HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

YOU CAN DO A LOT WITH 100 WOMEN 7

2009-06-29 20:29:52 | JAZZ

ブルーノート70周年ということで、人気投票の上位150枚が順に
廉価で再発される。まず最初の50枚が再発されたのだが1枚の単価が
1100円というのが素晴らしい。ボーナス・トラックがついてなくても
各社それぞれ技術を競う何だかよくわからない高音質仕様でなくても
いいじゃないか。ロックでも何でもいいのだけど、とりあえず基本というか
基礎体力として必要なものは、とりあえず1度は聴かねばならないと
私は思っている。そこで好きだの嫌いだの取捨選択をしていくことが
大事なのだ。ピカソやユトリロが、ろくなデッサンもできないで、あの絵を
描いたというなら、先の話は撤回する。またくどい話になるが、
私が先達の残した曲を素敵にカバーできないようなミュージシャンが
どんなインプロをやっても信用しないというのは、そういうことである。

ブルーノートの最初の人気盤50枚といっても実はほとんど持っていない。
LPで持っていたのが何枚かあるが、いつぞやこのブログでも書いたが
引越しとミック・ジャガー来日公演を見るための金を捻出するために
売り払ってしまった。あれから20年ちょっと経ったのだが、今回の
70周年記念再発はいい機会ということで、書くのも恥ずかしい「名盤」を
何枚も買った。ユニバーサル・インターナショナルは負けじと、リヴァーサイドの
名盤を同じく1100円で売り出したので、ここも押さえなくては。
あっ、そうそう。以前買い逃したエルヴィン・ジョーンズの「LIVE AT THE
LIGHTHOUSE」がコンプリートを謳って再発されたので今回はスルーしませんよ。

掲載写真はヘレン・メリルの名盤「ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・
ブラウン」。ジャンル別、スタイル別にわけての名盤セレクションでも、
年代別、アーティスト別の名盤セレクションでも大概ノミネートされる。
そんなわけで、ろくにジャズを知らない私もごく初期にCD化された盤を
購入し今に至るまで愛聴しているというわけである。
私の目当ては「YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO 」なのは明白なのだが
そんなことはさておき、エマーシーで最初のアルバムになる当アルバムを
作成するに当たり、ヘレンはアレンジャーとコンダクターにクインシー・
ジョーンズを起用し、クリフォード・ブラウンをソロイストに加えることを
条件に出したという事実に驚く。何という慧眼!としか言いようがない。
実際、このアルバムはヘレンの名唱もさることながら、指名された二人の
活躍なくしては、これほどまでに後世に残るアルバムにはならなかっただろう。
先日亡くなった「KING OF POP」もクインシー・ジョーンズのバック・アップが
なければ果たして・・・と思ったりするのだが、それはいいか。

ヘレン・メリルは日本に滞在したこともあり、何かと日本人には所縁のある
シンガーであるのが、また親しみが持てる。私が買ったCDは71年に
書かれた油井正一氏のライナーが掲載されていて、そこで既にヘレンは
アラン・メリルの母であることが書かれてある。アラン・メリルが何者かに
ついては全く触れられていないので、ジャズ・ファンには何のことか
わからない人が多かったのではないだろうか。
かく言う私がアラン・メリルの魅力にとりつかれるのは、更に数年後
なのであった・・・。

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DEEP PURPLE ARCHIVE COLLECTION

2009-06-28 15:55:11 | ROCK
8月に例のウッド・ストックのDVDが出るのを機会に「ロック映像100選」を
考えようと漠然と思っていた。ディープ・パープルは74年のカリフォルニア・
ジャムを選ぼうとか考えていたのだが、ここに素晴らしいアーカイブ集が
登場した。その名もずばり「DEEP PURPLE ARCHIVE COLLECTION」。
68年の所謂MK1から76年のMK4までの映像を2枚のDVDに収録した
もので、これまでも映像を多く発表してきたバンドだけにマニアの方は
見たことがあるものが多いとは思うが、それでもレアなものもあり
ここまでまとめられたのは素晴らしい。

冒頭の「HISTORY」は付け足しのようなもので、パープルの歴史を駆け足で
振り返るのだが、これはリアル・タイムで体験した人には明らかに物足りない
だろうし、様々な雑誌の特集で読んできた後追いの私にも物足りなく
これがパープル初体験というのであれば、こと歴史に関しては何か別な形で
フォローする必要がある。まあ、「SMOKE ON THE WATER」で歌われた火事が
ニュース映像で見れたり、73年の客が暴徒と化した日本武道館の客席が
映像で見る事ができるのは「おお!」と思ったけれど。
あの椅子が滅茶苦茶に積まれた様は写真では広く知られているし、編集盤の
ジャケットにもなっているけれど、実際にごく短時間ではあるが
フィルムで見せられると、その凄まじさがよくわかる。

このDVDが素晴らしいのは「HISTORY」で断片的に使われた曲が全て
完奏する形で映像が収録されていることだ。
MK1の映像は3曲で、屋外で当て振りする「HELP」やスタジオでの
「WRING THE NECK」の映像は貴重で、インストの後者ではボーカルの
ロッド・エヴァンスが床に寝転がっているのがわかる。
MK2時代の同曲ではイアン・ギランがボンゴを叩くのがお約束だが
まあ音楽的貢献は怪しい。(笑)その模様もDVDのディスク2でしっかり
確認できる。ドイツのテレビ番組「BEAT CLUB」で披露された「NO NO NO」は
演奏曲自体レアで初めて見たときは「へぇ、こんな曲もテレビで演ったんだ。」
と妙に感心したのだが、今回はなんとリハーサル・テイクが2テイク
収録されている。通しで2回演奏するのだが意外に熱心にリハをしているのが
よくわかる。

「BURN」は数年前にブートレグで登場して話題になった、リーズ大学の
学生が卒論のテーマに撮影したといわれるものが使われている。
私はブートレグを見ていないので画質については云々できないが、
それでも16ミリで捉えた映像は足元の大量のスモークや照明の変化も
うまく捉えていて、音声の不備を差し引いても価値がある映像だと思う。
カリフォルニア・ジャムからはMK3にとって欠かせない曲である
「MISTREATED」が選ばれた。私は過去に出たビデオをダビングしたものを
DVDに焼いて見ているのだが、ここに収録されたカリフォルニア・ジャムは
映像の質が良くない、というか今でもこの程度の画質のDVDしか
出てないのか?。最後の「SPACE TRUCKIN'」でリッチー・ブラックモアが
ギターでテレビ・カメラを直撃し、アンプとギターを破壊するパフォーマンスは
最早伝説といっていい名シーンなので、これも収録して欲しかったが
まあ、単体でソフトを買えということなのだろう。
ここまできて気がついたが、何とこれだけのアーカイブ集なのに「SPACE
TRUCKIN'」を演奏する映像が無い!。これはちょっと不満だ。

トミー・ボーリン時代はやはり映像がほとんど無く、75年の日本武道館で
撮影された映像がメインで使われている。映像にオリジナル音声を被せたと
されるものが、これもブートレグで出回ったことがあるが、当時の観客の熱狂と
バンドの演奏の熱気を完全に捉えているので、何かとボーリンに批判が
多いのはともかく、これは残された全ての尺をきちんと映像化して
発売して欲しいものだ。

解説はパープル研究の第一人者のサイモン・ロビンスンが担当していて
日本版は当然その対訳つき。それ以外のくだらないライナーもどきは
一切無いので安心して日本版の購入をお勧めする。
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追悼 スカイ・サンライト・サクスン

2009-06-26 22:52:13 | ROCK
ザ・シーズでの活動で知られる、スカイ・サクスンが6月25日に亡くなった。
シーズを最初に知ったのは、あの名コンピレーション「NUGGETS」である。
再発された2枚組LPを買ったのは、忘れもしない京都はその名も
「VILLAGE GREEN」というレコ屋。今も存在するのかどうかも知らないが
店主に「エリック・バードンのアルバムを揃えてくださいよ。」なんて
阿呆なお願いをしたことを妙に覚えている。空調が効かないのか初めから
エアコンなんてないのか知らないが、夏場は汗だくでレコードを探したこと
まで思い出した。そう、今頃の季節だ・・・。

シーズでの活動がロック史に刻まれるスカイ・サクスンだが、ロック者は
ヤホワ13での活動も忘れてはならない。日本が世界に誇るキャプテン・
トリップの大仕事でヤホワ13の膨大な仕事がまとめられ、その際に
スカイ・サクスン関連のシングルもCD化された。掲載写真がそれで
ヤホワ13のボックスを買わなければ、聴くことが出来ない代物だが
このボックスの飛び具合が半端ではなく、宗教云々を差し引いても
全部を聴き終る頃には、脳がマッサージを受けたかのように、血液が
心地よく流れるのを感じるのであった。

人間の欲望の根源とは何か。それは人によって解釈が違うだろうが
欲望と自然回帰と動物愛護を同時に成立させるのは夢のような話だ。
理想といえば理想なのだが、現代のシステムからはみ出ると、それは
遠ざけるべき存在となってしまう。
でもね、ミスター・スカイ・サクスン。
俺は愛犬にドッグ・フードを食わせたことなんざ、一度だって無いよ。

死が全ての苦痛から貴方を解き放ったのなら、いいのだけど。
私が気にするのはそれだけ。
R.I.P.

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YOU CAN DO A LOT WITH 100 WOMEN 6

2009-06-26 22:19:02 | ROCK
まずは、追悼ファラ・フォーセット。
16歳の頃、学校の授業が15時15分に終わると、私はおそらく学内の
誰よりも早く自転車に飛び乗り、家路に急いだ。高校生になって部活動は
御免だと思っていたので、どこにも所属しなかったのだが、あまりに愛想なく
早く帰るものだから、クラスの女の子達は私が別の高校に通う中学時代から
付き合っている彼女に会うために帰路についていると噂していたのだが、
そんなことは全くなくて、ただ16時から始まるチャーリーズ・エンジェルの
再放送が見たかったのだ。まあ、友人には「聴きたいレコードがある。聴きたい
FMの番組がある」と言っていて、あながちそれは嘘でも無いのだが
一時はファラ・フォーセット目当てで家路を急いだのは事実である。

こんなゴージャスでワイルドな髪の女性がいるのかと、クソガキは胸を
ときめかせたのだ。今に至るまで口の大きな女性が好きなのは、この時の
名残か。ああ、私はカーリー・サイモンも好きなのでした。(笑)
本来ならここでファラの写真を掲載すれば良かったのだが、ここは
HARRY'S ROCK AND ROLL VILLAGE。ファラがレコードを出しているのかどうか
知らないのがお恥ずかしい限りだが、それはそれ。
ファラの降板後に登場したシェリル・ラッドには全く興味がなく、
チャーリーズ・エンジェル終了後に放送された「白バイ野郎ジョン&パンチ」に
至っては興味が湧くはずもなく、以後ロックンロール道に邁進するのであった。

掲載写真は名コメディエンヌ、ゴールディー・ホーンのアルバム。
80年の映画「プライベート・ベンジャミン」を見て、彼女の豊かな表情と
笑顔を可愛らしいと思ったものだ。この次点でゴールディーはとっくに
30歳を超えていたのだけど、私は16歳の頃から年上好きだったのか?(笑)

これも女優の余技とは思えない素晴らしい歌唱と絶妙のアレンジで、
聴き応えのあるアルバムに仕上がっている。ディラン・カバー「I'LL BE YOUR
BABY TONIGHT」は、今聴いても燃え上がる何かを感じる。続いて歌うのが
ジョニ・ミッチェルの「CAREY」。ジョニの傑作「BLUE」収録曲で、これこそ
私が一番好きなジョニのナンバーなので、盛り上がらないわけがない。
この2曲だけで必携なのに、ドノヴァンやヴァン・モリスンのカバーまで
あるときたら、ロック者の琴線に触れるというものだ。

さようなら、ファラ。
長生きしてくれ、ゴールディー。娘がどんなに有名になっても俺は
貴方が好きだよ。

俺も長生きできないかもしれない。
もし、俺の葬式に参列してくれるなら、男性達にお願いがある。
列席の数少ない女性達に聞いて欲しい。
「ハリーの生前最後の言葉は何だったか」と。
心優しい女性達にお願いがある。口をそろえて、こう言って欲しい。

「I'M COMING・・・」。
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YOU CAN DO A LOT WITH 100 WOMEN 5

2009-06-24 22:04:44 | ROCK
今年はウッドストック40周年ということで、映像や音源の蔵出しによる
様々な企画がアナウンスされている。25周年の時に出た4枚組CDを
買ったのだが、今回はそれを上回る6枚組の箱が出るようなので、それを
横目で睨みつつ、スライ&ザ・ファミリー・ストーンは単体でも買わねば
等と計画している。特に箱では一番ギャランティが安かった上にキワモノ
扱いのクィルの2曲が楽しみなのだが、反面テン・イヤーズ・アフターは
どうしちゃったの?という具合なのが残念。映像もかなり貴重なものが
追加されるようだが、やっぱりメラニーは無いのね。

掲載写真はメラニーの71年のアルバム「GATHER ME」。
メラニーの名前はかなり昔から知っていたが、後輩が持っていた簡単な
ベスト盤を聴かせてもらったもののピンとこなかったし、「歌のお姉さん」
みたいな位置づけが勝手に私の中で出来上がってしまって、アルバムを
購入するにはいたらなかった。

それからしばらくして遂にメラニーのアルバムを買うことになった。
きっかけは頭脳警察である。頭脳警察の75年のアルバム「悪たれ小僧」に
メラニーの「LITTLE BIT OF ME」のカバーが収録されていたので興味が
出たというわけだ。70年代の頭脳警察が持っていたパブリック・イメージ
というヤツは後追いの私にも把握できたが、そうであってもそこかしこに
塗されたPANTAの持つロマンティシズムを感じるのは容易かった。
そんな中にあって、メラニーのカバーというのは異色だと思ったし
それ故にオリジナルを聴きたい、原詩を知りたいと思ったのだ。
レコードの英詩を見て、頭脳警察のバージョンの歌詞はPANTAの
意訳というかオリジナルみたいなものであるが、核心の部分だけはほとんど
そのままに訳されていることがわかった。
71年に出た日本盤LPではライナー担当氏は収録曲の幾つかに触れている
ものの、件の曲について全く触れていない。
それでもアルバムの冒頭を飾るに相応しい、良い曲だと思うのは
初めて聴いた時から今に至るまで変わらない。

実のところ、メラニーの探求(笑)はまだそこでストップしたままだ。
あまりに素朴で自然で無防備な歌は、斜めに物事を見たり考えたり
あるいは全てを疑ったり一歩引いて考えないと、敗者になったり搾取されたり
する現代では、時代遅れの遺物と思われるかもしれない。
それでもいつか、私もこういう歌の数々を何も構えることなく楽しめたらと
思っている。
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YOU CAN DO A LOT WITH 100 WOMEN 4

2009-06-22 22:20:06 | ROCK
第4回だから4人組のザ・フォー・キング・カズンズを選んだわけではない。
前回のティナ・メイスンのプロデューサーがデヴィッド・アクセルロッド
なので、同じプロデューサー繋がりでこうなったのだ。もっともここでの
デヴィッドはLEX DE AZEVEDOというペン・ネームを使っているのだけど。

一時はある趣向の人たちに絶大な人気を誇るアルバムだった。
ピチカート効果というのもあったろうし、単純にロジャー・ニコルスの
ここでしか聴けない必殺の書き下ろしナンバー「I FELL」目当ての人も
いただろう。例のロジャー・ニコルス&ザ・スモール・サークル・オブ・
フレンズ収録の人気曲「LOVE SO FINE」のカバーは途中でテンポ・ダウン
するアレンジが新鮮に聞こえたのも面白かった。
何せ初めてこっちを聴いたのは本家を聴いてから約20年後だったのだから。
他のカバーも無難にボイス&ハート(モンキーズ)、バカラックに
ビートルズやビーチ・ボーイズらが選ばれていて、その洒落たアレンジと
素敵なコーラスの魅力は今も全く色あせていない。

ジャケット写真の4人の立ち位置、構図も良い。全員が同じ列に並ぶのでは
なく少し奥まったところに2人いるのが立体感を出しているし、何より
大きめのスタンスで足を広げて立っているのが、自身ありげに見えて
いいのだ。従姉妹と言われれば、顔をつい見比べてしまい「なんとなく
似ているなぁ」とか「この中から一人は選べないよ」(意味なし)とか
思いながら聴くのも、また楽しい。

従姉妹のグループかぁ。
あちらさんでも、なんとかブラザーズとかシスターズというのは
よく聴くのだけど、日本に何かあったかな?。
ぴんから兄弟とかこまどり姉妹がすぐ浮かぶのだけど。
えっ、ブラザーズってついてないじゃないかって?。
ああ、かねてつおかげ様ブラザーズとか、横山ホットブラザーズは
どうでしょう?。何?もっと有名なのを忘れているって?。
それ以上は言わなくていいよ。俺のレコード棚にはこの先も収まることの
無い人たちだろうから。
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YOU CAN DO A LOT WITH 100 WOMEN 3 / TINA MASON

2009-06-21 08:53:34 | ROCK
ネットで漠然と「何かいいCDでも出てないかな」と検索する毎日だが
その中でひっかかった1枚が掲載写真。ティナ・メイスンが67年に
出したアルバム「TINA MASON IS SOMETHING WONDERFUL!」にシングルや
コンピレーションに収録された曲を追加したものだ。
ジャケットのデザインがなんとも良かったので、彼女のことは全く知らなかった
ものの購入したのだが、これがいかにも67年のポップスという感じで
気に入った。

自身がフロントに立ったグループでスタートしたものの、紆余曲折あって
ソロ名義になったことがライナーに記載されてあり、その際にブルネットの
髪をブロンドにしたことも書かれてある。アメリカのショー・ビジネスでは
よくある話だが、そんなに金髪がいいのかね。上と下の色が別だったら
違和感あると思うのだけど、まあそんなとこまで見るオーディションは
ないだろう。(笑)

勢いのある歌唱と楽曲のアレンジがうまく噛み合っていて好感の持てる1枚で
そうなると気になってくるのが、このアルバムを作った面子である。
まず目がいったのが、プロデューサーのデヴィッド・アクセルロッド。
彼のソロは1枚しか所持していないが、ロック者にはエレクトリック・
プルーンズの問題作「MASS IN F-MINOR」収録曲の全曲の作者でアレンジャー
として知られている。初期のビートの効いたガレージ・サウンドを期待して
手にした人(私です)をひっくり返らせた張本人なのだが、意外ながら
バンドのコーラス・ワークの上手さを引き出し、クラシック被れと揶揄され
そうだが、聴き応えのある1枚のアルバムとして完成させたことは
忘れられない。

セッション・メンには面白い名前がある。誰がどこで何をしているか
曲ごとのクレジットはないのだが、ヴァイヴと各種打楽器担当にヴィクター・
フェルドマンの名前がある。ジャズの名盤として名高い「THE ARRIVAL OF
VICTOR FELDMAN」の人である。多芸な人なのでこういうセッションはお手のもの
だったのだろうが、ジャズ・ファンとしてみれば手に負えない人の典型的な
タイプとも言える。ザッパのあの「LUMPY GRAVY」にも参加しているし。
ドラマーのアール・パーマー以上に目をひいたのがジョン・ゲランの参加。
彼もザッパの幾つかの作品に参加していて、「CHUNGA'S REVENGE」収録の
洒落た小品「TWENTY SMALL CIGARS」でのブラシ・ワークといえば
ピンとくる人もいるだろう。ジョニ・ミッチェルと恋仲だったこともあった。
二人とも後にLAエクスプレスに参加するという偶然が面白いといえば
面白いが、LAエクスプレスが面白いかどうかは、ここでは触れません。(笑)

というわけで、フランク・ザッパのファンも一聴の価値があるという
アルバムで、なんとなくボニー・ピンクに似ているという理由で買ったとしても
許されるのです。
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PAUL WELLER / JUST A DREAM

2009-06-20 18:11:19 | ROCK
昨年は傑作アルバム「22 DREAMS」を届けてくれたポール・ウェラーだが
今年はライブDVDでファンを満足させてくれた。
掲載写真は、昨年12月にBBCの番組で放送されたライブを収録したDVDと
11月にブリクストン・アカデミーで収録されたCDが収録されたもので
タイトルは「JUST A DREAM」。ここ最近の私のお気に入りでもある、
ハードカバー・ブック仕様。

ウェラーを含む5人のメンバーにホーン・セクションやストリングスがついた
豪華だがいたずらに派手にならない、趣味の良いアレンジが施された
ライブで好感が持てる。ソロになってからキャリアを積むにつれて、
自身が弾くギター・パートの重要度が増すウェラーだが、もう一人のギタリスト
であるスティーヴ・クラドックとのコンビネーションは絶妙で、
リード・ギタリストとしての位置づけだが、引くところと弾くところの
違いがわかっていて実に良い。
長年の付き合いによる間合いを含めて、バンドとしての完成度は
望みうる最高の位置に達しつつあるとさえ思う。
選曲はサブタイトルの「22 DREAMS-LIVE」にあるように新曲をメインに
往年の代表曲を緩急つけて披露するバラエティに富んだもので、収録曲は
21曲。「22 DREAMS」と同じように最後の22曲目は自分で思い思いの
曲を探し、胸の中でそれを鳴らせということなのか。

ストリングスを担当するWIRED STRINGSの面々の美しさも映像作品として
華を添えている。テレビ用に濃いメイクをしているのが、またなんとも良い。
おいおい、素顔が一番なんて青臭いガキのようなことは言わないでくれよ。(笑)

DVDにはリハーサルの模様が5曲、「22 DREAMS」からのプロモが2曲
ボーナスとして収録されているのが嬉しい。お楽しみのジャム時代の曲は
「THE BUTTERFLY COLLECTER」と「THE EATON RIFLES」!。
このDVDを見ていると先日購入したクラプトンとウィンウッドのDVDの
何を不満に思ったかが漠然と見えてきた。細々とは書かないが
端的に言えば、きちんとリハやライブの数をこなしたスティーヴ・ウィンウッドが
集めたメンバーにクラプトンが入るんなら入った形だと良かったとだけ
書いておこう。

というわけで、次のポール・ウェラーの一手がまた楽しみということで
今回はお開きにしたい。

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YOU CAN DO A LOT WITH 100 WOMEN 2 / KATE BUSH

2009-06-18 23:02:45 | ROCK
熱心なファンを多く持つケイト・ブッシュであるが、実は私との相性は
良くない。これも以前書いたが、ブライアン・フェリーを完璧主義者と
呼ぶ人に疑問を持つのと同じ意味合いで、ケイト・ブッシュにも一方的に
そんな感情を勝手に抱いてしまったのかもしれない。
そんな私がケイトの音楽を聴くのを更に遅らせる出来事があった。

大学を卒業して、正式に就職する前の新入社員研修が2泊3日であった。
研修終了後の3日目が今でいうところの○オン・グループの合同入社式という
日程であったのだが、その研修中の話。
CDや本を扱う仕事なので、自称音楽好きという人がそれなりにいるかと
思ったのだが実はそうでもないことに少々がっかりしていたら、同期入社の
女が私に話しかけてきた。大柄な女で、まあそれはいいのだが偏見承知で
いえば、何の苦労もしたことのないような感じの女だった。
つまり、家はそこそこ裕福で、とりあえず大学に行ったのだがその選択は
勉強の出来る出来ないとか偏差値とかに関係なく、自分が行くことのできる
レベルの大学こそが、自分にとっての大学で無理して上を目指すとか
受験勉強を頑張ったとか、そういう事柄とは程遠い生活。てっとり早く言えば
どこぞのお嬢様という感じ。そんな女が私にこう言った。

「ロックとか好きなんでしょ。どういうのが好きなの。」
私は昔から今に至るまで変わらない、バカの一つ覚えのように「ああ、
ローリング・ストーンズとかフーとかキンクスとか・・・。」と答えた。
その女は「ふ~ん。私はねケイト・ブッシュが一番好き。他にはイギリスの
ニュー・ウェーヴ。」と言ったので、私は思わず笑いそうになった。
なぜなら、その女の顔は誰かに似ていると思っていたのだが、それがわからず
話しながら考えていたのだが、女が自ら謎を解いてくれたのだから。
ああ、ケイト・ブッシュが好きなのは良くわかったよ。「KICK INSIDE」の
ジャケットみたいなメイクに髪型なんだもんな。

そこまでは、まだよかったのだ。
私が名前を挙げた3つのバンドには全く興味が無く、具体的に何といったか
忘れたが古臭い趣味のように言われたのは覚えている。その後も幾つか
バンドの名前を出したが彼女のリアクションはゼロ。反対に彼女の出す
名前はいちいち知っているが、そこに何か私が話を合わせるようとすると
私のほうが詳しいといわんばかりのどうでもいいことをまくし立てる。
とどめがこうだ。
「私ねぇ、○ッキング・オンとヴァー○ンが企画したロック評論で1位になって
イギリスに行ったのよ。」

ああ・・・。だから何なの。
そんな企画で1位になったなんて、却ってキャパシティの狭さを露呈している
だけなんだけどなぁ、と思ったが私が言っても説得力が無い(笑)ので、
私がフェイド・アウトすることで話は終了。
街外れの闇に立ち、空にキスをしようと見上げた時、ヴィーナスとマースの間に
愛の人工衛星を見たこともないような女にロックと言われても困ってしまうし、
だいたい俺は、村の緑で育ちながら10代の荒地をやり過ごし、未だに
何にも満足できないのだから。

研修終了後、家に帰って○ッキング・オンのバック・ナンバーを見たら
確かにその女の名前はあった。ふぅ~。大したケイト・ブッシュお嬢様だこと。
で、ケイト本人には何の罪も無いのだが、私はケイトの写真を見るたびに
その女の顔がダブって、なかなかレコードを購入するに至らなかったという
わけである。

掲載写真は1ST「天使と小悪魔」の日本盤。なかなか微妙なカットで
ここからシングル・カットされた「嵐が丘」(本来A面は「嘆きの天使」なの
だけど、B面の「嵐が丘」が大好きなので)のジャケットはもう少し下まで
写っていて、なんとなくセクシーなことになっている。
このジャケットのフォト・セッションから幾つもの写真がジャケットや
プロモーションに使われているのだが、月日が流れ例の女とケイトが
ダブらなくなった今となっては、もうちょっと引いた写真にして欲しかったな
なんて思うのであった。(笑)

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YOU CAN DO A LOT WITH 100 WOMEN 1 / ANN MARGRET

2009-06-17 21:02:59 | ROCK
以前このブログでボブ・ディランやジミ・ヘンドリッツクスを聴くのは
後回しだったということを書いた。それは私の歪んだ「バンドマン幻想」の
弊害だったのだが、それと同じような理由で20歳になるまで女性が歌う
レコードをほとんど所持していなかった。アマチュア・バンドをやる上で
「バンドは男だけでやる。」というのが、私の最低限のルールだったので
女性が歌うレコードを聴いたり集めたりしても、自分には大して役に立たない
と思っていたのだ。さすがにブロンディーやプリテンダーズは聴いていたが
そこまでで、今となってはお笑い種である。

今の私のレコード棚は10代の頃と違って、女性のレコードやCDも多く
収まっていてそこはかとない色気を漂わせている。それでも数はそんなに
多く無いのは事実。そこで数少ない?女性のレコードに対するあれやこれやを
書き連ねる新企画を思いついた。題して「YOU CAN DO A LOT WITH 100
WOMEN」。これは見たことはないのだが邦題が面白いイタリア映画「7人の
女と何をする」の英語タイトルをもじって、7を100に変えたもの。
果たして100人続くのか、というよりきっとすぐ飽きてしまうと思うのだが
どこまで続くやら・・・。(笑)

栄えある最初の女性はアン・マーグレット。
スウェーデン生まれの女優だがレコードも何枚か残しているので、いわゆる
「女性ボーカル・ファン」には定番の存在であろう。そんな彼女のアルバムが
一本気なロック者の私の琴線に触れたのには理由が幾つかある。
なぜ彼女が最初のエントリーに相応しいか。それは私が彼女の名前を
最初に知ったのが映画『トミー』を見たからという理由による。トミーの
母親役だったのだが、ロジャー・ダルトリーの母親としては若々しいし
何より綺麗なのにケン・ラッセルの滅茶苦茶な撮影にも平然と応じている
姿が印象に残ったのだ。

掲載写真は62年に発表された彼女の2枚目のアルバム。
ジャケットを見てなんとなくザ・フーのマイ・ジェネレーションの「ガール・
ジャケ」が頭に浮かび、それがそのまま『トミー』にも繋がってこれは
買うしかないでしょ、ということになった。
冒頭の曲を聴いてもおそらく日本のニール・ヤングのファンの8割は何の
リアクションもないとは思う(笑)が、件の曲「OH,LONESOME ME」は
ニールのアルバム「アフター・ザ・ゴールドラッシュ」収録曲と同じ曲だ。
ニールの曲じゃないのだけど、ニールのほとんどオリジナルといってもいい、
あのメロディーしか頭に浮かばない人には「同じ曲だよ」と言っても
理解できないのは無理も無いのだけど。

続くオーティス・ブラックウェルの「SLOWLY」での甘えたような歌声に
痺れる男性が多かったであろうことは容易に想像がつく。そして次の
「FEVER」での見事に跳ねる歌唱との表情の違いに、また驚く。
アン・マーグレット、この時20歳である。女優の余技とは思えない
表情豊かな歌唱は、歌手一本でやっても通用したのではないかと思うのは
私だけではないだろう。極めつけは、これも多くの人がカバーした
「MOON RIVER」。藤井一彦がソロ・アルバムで取り上げてから、私にとっても
グッと身近に思えるようになった曲で、以後心して聴くようになった。

というわけで、第一回はザ・フーのファンとしてロック者として、何ら
恥ずかしがることのない女性に登場願った。
この先どう続くかはわからないが、なんとなく続くのである。(笑)
コメント (6)
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グリーンスリーブスのいい仕事

2009-06-15 21:00:14 | REGGAE
グリーンスリーブスというのはレゲエ好きには避けて通れないイギリスの
レーベルなのだが、今年に入って魅力的な再発を手がけてくれている。
掲載写真左は「EVOLUTION DUB VOLUME 2」と題されたコンパクトな
ボックス仕様のCD4枚組。レゲエやダブのCDはロックやソウル以上に
CD化が遅れ例えCD化されても、市場に残っている期間は短い。
この「ダブの進化」と題されたシリーズは定番は勿論、なかなか聴くことの
できなかった音源をCD化してくれて有難いことこの上ない。
更に嬉しいことに価格が安いし、当時のアナログ盤を模した紙ジャケ仕様で
各CDを収納している。勿論、紙ジャケといっても元が大したことない(笑)
ので、日本で流通する箱庭感覚の紙ジャケとはわけが違うが、それでも
アナログ盤の雰囲気を感じ取ることができる。

個人的に「VOLUME 1」の中では未聴だったキング・タビーの「DUB FROM
THE ROOTS」が嬉しかった。王冠をかぶったまさにキングの風格漂うジャケットに
憧れたものだ。さてこの「VOLUME 2」では私の目当ては掲載写真右の
「BRASS ROCKERS」だった。演奏者としてトミー・マクック&アグロヴェイターズ
がクレジットされている。オリジナル・スカタライツのトミーがカールトン・
デイヴィスにロビー・シェイクスピア、チナ・スミスらの名手を
従えてサックスを気持ちよく吹く。プロデュースはバニー・リー、
ミックスはキング・タビーとこれ以上はないセッティングでのレコーディング。
内容は期待通りで、まあこれで気に入らないならレゲエだのダブだのを
云々するなってなものである。

ジャケットのマスター・フィルムなんて残ってないのだろう、アナログ盤から
ジャケット写真を起こしているが、それもまた雰囲気。表裏しっかり
再現してくれることで、このアルバムがレゲエやダブの世界では珍しく
参加メンバーの写真と名前がしっかり掲載されていることもわかった。
英文ライナーは情報量が多くなかなか読むのが大変だが、今までどんな
それらしい本を見ても解りづらかったアルバムの「発表年」という基本的な
ことがわかるのも嬉しい。本当に些細なことなのだけど、それすら
ガイド本の類には載ってないこともあるのだから。

このシリーズ、現在はVOL.4までリリースされているのだが、私の手元には
まだVOL.3と4は届いていない。かなり前からオーダーしているのになぁ。(笑)
何はともあれ充実のダブ・ボックスなので、これで打ち止めと言わず
VOL.10くらいまで続いて欲しいものだ。
え~と、AFRICAN ALL MIGHTY DUBのシリーズは全部お願いします。(笑)
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君を呼んだのに

2009-06-14 10:35:17 | THIS SONG
ザ・グルーヴァーズ待望の新作「ROUTE 09」が届いた。藤井一彦の
ソロ・アルバムに収録された「今を行け」やカーペンターズ・カバーを
含む全11曲。しばらくの間、ヘヴィー・ローテーションになるのは
間違いないだろう。

今回も一般発売に先駆け、「革命的通販システム」により、アドヴァンス・
メンバーには一足早く届けられたのだが、今回の特典ディスクには
胸が締め付けられた。今までは事前に曲目は伏せられていて手にするまで
わからなかったのだが、今回はグルーヴァーズのHPで曲名が明かされていた。
それは忌野清志郎の死去を受けてのもので、事前に用意していたカバー曲が
RCサクセションのものでそれを公表することで、自身のアルバムの
売り上げに繋がると思われるのを憂慮したものの、多くの人に聴いて
欲しいという気持ちを優先したための発表であることが書かれてある。
アドヴァンス・メンバーしか入手できないCDなので、これは正しい判断で
ちっとも間違ってはいない。そもそもは病床の清志郎に聞かせたいと
思ってのカバーが結果として追悼になってしまったのだが、これ以上の
追悼盤はないだろう。

「君を呼んだのに」はRCサクセションが82年10月に発表したアルバム
「BEAT POPS」に収録されている。私はお年玉を握り締め、83年1月3日に
入手した。河出書房が95年に出版した「生卵 忌野清志郎画報」の中で
藤井一彦は前作「BLUE」のアルバム・ガイドを書いている。66年生まれの私には
ここらのアルバムはあまりにリアルなので思い入れが強すぎて冷静な判断が
出来かねるのだが、「BLUE」に比べて「BEAT POPS」は混沌としたアルバムと
いう印象が強い。特にB面はわけがわからなかった。

録音もミックスも今ひとつの「サマーツアー」のライブは有難いのかどうか
すら疑問だったし、3曲目の「ナイーナイ」4曲目の「君を呼んだのに」の
流れはヘヴィー以外の何物でもなかった。今思えば日本のロックでの初めての
サイケデリック体験だったのだと思う。抽象的な歌詞と音響効果が
体験したことはないがバッド・トリップで酩酊したような感じと、あの後の
気だるさを感じさせたのだ。当時、油絵を少しやっていたのでリアルな
絵の具の匂いは勿論、女の子の甘い匂いも同時に入り混じって気が遠く
なりそうだった。薬の替わりに紫煙が立ち込めていたのは言うまでもない。
終わりのない閉塞感、永遠に続く恐怖、出口未だ見つからず・・・。

グルーヴァーズのカバーは深い。選曲の時点で深いのだ。
これが「あの娘のレター」や「たとえばこんなラヴ・ソング」だったら
どんなに気が楽だったろう。
残念ながらアドヴァンス・オーダーは締め切られたので、今からこのCDを
入手することはできない。運よく、いや先見の明を持って入手した諸兄姉達、
大事に聴いていきましょう。ストーンズ者はニヤリの佐野元春カバーも
冴えていることだし。
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UP-TIGHT / THE BIGGINING OF THE END

2009-06-13 11:34:53 | ROCK
健康に留意せねばと思いつつも、なんとなく毎日酒を飲む。
酒豪なんて言葉からは程遠く、それほど量を飲むわけではないが
用事の無い休みの日は、昼間からビールを飲み始める始末。
正直なところ、素面でこんなブログをやってられるほど私は厚顔無恥では無い。
まあ、いいじゃないか。煙草を控えるようになったとはいうものの
今まで何十年も不摂生をしてきたのだ。長生きはしたいけど贅沢は言わない。
ロックを聴く時間が減るということだけが耐えられない、
ただそれだけのことだ。

掲載写真は浜松に拠点を置くロック・バンド、UP-TIGHTの新作「THE BIGGINING
OF THE END」。ギタリストでヴォーカリストの青木さんは、このブログにおいて
ビートルズ20選やボブ・ディラン30選を手伝ってくれた方であるので
名前に見覚えのある方はいるだろう。
知り合ったのは何年前になるのだろう。きっかけは日本のとあるロック・バンド
の第一人者のHPを介してであったのだが、私はその偏屈で曲解されたバンドの
ファンはどういう人なのだろうということにも興味があった。
実際に何人かと会ったりメールのやりとりをしたが大多数は、音楽的な趣向と
人間的な意味合いを含めて、勘弁してくれという人達だったのが
今思えば面白かった。青木さんに関して面白いと思ったのは、失礼ながら
自身の演奏する音とその手(といっていいのかどうかわからないが)の音の
愛好家とはほど遠い、リスナーとしてのセンスがあるということだ。
そして、それはそのままUP-TIGHTというバンドの奥深さに繋がる。

今回のアルバムはアナログ盤オンリー。初回プレスは赤色のカラー・ヴィニール。
イタリア製の到着したジャケットは触ればまだインクが手に付きそうな
気がするシルクスクリーン印刷。レーベルに曲目表記がないが(インサートには
ちゃんと表記があります)、マトリックスの「UP TIGHT」の文字が嬉しい。
聴き終えた結論から言うと、今までのどのアルバムよりも私は気に入った。
轟音も繊細な音もしっかり捉えられ、それがアナログ特有の質感で部屋に
流れた時、私は「レコードっていいな。」と思うのである。
曲調も今まで以上にバラエティに富んでいるし、実験的な要素もある。
ステージでの再現が難しいと思える曲、つまり演奏してもレコードとは
違った印象を与える曲もあるだろうが、それは記録としてのレコードを
楽しむべきだろう。

Trad Gras Och StenarやInternational Harvesterと並べて語ることも出来る
かもしれない。CDでの流通がないことで聴き手を限定するかもしれない
というのが唯一の心配事なのだが、とにかくこのレコードを聴かないことには
お話にならない。サーストン・ムーアが騒ぎ出してからでは遅いのだ。
というか、サーストン・ムーアには是非とも聴いていただきたい。
誰か、聴かせてやれよ。(笑)
そんな不遜な言葉が許されるアルバムということで、このレコードの
魅力の程を察していただければ幸いである。





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GOD SAVE THE KINKS

2009-06-10 10:41:43 | ROCK
キンクス・カバーを編もうと思い立ち、棚のCDを探し始めて幾数日。
最初の目論見より曲が集まらないかも、という不安が頭をよぎったが
何とか形になった。ディランの時もストーンズの時も日本人アーティストは
一組だけ選んだので、今回日本人を誰にするかということを考えたのだが
これは即決だった。というか、思い返せばディランもストーンズも
即決だった。(笑)「誰を選ぼうか」と思ったその瞬間に頭にメロディーが
よぎるほどの印象を残すというのは並大抵ではない。
今回も単なる自己満足の全45曲。曲目表記はカバーしたアーティストの
タイトルで記した。
と、いうわけで。

HARRY'S SELLECTION『GOD SAVE THE KINKS』(66S-004)

DISK1

01 YOU REALLY GOT ME / MOTT THE HOOPLE
02 I NEED YOU / THE COUNT BISHOPS
03 STOP YOUR SOBBING / THE PRETENDERS
04 TILL THE END OF THE DAY / BIG STAR
05 TIRED OF WAITING / SUZY QUATRO
06 A HOUSE IN THE COUNTRY / THE PRETTY THINGS
07 GOTTA GET THE FIRST PLANE HOME / THE YOUNG FRESH FELLOW
08 IT'S TOO LATE / THE FLESHTONES
09 YOU GOTTA MOVE / RICHARD HELL & THE VOIDOIDS
10 WELL RESPECTED MAN / CHEAP TRICK
11 SEE MY FRIENDS / RICHARD THOMPSON
12 WHERE HAVE ALL THE GOOD TIMES GONE / VAN HALEN
13 SET ME FREE / GRAHAM BONNET
14 FATHER CHRISTMAS / WARRENT
15 DAVID WATTS / THE JAM
16 SUNNY AFTERNOON / BOB GELDOF
17 LOLA / THE RAINCOATS
18 ALL DAY AND ALL OF THE NIGHT / THE STRANGLERS
19 WATERLOO SUNSET / DAVID BOWIE
20 THIS IS WHERE I BELONG / RON SEXMITH
21 ACT NICE AND GENTLE / LARRY BARRETT
22 VICTORIA / THE KOOKS
23 OKLAHOMA,U.S.A. / YO LA TENGO

DISK2

01 APEMAN / THE ESSO TRINIDAD STEEL BAND
02 WHO'LL BE THE NEXT LINE / THE SIR DOUGLAS QUINTET
03 RAINY DAY IN JUNE / STONEGROUND
04 THE WORLD KEEPS GOING ROUND / THE SMITHEREENS
05 KING KONG / 21ST CENTURY STARS FEATURING ROLLY
06 THE VILLAGE GREEN PRESERVATION SOCIETY / KATE RUSBY
07 PICTURE BOOK / BILLY LLOYD
08 BIG SKY / MATTHEW SWEET
09 STARSTRUCK / STEVE FORBERT
10 WICKED ANNABELLA / THE MINUS5
11 ANIMAL FARM / THE JUDYBATS
12 FANCY / RED KROSS
13 I'M NOT LIKE EVERYBODY ELSE / CHRIS SPEDDING
14 THE HARDWAY / THE KNACK
15 WONDER BOY / EDDIE READER
16 ROSIE,ROSIE / MARIANNE FAITHFULL
17 CELLULOID HEROES / CLAIRE HAMILL
18 THIS MAN HE WEEPS TONIGHT / THE FALL-OUTS
19 ALCOHOL / BUSTER POINDEXTER
20 SITTING IN THE MIDDAY SUN / ANA EGGE
21 DAYS / FLO & EDDIE
22 BETTER THINGS / DAR WILLIAMS
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LOOK ! AND LISTEN !

2009-06-10 10:30:57 | DAY BY DAY
のんびり続いた「GOD SAVE THE KINKS」シリーズ。6月に入って雨が降ったら
ストーングラウンドの「RAINY DAY IN JUNE」でも書こうかなと思っていたのだが、肝心の収録アルバムを通して聴いてもあまり好みじゃないし、
何日も先のことを考えてネタをストックするのは日記とは言えないし・・・と
もやもや気分が抜けきらない。

まあいい。何はともあれ完成した。
というわけで、LOOK ! AND LISTEN ! GOD SAVE THE KINKSである。
掲載写真のCDについて私が何かコメントできるようなことは無いのだけど
たまに思い出したように聴いている。
完全にジャケ買いなのだけど、自分のセンスが稀に確かなこともあるという
ことはわかった。(笑)
コメント (2)
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