HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

THE YARDBIRDS / BEAT BEAT BEAT

2008-10-30 22:04:22 | ROCK
我が生涯3大バンドはともかく、ゼムやスペンサー・デイヴィス・グループ、
アニマルズやスモール・フェイセスよりも圧倒的にヤードバーズが
好きである。先に挙げたバンドにはそれぞれ優れたボーカリストがいたが
それに比べてキース・レルフはどうにも分が悪い。
3大ギタリストのキャリア・アップの踏み台になったというイメージも
あるが、それにも増して楽曲の良さが全てを補って余りあるのだ。
アナログ時代に原盤を探したり、たった1曲のために編集盤を探したり
今思えばレコード収集に熱心だったように思う。

もちろん映像にも興味があってブートビデオも買った。
だいたいこういうものは勝手に店が編集しているようなものなので
画質や内容は似たりよったりで、まあ大したことはなかった。
個人的にヤードバーズのギタリストはジェフ・ベックという刷り込みが
いつのまにか出来ていたので、レアなジミー・ペイジ時代の映像というだけで
飛びついたものだ。

掲載写真はドイツのテレビ番組「BEAT BEAT BEAT」にジミー・ペイジ時代の
ヤードバーズが出演したDVD。私が買ったブートビデオにもボロボロの
画像で収録されていたのだが、当たり前だがこれは鮮明である。
滲んでなんだかわからない映像を有難く見ていたことを、ついこの間の
ように思い出すのだが、もう20年以上前の話である。

はっきり言ってカメラワークは全然ダメである。キース・レルフは
大写しになるのだが、バンド全体を捉えた映像は少ないしジミー・ペイジは
首から下のギターばかりが写る時間が長い。それでも昔見た映像が
これほどまでに鮮明にDVD化されると感無量である。
「HAPPENINGS TEN YEARS TIME AGO」での若きペイジの張り切り具合を見て
胸が高鳴る人は多いだろう。ブートビデオで見たときは気がつかなかったが
最後の曲「I'M A MAN」では5弦が演奏中に切れる。それでも弓弾きを
敢行するペイジを見て、いやでもこの後がレッド・ツェッペリンなんだと
いうことを思い起こさせ、稀代のギタリストのセンスに惚れ惚れする。
全4曲で収録時間は15分ほどなのだが、値段も5ポンドを切るので
なかなかいい買い物である。

他にキンクスとスペンサー・デイヴィス・グループのものも買ったのだが
どちらも短い時間ではあるが楽しいDVDである。今なら日本のショップより
直接海外から購入する方が安いだろう。リージョン・フリーのNTSC方式なので
安心して購入できることを付け加えておく。
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追憶のブートレグ61・ACT40 / BADFINGER

2008-10-28 20:50:30 | ROCK
地域性とかもあるかもしれないが、私と同年代の方なら80年代半ば頃に
バッドフィンガーのレコードを探すのは難しかったという記憶がある方も
いるだろう。仲間内ではバッドフィンガーに加えてトッド・ラングレンや
フランク・ザッパのレコードがブームになっていたので、連れ立って
レコード屋に行くと最初に見るコーナーが同じで、困ったものだった。(笑)
あっ、フランク・ザッパはそれでも少数派だったから、やはりトッドと
バッドフィンガー狙いという人が多かったな。

ある日後輩が「マジック・クリスチャン・ミュージックを買った。」と
いうので見せてもらったら、見事なカウンターフィット盤でしかも
ギリシャ盤。(笑)ジャケットの印刷の甘さを笑いながらも「聴いたこと
ないでしょ、見かけたら買うでしょ。」と問われたので、正直に
「聴いたこと無い、買う。」とバカのような返答をしたのを思い出した。
ありがたくテープに録音したのは言うまでも無い。

まだアップル時代はCDの再発が夢の夢の頃、働き出して小金が出来たので
正規盤もろくに聴けていないのに、本末転倒ながら簡単に入手できた
ブートレグのレコードを何枚か買った。2枚組のデモを集めたLPは音質が
いまひとつだったが、スタジオ録音なのでますます未聴のアップル時代の
諸作品への思いを馳せることになるのだが、驚いたのはBBCライブだった。
後に正規盤で出ることになるのだが、数少なく聴いたスタジオでのポップな
音とは少々違うハードな演奏にとまどったのだ。
90年に出た74年のライブ「DAY AFTER DAY」がそれに拍車をかけたが
すぐに他の時代のライブを聴きたいと思ったのは欲が深いところ。(笑)

今では70年から74年頃のライブ音源は満遍なく出回っていて聴くことが
できるが、72年のライブが一番充実していると思う。
掲載写真は72年4月7日の演奏を収録している。
「BETTER DAYS」がオープニングというのはこの時期ならではで、快調に
ステージはスタート。お約束のデイブ・メイスンのカバーが2曲に
ライブならではの熱の入った長尺の演奏が聴ける「SUITCASE」もある。
ブートレグとして出回った音源の中で「SWEET TUESDAY MORNING」と
「WE'RE FOR THE DARK」を続けて聴くことができるのは珍しいのでは
ないだろうか。スタジオでのレコーディング・アーティストとは違った
ライブ・バンドとしてのバッドフィンガーの側面を楽しむには最適の
ブートレグである。

それでも。今では慣れたつもりでも、初めてBBCライブを聴いたときの
違和感は体内に残っているようで、バッドフィンガーのライブ盤を聴くとき、
最初にCDをセットして「あれっ」と思い、数十秒後にもはや無いはずの
違和感を払拭するという、その繰り返しは私の中では永遠に繰り返される
行為なのだろう。


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GRATEFUL DEAD / ROCKING THE CRADLE EGYPT 1978

2008-10-26 22:10:10 | ROCK
アーティスト・オブ・ザ・イヤーか?。(笑)

いやいや、冗談抜きに今年はデッドのCDを沢山買った。
全部新譜で内訳は「WINTERLAND 1973」(10枚組)、「ROAD TRIP
VOL.1NO.2~NO.4」(各3枚組×3)、そして掲載写真の「ROCKING
THE CRADLE EGYPT 1978」(3枚組+DVD1枚)。
これらはデッドのHPで購入したのでボーナス・ディスク込みの枚数なのだが、
HMVとかの通販だと、ボーナス・ディスクが無いケースもある。
価格の違いもあるので、送料をカバーするくらいの物量を買う覚悟で
デッドのHPでの購入が一番おすすめなのだが、発送済みのメールを
貰ってから到着するまでに時間がかかることもあるので、短気な人には
向かないかも。(笑)

掲載写真は78年9月15日と16日にエジプトで行われたライブを
収録したCDとDVDで、DVDは全て16日の収録。
デッドがアメリカと欧州以外で演奏したのはこの時だけであることや
ピラミッドやスフィンクスを背景にした野外ステージであり、尚且つ
皆既月食という自然現象に恵まれたことから、昔から伝説のステージと
言われてきた。

まだデッド道に入ったばかりの頃、その筋の先達トレーダーから
「デッドがエジプトでライブやったの知ってる?、観客は駱駝しか
いなかったんだよ。」と言われバカ正直にもしばらく信じていたものだ。(笑)
あとから、画像の悪いその時の映像を貰って「冗談だよ。」と
からかわれたのもいい思い出である。

大掛かりな機材を持ち込んでの演奏なので、間違いなく大赤字だったはず
だが、ここでやることに意義があったということだろう。
今、私たちが見聴きできるように撮影と録音が行われていながら
赤字分の回収のためにすぐにレコードやビデオを発売しなかったのは
この後すぐにゴドショウ夫妻が離脱したからかもしれない。

映像は「BERTHA」で始まる。ボーナス・ディスクも同曲から始まるが
どちらも同じように曲の途中からのフェイド・インである。不慣れな環境で
現場が混乱していて録音に手違いがあったのだろうか。ドナ・ゴドショウも
モニターが聞こえにくいというしぐさをするし、ボブ・ウイアも
手探りの状態。2曲目の「GOOD LOVIN'」ではフィル・レッシュがほんの少し
噛み合わない箇所があるので、ステージのモニターには相当混乱があったと思う。
ここらもCD化が遅れた一因の可能性はあるが、その後ステージは快調に進む。
映像の画質は今のレベルから見れば甘いのだが、十分楽しめる。
ボーナス映像には、エジプト旅行を楽しむデッド御一行様の様子が収録
されていて、楽しいものだ。

既に様々な通販ページで見た方も多いだろうが、CDジャケットを広げると
ピラミッドやスフィンクスが飛び出す絵本状態で、装丁も楽しいブツなので
是非ご購入をお勧めする。
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泉谷しげる / NEWS

2008-10-25 19:08:30 | 日本のロック・ポップス
連日、株価が下落するニュースが伝えられる。日本だけに限ったことではなく
欧米諸国でも下落しているため、世界的恐慌の前触れか?、などと
煽る向きもある。資本主義は現実に目に見えない物を売り買いすることで
成り立っていることを今更のように実感するのだが、それではお前は一体
これからどうするのかと問われれば、答えが見つからない。
地道に働くだけなのだけど、円高を利用して外国サイトでCDでも買うかな。
全く危機感が無い。(笑)

一般的にポリドール時代の泉谷しげるは低迷期とされている。
しかしながら、その中でも82年に発表した「NEWS」は聴き所の多いアルバムだ。
時事ネタを取り上げるということは、アルバムを製作中にどんどん
ネタが古くなるという危険性を孕む。そんな危険性をカバーするかのように
意味深で過激な歌詞と、歌詞に相応しいハードなビートが時代を刻んだ
好盤だと思う。

確かに古くなっている部分はあるのだが、本質的に鋭いところを
突いている箇所は今も有効だ。
「裕福の飢餓」「超大国乃危機」と続く2曲の流れは今聴いても圧巻だ。
今の日本の政治の凋落の元凶は、国民が圧倒的に支持したあの男にあると
思えないのなら、それはそれで幸せかもしれない。アメリカだって同じだろう。
日本の場合は、あまりに平和すぎて物がありすぎて、頭が麻痺しているので
質的にはアメリカより性質が悪い。
82年か。あの頃はソ連を共通の仮想敵国と見なせば事足りていた部分も
あったのだけど、今はもっと複雑だ。
敵は隣にいるかもしれないのだから。

超大国乃危機・・・。「I'M SO BORED WITH THE U.S.A.」と叫べないのは
25年経っても変わらない。

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有山じゅんじと上田正樹 / ぼちぼちいこか’08

2008-10-22 22:34:38 | 日本のロック・ポップス
「関西の人はみんな面白いんでしょ?。」
いいえ、そんなことはありません。
「大阪は関東と違って人情が厚いんでしょ?。」
いいえ、そんなことはありません。

そんな大雑把な話はやめてくれ。どこに住もうが良いヤツもいれば
糞野郎もいる。どこかの土地や地方に良い人ばかりがいる訳が無いのだ。
大阪を好きな人がいれば東京を好きな人もいる。

昔は良かった、なんていうふうに過去を振り返りたくはない。
「何も変わってない」とか「すっかり変わってしまった」とか
思ったり口に出したりすることはあるが、その後どうするのかを
考えて生活しなければと思っているのだが、うまくはいかない。(笑)

正直なところ「くいだおれ」にも、あの人形にも何の思い入れも無い。
閉店後に人形がいろいろな処に出向いた様をテレビで見たが、必ず横にいる
元おかみの顔がダブってきてからは、ますますどうでもよくなった。
しかしながら、この人形が日本ロック・フォーク史に残る名盤の
ジャケットを飾ったのは紛れも無い事実である。
「くいだおれ」閉店のお陰で名盤の続きに出会えたというのは、あくまで
結果であるが、ロック者としてそれは素直に喜びたい。

33年の間に得た物、失った物、変わったもの、変わらない物。
そんなこんなを見事に集約したアルバムである。ちょっとしたムラよりも
勢い重視の録音が潔いし、何より有山じゅんじの暖かい声とギターが
あるだけで何となくホっとする。
33年前に発売されてから今に至るまで、「ぼちぼちいこか」を語る際には
「大阪」だの「人情」だのがやたら強調され、それがハナにつくので
冒頭のような出だしになったのだが、そうは言っても「ぼちぼちいこか」を
聴くと顔が緩んでくる。今回の「’08」でもそれは変わらない。

ところで、今回の「ぼちぼちいこか’08」のアーティストのクレジットが
33年前と順番が逆になっていることにお気づきだろうか。
タイトル曲である唯一の新曲を手がけたのが有山じゅんじであるので、
私は当たり前のように受け取ったのだが、何か裏があるのかな?(笑)
値段も安いので、オリジナルを未聴の人もお一つどうぞ。

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追憶のブートレグ61・ACT39 / THE KINKS

2008-10-21 21:21:50 | ROCK
音楽を聴き始めてから今に至るまで、私にとって「不動の3大バンド」と
いうのがあって、それは全く変わることが無い。ちなみにローリング・
ストーンズ、ザ・フーそしてキンクスである。
「好きなバンドって何?」と聞かれて一つだけ答えるのも愛想が無いので
大抵この3バンドを答えるようにしているのだが、そうすると先方に、
さも理解したもしくは見切ったような感じで「なるほど、あの手のヤツが
好きなのね。」と返されたことは一度や二度ではない。
もしかして、3つとも60年代のビート・グループのイメージで括って
しまって完結しているのだろうか?と思うとゾっとして、なかなか話が
進まないのである。(笑)
頭にきたので一時期は「村八分、頭脳警察、外道、遠藤賢司。漢字で
表記できないバンドは聴かない。あっ、遠藤賢司は人名だよ。」と言って
話の進行を止めたこともある。貴方とは音楽以外の話をしたほうがいい、と
遠まわしに言ったまでなのだけど。

活動停止して10数年になるザ・キンクス。
大物の多くがベスト盤やアーカイブ集の組物を出す中で、レーベルを転々と
しているせいもあって、なかなか満足のいく編集盤がなかったのだが
年末になんと6枚組の箱が出るという。どこまでレアな音源が収録される
のかは疑問なのだが、全時代を網羅した箱というのは快挙なので
とりあえず購入しようと思っている。ただバランスが悪くパイ時代を
偏重し過ぎのきらいがある。現在廃盤の「U.K.JIVE」からの選出曲が
あれでいいのか、とか細かい突っ込みを呟きながら楽しく待とう。(笑)

私がレコードを買い始めた頃のキンクスのブートレグと言えば
「THE KINKS KONTRABAND」「KOLLEKTABLE KINKS」が必須であった。
今ではオフィシャル盤にボーナス・トラックで追加された曲もあるが
BBCライブやシングル・オンリーのレア曲に、アウトテイクをまとめて
聴くことが出来て重宝した。CDの時代になってもそれほど多くの
ブートレグは発売されず、目に付いたものは購入していたがそれでも
ザ・フーに比べてでさえ、数は多くはなかった。
それが今ではこと72年のライブに関しては、日替わりに近い状態で
多くの演奏を聴くことができるのだから、長生きはするものだ。

掲載写真は私的にキンクス・ブートレグの最高峰と思っているCD3枚組。
1枚目は「KINKY BEEBS」と銘打たれオフィシャルから漏れたBBC録音の
中から比較的レアな曲を集めている。2枚目は「KINKY BOOTS」(同名の
映画がありますね)と銘打たれたレア・テイク集。昔から有名な曲も
あれば、今まではなかなか聴くことが出来なかった曲もある。
キンクスの前進バンド「レイヴンズ」のシングルも聴くことが出来る。
3枚目はボーナスのような扱いで70年11月21日のライブを収録している。
内容はバラエティに富んでいるのだが、60年代から70年代初めまでの音源で
まとめてあって統一感があるのがポイントの高いところ。
キンクス初心者も楽しめるし、年季が入った人がその10倍は
楽しめる優れものであるのは、楽曲の出来の良さ故である。

まずは全オフィシャル・アルバムを揃えましょう。
え~と、「THE GREAT LOST KINKS ALBUM」はまだCDにならないのかな。(笑)

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エド・サリヴァン・ショー

2008-10-20 22:17:35 | DAY BY DAY
日本の民放の音楽番組(といっていいのかどうかも怪しいが)の
司会者のほとんどが所謂「お笑い芸人」というか「イロモノ」であることに
気付いたのは何時頃だろう。別にそれほど音楽が好きでもない司会者と
楽しく話してトーク主体で盛り上がって、出演者はいい感じでイジってもらって
宣伝になり、視聴率もそこそこ取れて全てが丸く収まる・・・。
なんだか気持ち悪いのだが、よくよく思い起こせばそれは日本だけではないし
まして、昨日今日始まったわけでもない。
いちいち悪い例は挙げないが、そうやって振り返ると「サタデイ・ナイト・
ライブ」は良く出来ていたのだなあと改めて思ったり。

さて、今回取り上げるエド・サリヴァン・ショーは四半世紀続いた伝説の
テレビ・ショーで実際の視聴率も高かったという。
エド・サリヴァンの目利きは鋭くロックやソウルのスターを多くテレビに
登場させ、ミュージシャンにとっての宣伝効果と局の視聴率稼ぎの双方に
役立ったであろうことは間違いない。
今、冷静に見ると事あるたびに登場させるお気に入りのバンドが
あったようだし、出演するミュージシャンの選択もそれほど冒険的ではない。
ドアーズとスライ&ザ・ファミリー・ストーンの出演というのは
何かの手違い(笑)というか奇跡のようなものだ。

先日、近所のハード・オフで「エド・サリヴァン・ショー」のDVDが
1本400円で売られていたので全部揃ってはいないのだが店頭にある11本を
まとめて引き取ってきた。もともと2000円ほどの定価だし箱の中に
何か解説があるわけでもない。収録時間も1本50分ほどなので妥当と言えば
妥当だし、安いといえば安いので場所塞ぎになるけど、この値段で買わなければ
次に見たときは絶対買わないのは間違いないので、仕方あるまい。(笑)

エド・サリヴァン・ショーは99年に5本のDVDをセットにした箱物を
既に購入してあった。重要なシーンはほぼ全てそれで見る事が出来るのだが
今回購入した11本は過去に購入したものとダブるシーンが多いものの、
いくつか未所持の映像を補填する意味合いもあった。
基本的にアメリカで編集したものに字幕を付けて販売しているのだが
昔ながらの人が昔ながらのやり方で編集したのだろう、全部のDVDを
購入すると何度も同じ映像を見ることになる。
1本のわずか50分足らずのDVDの中に、同じ映像が2回出てきたのには
閉口した。こんな編集がよく罷り通ったものだ。

それでもよく出来た内容の物もあった。
掲載写真はシュープリームスとテンプテーションズにスポットを当てたDVDで
時系列ではないものの、それぞれ6曲ずつが収録されている。
感心したのは、それぞれのグループのメンバー・チェンジにちゃんと
触れていることで、それが先に書いた「事あるたびに出演」した或いは
させたという両者の思惑が透けて見えるのも興味深い。
モータウン系列のミュージシャンは多く登場しているのに、アトランティックの
ミュージシャンが少ないのは何故なのだろうという疑問も沸いてくるが
まあ、いろいろあったのでしょう。(笑)

退屈な場面も多々あるのだが、ロック映像史の中で避けて通れない番組でも
あるので、大きな気持ちでのんびり付き合うのが正解だろう。
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追憶のブートレグ61・ACT38 / ROBERT GORDON & CHRIS SPEDDING

2008-10-19 21:09:59 | ROCK
私のブログに長く付き合ってくれている方なら、お気付きの通り
私のフェイバリット・ギタリストはクリス・スペディングである。
大して歌が上手いわけでもなく、弾きまくるわけでもないのだが
歌唱にもギター・プレイにも「歌心」を感じるところが好きなのだ。

リーダー・アルバム(笑)や、目に付いたセッション参加アルバムを
集めるようにしているのだが、ブートレグにはなかなか出くわさない。
ジョン・ケイルにブライアン・フェリー、近年のロキシー・ミュージックへの
参加といったセッション・ワークはあるものの、クリス個人名義のライブの
ブートレグというのを目にした事が無い。
そういうわけで、ロキシー関連以外だとどうしてもロバート・ゴードン絡みが
多くなってしまう。(笑)

実は熱心なロバート・ゴードンの聴き手ではない。アルバムも3枚しか
持っていないし。クリス・スペディングが全面参加したアルバムやDVDは
購入しているのだから、ロバートのファンでないのは明らかだ。
しかしながら、嫌いというものでもない。プレスリー風の歌い方というのは
伝統芸能なので誰か彼かが引き継がなければならないと思っているので
そのレベルでの話ではあるが。

そんなわけで、ロバート&クリスのブートレグは数枚所持している。
掲載写真は1979年3月30日の演奏を収録している。FM放送音源
なので音質は良い。基本的にロバートがメインなのでクリスの歌はない。
しかしながらギターはバッチリ弾いているし、クリスのソロでもファンに
人気の「GUNFIGHT」を楽しむことが出来る。同時期の他の日付のライブでは
続けて「HEY MISS BETTY」を歌っているので、この日も歌っているが放送で
カットされた可能性はある。若き二人の勢いのあるロックンロールを
楽しむことが出来る好盤だ。

本音を言えば、クリス・スペディングのブートレグが欲しいのだ。(笑)
日本にはその市場がないのかもしれないけれど。
一番いいのはクリスがアーカイブ・シリーズでも組んでくれることだ。
安易なベスト盤は、もういいので一つ気合の入った組物でもお願いしたい
ところだが、そんな話は全く聞こえてこないのが残念である。

もっとも、アーティストがどんな組物やアーカイブ集を出しても
ブートレグは無くならないのだけど。(笑)
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MINK DEVILLE / LIVE AT MONTREUX 1982

2008-10-18 20:06:52 | ROCK
様々な年代のモントルー・ジャズ・フェスティバルに出演したアーティストの
DVD化が進んでいる。私も幾つか購入しているのだが、海外での
リリースと国内盤の値段の格差には、ほとほと参っている。
例えば、ヴァン・モリスンやルー・リード、ロリー・ギャラガーのものは
最初の国内盤の値段と輸入盤の値段の差の開きが大きかった。
よって輸入盤をリージョン1にも関わらず購入して、例によってナニして
見るという阿呆なやり方で見ていた。
今年になって廉価で再発されたので、慌てる乞食はなんとやらだが、
まあいいだろう。キャンド・ヒートは廉価扱いで出るまでは国内発売すら
なかったのだから。

今年もまた素敵な1枚がリリースされた。
掲載写真は1982年7月13日のモントルーでのミンク・デヴィルの
映像を捉えたもの。当然のように国内発売は無い。
今回はリージョン1ではなかったので、無駄な作業もなくDVDデッキで
普通に見る事が出来た。

ミンク・デヴィルというのは、どんなふうに捉えられているのだろう。
ニューヨークを拠点に77年にデビューというのもあって、パンクの流れで
紹介されることが多いが、悪い意味での単純なパンクスには咀嚼不能な
雑多な音楽性を持つ。ウィリー・デヴィルのルックスの微妙さと
バンドのB級さ加減ゆえに、それほどの人気を得るには至っていないのだが
英国ではないものの、パブ・ロックの雰囲気を携えたバンドと言えば
膝を乗り出す人もいるかもしれない。ソウル・ミュージックのエッセンスを
隠し持ったパンクってなかなかないので、貴重なバンドではある。

くそ暑いのにシャツにベスト、おまけにジャケットまで羽織って演奏する
ウィリー・デヴィルのスタイリッシュな姿というのは強烈である。
本編の演奏中、ずっとこの格好なのだから大した物だ。ドラマーのシャツは
汗で変色しているのだから、かなり暑かったと思うのだが。(笑)
アンコールで登場した時は、流石にシャツ1枚だったが伊達男ぶりを
見せ付けるためか、目元にはキス・マークらしきものの残骸が・・・。(笑)
曲目もこの時点までのアルバムから満遍なく選ばれ、さながらベスト盤の
ような趣もある。

これもきっと長くは市場に残らないかもしれないが、モントルーの
シリーズが長く続けば、そうでもないかも。とりあえず気になる方は
押さえておくに越したことは無い。


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追憶のブートレグ61・ACT37 / ELTON JOHN

2008-10-14 21:35:12 | ROCK
とにかく振り出しがローリング・ストーンズなので、これは後々まで
リスナーとしての私に様々な足枷をすることになる。(笑)
特にライブや映像といった面でそれは顕著であった。
例えば、見てくれは大事だということは勿論だし、ライブには「動き」が
必要であるのだ。ジーンズを着て突っ立てるだけだったり、椅子に座って
ギターを弾かれては困るのだ。ボーカリストは無闇に動き回り、ギタリストは
弾いているのか踊っているのかくらいに絵的にキマってなければならないし、
ベーシストは演奏が始まっても自分の煙草に火が点くまで、そっちを
気にかけなければならないのだ。(笑)

そんなものだから、ピアノマンの演奏というのは音楽を聴きだした頃の私には
分が悪いものであった。レコードはともかく、コンサートに行って
ずっとピアノの前に座っているのを見ていなければならないの?とか
角度によっては顔も見えないんじゃないの?とかつまらない想像をしたものだ。
エルトン・ジョンは最初からいい印象はなかった。ラジオから流れてくるのは
「僕の歌は君の歌」か「クロコダイル・ロック」のどちらかで、
前者はともかく後者の間抜けなおちゃらけ振りは耐えられなかった。
初めてリアル・タイムで経験したエルトンのヒット・ナンバーは
「アイム・スティル・スタンディング」で、これでやっとアルバムを聴いて
みようかなと思えたのだ。それでも熱心な聴き手ではなかった。

働き出して2年目のとある日、バイトの学生が映画「ファンダンゴ」の
ビデオを持ってきて、「コレに使われているエルトン・ジョンの曲が
いいんですよ。知ってます?。『土曜の夜はファンダンゴ』。」と言うので
椅子からずり落ちてしまった。
「何じゃそれは。『土曜の夜は僕の生きがい』じゃないの?。」
改題されてシングルも切られたようだが、なんとも間抜けな感じがして
オリジナル・シングルをターン・テーブルに乗せ、はたと「黄昏のレンガ路」を
所持していないことに気付き、2枚組にもかかわらず中古で300円で購入。
そしてこのアルバムにハマってしまった。

結局ハマったのはこのアルバムだけで、他のアルバムも何枚か所持している
ものの熱心には聴いていない。何故このアルバムだけにハマったかは
説明できないが、万人が聴いても満足する名盤として通りがいい盤なので
あんまり深く考えないことにする。
掲載写真は、「黄昏のレンガ路」発売から2ヵ月後のBBCライブを
収録したブートレグ。曲のいいところを残してライブ用に勢いのある
アレンジ加減が、聴いていて楽しいことこの上ない。

ストーンズを意識して書いたとも言われる「土曜の夜は僕の生きがい」。
これをザ・フーがカバーしたときは流石はザ・フーだと思った。
それとともに、ピートがエルトンのことを意識して書いた「ラフ・ボーイ」の
ことが頭に浮かぶのであった。
勿論今では、ソロでもデュオでもSSWでもフォークでもなんでもいいけど
許容範囲が拡がったので、ライブで演奏者が座ろうと突っ立ってようと
気にもならないけど。(笑)
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DYE - JOB ?

2008-10-13 21:17:25 | DAY BY DAY
酷使するのはともかく、使わなければならないものはある。
家は人が住んでいないとガタがくるのが早いというし、頭は使わないと
どうなるかは周囲にいいサンプルが沢山ある。
まあ、車も同じで過走行はどうかと思うが乗らなければガタがくるのが早い。
今は通勤に使っていないので、週に1回くらいしか乗らない
我が「世界の名車」(笑)であるが、調子が今ひとつなのでメンテに出したら
修理費が198000円かかってしまった。(泣)
燃料タンク、触媒その他諸々に不具合があったのだがこれは経年劣化もある
ので、仕方あるまい。今の車はボロボロになるまで乗る覚悟だし、
もし買い換えるとしても同じ車を選ぶだろうから、相方や周囲には道楽と
思われているが、そんなことはないし車好きというわけでもない。
ただ、マーク・ボランへの思い入れがそうさせるのだけど、そんなことを
周りに言っても「何それ?(もしくは誰それ?)」なので言わないだけなのだ。

ローンの組み方を知らないのでというか、かったるいのでなるべく
支払いというものは一括でするようにしている。実は車もマンションも
購入時にローンは組まなかった。別に金があるわけではなく、身の丈に
あった中で払いを済ませただけである。そんなもんだから一括で修理費を
払った後に、通帳残高を見て「未だに貯蓄が無いのはいい歳をして如何なものか」と
自己反省を脳内で繰り返したのだが、家に戻るとHMVで検索を始める体たらく。ああ・・・。
ちなみにローンは一度だけ組んだことがある。実印等を買ったときであるが
3000円の20回払い。(笑)職場に販売に来たセールスのお姉さんの
田舎訛りが可愛らしくて、つい長話をしての所作でありました。

懐がすっかり寂しくなったところに、到着したのが今年復活したFTBの
ライブを隠密録音したCDR。メアドを失ったので返事できないのだけど
楽しんでいることを書いておきます、どうもね。
年齢を強調するところとかシラけるところもあるのだが、3公演聴くと
新旧の曲のバランスもよく、楽しめるツアーだったのがよくわかる。
100人限定のあの日もテープを回した猛者がいたのにも驚き。(笑)
掲載写真を含めてFTBのシングルは2枚しか持っていないのだけど、
所持しているのはジャケット写真の優れた2枚なので、そんなもんでいいかなと
空の財布を見ながらつぶやく秋の夜であった。

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満足の尺度もしくは妥協点の設定ならびに譲歩

2008-10-12 10:59:51 | DAY BY DAY
バカのような意味のないタイトルがついた今回のブログは
テレビで見たスライ&ファミリー・ストーンについて。

復活したスライ&ファミリー・ストーンが来日するというのは、
個人的にかなり大きなニュースだったのだが、特にライブを見たいという
気持ちは起こらなかった。復活以降来日にいたるまでに行われた
幾つかのライブの模様を映像や活字で見る限り、どうも対価に見合わないと
思ったからである。

演奏を見に行った熱心なファンの気持ちをタイトルに表したのだが
まあ、余計なお世話である。いまやネットで検索すればコンサートの
構成とか様々なことが事前にわかるご時勢なので、スライがステージに
いる時間が全体のどれくらいかは了解しているだろうから。
来日公演の中にはテレビで放送された「東京ジャズ」に比べて短い登場時間
だった日もあるようだが。

バンドの演奏は大したものである。曲はおなじみの曲ばかりなので
耳馴染みがある分贔屓目にも聞こえるのだが、かなりまとまっている。
御大が登場してからは、御大の様子(ご機嫌?)を伺いながらなので
こじんまり感があるような気がしたのだけど、それでもよかったのでは
ないかと思う。御大が登場してヒート・アップしたのは観客だけで
曲を演奏するステージ側の磁場が変わったとは思えなかったのだが、
ファンは御大を見る事が出来るだけで満足だったろう。
御大がステージの質を上げているとはとても思えないのだが、
御大抜きの「ザ・ファミリー・ストーン」じゃ、日本では興行にならない
だろうというのも外れてはいない筈。御大を「オプション」と捉えて
ステージを楽しんだファンが一番正しいように私は解釈した。

今回のメンバーにシンシア・ロビンスンがいたのが個人的には嬉しかった。
昔も今も格好いい女性である。
枯れても、ザ・ファミリー・ストーン健在というところか。
スライについては、「怖い」という感想が真っ先に頭をよぎったのだけど。
キーボードに手を載せても弾きださないし、椅子に座ってグルグル回る様は
威容であった、いや異様であった。

後日これもテレビで「L○Z ZEPPELIN」の演奏を見て、笑いがこみ上げてきた。
たまには笑いも必要なのだが、こんなものは私には・・・・。(本当に、笑)

コメント (3)
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KEVIN AYERS / SONGS FOR INSANE TIMES

2008-10-09 22:03:20 | ROCK
ケヴィン・エアーズの4枚組アンソロジーが出た。最初の3枚は
1969年から1980年までのハーヴェストとアイランドでのアルバムと
シングルを中心に組まれている。未発表音源や初CD化音源は無い。
最初の4枚のアルバムは2003年リマスター、「SWEET DECEIVER」は
2005年リマスター、それ以外は2008年の最新リマスター音源が
使われている。「SWEET DECEIVER」が2005年にリマスターされた時に
「夢博士の告白」も同時にリマスターされたのだが、今回のアンソロジーの
表記では2008年リマスターとなっている。多分間違いだと思うのだが(笑)
じっくり聴いてみたい。

リマスターされた時にボーナス・トラックとして多くの曲が収録された
ため、シド・バレット参加の曲があるとか言われても何を今更なのだが
それでも「売り」文句としては有効と言うことだろう。
いろいろな編集盤が編まれているが、ここまで重要な曲を網羅した盤は
なかったので、まとめて聴くには便利ではある。
勿論、未だにここでしか聴けない曲を多く含む「ODD DITTIES(不思議の
ヒットパレード)」の価値は全く下がっていないのだけど。

この4枚組の目玉はディスク4に収録された73年5月25日の
ライブであるのは言うまでも無い。「いとしのバナナ」発表直後のライブで
2003年リリースの同アルバムのライナーには、ハーヴェストが
この日のライブをレコーディングしていたが、精彩に欠いたために
リリースできなかったという内容のことが書いてあった。
結局我々は35年の歳月を経て、この日の演奏を聴くことができたわけだが
実際の内容は素晴らしいものである。ライブ前半の洒脱な感じとはうって
変わってドリス・トロイを含むコーラス隊が重厚さを演出する、後半の
10分を超える大曲2連発に圧倒される。
先のライナーを書いたご本人が、今回のCDのライナーでは「エアーズの
ベスト・ステージの好例」とか「エアーズの経歴のキー・ポイントになる
ドキュメント」とか書いているのが笑えるのだけど。

できれば、このライブだけ単体で発売して欲しかったのが本音だけど
まあいいだろう。黄色いジャケットを見ているだけで幸福な気分になるの
だから。黄色の背表紙はすぐ日焼けするので注意して保管しましょう。(笑)

僕はバナナを食べる君を見るのが好きなんだ・・・。
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腹貸し女

2008-10-08 20:53:30 | 日本のロック・ポップス
ジャックスの発掘音源の登場、と言えば身を乗り出す方は多いと思う。
私もそんな一人なのだが、映画「腹貸し女」用に録音した音源が
7曲の未発表音源を加えてCD化された。
もともとは86年に「REALIZATION」というタイトルで86年にソリッドから
出た音源が、収録曲を変えて東芝から「REMAINS」として出されたもの。
89年にジャックスCDボックスが編まれた際に、両者に1曲を加えて
「COMPLETE REALIZATION」と言う形で組み込まれたのだが、それよりも
曲が増えたわけである。

基本的に歌が入っている音源は一番最初に世に出たものが全てのようで
発掘されたのは全てインストである。
スタジオ・ライブ形式でオーバー・ダビング無し。演奏が未消化の部分や
チューニングの狂いとかもあるのだが、その中でも「地獄の季節」や
「由美子はいない」「お前はひな菊」の録音は貴重だ。
「地獄の季節」はラジオ・セッションが残されているが出来はこちらの方が
上だろう。「由美子はいない」と「お前はひな菊」は他では「LIVE 68'7'24」
でしか聴くことができない。
テンプターズ・カバー「お前に夢中さ」やカーナビーツの能天気な曲の
カバーの意外さにも驚かされる。

新しく発見されたリールから追加された音源では、メロディ・ラインを
サックスがなぞる「敵は遠くに」が妙にエロティックだ。
他のノリのよいインストはいかにも当時のG.S.という感じのものもあるが
ドタバタしたドラムスとつんのめるようなギターに支配された演奏は
ジャックス以外の何者でもないことは熱心な聴き手なら、すぐに了解する
だろう。何れにしろ、ジャックスCDボックスが入手困難であるので
今回のCD化は歓迎すべきもの。未聴の方は勿論、ボックスを所持している
人も購入する価値は十分にある。

映画に関して何も触れなかったのは、私がこの映画を見ていないからである。
一度ビデオ化された際に購入したのは「動くジャックス」が目当てと言う
ただそれだけのためであったのだが、確かにジャックスというか、
早川義夫は写っていたがそれは演奏シーンではなく、瞬きする間にコマが
終わるくらいのほんの一瞬であった。大いに落胆した私はストーリーを追って
映画を見ることなくビデオを処分したのだが、DVDにおとしている筈なので、
これを機会に見てみようと思う。
まずはDVD探しをしないといけないのだけど。(笑)



コメント (4)
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追憶のブートレグ61・ACT36 / SIMON & GARFUKEL

2008-10-07 21:16:08 | ROCK
サイモン&ガーファンクルというのは、ロックを聴き始めた頃の私には
何とも魅力の無い人たちであった。結成当初はトム&ジェリーと名乗っていたとか
S&Gになってレコーディングしたものの大したヒットもせず、後に
プロデューサーがバック・メンバーを揃えてアレンジし直したらヒットして
半ば別の道を模索していた二人が再び活動を軌道に乗せた、なんて話を
読むと、これはどうも格好良くないなと16歳の少年は思ったのである。
二人のルックスや身長のアンバランスさも冗談のように思えたのだ。

FMの特集でS&Gをまとめて聴いた時も印象は悪くなる一方だった。
教育テレビの番組か何かで聴いたような曲(コンドルは飛んでいく)や
暗くしみったれたイントロで始まる(サウンド・オブ・サイレンス)の
どこがいいのかさっぱりわからなかったのだ。
一聴して気に入ったほとんど唯一の曲が「いとしのセシリア」だったのだが
まあ、この曲をフェイバリットに挙げる時点でS&Gに触れる資格は
ないのかもしれないのだけど。(笑)

ところが。それまで意識せず聴いていた、あるいは聴くことを避けていた
「サウンド・オブ・サイレンス」の冒頭の歌詞を何気に聞き取ったとき
事態は変わった。冒頭のフレーズは「Hello,darkness my old friend.
I've come to talk with you again.」である。
ロックは楽しければいいってもんじゃない、バカみたいにギターを弾きまくれば
いいってもんじゃないと思い始めていた時期でもあったので、これは効いた。
対訳を読んだり、自分なりに解釈しようと努めてはみたが
正直なところ今に至るまで、この歌詞の持つ意味を掴みかねている。

「答えは風の中にある」とか「なすがままに」と歌ってくれたほうが
ずっと親切で楽なのだ。答えは風の中になんか無いことに気付くのに時間は
かからなかったし、なすがままの受動態でいるよりも、走らされる前に
歩き出さなければならないという能動的行為こそロックだと感じたし。
「静寂の音」って何だ?。「沈黙の音」って何だ?。
この歌はコミュニケーションの難しさを歌っているとも言われる。
アート・ガーファンクルは「好きなように解釈してくれ」と言ったというが
そりゃそうだ、これはポール・サイモンの曲なのだから仮にアートの解釈が
あったとしても、大木に生えた小さな枝のようなものだろう。

そんなことを思ううちに知らぬ間にS&Gのスタジオ盤を全て揃えてしまった。
今では67年のライブ盤がリリースされたし、スターバックス限定で69年の
ライブ盤もリリースされたが(未入手)、掲載写真のブートレグを手に入れた
時はそんなものは出ていなかったので、ちょっと嬉しかったものだ。
冒頭の「MRS.ROBINSON」に続いて、このツアーでバックを務めるメンバーの
紹介がある。ハル・ブレインやジョー・オズボーン、ラリー・ネクテルらの
名前も既に知っていたので彼らが紹介されるのを聞きながら「経験値が
上がるとはこのことだな。」とニヤニヤしてしまった。(笑)

バンドを引き連れてのライブは初めてだ、とのMCがあるがこのメンバーでの
ライブは今思えば贅沢なものだ。このメンバーは翌年発売されるアルバム
「明日に架ける橋」をレコーディングしているメンバーであるのだから。
従来の彼らに対するイメージと違う演奏を目の当たりにした観客はどう
思ったろう。ラリー・ネクテルのピアノ演奏を中心にアートが歌う
「明日に架ける橋」とポールのギターのみで二人で歌う「サウンド・オブ・
サイレンス」が続けて演奏された時が、一番観客が盛り上がったように
聴こえたのは、私の底意地が悪いからか?(笑)
ブートレグ自体の音質や音のバランスも良く、これぞブートレグの醍醐味
なのだが、それはさておき彼らの音はサイケもニュー・ロックも関係のない処に
流れる清流、ということでここはひとつ綺麗にまとめたい。(笑)

「サウンド・オブ・サイレンス」って何だ?。
ポップ・ミュージック、いや音楽の儚さや無力さについて、思いを
巡らせることにしようか・・・・いや、やめておこう。
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