HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

ゴールデン・デリシャス×紅玉=ジョナゴールド、あるいは津軽

2010-10-31 13:35:44 | DAY BY DAY
アップル・レーベルの諸作品がCD化され、話題になったのが91年。あれから20年弱の年月が経ち、
再びリマスターされてCD化されるということであるが、前回のCD化の際に収録されたボーナス・トラックとは
別のボーナス・トラックが収録されているのが、腹立たしくも商売上手なところ。
「せめてバッドフィンガーは聴いておきたい」と思ったのだが、単体で買うのが面倒くさいということもあって
17枚組の「APPLE RECORDS BOX SET」を輸入盤で予約した。
とっくに入荷しているのに、同時注文したブツの発売が来年の1月に伸びたために、HMVからの発送が
遅くなりそうなのだが、ここは気長に待つしかない。聴かなきゃならないブツは山ほどあるし。

91年の「アップル祭り」(笑)の時は掲載写真のような4曲入り7インチがリリースされました。
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グラニースミス・アップル

2010-10-31 13:35:23 | DAY BY DAY
そして、変形ジャケットに収まった、同じく4曲入りCDも市場に出回りました。
何となく可愛らしい感じです。

11月26日はブラック・フライデーと呼ばれ、またまたレコード・ストア・デイ絡みのブツが
出回るのだが、その中に「10 GREEN APPLES」というタイトルのCDがある。
「APPLE RECORD BOX SET」を買っても聴くことのできない曲が収録されているのだが
何だかな~。Tシャツ付きという装丁も気に入らない。

気の利いた7インチでも出してくれたらいいのに。
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BLACK FRIDAY

2010-10-31 13:35:03 | DAY BY DAY

まあ「10 GREEN APPLES」はともかく、いろいろと予約しました。
ディランとボス、トム・ペティの7インチにジミ・ヘンドリックスの10インチ。
ジミの「LITTLE DRUMMER BOY」のCDはamazonで普通に予約を受け付けているので
ジャケットに惹かれてそっちも予約。「LITTLE DRUMMER BOY」と言えば、ボウイ様とビング・クロスビーの
デュエットも7インチで再発されるようだ。

掲載写真はレコード・ストア・デイとは何の関係も無い7インチ。
「LITTLE WING」探さなきゃ。

高まる~。(笑)

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GERRY GOFFIN / IT AIN'T ENTERTAINMENT DEMO & OTHER SESSIONS

2010-10-30 21:32:20 | ROCK
ジェリー・ゴフィンのアルバム「IT AIN'T EXACTLY ENTERTAINMENT」(掲載写真右)が日本でCD化されたのが
2001年。あのゴフィン=キングのジェリー・ゴフィンが、73年にボブ・ディランの影響を受けた作風で
スワンプ・ロックのアルバムを作ったという、それだけの情報しか知らなかったのだが、私には購買意欲を
掻き立てるのに十分だった。2枚組というボリュームと、当時のSSWのアルバムの雰囲気を
感じさせる手触りのジャケットに満足し、少々ラフでありながら暖かい雰囲気を感じさせる曲の数々に
のめりこんだものだ。

2001年の日本主導のCD化は、同時に世界初CD化であったが、今度は韓国主導でとんでもないブツが
CD化された。掲載写真左の「IT AIN'T ENTERTAINMENT DEMO & OTHER SESSIONS」がそれだ。
73年発表のアルバムに収録された3曲のデモというか別テイクと、同時期のセッションでアルバム未収録の
8曲が収録されている。オリジナル・アルバムのリア・ジャケットの写真を流用し、文字の色合いやフォント、
ジャケット写真の構成を似せて作られた今回のジャケットは実にいい雰囲気を出している。

完全に初登場音源というわけでは無く、元々は簡素なジャケットがつけられたアセテート盤が存在し、
11曲中6曲目までがA面に収録されていた。当時、未発表に終わった8曲の出来だが、オリジナル・アルバムに
収録された楽曲と全く遜色なく、やむなく落としたという感じだ。アルバムが売れれば『次のストック』にも
成りえたのだろうが、ポップス・ファンが求めるものと当時のゴフィンが追及したものが懸け離れていたためか
アルバムは売れず、次のアルバムが出たのは96年であった。

73年のアルバムを聴いて、まずハッとしたのは『IT'S NOT THE SPOTLIGHT』だった。聴き覚えがあると
思ったのは、ロッド・スチュワートの「ATLANTIC CROSSING」で聴いていたからだが、「こんな渋い曲を
とりあげていたのか」と改めてロッドを見直すことにもなった。話は脱線するが、「大西洋を渡ってからの
ロッドはどうも・・・」という方も多いだろうが、「ATLANTIC CROSSING」のB面の選曲のセンスは
今思えばアメリカとイギリスの両方を見据えてのもので、実に冴えていたと思う。
サザーランド・ブラザーズは勿論、クレイジー・ホースのオリジナル・バージョンを聴く度にそう思ったものだが
ジェリー・ゴフィンもか・・・と思ったものだ。

今回の「DEMO & OTHER SESSIONS」には『IT'S NOT THE SPOTLIGHT』も収録されているので、聴き比べるのも
一興。クレジットは無いものの女性ボーカルがリードをとる『BABY,I'M AFRAID YOU LOST IT』で聴ける声は
キャロル・キングとのこと。年末恒例の「HARRY'S ROCK AND ROLL VILLAGE認定ロック大賞」(笑)では
発掘部門にエントリーすべきか、過去にアセテート盤があるのでストレート・リイシュー部門にエントリーすべきか
阿呆なことで頭を悩ませている。

実に素晴らしい。

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WYATT/ATZMON/STEPHEN /・・・FOR THE GHOSTS WITHIN'

2010-10-29 20:56:14 | ROCK
聴かず嫌い、或いは根拠の無い先入観。何と言われても構わないのだが、『ジャズのスタンダード』という
だけで、「ああ、なんとなく、いいです。」という気分になるのが常だ。
この場合の「いいです。」は「良いです。」ではなく「結構です。」という意味だ。
この場合の「結構です。」は「良いです。」ではなく「NO THANK YOU」という意味だ。
読んでいて、くどいでしょ。(笑)つまり、それくらい気に入らないのである。

特に、どんなジャンルでもいいのだが、かつて時代と対峙し激烈な音を出したり、ミュージシャンとして
歴史にも記憶にも残るアルバムや曲をつくった人が、『ジャズのスタンダード』を小奇麗なアレンジで
演奏しても大抵の場合、聴く気になれない。聴けば「良いな」と思う瞬間もあるのかもしれないが、
聴くという行為に到達する前に萎えてしまうのだ。

ところが。掲載写真のアルバムは「小奇麗なアレンジでジャズのスタンダードを大人が楽しめるように
演奏しました。」なんていう低次元のものとは一線を画す、素晴らしいアルバムだ。
掲載写真はロバート・ワイアットがサックス奏者のギルアド・アツモン、ヴァイオリニストのロス・ステファンとの
連名で出した新作「・・・FOR THE GHOSTS WITHIN'」。オリジナルやワイアットの過去作のカバーに
混じってスタンダードというにはあまりにも有名な、多くの曲がカバーされている。

ワイアットの周辺で、弦と管が優しく艶やかに、時に冒険的に音を紡ぐ様は、ジャズだのロックだのという
ジャンル分けを拒絶する。そして皆がよく知る、あの声。これらが一体になったとき、この音楽は
現代の時間の流れを軽く飛び越えてしまう。時代とリンクする音で無く、だからといって過去にすがりつく様な
音でも無い。例え題材をスタンダードに求めたとしても、ここで聴ける「音」はオリジナルだ。
なんで、このアルバムを買おうと思ったのか明確でないのだが、1日も早く出会えて良かったと思っている。

マイルスのファンは「ROUND MIDNIGHT」のアレンジに、彼らの尊敬の念を感じるかもしれないし、
ロック・ファンは単純にワイアットの声の美しい枯れ方に年月を感じるかもしれない。
何れにしろ、最終曲「WHAT A WONDERFUL WORLD」が終わる頃には多幸感で満たされるはずだ。
私はDVD付きの輸入盤を買った。収録時間が短いドキュメンタリーであるが、ワイアットの歌入れを含む
レコーディング風景もある。それに、ワイアットが食器を洗う姿も見ることが出来る。(笑)
ロバート・ワイアットの日常や近況を確認できるという意味合いにおいて、こういうDVDが添付されて
いるというのは熱心なファンには嬉しいだろう。値段は少々高いが、ここはDVD付きをお勧めする。
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ABC OF THE BLUES

2010-10-27 22:17:44 | ROCK

なんとも凄い箱だ。本日到着してまだ1枚しか聴いていないのだが、掲載写真は「ABC OF THE BLUES」と
題された52枚組CDボックス。10インチ・サイズの箱にジャケットと同一デザインの薄っぺらい紙ジャケが
52枚、おまけにホーナーのハーモニカまでついている。驚くべきはその価格でHMVだとマルチ・バイを
使って4477円で購入できる。昔の音源の使用であることと、おそらくはホーナーがスポンサー的な存在に
なっていてこの価格が実現できたのではないだろうか。ブルーズに興味を持ってハーピストになりたいと
思う人が増えればホーナーの商売が拡がるのだから。なにせギターと違ってハーモニカはキーを変えるわけには
いかないから、何本も買う必要ができるというわけで。

下種な想像はさておき、まさにこの箱はブルーズの洪水だ。楽曲が録音された年代のクレジットが無いのが
不親切だが、この箱で興味を持って各アーティストのアルバムを揃えていけば自ずと解かってくることだ。
年代別やジャンル別でなく、アーティスト毎の編集なのが良い。ほとんどのCDが1時間弱の収録時間内に
2組のアーティストを収録しているが、ライトニン・ホプキンスやハウリン・ウルフといった超大物は
1枚全てを使って収録されている。ただ、代表曲が全て収録されているかと言うとなんとなく物足りない
選曲の人もいて、まあライトニンやマディはオリジナル・アルバムを買えということだ。
ロバート・ジョンスンもCD1枚を占める栄誉を与えられていて、別テイクを除いて生前に残した
29曲中20曲が収録されている。53分29秒で20曲、あと9曲が何とかならないところが
渋い。(笑)渋いと言えば、1枚のCDにソニー・ボーイ・ウイリアムスンⅠとⅡがほぼ10曲ずつ
収録されているのが実に渋い。聴き比べに便利なのだ。

そんなことよりも収録アーティストが100を超えることに着目すべきだろう。
ブルーズの特集を組まれても必ずと言っていいほど軽視されるスクリーミン・ジェイ・ホーキンスは勿論、
ワイノニー・ハリス、スリム・ゲイラード、ゲイトマウス・ブラウンといったところも集めているところが
素晴らしいし、更に広義で解釈しボ・ディドリーやプロフェッサー・ロングヘア、ヒューイ・スミスもたっぷりで、
これは本当に楽しい。フレッド・マクダエルが収録されていないのが謎なのだが、そんなことが
気になるのは私が単なるストーンズ・ファンだからだろう。

いつになったら打者一巡できるか不安だが(笑)なるべく早いうちに一周りしよう。
「THE ULTIMTE COLLECTION FROM THE DELTA TO THE BIG CITIES」というコピーに偽りなし、見つけ次第
捕獲することをお勧めする。
あっ、私はハーモニカは見て楽しむだけにしておきます。

レゲエでこんなの出ないかなあ。(笑)

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追悼 グレゴリー・アイザックス

2010-10-26 20:26:09 | REGGAE
クール・ルーラーの異名をとるグレゴリー・アイザックスが肺がんのために亡くなった。
享年59歳。自身の歌唱に絶対の自信を持ち、「バックや流行に左右されない。俺には全てを引っ張っていく
だけの強いシンギング・スタイルがある」と言い切った男。
若かりし頃はドレッシーでクールな佇まいが強面な感じで、実に格好が良かった。
映画「ロッカーズ」で主人公のホースマウスが叩くドラムを背に、黒のハットと揃いの色の蝶ネクタイに、
タキシードで颯爽とステージに登場し、「SLAVE MASTER」を歌うシーンを思い出して欲しい。

一般的には82年の「NIGHT NURSE」のヒットで広く名前が知られているところだが、ここはグレゴリーの
称号とも言える78年の「COOL RULER」で彼を偲ぶことにしよう。
「冷静な人」という意味と「威厳をもって他者を支配できる人」の意味がある『クール・ルーラー』。
このアルバムはスライ&ロビー、チナ、ビンギー・バニーにトミー・マクック、アンセル・コリンズら
錚々たるメンバーに加えてヘプトーンズをコーラスに迎え、しかもプロデュースは自身という外面も中身も
全て揃ったアルバムだと思う。

ああ、やっぱり続けて「NIGHT NURSE」も聴こう。キーボードの音色が80年代であることを如実に物語るが、
ルーツ・ラディックスをバックに歌うグレゴリーの歌唱は、極めてスマートだ。
ジャマイカ屈指の伊達男の冥福を、謹んで祈りたい。
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REGRETTABLE FEELING

2010-10-24 18:55:35 | ROCK
74年のキンクスがBBCに残した録音は、かなり早い段階でブートレグCDになった。
まだ正式にRCA時代のCD化さえされていないというのに、プリザベーション期のライブを聴くことが
できたというわけだ。

最初に登場したCDは80年代の終わり頃だったろうか「KAUGHT LIVE IN KONCERT,LONDON 1974」と題された
ブツで、レーベルが「CHAPTER ONE」ということで大して期待もしなかったが、時期が時期だけに聴くことが出来た
驚きの方が大きかった。ただ、音がちょっとこもっていたのとジャケット写真の印刷が粗いのが難点だった。
90年には「LOLA」と題されたCD(掲載写真右)が出た。レーベルが「PYLAMID」とこれまた
大した期待不要のレーベルで、尚且つ時代を反映していないジャケットなので萎えること甚だしいのだが
前述のCDより音が良くなっていることを期待して購入。板落としだが思ったよりすっきりした録音で
音のこもりが無い。よって先のCDはお役御免となり放出した。

定番音源というものが、何度も手を変え品を変えリリースされるのはブートレグの常で99年には
「HERE COMES THE GROOVE」と題されたCDが登場。(掲載写真左)ジャケット写真もいい感じで本来なら
このCDが74年BBCの決定版になって欲しかったのだが、何をどう間違ったのか「DAYLIGHT」が
収録されていない。これは痛すぎる。というわけで、完璧な音質と時代の合ったジャケットで74年のBBCを
楽しむことができるブートレグというのは、まだ無いということになる。
なんとなく残念な感じだが、それがブートレグというものだ。

ただ、キンクス・ファンは必聴の音源であることに微塵の揺らぎも無いし、英国音楽マニアから見れば
バック・コーラスにクレア・ハミルが参加していて、彼女の歌声をふんだんに聴くことが出来るという
お楽しみもある。

最後に。以前も書いて、くどい話になるが紙ジャケ買ったからといって、91年にRHINOから初CD化された際の
2枚組CD「PRESERVATION」は売りとばさないように。
何故かって?。「ACT1」を聴けば解かるさ。(笑)

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THE KINKS / PRESERVATION IN PROVIDENCE

2010-10-23 20:17:07 | ROCK
有名なテーパーの音源がCDになると騒がれるものだが、流石にキンクスともなると、しかも
それが黄金期のプリザベーション時代となると(笑)本当の好き者しか反応しないのではと心配に
なる。まあ、そもそもブートレグとはそういう人の為に存在するものだから静かに流通するのがよろしかろう。

掲載写真は74年11月14日のライブを3枚のCDRに収録したブートレグ。前半にヒット曲を
ぶちかまし、後半は80分に渡って「プリザベーション」の世界を展開する。
コーラスやブラス担当のメンバーが多数参加してのステージは、アルバムの再現にピッタリで
レイ自身も歌にナレーションに大活躍。だいたい、「プリザベーション第2幕」のアナウンスメントの前に
鳴り響くトランペットの音が、このCDRから聞こえてきて胸がときめかないヤツがいたら、
そいつはキンクス・ファンじゃないね。

音質はオーディエンス録音としては最高峰といえる高音質で、2時間強に渡ってコンサートを楽しむことが
できる。アンダー・グラウンドでのテープはともかく私が知る限り74年のライブがブートレグCDになったのは
BBC物を除けば初めてである。それだけでも貴重な一品だ。ただコンサートをオープニングから捉えているか
どうかは疑問が残る。このブートレグは「HERE COMES YET ANOTHER DAY」(ブートレグは曲名を誤表記)から
始まるのだが、74年のライブのオープニングは「VICTORIA」で、この日に限って演奏していないという
ことは考えにくい。私が所持する「11/24/74 Palace Theatre, Albany, New York」のテープも、しっかり
「VICTORIA」から始まる。ディスク3の曲目表記も疑問があるが、そんなことを差し引いても
全てのキンクス・ファンは聴く価値のある1枚と言える。

74年は「プリザベーション」のツアーであったが、同年7月には既にテレビ放送用に「石鹸歌劇」を
収録(同年9月放送)している。74年12月までプリザベーション・ツアーを続け、75年3月に
「石鹸歌劇」を発表し4月にはツアーにでかけるキンクス。メンバーはさぞかし疲れ果てただろう。
恐るべきは、レイモンド・ダグラス・デイヴィスというわけだ。

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SYL JOHNSON / COMPLETE MYTHOLOGY

2010-10-22 21:32:39 | SOUL
シル・ジョンスンといえば、一般的にはHIレーベルに残されたレコードが有名だが、
それ以前の盤も人気が高い。2008年2月に当ブログに掲載した「ソウル/ファンク100選」で
私が選んだ盤はTWINIGHTレーベルに残された「CHICAGO TWINIGHT SOUL」。といってもこれは
シルの1ST「DRESSES TO SHORT」のジャケットを流用し、シングル曲も収録したベスト盤仕様なのだけど。
HI入社以前のシルのアルバムは他には1枚しかないが、ソウル・マンにはよくある話でシングル盤は
山のように残されている。

そんなシルのHI以前の音源をCD4枚プラスLP6枚に収録したボックスが登場した。
オリジナル・アルバムの2枚はストレートに再現され、その他の曲はうまい具合に配分されて
今回のボックス・オリジナル・スリーブでのLP化となった。最初にこのボックスのインフォメーションを
見た時、知らないタイトルのLPが4枚もあって驚いたのだが、実にいい仕事というわけである。
アルバムのジャケットが素晴らしいので、こんなオリジナル盤があっても不思議でないと思わせるのがいい。
レーベルが様々なアーティストの録音を集めてコンピレーションを出すのもいいが、
アーティストの仕事の集大成として、複数のレーベルに残された音源がアーティストの名前の下に
集められるというのは、素晴らしい。

CD4枚とアルバム6枚の収録曲数は同じだが、曲の並びは違う。オリジナルの2枚のLPの
曲順は最優先されているが、その他は収録時間等の関係があるので並びが違ってもそれは大した問題では無い。
気分によってCDとLPで存分に楽しめる贅沢というのを味わうべきだろう。
特筆すべきは、その価格でCD4枚とLP6枚に豪華なブックレットが入ったボックス仕様で
6800円で手に入ったのだから。発売は少し遅れるようだがamazonだと、もう少し安く買うことができる。

少しでも気になる方は、早急に押さえておくべきブツであるのは間違いない。

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追悼 アリ・アップ

2010-10-21 21:39:35 | ROCK
スリッツというバンド名を初めて知ったのは何かの本であったが、バンド名は女性器を指すなんていう
注釈もあった。その時は「何だか凄いな。俺なら恥ずかしくてこのレコードは買えないかも。そうそう、
セックス・ピストルズのレコードはどうやって買ったらいいだろう。」なんて可愛らしいことを思ったものだ。
学生服でも平気でエロ本を買っていたという厚かましさをすっかり端に追いやっての物言いだが。(笑)
学生服の高校生がエロ本を買うことに大人が何の注意も無いのはおかしいかもしれないが、それはさておき
本屋にはそういうコーナーがあるのだが、街のレコード屋にはそんなコーナーは無いし、馴染みのレコ屋の
おばちゃんに変な目で見られたら嫌だとか、間抜けな想像ばかりが拡がったものだ。

しかしながら、スリットと言う言葉は単に「裂け目」を表わし、スリット・スカートなんて言葉に
繋がると、もはや最初に覚えた抵抗感は無くなった。もっと的確な英語を幾つも知ったというのもあるが。(笑)
パティ・スミスのライブを見に行った後にアリ・アップとパルモリヴがバンドを結成したというエピソードが
美しい。バンドの名前はメンバーが女性であることを、より強く印象づけたがそれと同時に
76年という時代と音楽界の閉塞感に対する挑戦、あるいは抵抗といった意味合いの方に肩入れすべきだろう。

死因は不明だがアリ・アップが48歳の若さで亡くなった。なんだか凄く若くて驚くのだが
スリッツの結成時は14歳、デビュー・アルバム「CUT」をリリースした時が17歳だったという事実こそ
驚くべきことだったのだ。掲載写真は78年1月26日のライブを収録した「LIVE AT THE GIBUS CLUB」。
翌年のデビュー盤で聴ける音響的な面白さは期待すべくもないが、荒々しく小生意気で、勢いに溢れた
このライブ盤も今となっては貴重な記録だ。

R.I.P.
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物々しくも箱入りのMONO

2010-10-20 19:52:00 | ROCK
ボブ・ディランの初期のアルバム8枚のモノラル盤がCD化され、しかもバラ売りはなくボックスでの
限定発売だというアナウンスがあった時、「なんだか、去年も同じような事があったなぁ。」と思いながら
なんとなく欲しいモードに。ディランのモノラルのアナログ盤は迫力があって良いという話を聞いていたのと
かつて、ザ・フーの「SELL OUT」やV.U.の1ST、マザーズの「FREAK OUT」のモノ盤を聴いて感動した
記憶も蘇ってきて購入を決意。
「おいおい、なんでビートルズを例えに出さない・・?。感動したんでしょ?。」
という突っ込みは、堪えてつかぁさい。(笑)

日本盤のモノ・ボックスと「ブートレグ・シリーズVOL.9」を買えば未発表CDが貰えるという、美味しい餌も
捲かれたが、両者とも輸入盤で手をうった。日本盤との価格差は私が予約した時点でおよそ11000円。
紙ジャケの出来に何の興味もないし、これから年末に向かって怒涛のリリースに備えなければならないし、
「ウィットマーク・デモ」はブートレグで買ったが大して聴いていないしと、様々な理由をつけて今回は
これで良しとした。もし未発表ライブCDが気になったら、そこはまた別に手を打ちましょう。
eBayで100ドル付けるなら、付けて見やがれ。それでも今回の価格差以内なのだから。

ブツが到着して、さて何から聴こうかと迷う。ビートルズの時は完全に発売順に聴いたのだが、今回は
何となく、弾き語りよりバンドの音の方が効果が解かりやすいのではと思い、「HIGHWAY 61 REVISITED」から聴く。
ああ、なるほど。大体わかりましたよ。
続いて「BLONDE ON BLONDE」。私はこのアルバムをCDでしか所持していないので今回のように2枚組に
わけてもらえるとLPの雰囲気に少しでも近づけるのでそっちの方に気がいってしまった。
「あれ、『我が道を行く』が、なかなか始まらないな。おっと、『女の如く』で1枚目が終わるのか。」
まるで阿呆である。で、聴き終えて、なるほど、大体わかりましたよ。

こらこら、ちゃんと聴き比べろよという話なのだが、本当のお楽しみはこれから。
ロック・サウンドのガツンとくる音もいいが、シンプルで音数の少ないレコードのほうに発見があったりで
この先もずっと楽しめそうなのは間違いないだろう。
ちなみに「THE FREWHEELIN'」のフロント・ジャケの左下には「GUARANTEED HIGH FIDELITY」の文字があり、
「BLONDE ON BLONDE」の中ジャケの写真はオリジナル仕様ではなかった。
「HIGHWAY 61 REVISITED」の04年に出た日本版紙ジャケはトータル・タイムが51:35で、今回のモノラル盤は
トータル・タイムが49:21。

なるほど、お楽しみはこれからだ。
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THE NEW CARS / IT'S ALIVE !

2010-10-18 19:00:16 | ROCK
この時期になると自動車保険の更新の案内が届く。もう何年も、お世話になっている所があるので
他社に乗り換える気は無いのと手続きがスムースなので、次回もそこで更新することになるだろう。

実は、今年初めてレッカー車で車を移動させた。信号待ちをしていたら急にストンとエンジンが落ちて
二度とかからなくなったのだ。セルは回るのでバッテリー切れでは無いし、カーステも聴くことが出来るのに
これはヤバい。しかも交差点の右折レーンで停まってしまった。幸い緩い下り坂で、左の車線にまだ
車が来ていなかったので、ゆっくり移動させ、またもラッキーなことに歩道のすぐ横が空き地だったので
そこで停車。そしてレッカー移動となった。土曜日の半日出勤だったことも幸いで、いつも行くメンテ屋まで
レッカー車に乗ってしかも高速を使って移動したのであった。(笑)

修理した2ヵ月後、またもや不具合が。夜、帰宅途中の約1時間の運転中にエンジンが5回も止まる
恐怖を想像して欲しい。信号に掴まりそうになったらギアをニュートラルにして何度もカラ噴かしをして
エンジンを繋いでいたのだが、それでも止まったり4速から2速に落としたらエンジンが走行中にも
止まるのは、なかなか不安なものだった。(笑)今は快調に走っているが、冬になったらどうなるだろう。
手間がかかるのだが、新車を買う気は無い。もとい新車を買う金は無い。例え今の車がオシャカになっても
同じ車を買ってしまうだろう。

2006年にカーズのメンバーとトッド・ラングレン(そしてカシム・サルトン)が合体し、ニュー・カーズを
名乗ってアルバムを出したのには、ひっくり返った。ベンジャミン・オールは亡くなり、リック・オケイセックが
参加を断ったらカーズは成り立たない筈だが、まさかの合体技が炸裂したのだ。しかしながら「カーズ」を
名乗るわけにもいかず、苦肉の策で「ニュー・カーズ」を名乗ったのだろうが「新車」とは図々しい。(笑)
掲載写真がその時のアルバム「IT'S ALIVE!」で15曲のライブと3曲のスタジオでの新録を収録している。
もともと、カーズはユートピアほどでは無いが、結構厚い音をつくっていたしギターもそれなりにハードな
場面もあるので、そこにトッドのボーカルが乗るのは、いざ聴いてみると何ら違和感が無かったから
怖ろしい。(笑)カーズのヒット曲をトッドのボーカルで聴けるなんて、バリエーションにも程があるとばかりに
楽しんだのは、私がカーズではなくトッド・ラングレンのファンだからだろう。

わずか3曲ながら新曲の出来も良かった。これなら「ニュー・カーズ」ではなく「トッド・ラングレン / ザ・カーズ」
として来日してくれたら結構な集客が見込めるのでは、なんて下種なことも考えてしまったのだが、遊びは終わりの
ようでトッドはまた自身のツアーに戻り、カーズはリック・オケイセックを加えたオリジナル・メンバーでの
再結成が噂されている。これなら「ユーズド・カー」ではなく「ザ・カーズ」を名乗れるだろう。

一過性の出来事として忘れ去られそうなアルバムだが、深く考えなければ楽しいアルバム。
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JACK BRUCE / ROPE LADDER TO THE MOON

2010-10-16 19:51:32 | ROCK
掲載写真はジャック・ブルースのDVD「ROPE LADDER TO THE MOON」。69年制作のドキュメンタリーで
監督は「クリーム解散コンサート」を撮ったトニー・パーマー。冒頭でしっかり、クリーム解散コンサートの
映像を使っている。(笑)ジャックが故郷のスコットランドの、山や海や街といった様々な所を訪れる
映像に自身のナレーションを被せ、出自や音楽感を語る内容で字幕は無い。
よって、私にはなかなか聴きとりの厳しい部分があるのだが(ハイ、大多数です)今から40年前のスコットランドの
景色に溶け込んだジャック・ブルースの映像というのは貴重な物で、単純に風景の美しさだけをとっても
私にとっては面白い映像だ。

水辺でアコースティック・ギターを弾くシーンでは、胸ポケットに突っ込んだキャメルの箱が良いアクセントに
なっている。街を歩くだけでなく、ジャックさんは様々なものに乗る。船に乗りセスナに乗り、そして馬に乗る。(笑)
勿論、ただブラブラしているだけではない。シタールを弾くシーンは何となく意外な組み合わせのような気がしたが
チェロとかも演奏できる人なので、好奇心旺盛というところか。サッカー場に行くシーンがあるのだが、
セルティックのユニフォームが今も昔も同じことに、ちょっとした感動を覚える。

さて、肝心の音楽を演奏するシーンなのだが、あくまでドキュメンタリーなので1曲を完奏するということを
期待すると肩透かしなのだが、それでも貴重なシーンはある。DVDのタイトルにもなった曲を収録した
1STアルバム「SONGS FOR A TAILOR」制作後の映像なので、アルバム録音時のメンバーでのBBCスタジオでの
演奏が数曲あり、中でもウッド・ベースを弾くジャックに、ジョン・ハイズマン、ディック・ヘクトール・スミスの
3人での演奏は完全にジャズと言ってもいいもので面白いのだが、このドキュメンタリーをリアル・タイムで見た
ロック・ファン、殊にクリームからの流れで聞き始めた人の中には驚いた人もいるだろう。

ニュー・ジャズ・オーケストラ繋がりのホーン・プレイヤーや、クリス・スペディングを交えての演奏は
映像が残っているだけで貴重なものだと思うが、カメラ・ワークが今ひとつで、バンド全体を捉えた映像は無く
演奏者を映すのも楽器や顔のアップばかりなのが残念だ。しかもバスト・アップですらなく、下手をすると
顎から上のアップなんて映像ばかりだと「風景の撮影は問題無いのに、何でバンドの演奏はまともに
撮影できないの」と突っ込みたくもなる。

このDVDはNTSC仕様でリージョン・フリーなので日本のデッキで普通に再生できる。字幕が無いことを我慢すれば
興味のある方には一見の価値がある映像である。ジャック・ブルースのHPでは当初、9月中にHP上に新しい
ストアーを作って、このDVDにジャックのサインを入れて販売することがアナウンスされていたが、今では
その箇所は削除されている。
ジャックの健康状態に問題が発生していなければいいのだけれど。
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JIMMY CLIFF / HARDER ROAD TO TRAVEL

2010-10-14 20:12:51 | REGGAE
ジミー・クリフという人は、どういう聴き方をされているのだろうと、ときどき考える。
長いキャリアを誇る割に、レゲエ好きの方々の支持を余り集めていると思えないのが、その理由。
レゲエというフィールドにいながら、ポピュラー・ミュージックという更に大きな枠内での
ヒットを放った人であり、余りにも有名人であることや、後に数々の大メジャー・レーベルと次々と契約した
こともあって、硬派なレゲエ・ファンはジミー・クリフを軽く見ているような気がしてならないのだ。
私もそんな一人であることを否定できないのだが、そろそろ考えを変える時期かもしれない。

ヒット曲や有名な持ち歌を持っている歌手というのは、何に強いかと言うとライブである。
レゲエの世界ではライブ盤は売れないことになっている(笑)のだが、ジミー・クリフの76年のライブ盤
「IN CONCERT THE BEST OF JIMMY CLIFF」はヒット曲満載の熱い演奏で、ジミーのスタジオ盤を
それほど聴いたわけではないが、「ジミー・クリフの盤で最初に買うべき盤は何か」と問われれば
間違いなく、件のライブ盤を挙げる。

長いキャリアを誇るジミーには、他の大物達に負けず劣らずの多数のベスト盤がある。大抵が適当な
ジャケットに適当な選曲で、購買意欲を掻き立てない物がほとんどだ。映画「THE HARDER THEY COME」での
二丁拳銃を構えた有名な写真をフロントやリア・ジャケットに使っていながら、名曲「THE HARDER THEY COME」を
収録していないベスト盤は、私の知る限り2種はある。(笑)シングル盤(ISLAND WP-6139)の
「THE HARDER THEY COME」はサントラに収録された2つのバージョンとは違うので、いずれ何かの
ベスト盤で手を打とうと思っていたものの、踏ん切りがつかず月日は流れ・・・・。

そんな中、時期を60年から72年という初期に限定しているものの、ジャケットと内容が伴った
最高の2枚組ベスト盤が出た。掲載写真のジャケットを見て欲しい。映画「THE HARDER THEY COME」や
そのサントラにヤられてレゲエの道に入った人には堪らないジャケットである。
思わず「買うてまうやろ~」と心の中で叫んだのは私だけではないだろう。(笑)
「THE HARDER THEY COME」のサントラの拡大版は、アーティストは関係があっても曲は直接関係無いという
選曲故に買うのを躊躇していたのだが、この新しいベスト盤は幾つかの問題を軽く解決する。

シングル盤の「THE HARDER THEY COME」は勿論、その元歌となった71年の「THE BIGGER THEY COME,
THEY HARDER THEY FALL」も、今回のベスト盤で聴くことができる。他にも有名な曲や重要な曲は
丁寧に集められて、おそらくこれ以上のベスト盤は編めないだろうという選曲だ。
バック・トラックも充実しているので、ジミー・クリフという不世出のシンガーの魅力に触れるには
最良のセットと言える。

男前なら、是非ともジャケ買いしていただきたい一品。
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