HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

追憶のブートレグ61・ACT8 / PINK FLOYD

2008-05-14 23:22:45 | ROCK
ピンク・フロイドのブートレグはかなりの枚数を聴いた。もっとも、正確に
言うと音源のコピーをもらったというのが正しいのだけど。
コンセプト・アルバムをつくり、あるいはその構想を練りながらライブを
数多くこなしたバンドなので年代ごとに興味深いライブが多いし、
ツアーが進行するにつれて曲が練れていくのが如実にわかるのも面白い。
「THE MAN & THE JOURNEY」というコンセプトでのライブを捉えた
69年9月17日や「アランのサイケデリック・ブレックファスト」を披露した
70年12月22日の演奏は私のお気に入りである。

掲載写真は74年11月19日の演奏を収録した盤でタイトルは「BRITISH
WINTER TOUR 74」。当時まだ新曲であった3曲を収録して話題になった盤で
A面の2曲は後に「アニマルズ」にB面全てを費やした曲は「炎」に
それぞれ収録される。「狂気」の大ヒット後のツアーであるためバンドの
プレッシャーは相当なものだったろうし、次作への試行錯誤の最中であった
中で、この新曲のみを収録したブートレグは大いに売れ、それがまた更なる
プレッシャーをバンドにかけたというのだから、ファンの期待と裏腹に
罪作りなブートレグである。
当時にしては珍しくカラー・ジャケで裏ジャケには歌詞まで印刷されて
いるのだから、リアル・タイムで手にした人の驚きと喜びと言うのは
大きかったことは想像に難しくない。

不思議なのは新曲を披露したコンサートの第1部はこうしてブートレグに
なったものの、「狂気」全曲と「エコーズ」を演奏した第2部が30年近く
世に出なかったことである。今ではこの日の演奏は全て聴くことが出来るが
どうせなら掲載写真と同じジャケットで出してくれたらなあと思ったものだ。

フロイドのブートレグを集めて自分でも意外だったのが「アニマルズ」
発表後の77年の演奏がけっこう良くて結果として「アニマルズ」を見直す
ことになったことだ。犬、豚、羊・・・。何も考えず産まれてから
死ぬまでシステムにのっかっている凡人を羊に例えているが、当時と今で
変わっていることといったら豚が増えていることだろう。本質は凡人なのに
自分が本来遂行すべき事柄を忘れているにもかかわらず、どこで覚えたか
つまらない知識の断片を振りかざし、権利ばかり主張する豚・・・。
罪を犯しても被害者に勝る権利を主張する人間と、それを仕事とはいえ
擁護する人間が目立つ今の裁判の進め方なんか見ていると、世の中豚だらけ
だと思ってしまうのは私だけではあるまい。

じゃあ、お前は何なのかと問われると困ってしまう。3択なら犬と呼ばれて
結構。羊ほど愚鈍ではないし豚は願い下げだ。本来は狼になりたいのだけど
そんなに勇ましくはないし。(笑)
自戒を込めて「アニマルズ」を今日も聴く・・・。

コメント
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