HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

MOTH POET HOTEL

2013-03-31 00:00:23 | 日本のロック・ポップス

日本のミュージシャン主体の数あるトリビュート盤の中で、個人的にもっとも「愛」を
感じるのが96年に出たモット・ザ・フープル・トリビュート「MOTH POET HOTEL」
である。後期メンバーだったモーガン・フィッシャーの肝いりプロジェクトなので
手を抜くヤツなんかいるわけないのだが、それを抜きにしても参加した皆が楽しそうに
歌い演奏し或いは独自の日本語詩を載せているのが面白い。

ミック・ロンスンの70年代の2枚のアルバムが最初に国内CD化された時に、思い入れ
たっぷりのコメントを寄せた吉井和哉の日本語詩が冴えるのが『HONALOOCHIE
BOOGIE』。語りの部分にも原曲とかけはなれた語りを入れるのだが、これが最高で
モットが持つ煌びやかなのに何だか寂しい感じがよく表れている。

「社会のルールよすいません いつかロックン・ロールで返します」
この一行だけで私は泣けてしまった、と遠い目になる。(笑)

このトリビュート盤に収録された曲中、『I WISH YOU WERE MOTHER』『THE
GOLDEN AGE OF ROCK AND ROLL』『BALLAD OF THE MOTT THE HOOPLE』が
日本語で歌われるのだが、中でも『BALLAD OF THE MOTT THE HOOPLE』が
カバーされたというのが個人的には驚きだった。バンドにとって余りにもパーソナルな
内容の歌詞だけに、この曲のカバーなんて有り得ないと思っていたのだ。しかし、
山口洋が日本語で歌うこの曲を聴くと、これもまたモット独特のウェットな感覚が
心の中に拡がり、「ああ、俺はモットのファンで良かったなぁ。」と思うのだ。

モーガン・フィッシャーのオリジナル『MOTH POET HOTEL』は高らかなモット賛歌。
メンバーの名前はもとより、プロデューサーのガイ・スティーヴンスの名前も歌いこまれる。
「ミック(ミック・ロンスン、93年逝去)は何処にいる?、ガイ(81年逝去)はどうした?」と
歌われるのが泣かせる。もっとも、私たちはここでモーガンが宣言したように、「親父は
77で死んだけど、俺は100までやるぜ」を実践すべきだろう。

えっ、何をやるのかって?。そりゃあ、『ALL THE YOUNG DUDES』を歌うことに
決まっている。

洋楽ファン(笑)の琴線を擽るのがブライアン・メイの演奏する『ALL THE WAY FROM
MEMPHIS』だろう。かつて自身が作ったクイーンの『NOW I'M HERE』にフープルの名前を
忍び込ませた男である。クレジットではドラムス(コージー・パウエル)とバック・コーラス以外は
全て自身の演奏となっている。念の入ったことに「語り」の部分でイアン・ハンターが参加しているの
のも聴き逃せない。

アルバムの最後にフランク・ザッパの映画「BABY SNAKES」の中でザッパが言った一言が
収録されているのが個人的には嬉しかった。これは『DISCO BOY』のリハーサル中に
テリー・ボッジオにザッパがいろいろと指示している場面の出来事で、ザッパはこう言った。

「モット・ザ・フープルばりの見せ場だぞ。」

ああ、誰か格好いい『ROLL AWAY THE STONE』のカバーをやってくれないかなぁ。(笑)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ALL THE WAY FROM MEMPHIS

2013-03-30 11:08:51 | ROCK

ボズ・スキャッグスの新譜「MEMPHIS」が素晴らしい。というか、私好み。(笑)
熱心なファンでもないので、ボズの新譜を発売前にオーダーするなんて所作は
初めてのことであったが、これは入手して正解の盤であった。

メンフィスのロイヤル・スタジオに赴いて、ソウルやロックの楽曲をカバーした盤で
アルバムの冒頭と最後に自身のオリジナルを配するという構成。
プロデューサーは、今回のレコーディングにおけるベーシック・バンドのドラマーでもある
スティーブ・ジョーダン。一聴してスティーブのドラムだとわかるタムまわし(笑)を随所で
聴くことができる。

カバー一発目は『SO GOOD TO BE HERE』。アルバムを聴きながら不覚にもこれの
オリジナルが誰かを思い出せなくて、漠然と「アル・グリーンっぽいな。」なんて思いながら
調べると、アル・グリーンの曲であった。(笑)ボズがアル・グリーンの歌唱を丁寧に
解釈して歌っているのがよくわかるカバーということで、自分の間抜けさを棚に上げて
納得。(笑)

ソウルやブルーズのカバーに混じって、渋い曲が取り上げられている。それが次の
『MIXED UP , SHOOK UP GIRL』。ミンク・デ・ヴィルの1st「CABRETTA」に収録されている曲で
よくぞカバーした、という感じである。個人的には、ミンク・デ・ヴィルの「CABRETTA」は
手にした当初は今一つよくわからなかったのだが、手にしてから10年後くらいに聴いた
時に、その価値と凄さがわかったものだ。「CABRETTA」にはジョン・マーティンの
『CADILLAC WALK』のカバーが収録されているのだが、奇しくも今回のボズの盤でも
同曲のカバーが収録されている。

私にとって縁の薄いバンドの一つにスティーリー・ダンというのがある。
ボズがとりあげたのは『PEARL OF THE QUATER』で、これが個人的にはオリジナルより
いい出来だと思った。昔、ケニー・ヴァンスの『DIRTY WORK』を聴いたときもオリジナルより
良いと思ったので、ほとほと私はスティーリー・ダンに冷たい男である。
というか、曲は好きなのだから、もうそろそろ素直にスティーリー・ダンの良さを認めるべき
なのだろう。(笑)

今回の盤であるが、私はボズのサイン入りの盤を買った。日本盤はボーナス・トラックが
2曲収録されているし、他にも限定盤で6曲のデモを収録した2枚組仕様もあるようだ。
う〜む。2枚組も探してみようかな。

さて、今回の「MEMPHIS」であるが、この後何回も聴くのだろうが今から5年後あたりに
聴いた時に、私にとって更なる発見に気付くような盤になるといいなと思っている。

コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

AREA 41

2013-03-29 20:14:23 | LAND OF 1000 DISCS

       

THE DEVIANTS / DISPOSABLE (1968)

THE FUGS / FIRST ALBUM (1965)

       

GODZ / THE THIRD TSTAMENT (1968)

THE RED CRAYOLA / THREE SONGS ON  A TRIP TO THE UNITED STATES (1983)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

CARAVANA SEREIA BLOOM

2013-03-28 19:21:47 | BRASIL

既に旧聞に属するが、菅○美穂が結婚するという新聞記事がテレビで報じられた日、
私は職場で「菅○美穂、結婚しますね。」と話しかけられた。しかも3人から別々の機会に。(笑)

「結婚しますね。どうしますか。」
別にどうするわけでもない。逆に私にどうしろというのだ。(笑)
「次は誰を応援するんですか?。」
結婚したから応援しなくなるわけではないし、別に「応援」しているわけでもない。
単に可愛らしいと思っているだけなのだが、どうも私はからかい易いのかもしれない。

ふざけたことに相方までがこんなことを言う。
「あんたは、私と結婚しているから菅○美穂と結婚できんかったね。」
アホか。俺は押○学か。(笑)いや、正味な話、堺雅○は好きな俳優なので、実に目出度いと
思っている。本当だ。次は栗○千明が結婚するよう、密かに「応援」しよう。(笑)

掲載写真はブラジルのSSW、セウが昨年リリースしたアルバム「CARAVAN SEREIA
BLOOM」。彼女のキャリアでは3枚目のアルバムで、それまでのスタッフを大幅に変えて
制作した盤とのことだが、実は私は最初の2枚を聴いていない。(笑)

セウを指して、カエターノ・ヴェローゾが「ブラジルの未来」と言った話は知っていたが、何だか
それが大袈裟に思えたので「美人は得じゃのう。」くらいの反応しかできなかったのだが、
たまたま聴いたこのアルバムは大いに気に入ってしまった。

日本人好みの、どこかで聴いたことのあるような温かみのあるメロディーの曲があれば、
打ち込みのリズムから始まって気が付けば美メロの転調に惹きこまれる曲もある。
70年代のアナログ・レコーディングを思わせる肌触りの曲と、浮遊感漂うギターが環境音楽の
ような曲が同列に並んでいるのが楽しいし、何より彼女の時に危うい瞬間もみせる
ハスキーながら艶のある歌唱が良い。

最近は密かにブラジルの若い女性歌手(笑)のアルバムをよく聴いている。
全ては「気持ちよさ」の追求の果てなのだが、今年は「ブラジル音楽100選」が頭の片隅にあるので
追求にも熱が入る。

果たして彼女は結婚しているのだろうか。いや、そんな追求はどうでもいい。
彼女もTATOOあり、である。それも、どうでもいいか。(笑)

それにしても、この商売っ気の無いジャケット写真はどういう意図があったのだろう。
今夜も眠れない。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

AREA 40

2013-03-27 00:01:01 | LAND OF 1000 DISCS

       

BOBBY WHITLOCK / SAME (1972)

JESSE DAVIS / ULULU (1972)

       

RORY GALLAGHER / DEUCE (1971)

RICHARD THOMPSON / HAND OF KINDNESS (1983)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

続続 トリビュート盤 2題

2013-03-26 19:07:38 | ROCK

       

掲載写真はブライアン・ウィルスンのトリビュート盤2枚。左の盤は90年に出た「SMILES ,VIBES ,
& HARMONY」。古き良きアメリカン・ロック、ポピュラー・ミュージックという枠でビーチ・ボーイズを
好きな人には承服しかねる盤かもしれない。まあ、それは右の盤も同じで、それだからこそこうして
私の手元にあるというわけなのだが。ラモーンズのおかげでビーチ・ボーイズのポピュラリティーは
更に拡がり延命し、ジョン・スペンサーのおかげでエルヴィス・プレスリーの影響は更に遠くへ拡がり
現在に繋がると、自己中心的に解釈し満足している私のような阿呆には最適なトリビュート盤である。

冒頭に配された『DANCE DANCE DANCE』を歌うのは、あのハンサム・ディック・マニトバ。もう
これだけで嬉しくなるというか笑ってしまう。何せあのディクテイターズのボーカリストなのだから。
ザ・レコーズが演奏する『DARLIN』というのも渋い。コーラスを含めて丁寧にカバーしていて、
後付け上等なのだがパブ・ロックの雰囲気が出ているのが憎めないところ。

この盤を手にした方々にとって目玉となったのは、ソニック・ユースが演奏する『I KNOW THERE'S
AN ANSWERS』ではないだろうか。「PET SOUNDS」収録の名曲のコーラスをつけるのが
ドン・フレミングとJマスクスというのが時代というか、ファンには堪らん組み合わせである。(笑)

この盤の最後を締めるのはニッキ・サドゥン。私的には「PET SOUNDS」を超える名盤「SMILY
SMILE」から『WONDERFUL』を選んでいて、このカバーが実にクール。音数が少ない中、
キラキラしたギターが占めるパートと猥雑にサックスが鳴るパートの対比が素晴らしい。

私が無知なだけなのかもしれないが、全体的にそれほど知名度の高くないミュージシャンが多く
大体においてそういう場合は出来の悪いカバーが多く収録されがちなのだが、この盤は
選曲は通好み出し、演奏は皆素晴らしいので私は大好きだ。

右の盤は00年に出た『CAROLINE NOW ! THE SONGS OF BRIAN WILSON AND
THE BEACH BOYS」。ギター・ポップ(そんなジャンルがあれば、だが)とかいう名称で一括りに
なりそうな人たちの名前が目を惹く。ユージン・ケリー、ノーマン・ブレイク、ジャド・フェアー、更には
アレックス・チルトンなんて名前もある。

通好みなのはセント・エティエンヌがカバーした『STIEVIE』だろう。ビーチ・ボーイズの
未発表曲で名前のとおり題材はスティーヴィー・ニックス。微妙な題材(笑)なので、今後も
オフィシャルで出そうもないのだが、そんな曲を選ぶところがこのバンドらしい。

この盤の最後に登場するのが、何とキム・フォウリー。ビーチ・ボーイズの思い出を語った後に
穏やかに歌う『ALMOST SUMMER』を聴くとなんだか気分が落ち着く。歌い終わってブライアンに
メッセージを投げかけ盤は終わる。

このトリビュート盤も粒ぞろいの演奏で満足できる。大事なのは「愛」なのだ。
ところで、「愛」って何だ?。(笑)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

AREA 39

2013-03-25 04:56:22 | LAND OF 1000 DISCS

       

HOMER / GROWN IN U.S.A. (1970)

TWINK / THINK PINK (1970)

       

MARK FRY / DREAMING WITH ALICE (1972)

ERIK / WHRE I AM (1968)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

続 トリビュート盤 2題

2013-03-24 06:18:47 | ROCK

       

T.REXのトリビュート盤で有名なのは、この2枚だろう。といっても掲載写真左の盤は日本のミュージシャン
によるカバー集なので、「この2枚」は日本国内での話ということになる。

「BOOGIE WITH THE WIZARD」は97年にリリースされた。この盤の首謀者というか中心人物は
マーク・ボランへの並々ならぬ愛情を隠さない秋間経夫。だいたい、自分のバンドの名前にVAMPなんて
言葉を入れるなんて所作は、ちょっとやそっとのアイディアや発想ではできない。冒頭の『GET IT ON』と
後半に配された『THE WIZARD』で、その偏愛ぶりを確認できる。

この盤を手にした最大の目的は、頭脳警察による『RIP OFF 〜 GIRL』のカバーを収録しているためである。
特筆すべき演奏ではないかもしれないが、バンド編成の特異さで何かと我が国では引き合いにだされた
両者なので、ZKの参加はこの盤の価値を大いに高める。

日本語でのカバーは2曲あるが、中でも度肝を抜かれたのがイエロー・モンキーの『TILL DAWN』。
モット・ザ・フープル・トリビュートでもそうだったが、日本語というか歌詞の発想が突飛で、その飛び具合が
マークのブっとんだ感覚にピッタリで、これもなかなか真似が出来るものではない。勿論、選曲が
素敵なのは言うまでもない。

またも登場のローリー。選ばれた曲は『THE GROOVER』マーク・ボランのリフとローリーのリフがうまい
具合にミックスされた、これも絶妙のカバー。オリジナルでは間奏で歌われる「T・R・E・X」という部分が
クイーンの『NOW I'M HERE』のメロディーで「T.R.E.X.super-star T.R.E.X. No.1」と歌われるのが
楽しい。アー写(笑)ではバッチリとメイクした写真であるが、スタジオでのレコーディング風景の写真では
ほぼ素顔であるのが、そのギャップを感じさせて、そこらもマーク好きには面白くおもえる。

最後に収録されたメドレーは強引すぎて特に必然を感じないが、でも「やりたかったんだろうなぁ。」
という愛に満ちている。因みにジャケットに使われた写真は鋤田正義撮影のもの。

掲載写真右は98年に出た「GREAT JEWISH MUSIC:MARC BOLAN」。丸尾末広がジャケットの
イラストを担当している。ジョン・ゾーンのレーベルから出ただけあって、収録されているのは一癖も
二癖もある面子ばかり。

冒頭のアート・リンゼイ&マーク・リボーの『CHILDREN OF THE REVOLUTION』を聴いただけで
このトリビュート盤のトーンがわかるというもの。日本人のトリビュートと違って、全体に自己主張が
強いものの原曲の良さを削ぐことなく、各々のミュージシャンが持つリズム感の違いで勝負してくるところが
面白い。

意外というか、発見だなと個人的に思ったのが女優エスター・バリントが歌う『MAMBO SUN』が
実に格好よくて驚いたものだ。彼女は歌だけでなくヴァイオリンも演奏していて、曲の完成度を高めるのに
大きな貢献をしている。ボーカル以外の全てのパートを演奏したヴァーノン・リードが好き放題に
ギターを弾くやりすぎ感満載の『JEEPSTER』や、如何にもといったクレイマーの『GET IT ON』も好きだ。

ティラノザウルス・レックス時代の渋い曲が多くカバーされているのが通好みなところで、アルバムは
ロイド・コールの『ROMANY SOUP』で終わる。地味なこの曲の何処に惹かれるのか、単純な私には
解りかねるが、単純な反復の繰り返しは耳に馴染むとクセになっていけない。(笑)

この「GREAT JEWISH MUSIC」はシリーズで幾つかあって、その中にセルジュ・ゲンスブールの
トリビュートもあるのだが、私は所持していない。これもそのうち手に入れないといけないな。
最後は備忘録の様相でこの項を終わりにする。

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

トリビュート盤 2題

2013-03-23 08:16:05 | 日本のロック・ポップス

       

ジェシ・ウィンチェスターのトリビュート盤を聴きながら、しばし思ったこと、それは「何だかんだと
結構な数のトリビュート盤を持っているなぁ。」ということであった。

以前も書いたがトリビュート盤を買う大前提は、トリビュートされるミュージシャンを好きである、
ということだ。次にそのミュージシャンをカバーするミュージシャンを好きかどうか。
ONE FOR THE MONEY , TWO FOR THE SHOW, である。(何のことだか)

トリビュート盤がある程度の数で集まってくると、複数の盤に参加しているミュージシャンの名前に
目が行く。ミュージシャンである前にリスナーであった彼らは、ミュージシャンになった今でも
多くのレコードを買うような音楽好きであるだろう。また、好きな曲をカバーする楽しみというのは
バンドをやったことがある方なら容易に理解できるだろうし、未だにそういう遊び心を持っていると
思えば多くのトリビュート盤で名前を見る人のことを私は嫌いになれない。まあ、サーストン・ムーアとか
ローリーのことを指すのですが。(笑)というか、そういう盤ばかり買っているからだろうと言われると、
「そのとおり」なのだ。(笑)

日本人ミュージシャンが所謂「洋楽」のミュージシャンをトリビュートした盤で、私が最初に思い浮かぶ
2枚が掲載写真の盤だ。

左のトッド・ラングレン・トリビュート「トッドは真実のスーパースター」は97年に出た。ジャケットは
『A WIZARD A TRUE STAR』を下敷きにしたものだが、アルバムの内容もまさにその通りで
異例の30組のアーティストによるカバーを30曲、収録時間の限界まで詰め込んでいる。
普通、こういう盤では曲が被らないように配慮するものだが、カバーする曲が同じでもお構いなし。(笑)
ただ、アレンジが大幅に違ったり尺が異常に短かったり(笑)する曲があるので、違和感は無い。
どちらかというと突飛なアレンジのカバーは好きでないのだが、対象がトッドであることを思えば
この盤は正に「音の玉手箱」状態で、それも面白く思えてしまう。

とはいっても、やはり正調カバー(笑)に好意的な私なので、端正に日本語でカバーしたカーネーションや、
トッド好きを公言している高野寛、昔から聴き馴染みがある『I SAW THE LIGHT』を歌う高橋幸宏と
いったところに贔屓目になる。一番気に入っているのは、パラダイス山元&東京ラテンムードデラックスの
『OPEN MY EYES』。誰がマンボに”ウッ!!”をつけたか知らないが、実に楽しい。
この盤の最大の驚き(笑)は、杉田かおるに唐突に「あなたはセックスのことしか考えてないのね。」と
言われる、あの一瞬である。えっ、俺?。さあ、どうだか。(笑)

右のキンクス・トリビュート「KINKY BOOT」は02年の盤。冒頭のコレクターズが『DO IT AGAIN』を
取り上げたことにまずはやられた。パイ時代やRCA時代をカバーしそうなところを、アリスタ時代の
渋くも格好良いシングル曲を取り上げるのだから。演奏は溌剌としていて当然これも格好良い。

実はチバユウスケも意外とトリビュート盤参加率(笑)の高い人で、昨年はパフィーのカバー集にも
参加している。チバと『ALL DAY AND ALL OF THE NIGHT』というのもハマり過ぎ。
ほとんどがパイ時代の曲で占められる中、唯一のRCA時代の曲である『CELLULOID HEROES』を
取り上げた鈴木祥子の歌唱がまた実に渋く、私はクレア・ハミルのカバーより断然好きだ。

デキシード・ザ・エモンズなんて書くと、一気に時代が10年巻き戻っちゃう感じがするが彼らの
洋楽偏愛ぶりは面白かった。『SEE MY FRIENDS』をビートルズの『RAIN』を下敷きに演奏するという
遊び心はヨ・ラ・テンゴに通ずる。

ベスト・トラックは、以前私が編んだキンクス・カバー集でも使った21stセンチュリー・スターズの
『KING KONG』。ローリー登場である。(笑)グラム仕様のアレンジにローリーのどちらかというと
くどい(笑)歌唱、バックの「HEY!」という掛け声にかけられた過剰なエコー。全てが完璧。
そういえば、少し前に「カウベル・ロック・ベスト10」を掲載したところがあったが、この曲は
入ってなかったな。私なんかはこの曲とレッド・ツェッペリンの『GOOD TIMES BAD TIMES』が
一番最初に思い浮かんだのだけど、どっちも入ってなかったなぁ。(笑)

話戻ってキンクス・トリビュート。ジャケット写真の子供がやっている仕草は、キンクスのライブを
見た方なら目撃したこともあるだろうレイ・デイヴィスの定番で、こんなところも琴線を擽る。

というわけで、カバー好きには魅力的な2枚であった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

AREA 38

2013-03-22 05:10:17 | LAND OF 1000 DISCS

       

CREAM / DISRAELI GEARS (1967)

DEREK & THE DOMINOS / LAYLA AND THE OTHER ASSORTED LOVE SONGS (1970)

       

ERIC CLAPTON / SAME (1970)

ERIC CLAPTON / 461 OCEAN BOULEVERD (1974)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

QUIET ABOUT IT

2013-03-21 20:03:00 | ROCK

ジェシ・ウィンチェスターの知名度がどれほどのものか、把握していない。
大メジャーではないし、マニアの心を擽るレア度を誇るアルバムを録音した幻の人
でもない。私は何故かこの人のことが好きで、気が付けば結構な数のアルバムを
所持していた。

昨年出た「QUIET ABOUT IT」は闘病中だったジェシを励まし支援する意味合いを
含んだトリビュート・アルバム。参加した面子に惹かれて購入したのだが、これが
素晴らしい。どのミュージシャンも徒に自己の個性を主張するのでなく、元曲の
良さを引き出して自分のモノにしているのが素晴らしいのだ。

アルバムは冒頭から『PAYDAY』『BILOXI』と続き、この流れはそのまま自身の名前を
冠したジェシのデビュー盤の1曲目と2曲目である。アルバム・タイトルにもなった
『QUIET ABOUT IT』にしてもそうだが、やはりジェシといえば一般的なイメージは
70年にアンペックスから出た、あの盤なんだなぁということになる。

捻くれ者の私は72年のセカンド・アルバムの方が好きなのだが、1ST推しを否定する
ものでもない。冒頭の2曲はそれぞれジェームス・テイラー、ロザンヌ・キャッシュの歌唱が
素晴らしく心にしみる。トリビュート盤に在りがちな「出来の悪いカバー」は何一つ無いというのが
個人的な感想で、これほど粒ぞろいのカバー集は珍しい。まあ、収録曲が11曲で44分という
尺なので少数精鋭を地でいったというところか。

私が贔屓にするアルバム「THIRD DOWN , 110 TO GO」からは『DANGEROUS FUN』が
選ばれた。カバーしたのはロドニー・クロウェル・ウィズエミルー・ハリス&ヴィンス・ギル。
ロドニーはかつてエミルーのバンド、ホット・バンドに在籍したいたカントリー・シーンの重要人物で
エミルーと共に歌うこの曲は、映像でもあればなあと思わせる実に渋い演奏だ。

表題曲を演奏するのはエルヴィス・コステロで、驚くべきことにギターやピアノは勿論、ベースに
ドラムス、ウクレレ、マンドリンといった全ての楽器を自分で演奏している。この念の入り用は
流石というか、「好きなんだね」と思わずにいられない。

ジャケットの落ち着いたトーンとあわせて、愛すべき盤がまた1枚増えた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

AREA 37

2013-03-20 07:27:51 | LAND OF 1000 DISCS

       

AKSAK MABOUL / ONZE DANESES POUR COMBATTRE LA MIGRAINE (1977)

ZNR / BARRICADE 3 (1976)

       

SILVER APPLES / CONTACT (1969)

SUICIDE / SAME (1977)

     

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

AREA 36

2013-03-19 19:02:55 | LAND OF 1000 DISCS

       

PINK FLOYD / THE PIPER AT THE GATES OF DAWN (1967)

PINK FLOYD / THE DARK SIDE OF THE MOON (1973)

       

PINK FLOYD / WISH YOU WERE HIRE (1975)

THIRD EAR BAND / ALCHEMY (1969)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シネマ・クラブ

2013-03-18 18:57:47 | DAY BY DAY

       

ロバート・デ・ニーロと松田龍平が共演するCMが面白い。数種ある中で私が好きなのは
映画館でのやりとり。『台風クラブ』を見たことがない龍平に「自国の傑作くらい見とけ」と
言うデ・ニーロ。龍平は「『E.T.』を見たことがあるか。」と聞くとデ・ニーロは「ない。」と答える。
このやりとりが何だか面白くて気に入っている。

CMの脚本を書いた人は何故『台風クラブ』と『E.T.』を選んだのだろう。こんなことを考え始めると
いつものように「私なら、あのセリフにどんな映画をあてはめるか。」なんてことを考え出して
小一時間ほど無駄に過ごす。非生産的な人間の見本ですね、私は。(笑)

『台風クラブ』という映画は好きな映画だ。「嵐の晩が好きさ♪」というのも事実で、子供心に
台風の夜とかは妙にドキドキしたものだ。大人になれば翌日の通勤のこととか、家の心配とか
いろいろとあるのだけど、子供はちょっとした非日常にワクワクしたりスリルを感じるもので
それだけで気分が高揚したものだ。映画の中の子供たちより先生役の三浦友和が印象に残っている、
という感想はきっと受け入れられないだろうな。それにしても相米監督という人は子供に無茶をさせる
映画が多かったような気がする。『台風クラブ』然り、『ションベン・ライダー』然り。
相米監督の映画で一番好きなのは『お引越し』だ。桜田淳子が出ているからではない。(笑)

『E.T.』は、あんなに有名な映画なのに実は一度も見たことがない。別に気取っているわけでも
スカしているわけでもなく、本当にタイミングが合わないというか縁がないというか。
超メジャーだから見ない、なんてことでもない。私は『スター・ウォーズ』も『インディアナ・ジョーンズ』も
『ハリー・ポッター』も大概見ているのだ。ただ、タイトルを言われても、どれがどのエピソードか
思い出せないだけで。(笑)そのうち、『E.T.』は見るつもりだ。そのうち。

さて、件のCMであるが、自分なら何の映画のタイトルを言わせるか。
『台風クラブ』と同年の映画なら『家族ゲーム』があるが、これを龍平が知らないわけがないし。(笑)
クラブ繋がり?なら『九月の冗談クラブバンド』はどうだろう。これはタイトルが長いか。(笑) 
デ・ニーロが言えない可能性がある。(笑)        

    
そこで唐突に浮かんだのが『ロビンソンの庭』。名作かどうかは見た人の判断に任せるとして
大して知名度が高くないので、それこそスカしていると思われかねないのだが、ワン・シーン、
ワン・シーンの印象は強烈な映画だった。

では、『E.T.』の代わりに何を選ぼう。これが思いつかない。
『タクシー・ドライバー』とか『レイジング・ブル』だと、デ・ニーロの答えは「見てない」じゃなくて
「俺が出てる。」になって趣旨が変わってくる。(笑)流石にデ・ニーロが見てそうもない超メジャーな
映画は思いつかない。あっ、なるほど、わかった。『台風クラブ』と『E.T.』を同等に扱うから
無理があって思いつかないのかも、なんて体のいい言い訳まで思いついてしまった。(笑)

あとね。俺的には失礼ながら、か○せ梨乃は無いな。(笑)松○慶子なら、ありです。(笑)

死ぬまでに全ての映画は無理・・・か。

死ぬまでに少しでも多くの格好いい音楽を聴きたい・・・・。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

土曜日の誘惑

2013-03-17 07:53:31 | ROCK

       

リンジー・ディ・ポールの2種の2枚組アンソロジーがリリースされた。
「SUGAR AND BEYOND」は72年から74年までの、「INTO MY MUSIC」は
75年から79年の曲を集めている。日本盤は独自の紙ジャケ仕様のようだが、
輸入盤に比べると値段がかなり高く、またアンソロジーの後編にあたる「INTO
MY MUSIC」を、「LOVE BOMB」はともかく「BEFORE YOU GO TONIGHT」の
紙ジャケにする意図が掴みかねるので、スルーした。

05年にリンジーのデビュー・アルバム「SURPRISE」が日本で世界初CD化された
際にはボーナス・トラックでシングル曲が7曲収録されていて喜んだものだが、
基本的に今回の2種のアンソロジーもシングルはA面曲とB面曲を続けて収録し、
アルバムはシングル・カットされた曲を除いて、収録曲順に並べている。

この2種のアンソロジーを買えば、表記された時代のほぼ全てのシングルと
「SURPRISE」「TASTE ME . . .DON'T WASTE ME」「LOVE BOMB」の3枚のアルバム
収録曲全曲を聴くことができる。私の知る限り、どんなベスト盤にも収録されていない
バリー・ブルーとデュエットした『HAPPY CHRISTMAS TO YOU FROM ME』は今回も
収録されていないのだが、権利関係が複雑なのかもしれない。

今一つ掴みどころがないのが75年から79年の曲を集めた「INTO MY MUSIC」の
ディスク2だ。1曲目から7曲目までは76年に録音されながら発売が見送られた幻の
アルバム「TAKE YOUR TIME」からの収録。この7曲にPREVIOUSLY UNRELEASEDの
表記があるのは、英米ではリリースされなかったためだろうか。日本では90年に
「BEFORE YOU GO TONIGHT」のタイトルでCD化されていた。

そういった理由でこれが紙ジャケ仕様になるのだろうが、90年の「BEFORE YOU GO
TONIGHT」に収録された10曲中、2曲が今回の計4枚のアンソロジーCDには収録されていない。
「BEFORE YOU GO TONIGHT」以外で、その2曲をCDで聴こうと思えば、他にはこれまた日本編集の
別のコンピレーションを頼るしかない。う〜む。
CDの収録時間は余っているのに何故収録されなかったのだろうという若干の恨みが残る(笑)のと、
79年のアルバム「TIGERS AND FIREFLIES」収録曲を中途半端な収録で終わらせていることには
納得がいかない。せめてこの2点がクリアされていたら本当に素敵なコンピレーションになったのに。

とかなんとか文句を言いながら、私はこの編集盤を楽しんでいる。
暖かい陽の温もりが少し残った土曜の夜である。
「土曜の夜はロカビリー、ヘイ、リンジー! ロックンロールで踊ろうぜ!!」
「何言ってるの、土曜の夜に気分満点で書いた記事を日曜の朝に揚げるなんて。日曜はダメよ。」

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする