で、ドコドコと
タムをまわしバスドラを踏む。私見ではあるが、本当にこの人は上手いのかどうか
未だに疑問だ。個性的なのは間違いないし、あまりに自己中心的すぎて笑いを誘うところは
並みのドラマーでないのは理解できるのだが。ただ私がギタリスト(でも何でもいいが)なら
絶対一緒にやりたくないタイプのドラマーなのも間違いない。(笑)

冗談はさておき、エアフォースの活動期間は1年ちょっと(アルバムは2枚)と極めて短い。
そんなバンドの映像をたっぷり見ることができるというだけで感謝しなければならないだろう。
いや、それ以上にエアフォースと自身のソロを含めると1970年に都合4枚のアルバムを出した
グラハム・ボンドの「働きマン」ぶりを再確認するいい機会にもなった。

ベイカーさんのファンの方は是非手元に置いてほしいDVD。
リージョン・フリーのNTSC仕様なので安心してどうそ。

もう一度書く。
私はジンジャー・ベイカーさんのファンではない。(笑)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

YOU CAN DO A LOT WITH 100 WOMEN - 62

2011-01-24 21:23:02 | 日本のロック・ポップス

CSで「セクシーボイスアンドロボ」が一挙に全話再放送されたので、ハードディスクに録画して
順に見ている。実は松山ケンイチという俳優の得体の知れないところが好きなのだ。
このドラマは地上波では2007年に放送されたのだが、全11話中、第7話が当時起きたある事件を
想起させると言う事で未放送に終わった。DVDを買う金が無いので再放送を待っていたというわけである。
散々な視聴率だったドラマなのだが、今見ると当時感じなかったことに気がいく。
例えば、村川絵梨は地味ながら可愛らしいとか。(笑)いやいや、そんなことではなくて、
ドラマ中、印象的に鳴るトランペットがマイルスのフレーズみたいだな、とか。

今見ても意外なのは浅丘ルリ子が、シリアスさと軽さを絶妙にブレンドした演技をしていることか。
いつもの白塗りで濃いシャドウをひいた浅丘ルリ子の化粧は、なんとなく怖い感じがするのだが、
このドラマでは、失礼ながらそれさえコミカルな演出かと思わせるくらい、妙な明るさを感じさせてくれるのが
私に「意外」と思わせる訳である。

掲載写真は浅丘が69年にリリースした「浅丘ルリ子のすべて心の裏窓」。これがCDになった時は
収録曲の「シャム猫を抱いて」が大きくクローズ・アップされていたように記憶する。そんなに騒がれる曲なら
一度聴いてみたいと思ったのも事実だが、それよりもこのCDは完全にジャケ買いだった。
ちょっと顎を突き出した小生意気な表情の写真を細かく並べた横尾忠則の意図は何だったのか、
そればかりが気になったのは可笑しいか?。(笑)

アルバムを通して聴くと、私のような門外漢には正直つらい側面もあるのだが、「シャム猫を抱いて」
1曲のために所持してもいいか、紙ジャケは貼りつけられたピンナップも再現しているしという気分に
なったのも事実。いやいや、「シャム猫を抱いて」もいいが、「別れましょう」のミュートしたトランペットの
クールな感じもいいし、GSの末期を感じさせるようなエレキ・ギターととリズムが面白い「女がひとり」も
良い。

何度も聴くようなことは無いのだが、一人の時にそっと取りだしたいアルバムである。

ああ、「銭ゲバ」も再放送してくれないかなぁ。(笑)

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

GRAHAM PARKER / THE BOOTLEG BOX

2011-01-23 11:09:45 | ROCK

熱心なグラハム・パーカーの聴き手かと問われれば、残念ながら心許ない返事を
せざるを得ない。1ST「HOWLIN' WIND」から85年の「STEADY NERVES」くらいまでは
それなりに聴いたのだが、以降は気まぐれに聴いてきたので、どんなアルバムが出たのかも
詳しくない。一番熱心に聴いたのは2枚目の「HEAT TREATMENT」なのは間違いないが。

初期作はニック・ロウのプロデュースが続くし、曲や歌唱にはボブ・ディランを彷彿させる瞬間も
あるのだが、アルバムを出すにつれて特に我が国では聴き手が少なくなっていったのは
エリオット・マーフィー(もうすぐ新作が出る!)のようであり、それならば私のような爺が
聴き続けなければと思ったり・・・。

掲載写真は昨年リリースされた6枚組の「THE BOOTLEG BOX」。もともと、パーカーのHPで
単体で発売されていたCDがまとめられて一般の流通経路にのったものだ。
ここに収録された6枚のうちの2枚は今でもHPで購入が可能だが、残る4枚はHP上では
CDの販売が終了しておりMP3かFLACでの購入しかできないので、私のような買い逃した者には
嬉しい箱物というわけである。値段が3000円ちょっとというのも嬉しい。

ザッパやディランのブートレグ・シリーズに触発されたということがHPに記されてあったのだが
実際のところ、音がいいブツばかりではない。大方のファンが一番聴きたいであろう、75年の
ルーモアを率いてのライブは、まさに一昔前のブートレグの音なのだが、こういった音源を
アーティストが自身の作品として世に出すことが「当たり前」となったことを喜んで享受できる
時代になったのだなぁ。



この2枚は今やこのボックスでしかCDでの入手は不可能だ。HPでは両方ともここに収録していない
曲をFLACで購入できるという事実もあるが。(笑)ボックス収録の6枚とも具体的な収録年月日や
場所が記載されていないのが不満だが、掲載写真左は01年から02年のツアーの音源を集めた物で
掲載写真右は04年のツアー音源で構成されている。どちらも面白いカバーが収録されていて
左の盤ではラモーンズの「SHEENA IS A PUNK ROCKER」が、右の盤ではグレイトフル・デッドの
「SUGAREE」のカバーを聴くことが出来る。そういえば、パーカーにはザ・フーの「恋のピンチ・ヒッター」の
カバーもあったな。

6枚を通して聴くとグラハム・パーカーは、デビュー以降全くブレのないアーティストだということを
改めて痛感した。それ以上のことは・・・・。

DON'T ASK ME QUESTIONS.(笑)

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

EUROPE 72 の全貌

2011-01-22 18:56:48 | ROCK

2008年1月の当ブログで「グレイトフル・デッドの数あるライブ盤の中で一番好きなのは
『EUROPE 72』だ。」と書いた。その思いは今も同じで、相変わらず常用している。

そして、ここにきてデッドのHPで、素晴らしくも怖ろしいアナウンスがあった。
なんと4月7日のウェンブリーから5月26日のライシアムまでの全22公演を、60枚を
超えるCDに70時間以上詰め込んだボックスのリリースを予定しているというではないか。

72年欧州ツアーの音源は「EUROPE 72」以外にも「ROCKIN' THE RHEIN WITH THE
GRATEFUL DEAD」や「STEPPIN' OUT WITH THE GRATEFUL DEAD ENGLAND'72」、
といった盤で聴くことができた。当然それらと重複する音源が含まれるだろうが、そんなことは
今回のアナウンスの前では全く問題にならない。あのツアーの音源を日別にコンプリートで
聴くことができるなんて、夢のようじゃないか。

しかしながら、今回のリリースには但し書きがある。
製作費が嵩むので4月1日までに3000件のオーダーが入らないと、制作しないというのだ。
お値段は$450也。決して安くは無いのだが、全世界のデッド・ヘッズはオーダーするのだろうか。
わざわざデッドのHPに但し書きが掲載されるくらいなので、そんなに簡単に集まる数では
ないのだろう。実際、ザ・フーの2006年の北米ツアー20公演分のCDとDVDを収録したボックスは
$500という値段のためか、はたまた2006年という年代のせいか、限定150部がまだ完売
していない。しかしながら、くどいようだが1972年のグレイトフル・デッドなのだ。
ここは、なんとしてもボックス・セットのリリースを実現してもらいたいのだ。

日本からオーダーすると送料がいくらになるかはまだ未定だが、おそらく$50近くかかるだろうし、
関税がかけられるのも間違いないだろう。それでも私はオーダーするつもりだ。
とりあえず、名前とメール・アドレスだけは送信した。返信には「次の指示を待て」とある。

天国の扉は目の前だ・・・・。

追記: 送料は$85、発送は9月とのこと。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

これが本当の甘い罠?

2011-01-21 21:18:45 | ROCK

掲載写真はチープ・トリックの96年のシングル。A面に「I WANT YOU TO WANT ME(ALTERNATE
VERSION)を、B面に「WAITIN' FOR THE MAN / HEROIN (LIVE)」を収録している。
商売っ気の無いジャケットは、それもそのはずのプロモ盤で、ジャケットには曲目の記載すらない。
一瞬ブートレグか?と思ったが、レーベルにはしっかりと「epic」「LEGASY」の文字とロゴがある。
どうやら、96年に出た4枚組ベスト盤「SEX AMERICA CHEAP TRICK」のプロモーションの
為のレコードのようだ。

で、私はこのレコードを、全てを了解した上で購入したのではない。
ジャケットに記載されたⒸ1996という表記を見て、「スティーヴ・アルヴィニのプロデュースで
『IN COLOR』を全曲再録音したのは96年だっけ?」と中途半端に間違った事を思い起こし、尚かつ
アルヴィニ制作の「I WANT YOU TO WANT ME」が大好きなので、「もうこれは
それに違いない、アルバムは世に出なかったがプロモ用の7インチは存在したんだ。」と
勝手に決めつけ体中にアドレナリンが漲る思いで購入したのだった。

ああ・・・。
これが本当の甘い罠。(笑)

アルヴィニのプロデュースで『IN COLOR』を再録音したのは98年だった・・・。
それよりも、B面のV.U.カバーで、これらの音源をどこから持ってきたかを察するべきだったのだ。
もっとも私はこの7インチを気にっているのであるが。(笑)

それでもやっぱり、アルヴィニ制作の「I WANT YOU TO WANT ME」を7インチで聴きたい。
カップリングは「CLOCK STRIKES TEN」がいいな。
どこかに男気溢れるブートレガーはいないのか?。(笑)
いや、本当はオフィシャルで再録『IN COLOR』がリリースされて、先の2曲を7インチにしてくれたら
最高なのだけど。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クリス・スペディングかく語りき・・・(嘘)

2011-01-20 20:04:37 | ROCK

フランク・ザッパの何が凄いって言うと、何でも歌にしちゃうとこなんじゃないかな。
基本はエロなんだろうけど、権力批判や宗教批判といった硬派なところもある。
だけど一番凄いのは、誰も歌わないようなくだらない題材を歌ってしまうところなんだな。
俺の知る限り、デンタル・フロスを育てる男の歌なんてザッパしか歌っていないと思う。
で、俺はと言えばこんなジャケットでシングル盤を出したのさ。
近所に引っ越してきた女の子にいいとこ見せようとニヒルにキメたつもりだったんだけど。
まあ、笑いのセンスというのは必要だわな。(笑)

えっ、実に格好悪いって?。じゃ、これでどうだ。


「NEW GIRL IN THE NEIGHBURHOOD」のジャケットになった元写真と、「JUMP IN MY
CAR」のジャケット撮影時の別写真が、05年に出たベスト盤CDのブックレットに掲載されて
いるから、そっちも見て俺の男前を確認してくれ。じゃあな。

注)クリス・スペディングさんは只の一言もこんな発言をしていない事を明記しておきます。(笑)

掲載写真左のシングルのA面は「SILVER BULLET」なのに、何故かB面の「WILD WILD
WOMEN」が大きくジャケットに書かれている。まあ、B面のタイトルのほうが、この写真に
合っているような気がするのではあるが。
格好つけてジャケを並べたがU.K.盤は1枚もありません。(笑)

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

不乱苦雑派の5枚

2011-01-19 20:35:57 | ROCK

昨年のキャプテン・ビーフハートの訃報を知って以来、ビーフハートがザッパのライブに
参加した75年の音源を集中して聴き続けたのだが、そこから当然のようにザッパの
オフィシャル盤やライブ音源を怒涛のように聴き込む生活になだれ込んでしまった。
多分この1か月の間、毎日少なくとも1枚から2枚の盤を聴いたし、カーステのカセットも
全てザッパ。数年おきに訪れる「マイ・ザッパ・ブーム」なので、それ自体は別段不思議でも
何でもない。

そんな中、絶妙のタイミングでザッパとビーフハートのディスク・ガイドがレコード・コレクターズの
増刊号として発売された。「今更ディスコグラフィー本を買っても・・・」と思いもしたが
今回は全ページがカラーだし、あの中途半端な扱いの「BEAT  THE BOOT」は全アルバムが
しっかり掲載されているし尚且つ、つい先日出たばかりの「HAMMERSMITH ODEON」まで
取り上げられているのは凄いというわけで購入に至った。監修者が一人で全てのレコード評を
書いているので、個人の嗜好が滲み出るのは仕方ないのだが、これからザッパを聴こうという
人は、そこら辺は了解して読んだほうがいいところもある。ネットで検索すれば様々な事がすぐに
わかる世の中だが、こういった紙媒体はいざという時、ネット検索より便利で使い勝手がいいので
手元に置いておくと便利だ。

というわけで今回は私の好きなザッパのアルバムを5枚掲載してみよう。
今回の縛りはザッパが生前にリリースしたアルバムということで。



「SHEIK YERBOUTI」79年
ジャケット、面子、演奏の3拍子揃ったずばり名盤。このアルバムこそ私を奥の細道へと誘った
張本人。このアルバムをフェイバリットに挙げる人は多いだろう。演奏の多くは78年1月のハマースミス公演に
手を加えたものだが、まさか昨年になってハマースミス公演が差し替えやオーバーダブ無しでリリースされるとは・・・。
エイドリアン・ブリューはこの後すぐにボウイ様にスカウトされることになる。
それにしても「アメリカの夢」を体現するのがホモ野郎じゃ困るだろう・・・。(笑)
そんな曲がシングル・カットされるのもザッパらしい。



左「ZOOT ALLURES」76年
「虚飾の魅惑」という邦題が懐かしい。一般的には評価が難しい盤というイメージがあるのはジャケットに写っている
メンバーがアルバムの録音メンバーと大きく違うからか?。日本公演からのライブ・テイク『BLACK NAPKIN』や、
ビーフハートのために用意された曲をザッパが歌う『THE TORTURE NEVERSTOPS』が収録されていることで支持は
それほど低くないと思うが。個人的にはオープニングの『WIND UP WORKIN' IN  A GAS STATION』とラストの
『DISCO BOY』のポップさに惹かれる。前者は発売当時の邦題は『ガソリン・スタンド退社』だったが後に
『ガソリン・スタンドなんて辞めちまいな』に変更される。後者の邦題『恐怖のディスコ・ボーイ』は今もって意味不明。

右「FREAK OUT !」66年
何を今更のデビュー盤。ドゥーワップの要素を感じさせる至って普通の1枚目と、ノイジーで奇天烈な2枚目の
落差にクラクラするが、どっちがいいとか凄いとかいうわけでなく、どちらもザッパ。いくらザッパが生前に承認した
ステレオ・マスターが現行CDと言っても、あのCDは今ひとつのような気がする。06年に出た「THE MOFO
PROJECT」でのオリジナル・ステレオ・ミックスの方が凄みがあるし、それよりも更にモノラルの方が強烈な
ガレージ・バンド然とした音で驚いた。



左「ONE SIZE FITS ALL」75年
邦題は「万物同サイズの法則」。選出盤の5枚を見てザッパに詳しい方は「なんだ、単純なヤツばかりじゃないか。」
と思うだろうが、実にその通りで私はザッパのスケベでポップなところが大好きなのだ。トーンは美しいのだが
長尺のギター・ソロは時にトゥー・マッチだと思っているし。この盤でも『CAN'T AFFORD NO SHOES』の
馬鹿馬鹿しさに笑い、インストの『SOFA NO.1』歌詞付きの『SOFA NO.2』の美しさに惹かれる。
I am your secret smut & lost metal money down your cracksなんて歌詞を美しいメロディーに
忍び込ませることがロックなのだ。

右「OVER-NITE SENSATION」73年
邦題は「興奮の一夜」。最初にCD化された時は次作の「APOSTROPHE」と2IN1だったのが嫌だったのだが
今は収録時間こそ短いものの、ちゃんと単独作品として流通している。このアルバムを好きなのは短い尺の
ポップスが揃ったという理由に加え、あの映画「BABY SNAKES」の影響が大きいことは間違いない。収録曲の
『DINAH-MOE HUMM』と『CAMARILLO BRILLO』が続けてしかもアップ・テンポで演奏されるのは個人的に
この映画のハイライトの一つであるのだから。それにしても『DINAH-MOE HUMM』の歌詞を馬鹿馬鹿しいと
思いながら、「俺もそのシチュエーションなら燃えるぜ」と妄想に浸りながら夜が更けるのであった。(笑)

昔のミュージック・ライフのレコード評を集めた本を20年ちょっと前に読んだことがあるが、アルバムそのものに
ほとんど触れず「難解」だの「変人」だのと書いているだけで、これではレコードの楽しさがちっとも伝わらないと
思ったことを思い出した。「FREAK OUT !」はともかく、ここに挙げた70年代のアルバムを、当時のメディアが
もっとまともに紹介していれば、ちっとはロックの裾野も拡がったと思うのだけどなぁ。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

YOU CAN DO A LOT WITH 100 WOMEN - 61

2011-01-17 20:38:03 | DAY BY DAY

90年代初めに登場した「幻の名盤解放歌集」の数々には大いに楽しませてもらったのだが
中でもインパクトが強かったのがコロムビア編に収録され、そのCDのサブ・タイトルにもなった
「スナッキーで踊ろう」だった。物凄く不気味なエコーとこぶしの利いた歌唱に、間の抜けた歌詞、
結構強烈なエレキのリフ・・・。後に7インチが再発されるほどの人気だったのだが、そのジャケットの
間抜けな感じがどうにも良くて(笑)、つい私も買ってしまった。
ジャケットをまじまじと見るうちに、ジャケット真中に写っている主役よりもバックで踊っている
3人の女の子に目が行くのは当然と言えば当然で。曲中でコーラスもつける、この3人の中に
小山ルミの名前があるのだが、私が小山ルミを意識したのはその時が初めてである。

一度名前を覚えると、いろいろと引っかかってくるもので、ダイナマイツの演奏シーンだけが
目当てでビデオをコピーした映画「ケメコの唄」で名前をみつけたり。
まあ、そこで終わればよかったのだが、07年に3枚のアルバムがCD化されその中の1枚に
「ベンチャーズ・ヒットを歌う!」というのがあって、なんとなくそれが聴きたくなって
ついでに同時発売の2枚も買ってしまった。(笑)

ビートルズ・カバー集も、古いロックン・ロール・カバーを集めた盤も個人的には大して
面白くなかったのだが、このベンチャーズ・カバー集は気に入っている。
渚ゆう子のヒット曲「京都の恋」」「京都慕情」、欧陽菲菲のヒット曲「雨の御堂筋」を
一挙に聴くことが出来る上に、オリジナルは男女の歌唱だったが、小山一人で役をわけて
歌い分けるでもなく勢いで突っ走る「二人の銀座」の出来に胸躍る私がいる。(笑)

ベンチャーズのレパートリーの中でも特に有名な「十番街の殺人」や「急がば廻れ」にもなんだか
凄い歌詞がついて、それをほとんど歌謡曲のアレンジで歌うというのは、文字に起こしてみると
聴く前から「え~っ?」ってなものだが今聴くとなんとなく笑って楽しめるから不思議だ。
特に「急がば廻れ」の出来が秀逸で1番と2番を繋ぐブリッジと曲全体を支えるベースのラインが
格好良いし、小山の幾分強めの(笑)吐息というサービスもある。

まあ、20年前の私なら、一笑に付してゴミ箱行きだったろうが、守備範囲が拡がると
ここらあたりまではO.K.ということになる。もちろん聴く時は一人の時に限るが・・・。(笑)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

TEENAGE WASTELAND

2011-01-16 20:11:57 | DAY BY DAY

何故かセンター試験の日には、関東でも雪が降るような印象があるのだが、それは単に雪が降って
試験の時間を繰り下げただの、交通機関に乱れが出ただの、いちいちニュースで報道されるので
「またか。」と想うだけで、実際は毎年雪が降っているわけでは無い。

忘れもしない1984年1月31日、私は最初の大学受験のために四国から本州へ渡った。
夜の8時過ぎに船に乗り、翌朝5時に神戸に着くのだが、着いてびっくりで
どこもかしこも雪で真白なのだ。そこから受験校の近くに予約したホテルまで行くのだが
降り続ける雪で目当てにするはずの標識や表示がさっぱり見つからないし、電車の乗り換えが
うまくできないしで、散々だった。ホテルに着く頃には服も靴もぐちゃぐちゃに濡れて
それだけで気が滅入った。何とか靴を乾かしたが、翌日も雪は残っているわけで試験会場に
到着する頃にはまた靴が気持ち悪い状態になり、寒さのせいもあって最後の科目の頃には
全く集中できなくなり、何と退出可能時間になるとさっさと帰ってしまったのだ。

なんとか四国は高松に戻ったものの今度は雪で列車が動かない。夜中の零時をまわり完全に復旧しない
ことが確定した時点で、愛媛に帰るサラリーマンが「今から愛媛まで行くけど相乗りしていくか。」と
声をかけてくれ、私を含む4人でタクシーに乗った。私以外の3人は社会人で私に「運賃は3人で
折半するから君は気にしなくていいよ。」と言ってくれた。私は財布の中に1万程あったので
「出せるところまで出します。」と言ったのだが、「しまっとけ。」と言われ好意に甘えることにした。
3人にお礼を言ったのだが、何を調子にのったのかタクシーの運転手が私に「学生さん、良かったな。
この人達がいなかったら、家に帰れなかったな。」と言ったのが気に障って何か言おうとしたのだが
横に座っていた人に制されたので大人しくしていた。多分「黙って運転してろよ。誰から金を
貰ってもお前にとってはかわらないくせに、偉そうに言うな。家に帰れないなら、どう夜明かしするかの
すべを知らないと思っているのか。」と言いたかったのだと回想する。(笑)
途中の国道で降り、そこから30分ほど歩いて家に辿り着いたのは深夜3時頃であった。

2度目に本州に渡ったのはその4日後。相変わらず雪は残っていた。今度は京都駅近くののホテルに
友人と5日ほど相部屋で泊って試験を3つ受けたのだが、日が経つにつれて緊張感が薄れていくのが
自分でわかるのが嫌だった。それでもどれか一校くらい受かってくれないと困るわけで
そんな中「もし京都の学校が受からなければ、もう京都に来ることもないかもしれない。何か今回の
記念になるものを買おう。」と変なところに気がいって何故か京都駅地下のレコード屋に入る。
何を買うか目的があったわけではないが、何気につまみあげたアルバムが「WHO'S NEXT」だった。

雪こそ降っていないものの、どこか寒々しいジャケットがその時の気分にぴったりだったのと、正月に貰った
お年玉で買った2枚組の「THE KIDS ARE ALRIGHT」のサントラの中で特に気になった「WON'T GET
FOOLED AGAIN」と「BABA O'REILEY」が収録されていると言うことで、このレコードを買った。
当時の私の心の中には緊張と弛緩の波が短い周期で交互にきたのだが、家に戻ってこのアルバムを
聴いているうちに、もう試験が終わっていて手ごたえがあったかどうかも把握していないのに
「必ず次のドアが開く」と根拠のない確信が強くなっていくのを感じた。このアルバムは、それくらい
前に進むことに対してポジティブな気分にさせてくれる。それは今でも変わらない。

ザ・フーは、いや70年のピート・タウンゼンドは、聴衆とバンドが共に成長することを頭に描いていたが
それを具現化するための「LIFE  HOUSE」は、理念こそ崇高でも誇大妄想と言われかねない現実の中で
頓挫してしまう。その後始末のように出来た「WHO'S NEXT」に当初の理念こそないものの、
バンドにとって最高の作品となった。そしてこのアルバムこそが私にとってロックの指針となった。
ロックの指針ということは、言いかえれば生きて行く上での指針である。
これに関してはストーンズもツェッペリンもお呼びでは無い。少なくとも私には。

「WHO'S NEXT」を紐解く「クラシック・アルバム・シリーズ」のDVDの中でピートはいみじくもこう発言する。
「俺たちは『MY GENERATION』で不満を述べたものの、具体的に何も解決しなかった世代だ。」
ピートの苦闘の歴史を知っている上で、当事者からこう言われると複雑な気持ちになるが
こういう発言ができるミュージシャンは日本にはいない。自分の世代を肯定するのは構わないが、次世代に
残したつけを知らんぷりして、過去の栄光と繁栄にしがみついて自慢話と昔話に余念のない、なんとかの
世代なんてのは、私には興味が無い。

上からこきおろされ、下から突き上げられるのが今の私の年代だろう。叩きつぶすにしろ、汲みあげるにしろ
簡単に事は運ばない。しかし、「WHO'S NEXT」を聴いたことが無いヤツに簡単に負けるわけにはいかない。
なにせ、心の中の「十代の荒れ地」には今も風が吹いているのだから。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ハードに生きろ

2011-01-15 21:33:24 | DAY BY DAY

この時期は、センター試験が行われることがニュースになるが、私が学生の頃は共通一次と
いうものがあった。もっとも国立大学を受けても受からないのは明白だったので、私は
共通一次は受けなかったのだが。

いやいや、国立大学どころか、高校三年の夏休み前の三者面談で、担任は面と向かって
こう言ったのだ。「どこの大学も受かりませんよ。ここに3つほど希望大学を書いているが
もし、この中の一つでも合格したら逆立ちして校庭を周ってもいいくらいだ。」
母親は赤面し終始うつむいているし、当の本人はといえば先日初めてラジオで聴いた
ザ・フーの『ピンボールの魔術師』のメロディーを脳内で反復させてその場をやり過ごそうとしていた。

確かに成績は悪かったが、「どこにも行けないよ」なんて言われるとは思ってなかったし、
それよりも何よりもテレビドラマに出てくる先生のような例えで、「もしも受かったら」と
言われたのが気に入らなかった。元々理数系は得意でなかったので文系の私立に志望校を
絞り、夏休みに入るやいなや勉強を始めた。2学期以降卒業までにある定期試験はあと3回。
「数学2つと物理で3回とも赤点をとっても構うものか、とりあえず志望校の一つに入って
あの野郎を逆立ちで校庭を周らせてやる」と、密かに心に決めたのは言うまでも無い。

だいたい、私は小・中・高の12年間、皆勤なのだ。遅刻も早退も無いのだ。一度、高2の時に校内で
賭け麻雀をやっていた現場を押さえられ謹慎を覚悟したが、一発殴られただけで終わった。
もっともあの時はクラスの男子16人中、ギャラリーを含めて12人が現場にいたので、一度に12人を
謹慎させるのを担任が躊躇したというのが本当のところかもしれない。
とにかく「6・3・3と毎日学校に行って、そのザマかよ。」と言われるのだけは避けたかったのだ。

高校に入ったものの、そのほとんどの時間を勉強以外に費やした(笑)ために、例え3科目と
いっても、ずっとそれなりに勉強してきた人には、なかなか追いつかないもので「正味な話、俺は
大学に行けるのかな。」という感じで自信は全くなかった。それでも、大して裕福な家庭でもないので
無駄に家計を苦しめたくないという思いと、時間を無駄にしたくないという思いがあったのも事実。
ずっと音楽は流しっぱなしだったが、今振り返ってもあれほど熱心に何かをやったというのは
あの時が一番だろう。

この時期は試験絡みのニュースを見ていろいろと思う事がある。
非道い物言いだが、例えそれがどんなアクシデントだったにしろ試験を受けられなかったというのは
そういう運命なのかもしれない、とか。それは私の人生に置き換えてもそうだろう。同じようなレベルの人間が
沢山いれば、そこで競争が生まれ様々な形で淘汰が起こる。自分の意思が介在しない場面で
勝負がついたとしても、それは私がそこには不要な人間だったということかもしれないし。
実際、東京に受験に行った時にはアクシデントに見舞われ、試験を受けることができなかった。
まあ、そこが受かるなら初めから苦労はしてないのだが。(笑)
積み重ねたことが全て報われるという保証がないのが人生というものだ。

数学や物理が苦手だったが、「何でこんなことをやらなければいけないのか。」と思ったことはなかった。
普通に生活するには、特に何の役に立つのかわからない公式や数式の数々を眺め、文字通りそれは
ながめるだけで頭には入らなかったのだが、「ここで様々な解き方や考え方を組みあわせて問題を
解くということは、実生活で難題に遭遇した時に複雑に頭を働かせなければいけない、ということと
同義なんだろうな。」と、自分を納得させていただけの話だが、「それじゃあ身を入れて勉強しろ」と
言われかねないので、誰にも言わずに黙々と赤点を積み上げていったのだけど。(笑)

キンクスが75年に発表したアルバム「SCHOOLBOYS IN DISGRACE(不良少年のメロディー~
愛の鞭への傾向と対策)」の中に『THE HARD WAY(ハードに生きろ)』という曲がある。
当時のライブでは校長先生のマスクを被ったレイ・デイヴィスが歌うこの曲には、こんな一節がある。

When you're only fit to sweep the streets, your intellect is such
That it requires a killer's touch.
もし、道路を掃除することしかできないのなら、お前たちに要求される知識はつまらないもので終わってしまうぞ。

確かにその通りだろう。
このレコードを初めて聴いたのは20歳の時で、もし16歳くらいの時に出会っていれば
もう少し真面目に勉強したかもしれないな、なんて都合よく振りかえってみたり。(笑)

大学にはなんとか合格した。不思議なことに合格すると担任に「あの時の軽口を覚えているか。」と
問う気は無くなっていた。予定通り、高校生活最後の試験の数学は赤点で、試験問題と模範解答を
書き写したレポートを提出することで大団円に終わった。(笑)
終わりのない計算法の代わりに、自分が何者なのかを教えてくれる先生に出会わなかったことを
残念だったとは思わないさ。
まあ、そんなものはロックを聴きだしてから、勝手にわかってしまったことだけど。(笑)

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

門外漢が楽しむジャズ

2011-01-14 21:29:07 | JAZZ

いい加減ジャズというカテゴリーを設けても良さそうな気もするが、それでは
私の気が済まない。小心者ではあるが、これでも自称一本気なロックンローラーなのだ。(笑)
そんな私がジャズを云々するには、まだまだ青いのだが、まあそれを隠れ蓑にして適当なことを
書いてしまおうという安易な考えが根底にあることは白状してもいいだろう。

キャノンボール・アダレイという名前から最初に浮かぶのは「枯葉」である。「枯葉」を収録したアルバムは
ジャズの初心者向けというか入門盤のように扱われる『SOMETHIN' ELSE』(BLUE NOTE 1595)なのだが、
そのジャケットが頭に浮かんでいるのに、下手をするとアルバムのタイトルも「枯葉」と言いかねないほど
冒頭に置かれたその曲の印象が強い。しかも一番強烈に印象に残るのはマイルスが吹くメイン・テーマで
続くキャノンボールのソロより印象に残るのが性質が悪い。最も『SOMETHIN' ELSE』は
名前を貸しただけの実質はマイルスのアルバムという捉え方もされているので、美味しいところを
マイルスが持っていったとしても不思議ではない。

掲載写真は72年のアルバム「SOUL OF THE BIBLE」。門外漢を言い訳にするわけではないが、
これも不思議なアルバムだ。キャノンボール・アダレイ・プレゼンツと書かれていて、演奏がナット・アダレイ・
セクステットとクレジットされている。そんなものだから、キャノンボール名義で取り上げられたり
ナット名義で取り上げられたりで、少々困惑する。(おいおい、レゲエではそんなのしょっちゅうだよ、という
突っ込みは無しね。)

このアルバムが面白いのだ。72年という時代を反映してジャズからニュー・ソウルへの回答とでも
いうべき演奏がこれでもかと詰まっている2枚組の大作である。ナレーションは入るし、女性コーラスは
ゴスペルのようだし、キーボードの音色やパーカッションがファンク色を強く打ち出しているしで、
私はほとんど、ソウルやファンクを聴くのと同じような感覚で楽しんでいる。
様々な要素を詰め込んだ結果、当時のマイルスやサンタナ、ギル・スコット・ヘロンといったところが目指したところと
同じような地点に着地したアルバムなので、ロック者も十分に楽しむことができるというわけだ。

プロデュースはキャノンボールとデヴィッド・アクセルロッド。なるほどね。アルバム全体を貫くトーンは
デヴィッド・アクセルロッドが持ち込んだと言われれば、なんとなく解かる気がする。
そういえば、彼がプロデュースした盤を取り上げるのは当ブログでは、これが3枚目なのだが、
まだ本人のアルバムは取り上げていないのであった・・・。(笑)

で、他にキャノンボールのアルバムは何を聴いたかと言うと、ボサノヴァだったりするので今後の課題は
キャノンボールがメインのストレートなジャズの盤を聴くことである。(笑)

追記

2012年5月5日、「JAZZ」のカテゴリーを設けました。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サディスティック・ミカ・バンド / サイクリング・ブギ

2011-01-13 21:09:58 | THIS SONG

サディスティック・ミカ・バンドのアルバムで一番好きなのは1STだ。グラム・ロックの香りが
最も濃厚であるというのが、好きな理由なのは言うまでもない。後のアルバムと比べると
それほど凝った曲はないし、これみよがしにテクニカルな曲もないのだが、人工的に無理やり
ゴージャス感を出したようなトラックに、加藤和彦の少々脱力したボーカルが載ると、もうこれは
いやでもT.レックスを想起するわけである。各曲のギター・ソロは整然としているのが
マーク・ボランと違うのだが、あんなものは完コピしても誰にも誉められないのだから(笑)。

そして、ミカ・バンドの中で一番好きな曲が「サイクリング・ブギ」だ。この曲を録音時の
メンバーは加藤和彦、ミカ、つのだ★ひろ、の3人である。これを録音した当時は「バンド」というより
加藤の趣味の延長で、今でいうところの「ユニット」のような発想だったと思われる。
バンドの名前も容易にプラスチック・オノ・バンドを想起させ、私生活のパートナーであるミカを
仲間に入れて録音してみたという感じだったのだろう。
ミカ・バンドがバンドとして正式に結成されるのは、その3カ月後でそこで高中や小原が加わり、
すぐにつのだが抜け、幸宏が参加する。(高中はフライド・エッグ繋がりで、最初期の録音から
参加していたと思われるが)

簡単なスリー・コードで、尚且つ72年だというのに早くも手垢のついたようなリフの繰り返しの曲だが、
それをボーカルを含めてここまで魅力的なアレンジで聴かせるというのは、加藤のセンス以外の何物
でもない。作詞はつのだで、飄々と小粋な歌詞が曲にバッチリはまったのも良かった。
初めてこの曲を聴いたのは、実は94年に出た「パーフェクト!」というボックス・セットであった。
『シングルを含む、全オリジナル・アルバムを収録』という売り文句に釣られたせいでもないが、
確かにシングルのみの「ハイ・ベイビー」が収録されていたので、この箱があれば94年までの
全録音は網羅できると勝手に思っていた。

ところが後でディスコグラフィーの類を調べると「サイクリング・ブギ」のB面曲「オーロラ・ガール」が、
「パーフェクト!」に収録されていないことを知り、このシングル盤を探したという間抜けな話が
付いてくる。ベスト盤なんて買う気は更々無かったので気付くのが遅かったが、何のことは無い、
88年に出たベスト盤CDを買えば事足りたのだけど。(笑)

掲載写真のジャケットを見ると、B面曲の表記が無く「?」という表示があるのが笑える。
で、「オーロラ・ガール」なのだが、これがまた、T.レックス・ファンがニンマリすること間違いなしの
ミディアム・テンポの曲で、曲中に入るコーラスを聴くだけで幸福な気分になる。
何れにせよ、両面とも楽しめるという意味で愛着のあるシングル盤なのだった。

それでは、「LET'S GO DOUGHNUT !!」。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする