何れも、かつて見たことがあるのだが、かなり昔に見た映画もあり曖昧だった記憶が
正しく修正されたり、新しいことに気付いたり。
小学生の頃、ブルース・リーは大ブームだった。学校の近くの駄菓子屋ではブルース・リーの
カードが売られていたので、ライダー・カードと並行して集めたものだ。
初めて映画を観た時と違って、ロック者となった今は映画のBGMとかも気になるわけで、
「死亡遊戯」の音楽担当のクレジットにジョン・バリーの名前を見つけると「ああ、ジェーン・
バーキンの元夫だなあ。」と思ったり。
面白かったのが71年制作の「ドラゴン危機一発」。この映画は何度も音声や音楽の編集が
改変されて放映されたり商品化されているようなのだが今回の放送は広東語バージョンで、
BGMは74年以降に使われた英語バージョン。
それ故に71年の制作時には有り得ないはずの、ピンク・フロイドの「狂気」やキング・
クリムズンの「太陽と戦慄」からの曲が、平気で流れてくる。(笑)
それよりも、ちゃんと権利をクリアしているのかが心配になったりして。
ブルース・リーから思い浮かぶレコードというと、リー・ペリー制作の掲載写真の1枚。
アルバム・タイトルが「KUNG FU MEETS THE DRAGON」で、ジャケットもそれっぽく描かれている。
靴底を大きくみせる蹴りは、映画「死亡遊戯」での見せ場である五重塔で三番目に待ち構える
ハキムを想起させるが、アルバム制作は75年であることは申し添えておこう。
ジャケット左端にブルース・リーらしき人が描かれているのも面白い。
音はと言えば、激烈なダブというものではないがバラエティに富んでいる。
オーガスタス・パブロのメロディカが鳴り響く曲があれば、リンヴァル・トンプスンが
「ウッ」とか「ハッ」とかの勇ましい掛け声の後ろで渋く歌う、その名も「KUNG FU MAN」
という曲もある。多分御大ペリーが低く唸っているのであろう「FLAMES OF THE DRAGON」の
雄叫びとクールな演奏の対比も楽しい。
現行CDはボーナス・トラックが5曲あって、その中の「23RD DUB」はあの「TSOP (The Sound
of Philadelphia)」を渋くレゲエ仕立てで演奏している。
怪鳥音は聞かれないけれど、楽しい1枚だ。